【鈴木宏子】任期満了に伴う土浦市長選(11月3日告示、10日投開票)を前に、土浦青年会議所主催による立候補予定者の公開討論会が29日夜、同市中央、亀城プラザで開かれた。現職の中川清氏(74)、新人で県議の安藤真理子氏(58)、新人で水墨画家の相澤保男氏(81)の3氏が出席し、市の活性化、少子化や高齢化対策、安全・安心に暮らせる政策、霞ケ浦などの観光政策についてそれぞれの考えを表明した。
市の活性化について中川氏は「中心市街地は往来が増えた」と実績を強調し、立地適正化計画に基づき、めりはりのあるまちづくりをして、周辺地区に波及させたいなどと話した。安藤氏は「神立、おおつ野、新治、荒川沖とそれぞれ街ができているが、バスがとても少ない。点と点を公共交通機関で結んで回遊性があるまちにしたい」と語った。相澤氏は「モール505の空き店舗を全部、市で借り切って高校生などに無料で貸してあげたらいい。何かが生まれる」と話した。
少子化と高齢化対策について中川氏は、新婚世帯の引っ越し費用助成や産婦健診費用助成など数々の実績を挙げて「切れ目のない継続的な子育て支援を行っている」と述べた。高齢化対策については、中学校区ごとに専門スタッフを配置して支援の輪を広げる『ふれあいネットワーク』を土浦が日本で一番先につくったと強調した。安藤氏は、市立幼稚園の廃止と市立保育所の民営化について触れ「民でできることは民でやることが大切だが、市立の幼稚園と保育所を残すことも大切」と話し、高齢化対策については「元気な高齢者が街に出て、病院に行くだけでなく、遊びや趣味も楽しめるよう、公共交通網を整備する必要がある」と述べた。相澤氏は「高齢化は避けては通れないが少子化はどうにかできる」とし「1人目が生まれたら100万円、2人目200万円、3人目300万円の一時金をあげたらどうか」などと話した。
安全安心について中川氏は、自主防犯組織やLED防犯灯設置などの実績を挙げ「刑法犯認知件数が10年で半減した」と強調。防災や医療面でも実績を強調した。安藤氏は台風19号で避難勧告が出されたことを振り返り「旧市内の避難所は満杯状態だった。避難場所の見直しの必要性を強く感じた」などと話した。相澤氏は「花火大会でも事故があった。100%安全安心はない」とした。
霞ケ浦などの観光について中川氏は「来年(土浦駅ビルに)星野リゾートのホテルがオープンすればサイクリストを街なかに引き込める。つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに選ばれたという機を逃さず首都圏のゲートウエイとして交流人口の拡大に努めたい」と話した。安藤氏は「霞ケ浦は土浦の宝。もっと多くの人が集まっていい素材」だと述べ、沿岸の市町村と連携して魅力を発信していくことが大事。SNSで情報を発信したり、足で出向いてPRしたり、国や県と連携して霞ケ浦の魅力をアップさせたい」と述べた。相澤氏は「霞ケ浦のまわりの市町村全部を合併させて人口44万人の政令市をつくり、霞ケ浦を船で行ったり来たりできる地域をつくりたい」などと語った。