【鈴木宏子】新型コロナウイルスの新たな感染者について、大井川和彦知事は3日、県内で新たに6人の感染者が確認されたとして、感染対策指針を最も緩い現在のステージ1から1段階引き上げ、ステージ2に強化すると発表した。
3日の新規感染者6人は、つくば市の20代男性派遣社員▽つくばみらい市の40代男性公務員▽他県の患者の濃厚接触者である美浦村や龍ケ崎市などのいずれも20代女子学生4人。
6人が確認されたことにより、感染対策指針の6つの指標のうち3つがステージ2の状況になったことなどから対策のステージを引き上げる。
県内の6月20日以降の新規感染者は計14人で、20代を中心に6割以上が都内で感染したとみられている。感染場所は通常の会食やイベントへの参加など。
大井川知事は、東京はいわゆる夜の街に行かなくても感染し得る状況になっているとして、東京への移動や滞在は慎重に判断するよう注意喚起した。さらに70歳以上の高齢者や妊婦などに対しては,外出を慎重するなど注意喚起している。
対策指針を改訂、一律の行動制限回避へ
大井川知事は併せて、感染対策指針の改定を発表した。第1波で実施した外出自粛や休業要請など一律の行動制限を回避するため、検査体制や医療提供体制を拡充させ、新しい生活様式の業種ごとのガイドラインを浸透させた上で、個別の店舗、施設の感染防止対策を後押しする。
学校については原則、休校しない方向とする。万が一、学校で感染者が発生した場合も一律に休校とするのではなく、幅広く検査を実施して感染拡大を抑え込むとした。具体的には校舎などの消毒のため2日間程度は一斉休校とするが、その後はクラス単位などで限定的に休校を実施する。さらに休みとなる児童生徒に対してもオンライン学習や分散登校などを組み合わせながら学習機会を確保していくとした。
検査体制については、PCR検査などを現在の1日300件から9月末までに1100件(うち抗原検査250件)に強化する。地域外来・検査センターも現在の4カ所から9月末までに15カ所とする。
大井川知事はその上で県内の事業者に対し、感染拡大防止システム「いばらきアマビエちゃん」=メモ=の導入と活用を呼び掛けた。
※メモ
【いばらきアマビエちゃん】18業種とイベントについて、県が作成した感染防止ガイドラインに基づく対策をとっていると宣誓した事業者に証明書(宣誓書)を発行する制度。事業者は「いばらきアマビエちゃん」という2次元コードを使って申し込む。一方、店舗や施設の利用者は、宣誓書に記載してある2次元コードを読み取って自分のメールを登録すれば、同じ日に同じ施設を使った人から感染者が出た場合、連絡が行くというシステム。近く「いばらきアマビエちゃん」のスペシャル版を作成し、感染がさらに拡大して対策指針がステージ3やステージ4に強化された場合、登録店以外の利用を自粛するよう県民に要請する方針だ。