【鈴木宏子】利活用方針が決まらないまま塩漬けとなっているつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)の利活用について調査検討する、市議会調査特別委員会(浜中勝美委員長)が3日、改選後の全市議をメンバーに再スタートした。
同用地の利活用をめぐって、五十嵐立青市長が昨年12月、TBSテレビ「噂の!東京マガジン」にリモート出演し「一部は防災倉庫に活用して残りは民間に売却したい」などと発言したこと、さらに市陸上競技場整備基本構想策定検討会議(座長・萩原武久つくば市スポーツ協会会長)が今年1月「上郷高校跡地の方が(旧総合運動公園用地よりも)コスト、事業進ちょく速度面で優れている」などとして、同高校跡地を候補地とする基本構想案をまとめたことなど、改選前の昨年9月に同特別委が中間報告をまとめた時と状況が変化していることなどから、次回、2月中旬ぐらいに開催予定の特別委で、五十嵐市長や市執行部の考え、財政状況などを聞くことから調査を始めるとした。
陸上競技場については、改選前の同特別委が旧総合運動公園用地の公共利用の選択肢の一つとして挙げていたのに「先に(上郷高校跡地に)引っ張って(旧総合運動公園用地での検討を)閉じられてしまった」「上郷高校跡で進んでいるのはおかしいと感じる」などの意見が出た。一方「(市が検討することの)足止めをしてしまうのはどうかと思う」との意見もあった。
テレビでの五十嵐市長の発言については「市長として、一括売却したいという考えとずれが生じており、今一度、考えを聞きたい」「(改選前の特別委でも)防災機能を備えた公共施設という考え方があったが、そういったことについて説明が必要」などの意見が出た。
今後の進め方としては、作業部会をつくったり、委員によるワークショップを開いて合意形成を目指すなどの案が出された。提言書をまとめる時期については、今後さらに協議する。
同用地の利活用をめぐっては、2019年3月、五十嵐市長が民間に一括売却する方針を発表し、66億円で市土地開発公社が購入した同用地を民間事業者が40億円以上で購入し、物流倉庫や商業施設などを建設する提案をした。しかし住民説明会で異論が噴出し、市議会はこれを受ける形で特別委員会を設置し、判断は議会に委ねられた。しかし議会も方向性を打ち出せないまま改選となり、結論が持ち越されていた。