【山口和紀】センター試験に代わって今年度から導入された大学入学共通テストが16日始まった。17日まで2日間にわたって行われる。年末年始を境に県内でも新型コロナウイルスの感染者が急増、県独自の緊急事態宣言が前日に発令される異例の状況下での実施となった。筑波大学(つくば市天王台)会場で受験する学生は、志願者が前年より約170人減少し6428人が志願した。1日目に実施された外国語は5716人が受験した。
感染防止対策として、受験生にマスク着用が義務付けられ、アルコールによる手指消毒の徹底、一科目終了ごとの可能な限り長時間の換気などが行われる。昼食は自席でとる。また同大は大規模な試験会場であるため、試験終了直後、受験生が一斉に出入口に集まらないよう退出を数回に分けるという。
受験生同士の横の間隔は例年通り、カンニングなどの不正防止のため2メートルほどあるが、前後の間隔は狭い。座席の間隔に関しては、大学入試センターからの通知(昨年11月)にガイドラインが示されている。座席の間隔について「なるべく1メートル程度の間隔を確保する」とされる一方で、「もともと不正防止の観点から座席間の距離が確保されて」いるため「追加的な対応は不要」との見解が示されている。
試験のために用意された教室は、前年度より6室増え、153室となった。同大の担当者によると、筑波学院大学試験場が今年度から廃止され、県立竹園高校試験場が新たに設置された。配慮が求められる障害のある受験生が増加したことが試験室微増の理由だという。
16日、同大の試験官の中には、マスクの上に透明なフェイスシールドを着ける大学教職員らも複数いた。
つくば市の高校3年、中村かれんさんは「(試験会場について)コロナは怖いし不安だけど、勉強のことで頭がいっぱいであまり考えられない。受験生としては、マスクと消毒以外にはできることがない気がする」と試験前日、NEWSつくばの取材に対し話した。
今年の共通テストでは受験生が、新型コロナウイルスの感染拡大により長期休校などを余儀なくされ学習が遅れた場合、2週間遅い30、31日に実施される第2日程の追試験を選ぶことができる。大学入試センターは、体調が万全でない時は無理せず追試験の申請をすることを呼び掛けている。