【山口和紀】自動運転の一人乗りロボ「ラクロ」が25日、新治公民館(土浦市藤沢)近くの公道に沿う歩道をかっ歩した。つちうらMaaS(マース)の実証実験の一つとして行われた。コンパクトな車体に、自律移動に必要なセンサーやデバイスを搭載したロボットで、最高速度は時速6キロ、ちょっと速足気味に走行する。バス停から自宅までのラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティーとして活用が期待されている。
ラクロを開発するZMP社(東京都文京区、谷口恒社長)事業部長の龍健太郎さんは「ラクロは人間社会に溶け込むロボットとして開発された。状況に合わせて様々な感情を表現することができ、ただ人を運ぶだけの無機質なロボットではない」と語る。
「ラクロには喜怒哀楽それぞれに3段階の感情表現があり、計20パターンの表情がある。目の前に人がいるときには立ち止まり、サウンドと音でコミュニケーションをする」という。実証実験では状況に合わせて「通ります」「道を開けてください」などと発声していた。
将来的には、スマートフォンのアプリなどでラクロを自宅前などに呼び出し、バス停まで自動で乗客を乗せていくという使い方が想定されるという。実際に東京都中央区ではZMP社が、ラクロのシェアリングサービスを行っている。現在は、月に1万円でラクロ乗り放題のプランや10分で370円の時間制サービスなどがあるそうだ。アプリでは、目的地や日時を入力することで簡単に利用できるという。

大きさは長さ約119センチ、幅66センチ、背もたれの高さ109センチ。ラクロは法律上、歩道を走行するシニアカー(電動車いす)のサイズに準拠する。そのため、日本中どこの歩道であっても走行することができる。
搭載されたコンピューターが自律的に判断をする「自動運転」については、法整備が十分に追いついていない。龍さんは「自動運転で走行することには法律上何ら問題はないが、現在は警察庁などと協議を行いながら事業を進めている状況」と説明した。
ラクロには「頭」の部分に360度の距離を測るレーザー測定器、前方の状況を認識するカメラが搭載されている。客席側にはタブレット端末が装着してあり、目的地までの地図情報や、時間などが表示される。1人乗り専用で、最高速度は時速6キロ、隣の人と歩調を合わせて移動できる。ジョイスティックなどによる操作は一切必要なく、自律的に走行する。リモコンによるマニュアル走行も可能だ。目の前に障害物がある場合には、回避するか立ち止まり、障害物が無くなりしだい自動で走り出す。
実証実験でラクロに乗った男性(つくば市在住)は「思ったよりも速かった。乗り心地は快適で、なにより表情と声がかわいいと思った」と話していた。