土曜日, 2月 28, 2026
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《食う寝る宇宙》72 「自助」「共助」が大事!「防災国大」に参加

【コラム・玉置晋】10月3日、防災推進国民大会(通称:ぼうさいこくたい)というイベントに参加しました。名前の通り、一般~専門家向けの防災を学ぶことができるイベントです。

僕は太陽フレアなどで、将来、社会インフラなどに甚大な影響を与える可能性がある宇宙天気災害に興味があって、大学院で研究をしています。そのため、地震や水害といった僕らがすでに被害を被っている災害の研究動向や社会の対応状況を勉強しておきたいと考えています。そこで、大学の先生から、このイベントをご紹介いただいたというわけです。

様々な講演を聴いて気になったのは、自分で守る「自助」、みんなで守る「共助」、国や自治体による行動「公助」の3つの「助」が必要だということを、皆さん述べておられた点です。

自助や共助は、僕ら自身のアクションになるけど、イザというときの備えができているかといえばちょっと自信がない。本コラムでは宇宙天気防災研究者という肩書になっていますが、本人の防災意識を問われると、ちょっとつらい。

本イベントの参加レポートは大学院の授業単位にも考慮されるそうなので、ちょっと本気で聴いています! 今年はオンラインで開催されており、発表の動画(https://bosai-kokutai.com/)はアーカイブされています。みなさんもよかったらいかが?

宇宙天気はどのような影響を及ぼすか?

最近の災害関係のトピックスがもう一つ。宇宙天気防災関係です。10月7日、情報通信研究機構(NICT)さんが「太陽フレアなどの宇宙天気による社会への影響と評価~宇宙天気は日本にどの様な影響を及ぼすか~」と題するプレスリリース(https://www.nict.go.jp/press/2020/10/07-1.html)を出されましたので、注目です。

ポイントは、

  • 「科学提言のための宇宙天気現象の社会への影響評価」を作成・発表
  • 大規模な太陽フレアが発生しても、地上での「健康」への影響はほぼないことを確認
  • 各事業者が適切な対応策を取ることで宇宙天気現象に対して社会的な強靭(きょうじん)性が増すことを期待

―とのことです。

太陽活動が主な源である宇宙天気による災害はまれであるものの、一度発生すると広範囲で大規模に影響を与えることが知られています。でも、どれくらいの規模の現象がどれくらいの頻度で発生するかなど、社会への影響の定量的な議論は十分ではありません。

プレスリリースにも書かれていますが、この状況は「宇宙天気予報の警報を発信しても、そのために備えをどのようにしたよいのかについての指針がなく、その結果、ユーザは過剰な心配あるいは無関心に陥っていた」という現状につながっています。

ポストコロナ時代においては、宇宙天気の影響に対策が必要な自動運転やドローン物流が注目を浴びてくるでしょうし、数万機の小型衛星による通信網の構築はもう間近です。

「各事業者が適切な対応を取ること」で、災害レベルの宇宙天気現象に対して、正しい知識が普及し、社会的な強靭性が増すと期待されていますので、よろしくお願いします。つまり「自助」「共助」でございます。(宇宙天気防災研究者)

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早期離床・急性期リハビリテーション《メディカル知恵袋》14

【コラム・齊藤久子】近年、集中治療室(ICU)において、重症患者さんに早い時期から積極的に離床を進め、体を動かしていくことが、集中治療後症候群(PICS)の予防、日常生活動作(ADL)の改善、長期的な生活の質(QOL)の向上に役立つとして、多職種で取り込む標準治療として普及してきました。今回は、早い時期から体を起こしていく早期離床、急性期のリハビリテーションについて紹介します。 安静臥床の問題 皆さんは、重症な病気やけが、大きな手術をした後は体を横たえてゆっくり休み、あまり動かないでいることが大事だというイメージをお持ちではないでしょうか? もちろん、病気やけがの状態によっては安静に臥床(がしょう)していることが必要ですが、安静臥床のデメリットもあります。 安静とは、無動・不動あるいは低活動の状態、臥床は身体の長軸方向に重力負荷がかからない状態を意味します。使わない、動かさないことで筋量減少、骨密度低下、関節拘縮(こうしゅく)が起こり、転倒のリスクが増えます。循環血液量の減少、血圧調整の低下が起こり、起立性低血圧や深部静脈血栓症を生じやすくなります。肺活量が低下し、下側肺に痰(たん)がたまり肺炎を起こしやすくなります(表1)。 ICUの重症患者に起こりやすい問題 ICUの重症患者さんは安静臥床以外に、重症な病態や、治療のための呼吸器装着、薬剤投与などが複雑に関与して筋力低下が起こることがあり、ICU獲得性筋力低下(ICU-AW)といいます。原疾患に関係しない左右対称性びまん性筋力低下でICU重症患者さんの30~80%に認められ、原因は多要因ですが、不動も一因なので予防に早期離床も有用です。 またICUの患者さんは身体の問題だけでなく、認知やメンタルヘルスの問題も生じやすいです。PICSは、ICU在室中あるいは退室後に生じる身体機能、認知機能、メンタルヘルス問題の総称で、患者さんの長期予後のみならず家族のメンタルヘルスにも影響を及ぼします(図1)。人工呼吸管理、鎮静、せん妄、筋力低下等が各々悪影響を及ぼし合い人工呼吸管理が遷延するとPICSを生じやすいので、予防には可能な範囲で自分の呼吸を促し、深く眠りすぎないよう、コミュニケーションをとるように努め、早期運動療法を行うなど多方面の介入が必要です。 早期離床・急性期リハビリ 運動療法は横になっていても行えるので、離床が困難な患者さんに対しても関節を動かして拘縮を予防したり、筋力を維持する訓練を行います。離床を進める時はベッドのヘッドアップから始めて端坐位、立位、歩行と進めていきます。 重症患者さんで、多くの医療機器を使っている場合や血圧や呼吸が安定しない場合はリハビリを行うことで危険が生じないよう、患者さん一人ひとりの病態の把握、安全に実施できるかの判断、心配なことが生じた時の中止基準などを慎重に確認しつつ十分な人数のスタッフが協力して行います。早期離床を進めていくためには、可能な範囲で鎮静を浅くして、患者さんとコミュニケーションをとり、適切な栄養管理を丁寧に行うことも重要です。 ADL、QOL向上へ 体を起こすことが最終目的ではないので、日常生活動作ができるよう、病態を評価し、動作練習を行います。嚥下の評価や認知機能評価も行い、経口摂取を進める判断や訓練、コミュニケーションをとる工夫も大切です。 家族が原疾患の病状理解とともに、リハビリテーションの現状や目標を理解し、可能な場合はリハビリに参加することも重要で、患者さんが安心してモチベーションを保つことにつながります。患者さんも家族も大きなストレスを抱えていることは当然ですし、家族は時に経済面や他の家族の問題を抱えていることもあるので家族のサポートも必要です。 このように重症患者さんの離床は、医師、看護師、リハビリテーション療法士にとどまらず、管理栄養士、臨床工学技士、薬剤師、医療事務、公認心理師、ソーシャルワーカーなど多職種が協力し、患者さん、家族と十分コミュニケーションをとってすすめていくことなのです。 重症患者さんが病気やけがを克服し、安静臥床やICU入院によるデメリットを最小限にし、長期的にADL、QOLを向上できるよう、多職種で連携しながら、サポートしてまいります(図2)。(筑波メディカルセンター病院リハビリテーション科専門部長)

