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新治コミバス運行実験スタート つちうらMaaS

【池田充雄】観光客の周遊促進や市民の移動手段確保を目指すつちうらMaaS(マース)実証試験のうち、土浦市新治地区でのコミュニティーバス運行実験が22日から始まった。ワンボックス型の8人乗り車両2台を使い、3月11日までの間、前後期で運行形態や乗客認証方式を変えて実施する。運行時間は午前10時~午後4時、運賃は無料。

前期は時刻表に基づき運行

2月22日から3月2日までは、所定のルートを時刻表に基づき運行する。高岡・田土部方面と沢辺・田宮方面の2ルートがあり、バス停の数は合計29カ所。各ルートを1台の車両が受け持ち、おおむね40~45分間隔で回る。

運行ルートの設定やバス停位置の選定には、スマートフォンの位置情報から抽出した「流動人口データ」を利用。住民の移動需要を予測し、人の移動が多いと思われる区域を割り出した。データからは、土浦方面への住民の移動欲求が高いことも確認できた。旧国道125号の上坂田-藤沢十字路間には、土浦駅を発着する路線バスが1日30往復ほど運行しているため、それらとのスムーズな接続を図ることで、土浦へのアクセスを高めるとともに、路線バスが通らない区域をコミュニティーバスが高頻度で回れるようにした。

後期は自由で効率的な運用

3月3日から11日までは、オンデマンド乗り合い方式の運行になる。利用者がインターネットか電話で、乗降場所(バス停名)と乗車人数を伝えると、AI(人工知能)が即時に最寄りの車両を選び、最短時間で配車する。1時間前とか前日といった事前の予約ではなく、直前の申し込みで大丈夫。配車予定時間も教えてくれる。オンデマンド方式の場合、バスは必ずしも既存ルートにはこだわらず、指定したバス停間を最も効率的な経路で走る。相乗りに際しても、柔軟なコース変更で対応するという。

このほか今回の運行実験では、乗客を対象とした認証実験も同時に行われる。前期はマイナンバーカードを使った認証で、後期は顔認証を用いる。将来はこれらの認証システムが、運賃の自動支払いや、登録者限定の運賃割引など、さまざまなサービスの提供につながるはずだ。

「新治バス」の教訓生かす

土浦市では2011年にもコミュニティーバス「新治バス」の試験運用を行ったが、このときは利用低調により2年半で廃止となった。新治地区全域をカバーする長い距離を走るため便数が少なく、待ち時間も長いという弱点があった。

だが今回はビッグデータの活用により、移動需要が多い区域を選び、なるべく小回りに走ることで、より細かい需要も拾えるようになった。またコミュニティーバスだけで完結するのではなく、路線バスのほか電動キックボードや自動運転ロボットといった小型モビリティーなど、複数の交通システムを組み合わせることで、効率化を図りつつきめ細かなサービスが提供できると期待されている。

新治コミュニティーバス出発式での記念撮影

つちうらMaaS推進協議会の関東鉄道、廣瀬貢司取締役は「高齢化や少子化が進む中、地方の移動手段確保はますます難しくなっている。多様な組み合わせから最適なものを考えていきたい。ぜひ多くの方に利用していただき、ご意見をうかがいたい」と語る。

22日の運行初日、第1便には高岡・田土部ルートで1人、沢辺・田宮ルートで3人の利用客があった。ショッピングセンター「さん・あぴお」のバス停から乗車したという20代の男性は「いろんな集落の中をぐるぐる回るので、新たな需要が見付かるのでは。免許返納した高齢者などに便利だと思う」と感想を述べた。

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