【川端舞】生活困窮世帯の子どもに学習支援を行う「無料塾」を運営するNPO法人「居場所サポートクラブロベ」(つくば市島名)が、不要になったパソコンやタブレット端末の寄付を募っている。発達障害などがある子どもたちに貸し出すほか、今後新設する障害児向け放課後デイサービスでも、パソコンやタブレットを使った学習支援を行う。
現在、無料塾に通っている子どもは3教室併せて小学生から高校生までの85人。そのうち、発達障害や外国人児童など読み書きに難しさを抱える子どもは45名程度いるという。
タブレット教材に集中
無料塾ではタブレットを1台、ノートパソコンを5台保有しており、読み書きが難しい子どもたちのうち、小学生にはタブレットを、中高生にはパソコンを貸し出している。理事長の森美智子さん(54)は「通常の教材だと興味を持てず、すぐに遊んでしまうが、タブレットの教材だと集中力が続く」と話す。
タブレットの台数を増やしたいと思い、民間の助成金事業に応募し、パソコンのみ寄付を受けた。それでも不足するため、一般家庭から寄付を募ることができないかと考えた。パソコンとタブレット、それぞれ10台追加できれば、必要な子どもに貸し出せるという。寄付されたタブレット等には、ゲーム感覚で学べる教材ソフトを入れる予定だ。
緊急事態宣言で施設が休館
県独自の緊急事態宣言が出ている現在、無料塾で使用している施設が休館になり、オンライン授業に移行せざるを得なくなっている。受験間近だが、通信機器がないためこれまで受けていた支援を受けられなくなった生徒もいる。
今後、オンライン授業がいつまで続くか分からないため、寄付されたタブレットやパソコンをオンライン授業にも利用したいと考えている。
放課後デイサービスでもITプログラム
また同会では、放課後や学校休業日に障害児を預かる放課後デイサービスを来月から新設する。
無料塾を運営する中で、発達障害のある子どもや不登校の子どもを支援することも多い。週1~2回の無料塾だけでは、彼らを十分に支援できないと感じ、対象を障害児に限定した学習支援を行いたいと考えた。
ITを使いこなせるようになるプログラムも取り入れる予定で、住民税非課税世帯にはタブレットやパソコンを貸し出す予定だ。
◆寄付を受け付けるのは、Wi-Fiが使用でき、教材アプリケーションがダウンロードできるタブレット端末やノートパソコン。寄付は直接、同会事務所に持参してもらうか、郵送で受け付ける。問い合わせはロべ(電話029-886-9318、メールinfo@robe-npo.org)へ。