水曜日, 9月 17, 2025
ホーム土浦95年以後の市民活動一堂に 世界湖沼会議サテライトつちうら 壁画アートや湖沼写真・映像展も

95年以後の市民活動一堂に 世界湖沼会議サテライトつちうら 壁画アートや湖沼写真・映像展も

来年開かれる第17回世界湖沼会議(いばらき霞ケ浦2018)のサテライト会場の一つ、土浦市で催される「サテライトつちうら」の事業概要が決まった。メーンとして来年10月13日、土浦港前の結婚式場L’AUBE(同市川口)で、霞ケ浦や流域の環境保全に取り組む市内の市民団体、企業、行政などが一堂に介して、それぞれの活動を発表し意見交換する。土浦港の防潮堤に壁画アートを描くイベントなども計画されている。

土浦市は1995年に開かれた第6回世界湖沼会議の会場となった。第6回会議をきっかけに霞ケ浦市民協会が結成されるなど、市内でさまざまな活動が展開されてきたことから、95年以降の活動を集め、共有し、霞ケ浦の将来像を見出すことを目指すという。

来年5月末までに参加団体を公募し、当日はそれぞれの取り組みをポスターや口頭で発表してもらう。さらに95年の湖沼会議から今日までの各団体の活動をまとめた活動集(記念誌)をつくる。土浦港でカヌーやヨット体験、アルカス土浦市民ギャラリーで湖沼写真・映像展なども同時開催する。

10月に先立って、第1弾として来年7月16日、高校生が湖沼と流域の将来像を語り合い提言するハイスクール会議を、国民宿舎水郷跡(同市大岩田)で開催の「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」の中で開催する。

第2弾は8月25日、県霞ケ浦環境科学センター(同市沖宿町)で開かれる夏まつりに合わせて開く。7月の高校生の提言を踏まえ、霞ケ浦流域で活動する市民団体が、霞ケ浦や流域の将来像を語り合う。10月のメーン事業は第3弾となる。

市内の環境団体や商工農業団体、行政などでつくる、サテライトつちうら実行委員会(阿部彰委員長)が29日、同市役所で開かれ、概要が明らかにされた。予算は計約1500万円。

第17回世界湖沼会議は来年10月15~19日、つくば国際会議場などで催される。サテライト会場は土浦のほか、かすみがうら市、鉾田市、茨城町、水戸市。(鈴木宏子)

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海外出張 市長はファーストクラス可 つくば市議会委員会が否決

旅費条例改正案「市民の理解得られない」 国内や海外出張をする際につくば市長や市職員らに支給される旅費について定めた市職員旅費条例改正案が開会中の同市議会9月会議に提案されている。17日開かれた市議会総務文教委員会(木村清隆委員長)で同条例改正案について審議が行われ、市長が海外出張の際に利用する航空機の運賃について、現在の旅費条例がビジネスクラスまでとなっているにもかかわらず、改正案はファーストクラスまで利用できるようになることに対し委員から「市民の理解が得られない」などの意見が相次ぎ、同改正案は賛成少数で否決された。議会最終日の10月3日、本会議で改めて審議される。 同改正案は、国家公務員旅費法が改正されたのに伴って、同法にもとづき市の旅費条例を全面的に改正する内容。円安の進行などにより宿泊費などの上限も大幅に引き上げられる。 海外出張の際の航空機の運賃について現在の市職員旅費条例は「最上位の直近下位の級の運賃」(27条)と市独自に定め、市長はビジネスクラスまでしか利用できない。一方、来年4月施行予定の条例改正案は、海外出張の場合、市長には「最上級の運賃の額」を支給できるようになり、ファーストクラスを利用できるようになる。 17日の委員会での市人事課の説明によると「国家公務員の旅費法をよりどころに旅費を3段階で設定した。特別職は出張に伴う負担が大きいため長時間の移動時間を活用して体調を維持する必要があるためより高い上限を設定した。茨城県知事や他市・区を参考にした」などとし、「必ずしもファーストクラスに乗らなくてはいけないものではなくて出張に応じて適宜判断する」とした。 これに対し委員から「ビジネスクラスでも十分体調を養うことができる。ビジネスクラスとファーストクラスは値段が違い過ぎる。現在の条例の規定をどうして緩めるのか。五十嵐市長は(ファーストクラスに)乗らないと思うが、だれが市長になっても市民感覚に合わせたものにすべき」(小森谷さやか市議=市民ネット)▽「(3段階の運賃設定のうち)ファーストクラスに乗れるというのは内閣総理大臣と一緒になる。実際に乗らないとしても乗れるように(条文改正)することが理解できない。今、政治に厳しい目が向けられている」(樋口裕大市議=Nextつくば)▽「ビジネスクラスでヨーロッパに行くのに現在100万円くらいかかるがファーストクラスは2倍の200万円かかる。他市町村長は年に1回か2回しか海外に行かないのに、つくば市長は年に何回か行っている。市民の税金で行くのに市民にどう説明できるのか。つくば市には東京都が定めているような海外出張の運用指針もない」(山中真弓市議=共産)▽「ファーストクラスにする必要はない。市民感覚からすればビジネスクラスで十分」(飯岡宏之市議=Nextつくば)など厳しい意見が相次いだ。 採決で賛成したのは塩田尚市議(つくばクラブ)と渡辺峰子市議(公明)2人だけで、同条例改正案は否決となった。議会最終日の10月3日は修正案が出される見通しという。 つくば市長の海外出張をめぐっては、今年2月と6月の市議会定例会議一般質問で山中真弓市議(共産)が取り上げ、五十嵐立青市長は直近3年間で計5回の海外出張を行い2365万円の市税を使ったこと、海外での宿泊費が市職員旅費規則に定められた金額を超過し、市の規定が骨抜きになっていることから、旅費規程の見直しが必要だ、などと指摘した経緯がある。(鈴木宏子)

