土曜日, 1月 23, 2021
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《吾妻カガミ》95 つくば市長の「上から目線」

【コラム・坂本栄】民間会社の場合、株主や顧客に業績や商品について理解してもらう仕事を広報と呼び、企業活動にとっては大事な分野です。公の市政の場合、その対象は市民になりますが、10月に再選された市長の五十嵐さんは、選挙活動の中で市政への理解不足を痛感したらしく、2期目では広報に力を入れるそうです。

その意気込みについては、11月の会見記事「発信の在り方 根本から検討」(11月5日掲載)をご覧ください。理解不足の例として、①市のかなりの取り組みを知らない市民が多かった②対抗候補も市の基本的な取り組みすら知らなかった③市政について相当いい加減なことを書く人もいた―などを挙げ、「市民が必要としている情報をどうやって届けられるか、あらゆる手段を考えたい」と述べました。

広報の充実はメディアも大歓迎です。でも、市民の理解不足を嘆き(平均的な市民が市政の詳細を知るのは無理)、対抗候補を見下す(彼らは無投票を避けようと急な準備で出馬を決断)ような、「上から目線」はいただけません。また、観察者(開示情報を基に市当局とは違った視点でチェック)を煙たがるようでは、度量が狭すぎます。

施策を立案・実施する市長がその内容に精通しているのは当たり前ですから、自分との比較で、①②③の方々の理解度にブツブツ言うのはいかがなものでしょうか。

広報は「自然体で」「虚偽はダメ」

経済記者が長かった私は、上場会社の広報責任者から広報の在り方についてよく相談されました。旧財閥系企業の広報コンサルタントが主催するセミナーでも、よく講演させられました。そういった際には、「自然体で対応する」「ウソをつかない」ことが大事とアドバイスしたものです。別の言い方をすれば、装飾や虚偽はいずればれる、そのとき会社は信用を失い、経営が危機に至るケースも―ということです。

行政広報と企業広報は同じではありませんが、「自然体で対応する」「ウソをつかない」は受け手が誰であろうと同じです。そして大事なのは、「広報の方法」ではなく、「広報の中身」であることは言うまでもありません。テクニックにこだわると宣伝臭くなり、信用されなくなります。

「NEWSつくば」は5月、市長と日本財団理事長の面談録(新型コロナ軽症者施設を市内の同財団敷地に設置する件)を開示するよう市に請求しました。6月9日付の回答は「存在しない」でしたが、25日にその旨を記事にしたところ、30日になって「発見された」と修正してきました。虚偽がばれると思ったのでしょうか? その詳細は本サイトの記事(7月29日掲載)をご覧ください。

五十嵐さんは市長選の討議資料で、1期目を「9割以上の公約が達成もしくは順調」と自己採点しています。これに対し、本コラム(10月19日掲載)では「総合点は60点以下」と判定しました。選挙向けとはいえ装飾はいけません。市報でも、市HPでも、SNS発信でも、報道対応でも、広報は虚偽と装飾を排し、自然体でお願いします。(経済ジャーナリスト)

9 コメント

9 Comments
フィードバック
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名無しの市民
1 month ago

私の中では、自分の考えが通らなかったからといってクレオ再生計画を投げ出した時点で0点です。粘り強く交渉するとか、計画を練り直すとかできない人なんだと思いました。

通りすがり
1 month ago

一般市民が市政の詳細を知らないのは仕方ない、というのは同感ですが、対立候補が現職市長を批判するのに市政を知らないのはダメでしょ。急な準備で出馬を決断したからよく知らないまま現職批判?それが許されるとでも?それこそ事実に基づかない批判で、対立候補から苦言を呈されてもそれが「上から目線」とは思いません。まぁ、これはコラムだから筆者の主観で書いても文句言うな、って事なのかもしれませんが。それこそ上から目線なコラムでいただけないな、と思ったのが私個人の感想です。

sakae.sakamoto
1 month ago
返信する  通りすがり

私の「上から目線」、意識的にそうしております。コラムですから少し視点を上げる必要があります。しかし、現職が対抗馬に同じ知識を求めるのはいかがでしょうか? 勝者の奢りを感じて挑戦者のハンデフィキャップに同情した次第です。

つくつく
1 month ago

60点以下の話引きずってるんですね。
採点方法が雑すぎて現市長のガバガバ達成自己評価の方がマシに見えます。

通りすがり人
1 month ago

対抗候補の言い分嘘八百凄すぎる、、というか、こんなの公開して良いのか?これ訴えられても良いんじゃないの?と言うものもあったと思っていたので、ごく普通と思います。というかそれを自分達の広報が足らなかったと、反省に繋げてることの、何が上から目線なのか、この記事こそいちゃもんではないですかと思ってしまいます。

一つくば市民
1 month ago

そもそも市制に大変な関心を持つ文化が日本に根付いていないと思う。それは五十嵐市長の責だけでは無いだろう。上から目線と言えなくもないが市民の関心なんて全国どこもこんなところでしょう。
ところで私は生活インフラやその他つくば市が解決できることは度々メールしている。その都度丁寧なお手紙による返事も頂きすぐに実行してくれることもあるので助かっている。私はその点からも市民と向き合ってくれているなと感じているが…。

名無しの市民
1 month ago

懲りずに開示請求時に不存在とした面談録が後から出てきた話を書いていますが、面談録の内容を報じないから、単なるミスか故意に隠したか判断できません。

おそらく内容を報じないことから想像するに、隠すほどの内容ではなかったのでしょう。
そうすると、単なるミスである可能性が高いですが、NEWSつくばでは市長の批判材料として、不存在とした資料が後から出てきたという事実のみを報道していると考えざるを得ません。

名無しの市民
1 month ago

かくいう五十嵐市長も、初当選の選挙では「総合運動公園の用地は、URに買い戻してもらう」とアピールしていましたが、URに買い戻させてチャラにすることは最初から無理でした。
当時、現市政(市原市長)の批判者であった五十嵐候補が、URの土地買戻しができない仕組みになっていたことを知らなったようです。
五十嵐市長も、対立候補の勉強不足を批判するのは、やはり思い上がっていると感じます。

名無しの市民
1 month ago
返信する  名無しの市民

こういう現市長を批判する内容を言ったりすると「前市長が悪い。現市長は尻ぬぐいしてるんだ!」と擁護する輩が湧いてくるけど、いつまで後ろ向いてんだよって言いたくなる。2期目になってもそれじゃ、いつまで経っても解決しないだろうね。

キャッチコピーだけは「世界のあしたがみえる」なんて前向きなのにね。一番後ろ向きなのは現市長支援者じゃない?真面目な話。

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