花季がボタンからシャクヤクに移った「つくば牡丹園」(つくば市若栗、関浩一園長)に8日、ファン待望のシャクヤク池がお目見えする。6万平方メートルを超す敷地にボタン、シャクヤク合わせて約800種、6万株を栽培する同園、今シーズンは4月17日オープンし、5月23日まで開園している。
花季のほぼ1カ月間だけ開園する会期中、後半のハイライトとなるのが、水面に約8000輪のシャクヤクを浮かべる企画だ。8、9日を皮切りに、15、16日、22、23日の毎週末行われる。
花は、稲敷市のシャクヤク農家で育てられたもので、市場への出荷時期を過ぎた分を譲り受けている。市場へは通常、つぼみの状態で出荷されるが、咲いてしまった分は翌年に備えて花摘みを行う。その作業を牡丹園スタッフが手伝い、園に持ち帰って企画に用いる。
池には竹で組んだかごに花を盛って花いかだを作り、全部で15かごほどを池に流し浮かべる。2018年に3000輪ほどで試行的に行い、翌年は5000輪と数を増やし、昨年は1万輪にまで数を増やした。
コロナ禍に見舞われた昨季は特に4月中、全国的な緊急事態宣言が発出されたことから例年の3割ほどに客足がダウンした。それでもシャクヤク池を待望するファンたちが足を運んでくれたことで、「後半の持ち直しを支えた」(関園長)という。
7日には夕刻、シャクヤクが届き、閉園前に花いかだを組む予定で、雨模様にも関わらず入園のシーズンパスを持つ常連客らが顔をのぞかせた。筑西市の櫻井郁夫さん(65)は「今シーズンはまだ7回しか来ていない。来るたびに同じ場所でも雰囲気が変わるのがだいご味だ」という。
同園の大人入園料は1000円だが、シーズンパスは1800円(ともに税込み)で何回でも利用できる。「昨年の利用は99人だったが、今年は200人を超えた」と関園長。熱心なファンが世界最大級というボタン、シャクヤクの庭園を支える。(相澤冬樹)
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