民有林に防除対策費を補助 ナラ枯れ被害拡大防止へ つくば市

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つくつくつくばの七不思議の旅《映画探偵団》92

【コラム・冠木新市】2009年、「つくばの映画・演劇を作ろう」をテ一マにNPO主催の講演会で30人を前に語った。当時、映像のロケ地に誘致する運動は盛んだったが、地元の文化・歴史・伝説を活用して、自ら作る動きは少なかった。 つくばにも面白い素材がいくつかあった。その一つが、茨城県出身の童謡詩人・野口雨情が1930(昭和5)年に作詞した「筑波小唄」「筑波節」で、元は一つの歌をなぜか二つに分けた新民謡だ(映画探偵団22)。 2010年、その理由を「雨情からのメッセージ」と題して講演、朗読劇、踊り、演奏で表現した。新築の筑波銀行ホ一ルに300人ほど集まった。好評だったこともあり、つくばの7地域の話を「つくつくつくばの七不思議」として再創造しようと考えた。 2012年春、北条を竜巻が襲い町を破壊したころ、水戸で「筑波小唄」「筑波節」の幻のSPレコードが見つかった。いろいろな方の協力を得てCDに復刻、また、つくば市の観光物産課の応援で踊りの講習会を5期まで開催した。 同年秋、詩劇「北条芸者ロマン~筑波節を歌う女~」を上演。北条街づくり振興会との縁を深めた。このとき、植田利浩さんが作曲した曲を「筑波恋古道」と名付けた。 2015~16年、「つくつくつくばの七不思議/サイコドン」をACCSケ一ブルテレビで放映。「筑波恋古道」の作詞もでき、歌い手を募集するが、応募はなかった。踊りのイベントでは、植田さんの歌うデモテ一プを使用した。2023年の「金色姫伝説旅行記」のときに、声楽家・大川晴加さんが新たに吹き込んだ。 「はじまりのうた BEGIN AGAIN」 「北条芸者ロマン」に取り組んでいたころ「はじまりのうた BEGIN  AGAIN」(2013)という映画が製作された。オ一プニングはバーのステ一ジ。無名の女性シンガ一が歌い、1人の中年男性が身を乗り出して聞く。そして「その日の朝」とクレジットが出て回想となる。 男は、音楽プロデューサーで5年間失敗続き、妻と別居中。娘に煙たがられ、自分が創立したレコード会社からもクビを宣言され、地下鉄で自殺を考えバーに来る。男は、無名シンガ一の背景にピアノやベースが加わる幻想を見る。 次に女性の回想がはじまり、楽曲を提供した恋人歌手との関係がこじれ争いとなる中、バーでプロデューサーの男と出会ったことが描かれる。 2人は作品を企画する。会社からデモテ一プを要求されるが、録音費用のない男は、デモよりもアルバムを作ろうと考える。路地裏やビルの屋上などで録音する。演奏者には後払いで、才気あふれる無名の若者を集める。さらに女性歌手の誘いで、男の娘をギターに採用。完成したアルバムは高評価を受ける。 エンドクレジットが流れる中、女性がレコード会社と契約したくないとの訴えに男はあっさり了承し、最後にはネットを使い1ドルで売ることにする。アルバムは大ヒットするが、男は元の会社から再びクビになる。そうした時代を先取りした作品だった。 「筑波山 恋うたつづり」 2025年8月27日、「筑波小唄」「筑波節」「筑波山唄」「筑波恋古道」を収録した「筑波山 恋うたつづり」が恩田鳳昇監修で日本コロムビアから発売された。企画から15年かかった。つくつくつくばの七不思議の旅は「はじまりのうた」をヒントにまだまだ続きそうである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) ※つくつくつくばの七不思議セミナー(お話と懇談会)のお知らせ:2025年9月27日(土)午後1時~、カピオ小会議室、参加費無料。