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駅の1時間《短いおはなし》48

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パブコメを「儀式」にしないために《水戸っぽの眼》10

【コラム・沼田誠】国において、SNSでパブリックコメント(意見公募)実施を告知している案件は全体の5%未満に過ぎないー。産経新聞に掲載された山田太郎元デジタル政務官の調査記事を読み、つくば市と水戸市のパブコメはどうなっているか気になりました。そこで今回は、両市の2024(令和6)年度実績を比較したいと思います。 つくばと水戸を比べると… 市民への「見せ方」には明確な差がありました。つくば市は15案件を実施し、延べ107人から439件の意見を得ています。「生物多様性つくば戦略(案)」には81件(13人)の意見が寄せられています。専門知識を持つ市民が多い土地柄もあり、行政案に対して科学的な裏付けを求める市民が多いことがうかがえます。 また、パブコメ一覧ページは、各案件の概要から「結果」までが簡単にたどれるよう整理されています。 これに対し、水戸市の募集数は33案件に上ります。しかし、一覧表を開くと、「結果の詳細については担当課へ問い合せください」という記載が目立ち、意見提出0件も散見されます。情報が見つからない、あるいは担当課に問い合わせる必要がある、という時点で、市民による意見表明の機会が「参加コストの高い閉ざされた手続き」に映ってしまいます。 SNSを活用する周知方法 SNSを活用した周知についても、両者に差が見られました。公式Xで“意見募集/意見公募”などで検索した範囲では、つくば市の公式アカウントでは「つくば市下水道事業経営戦略(案)」を除く全ての案件の告知が見つけられました。 一方、水戸市の公式アカウントでは、同条件では昨年度分のパブコメ告知を見つけられませんでした。ただ、検索仕様上の見落としや、投稿が削除された可能性はあります。これが事実であれば、かつて水戸市の広報を担当していた立場として、パブコメをSNSで必ず告知する手順を整備すべきだったと、反省せずにはいられません。 ただ改善の芽もあります。例えば「水戸市こども計画(案)」のパブコメでは、「さまざまな子育て支援制度などがあるが、ネットで探すのは困難である。水戸市のHPでは情報や答えを見つけることができない」との住民からの指摘に対して、市側が「子育てに関する情報につきましては(中略)SNSや子育て支援アプリ『みとっこ子育て応援アプリ』など、各種媒体を活用し、…広く発信してまいります」と回答しています。 このように、情報発信に課題意識を持つ部署や職員が増えていけば、パブコメ告知についても、自ずと改善が進むと思います。 行政が見落とした視点を掘り起こす 重要な施策において、行政はパブコメに先立ち、有識者らを集めた審議会を開くことが通例です。委員の選び方や、議論の実質などはさておき、審議会も経てやっとまとめられた案に、一般市民の意見で修正を加えるのは、実務者にとって心理的・手続き的なハードルが高い面もあるでしょう。 ともあれ、パブコメ(審議会も)が「行政案の追認」という、アリバイづくりに陥るリスクは常にあると言わざるをえません。しかし、パブコメは本来、形式的な手続きではありません。行政が見落としていた視点を掘り起こし、議会に対してより質の高い、吟味された議論の素材を提供するプロセスです。 パブコメを単なる「儀式」にしないため、行政機関はその実施を積極的に公開し、それに対して住民の側は意見を出し続ける―そうした地道な積み重ねこそが、地域をよりよくする土台となるのではないかと思います。(元水戸市みとの魅力発信課長)