【相澤冬樹】土浦一古い、とされるランプ(傾斜路)付きの「立体交差」が5日、供用を再開する。土浦市下高津の国道354号高津橋の新橋が完成、同日朝、迂回路の仮橋から切り替えられる。同時に橋梁の下部をくぐる県道土浦坂東線(都市計画街路・宍塚大岩田線)から354号上り方面に左折登坂する斜路も開通し、4年ぶりに立体交差本来の形に戻ることになった。
高津橋は橋長22メートル、国道6号として開通した1934(昭和9)年に立体交差で架けられた(※メモ参照)。交差する県道は、旧中家村(1937年土浦町に編入合併)時代には「根崎道」と呼ばれた幹線道路。土浦学園線(県道土浦境線)が開通するまでは、筑波研究学園都市の建設などで人や資材を運ぶ動脈となった。
しかし県道は狭小で歩道も無く、交差点には右折レーンが無いためしばしば渋滞が発生した。高津橋とは3.3メートルの高さ制限がかけられており、車両の円滑な交通に支障を来たしていた。

宍塚大岩田線は拡幅整備
このため県は13年度から、土浦坂東線交点より東側に延長362メートルの都市計画街路宍塚大岩田線を事業化。これに合わせ、16年度から迂回路の仮橋を設置して、高津橋の架け替えを一体的に進めてきた。
橋梁下部の基礎工で、新工法の「回転杭工法」を採用して、市街地内の施工時の悩みの種である騒音・振動問題に取り組むなどしている。
県土浦土木事務所によれば、新橋に切り替える際、4年間遮断していた上り方面への左折斜路も新しい舗装で復活させる。仮橋の撤去工事は昼間、交互通行規制を講じるなどして進め、秋には撤去を終えたい考え。県道土浦坂東線(宍塚大岩田線)は幅員20メートル、右折レーンも持つ歩車道区分の道路に拡幅された。今後沿道の環境整備を行い、年内に事業を完了させる構えだ。特に開通式などの行事は計画されていないという。
- ※メモ 本堂清さんは「土浦町内ものがたり」(1989年、常陽新聞社)の「下高津」の項で次のように書いている。「国道6号線は、昭和9年に開通したものである。新道建設にあたって県は水戸街道の改修に伴い高津坂の曲がりを直し、宿通りを真っ直ぐ銭亀橋まで拡幅する案を示した。菊地太兵太さんらは、この案に反対し、(高津)宿の西側に新たに建設し、根崎道と新道との交差点を立体化すれば協力すると陳情して、今のような形で通させた」