金曜日, 4月 24, 2026
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ニホンウナギ分布の謎、環境DNAで解く 国立環境研など

【相澤冬樹】丑(うし)年の今年、ウナギの生態にスポットを当てた研究が国立環境研究所(つくば市小野川)の亀山哲主任研究員(生物・生態系環境研究センター)らによって報告された。絶滅危惧種、ニホンウナギの分布域を環境DNA解析という手法で推定したところ、ウナギの仔魚、シラスウナギが海洋でどのように運ばれるかが、日本国内の河川における分布を決める主要因になっていると考えられた。

調査には北海道大学大学院の笠井亮秀教授、龍谷大学の山中裕樹准教授らが参加、全国265河川、365地点で環境DNA調査を行い、これまで謎の多かったニホンウナギの分布を調べた。ウナギがどこにどれくらいいるのか、実はよくわかっていないという現状は資源管理上の課題となっていた。ウナギは普段、岩陰に隠れたり砂泥中に潜って暮らしていたりするうえ、「主に夜間に活動するため、捕獲したり見つけることが難しい」(亀山研究員)ためだ。

シラスの輸送経路と一致

環境DNAは生物の糞やはがれた表皮などによって、環境中に放出された生物由来のDNAの総称。研究グループは、調査地点で河川水を数百ミリリットル採り、その水をろ過しフィルター上に捕集されているDNAを抽出する。DNAの濃度から、その環境に生息している生物の量も把握できる。生物を捕獲することなく、統一した手法で生息量を調べることができる最新の解析法という。

その結果、ウナギは関東以西の太平洋側や瀬戸内海、九州西岸の河川で多く生息していることが分かった。一方、日本海側の北陸東北地方、北海道の河川にはほとんどいなかった。

これは南方から海流によって日本まで運ばれてくるシラスウナギの輸送経路をシミュレーションした結果と一致した。気象庁が2020年秋に運用を開始したモデルを用い、ウナギの仔魚に見立てた8万個の粒子を台湾東方の黒潮域に放流し、日本のどの地域に運ばれてくるかをシミュレーションしたものだ。

環境DNA解析(左)とシミュレーションによる分布域

実際にはウナギは、北海道を除く全国の様々な地域で放流されている。そこで都府県別のウナギの放流量と環境DNA濃度を比較したところ、両者はまったく一致しなかった。これらのことから、日本の河川に生息しているウナギの多くは天然のウナギであり、その分布は仔魚期の海洋での輸送状況によって決まると考えられた。

さらに、ウナギの環境DNA濃度が高かった河川は全窒素濃度も高い傾向にあった。これは高栄養環境にある河川ほどウナギの生残や成長が良いことを示している。

全窒素は富栄養化の指標とされ、水質の良し悪しの判断に用いられてきた。かつては全窒素濃度が高いといわゆる「汚れた川」と判断されていたが、近年の水環境改善の取り組みから、日本の河川の水質浄化が進んでいる。研究成果では、全窒素濃度が高い河川というのは、むしろ生産性が高く豊かな河川ととらえた方がよいでのではないか、という見方をしている。豊かな河川にウナギが多く生息していると考えることができるという。

霞ケ浦は未調査

那珂川などの環境DNA調査を担当した亀山研究員によれば「今回は河川の調査で、特に霞ケ浦については調べていない」そうだ。福島第1原発事故に伴う霞ケ浦流域のウナギに対する出荷制限指示は2016年に解除になったが、その資源回復状況などについては分からないという。

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対策必要な下水管 延長600メートル つくば市 八潮市の陥没事故受け特別調査

埼玉県八潮市で昨年1月に発生した道路陥没事故を受けた下水道管路の全国特別重点調査で、つくば市は21日、対策が必要な下水道管路は市内に延長約600メートルあると発表した。いずれも筑波研究学園都市の建設が始まった1970年代につくられた雨水管という。同時期に生活排水を流す汚水管も埋設されたが、今回の国交省調査の対象外という。 対策が必要な雨水管600メートルのうち、原則1年以内に速やかな対策が必要な緊急度Ⅰの管路は延長約100メートル、応急対策を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの管路は延長約500メートルだった。 特別調査は、八潮市の陥没事故を受け、国交省が全国に調査を要請した。調査対象は内径2メートル以上の大口径で、1994年度以前に布設され30年以上を経過した下水管。傷み、腐食、破損、たるみなどの程度や個所数などを調査した。市内では延長約23キロの雨水管が調査対象となった。昨年7~12月、調査員が雨水管内に入って管内の状況を目視で調査、今年1~2月に調査結果を診断した。一方汚水管については内径2メートル以上のものはなく、今回の調査対象にはならなかった。 調査の結果、対策が必要だと分かった延長約600メートルの雨水管の管路に軽微なひび割れなどが認められたが、土砂の堆積など道路陥没につながるような緊急性の高い異常は確認されなかった。市下水道工務課は、今回調査対象となった雨水管は、汚水管のように硫化水素が発生し腐食しやすい環境にないため、道路陥没のリスクは比較的低いとしている。 今後の対応として市は、1年以内に対策が必要な延長約100メートルについては、空洞化調査などの詳細調査をし、来年2月までに対策を実施するとしている。5年以内に対策が必要な延長約500メートルについては2031年2月までに対策を実施する。修繕完了までに一定期間を要することから、路面巡視などを適宜実施し、陥没の予兆となる道路異常の早期発見や事故防止に努めるとしている。 一方、内径が2メートル未満のため今回の調査対象にならなかった汚水管については、市の第1期(2019~23年度)ストックマネジメント計画で、延長3100メートルについて修繕対応が必要とされ、23年度までに1900メートルの修繕を実施してきた。現在実施中の第2期計画では、第1期で積み残した1200メートルと新たに判明した分を合わせた5700メートルについて対策を実施するとし、初年度の24年度末時点で220メートルについて修繕を実施したという。 県が管理する流域下水道の管路については、つくば市内などに布設されている霞ケ浦常南流域下水道の管路は、対策が必要な箇所は無かった。土浦市などに布設されている霞ケ浦湖北流域下水道については、原則1年以内の速やかな対策が必要とされる緊急度Ⅰの箇所が延長6メートル、応急措置を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの箇所は延長71メートルあった。