【山崎実】つくばエクスプレス(TX)茨城空港延伸議会期成同盟会(会長・笹目雄一小美玉市議会議長)はこのほど、今年度事業として玉川明県政策企画部長に対し「茨城空港延伸に関する要望書」を提出した。
TXの県内延伸をめぐっては、大井川和彦知事が2017年12月に策定した「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「県内延伸検討」を明記したことから、地元の小美玉市議会を始め、土浦、石岡、つくば、かすみがうら、行方、鉾田の7市議会議長会が同盟会を設立し、国、県など関係機関連携による調査、研究の着手を要望してきた。
要望書では、延伸ルートの一つとして、一昨年まで6年連続で過去最高の国内・国際線利用者数を更新した「茨城空港ルート」が含まれており、本県の持続可能な成長と関連地域(沿線地域)の交流人口の増加、土地利用・産業振興及び観光振興の向上・実現のため、延伸ルートの検討を訴えている。
具体的には、県総合計画に基づくTX延伸ルートについて、茨城空港への延伸を、県が主体となり、国、関係機関連携による基本調査・研究に早期に着手するよう求めている。
TXの県内延伸問題は、県議会でもたびたび取り上げられ、昨年12月の第4回定例会でも議論になった。大井川知事は必要性を認めながらも、延伸の場合は請願者が建設にかかる費用の全額を負担する「91年合意」をクリアするには、財政力上厳しい条件だとして、「現時点では基本調査を実施する状況にはない」と否定的見解を示した(2020年12月22日付)。
延伸問題をめぐる期成同盟会と県当局とのつばぜり合いは、なおも続きそうだ。