洞峰公園などが「自然共生サイト」に NPOとつくば市が共同申請

市内7カ所目 民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域や活動を認定する環境省の「自然共生サイト」に、つくば市の洞峰公園とその近接公園が16日認定された。同日つくば市が発表した。認定区域は洞峰公園(同市二の宮、17.4ヘクタール)と、近接する二の宮公園(同市二の宮、2.7ヘクタール)、まつぼっくり公園(同市千現、0.6ヘクタール)の3公園で、面積は計20.7ヘクタール。 市環境保全課によると、洞峰公園などで動植物調査や希少種の保護などを実施しているNPOつくばいきものSDGs(木下潔代表)から昨年秋ごろ、つくば市に提案があり、今年4月、同NPOとつくば市が共同で申請した。 市内では奥村組技術研究所内のビオトープ(同市大砂)も同日、自然共生サイトに認定された。市内の自然共生サイトは計7カ所となり、認定数としては全国の市町村で4番目に多くなった。認定サイトのほとんどは国際データベースのOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)にも登録される予定。 認定制度は2023年度から始まり、25年4月に認定の仕組みを法制化した地域生物多様性増進法が施行された。法律に基づく認定は今回が初めて。同法に基づいて民間が作成・実施する増進活動実施計画と、市町村が取りまとめ役となって地域の多様な主体と連携して行う連携増進活動実施計画が認定され、二つの計画の活動実施区域が自然共生サイトとなる。 ゾーニングし緑地管理 市によると、洞峰公園とその近隣公園サイトの活動計画は、800メートルの距離を置く3つの公園の状況について①隣接する複数の研究所の樹林地、草地と共に100ヘクタールを超える緑地を形成し、絶滅危惧種を含むつくばの里地里山、沼・湿地に特徴的な動植物が生息生育している②通勤、通学など日常生活の傍ら、多様な生き物の活動に触れることができる—などが特徴だとしている。 活動計画の目標については①日常生活の中で生物多様性を実感できる市街地ならではの環境を次世代につなぐことを目指す②自然観察会などの環境教育活動を通じて身近な公園の生物多様性の価値に対する認知を高め、市民参加による調査モニタリング活動や保全活動を推進する―の二つを掲げている。 主な活動内容は、植生の特性に応じて園内をゾーニングし緑地管理するというもので①希少動植物生息生育エリアでは保全対象動植物に適した手刈りの草刈り、落ち葉かき、播種、樹木剪定を行い、対象植物の生態系を侵害する動植物は防除する②通常管理エリアは機械刈りや樹木剪定など一般的な公園緑地の管理手法を行う➂希少種エリアと通常管理エリアの間の緩衝的役割を担う緩衝ゾーンは主として背丈が高めの高刈りにより草地管理を行う—としている。 モニタリング計画として①植物、鳥類、昆虫、菌類を対象に年1~2回、有識者の指導の下、市民参加型調査・モニタリングを行う②希少植物種については開花期に生育状況を同NPOが中心となって調査する—とし、実施体制として①市と同NPOは専門家の意見を交えて保全計画を立案し実行する②つくば市は対象サイトの運営管理を統括し、希少動植物の生息生育エリア以外の緑地管理、沼管理を行う➂同NPOは希少動植物の生息生育エリアを管理し、調査・モニタリング活動、環境教育、市民参加型生物多様性保全活動を計画・実施する—となっている。計画期間は今年9月から2030年8月までの5年間。 一方、洞峰公園をめぐっては、2024年2月に県から市に無償譲渡された経緯などを受けて、今年4月、同公園の管理・運営方法などを市に提言する「洞峰公園管理・運営協議会」(委員長・藤田直子筑波大芸術系環境デザイン領域教授)が4月にスタートしたばかり。一般市民が参加してこれからの維持管理について話し合う分科会は1回目が7月に2日間開かれたのみで、本格的な議論はこれからになる。 洞峰公園を管理する市公園・施設課は、今回認定された活動計画は、県が管理していた時を含め、すでに取り組まれてきた活動を継続するものだなどとしている。(鈴木宏子)