日曜日, 9月 13, 2026
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史上最長! ナノサイズのネコジャラシ 物材機構など合成に成功

【相澤冬樹】物質・材料研究機構(NIMS、つくば市)は9日、理化学研究所と共同で、史上最長のボトルブラシポリマーの合成に成功したと発表した。イネ科植物エノコログサの花穂「ネコジャラシ」 に似た形状の高分子材料で、従来の合成で致命的欠点だった長さや化学的性質の多様性の制約を大きく改善した。これにより、柔軟性と低摩擦性を有する高分子材料などへの応用が期待されるという。

今回の成果は、NIMS機能性材料研究拠点の山内祥弘独立研究者と理研創発物性科学研究センターの石田康博チームリーダーらの研究チームによる。

史上最長といっても、その長さはナノメートル(μm=10億分の1メートル)オーダー。カーボンナノチューブに代表される1次元ナノ材料は、サイズや性質の調整など合成上の課題があった。従来の合成法では原料となるモノマーの反応性や微量不純物の混入などの課題があったため、伸長可能な長さは1μm強が限界で、数μm長の合成法が求められていた。

そこで研究チームが注目したのが、ボトルブラシポリマーという新たな高分子材料。モノマーが多数結合した高分子のことをポリマー(重合体)と呼ぶ。ボトルブラシポリマーは1本の主鎖と複数の側鎖からなり、それぞれの構築用に2種類の重合体を用意、側鎖の選択によって様々な化学組成を持った高分子の設計が可能となる。

この合成により出来上がったネコジャラシは長さ7μmまでに到達、これまでの最長値と比べて約3.8倍の長さに相当した。さらに2種類の重合法を組み合わせることで、主鎖の長さは維持しつつ4種類の側鎖を持つボトルブラシポリマーを作り分けることにも成功した。

今回の成果は、長さや直径サイズや化学的性質の制御された様々なボトルブラシポリマーの合成を可能にする。ボトルブラシポリマーは、表面にコーティングすることで低摩擦面を実現し、例えば機械可動部の摩擦によるエネルギー消費の削減に繋がると期待されている。今後、ボトルブラシポリマーの長さを生かしながら、3次元網目構造にすることで、安定かつ柔軟な材料としてソフトコンタクトレンズや人工軟骨への応用が期待できるという。

NIMSの山内祥弘研究者は先に、ハリセンボンに発想を得た高耐久超撥水材料の開発も手掛けている。

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