住民投票で計画が白紙撤回となった旧総合運動公園用地(つくば市大穂、約45ヘクタール)の利活用意向調査について、つくば市は3日開かれた市議会特別委員会(浜中勝美委員長)に、民間企業などを対象に4、5月に実施した意向調査(サウンディング型市場調査)結果を報告した。12社(団体)から計17件の利活用申し込みや提案があったという。
同調査は2017年度に実施したの続いて2回目。2017年度も今回とほぼ同じ13社から申し込みが出された。
市公有地利活用推進室によると、12社の内訳は、ゼネコン、物流不動産開発・管理会社が各2社、不動産デベロッパー、倉庫業、物販、スポーツクラブ、用地開発・分譲、金融業が各1社、ほかに不動産会社などの共同企業体が2社。
活用方法17件は、物流・倉庫施設が3件、市が利用する防災倉庫をつくるなどの防災拠点が3件、産業団地・工業団地が各2件、各企業のデジタル情報を処理・保存するサーバーなどを置くデータセンターが2件、太陽光発電施設が2件、日用品などの複合型商業施設が1件、スポーツツーリズム推進拠点1件、電気自動車の開発研究・実験などの複合施設が1件。
同用地の購入を希望する企業と、借地を希望する企業とでほぼ半々。利用面積は、45ヘクタール全部を利用したい意向もあったほか、4分の1以下の利用などさまざまという。
購入や賃借の場合の金額については、特別委でも質問が出されたが、市は「購入価格等は差し控えたい」とした。
特別委は、今回の意向調査結果を参考資料の一つにして、今後、提言をまとめる。市は議会の提言を踏まえ、利活用策を決めるという。提言をまとめる時期は未定という。
旧総合運動公園用地をめぐっては、2019年3月、五十嵐立青市長が、用地を一括売却する方針を出し、66億円で購入された用地を、事業者1社が40億円以上で一括購入し物流倉庫などを建設する案が出された。しかし、住民説明会で異論が噴出、市議会が調査特別委員会を設置し、民間売却案はいったん凍結となった。その後五十嵐市長は、改選直後の20年12月、一部を防災倉庫にして残りを民間売却したいと発言、翌年2月、3分の1を防災拠点として公共利用し、残り3分の2を民間活用したい意向を市議会に示し、4、5月に2回目の民間企業意向調査が実施された。