木曜日, 4月 9, 2026
ホーム土浦来年50周年の「創造市場」 6月に土浦と小美玉で公演 地域劇団の駆け込み寺の役割も

来年50周年の「創造市場」 6月に土浦と小美玉で公演 地域劇団の駆け込み寺の役割も

【田中めぐみ】土浦を拠点に活動し、来年で結成から50周年を迎える社会人劇団「創造市場」(同市西真鍋町、代表・稜地一週〈五頭良二〉さん)が6月に土浦市と小美玉市で「不思議の国のアリス」を公演する。

「創造市場」は元は1970年に結成されたジャズバンドで、音楽だけにとどまらず、芝居、文学、絵画など、総合的な芸術を追求する若者たちの集まりだった。当初は社会風刺的な内容の芝居を公演していたが徐々に活動が少なくなり休止。その後、74年に再結成し、以降休むことなく活動を続けている。

現在は土浦市内やつくば、牛久、龍ケ崎、鉾田市などから、高校生から60代までおよそ25人の団員が集まり、週2回、2時間程度の稽古と年4回の公演、ワークショップを行っている。地域の劇団から相談があれば、持っている音響、照明設備、衣装なども無償で貸し出しており、現在は地域のアーティストの駆け込み寺のような役割も担っている。

今年4月に開催された「第11回沖縄国際映画祭」で上映された「エキストロ」(監督村橋直樹、脚本後藤ひろひと、NHKエンタープライズ)で、山本耕史さん、斉藤由貴さんらと共演し、主演を務めた萩野谷幸三さん(63)は同劇団メンバーだ。

チャレンジし続け、おもしろさ追求

代表の稜地一週さん

「不思議の国のアリス」の脚本・演出を手掛けた稜地(五頭)さんは「はちゃめちゃなストーリーのアリスは、伝統や歴史、しきたりを重んじる英国社会を風刺した作品とも言われている。まるでおもちゃ箱やキャンディー箱をひっくり返したようなゆかいなアリスの世界観を楽しんで、見る人それぞれに何かを感じてもらえれば」と語った。「エキストロ」の萩野谷さんは今回出演しないが、キャストの演技指導を行っている。

アリスのキャストの1人でつくば市在住の入江諭さん(39)は、人見知りで話すのが苦手な自分を変えたいと演劇を始めたという。「創造市場」に入団する前は別の演劇系サークルで1年弱活動していたが、本格的に舞台に立ってみたいと一昨年からメンバーに加わった。「人と関わって成長したいと覚悟を決めて入団した。活動はとにかく楽しい。仕事が終わってここに来て、いつもメンバーと笑っている。楽しむところは楽しみながらも、めりはりをつけて稽古している」と話す。

同じくキャストの森裕嗣さん(36)は「創造市場は歴史の重みがありつつも、常に新しいことにチャレンジし続け、おもしろさを追求している。だからこそ年齢関係なく人が集まってくるのだと思う。アリスの世界は狂った、よく分からない世界だが、セリフの端々に現代の我々にもはっとするような気付きがある。アリスが名作として残っているゆえんなのだろう」と語った。

舞台人口を増やしたい

現在、団員を募集している。稜地(五頭)さんは「芝居、ダンス、バンド、民謡、コンテンポラリーアートなど、ジャンルを問わず、とにかく舞台人口を増やしたい。年齢も経験も問わない。やってみたいと思う人はぜひ来てほしい」と語る。

左から「不思議の国のアリス」キャストの森裕嗣さん、沼田裕行さん、入江諭さん

◆「不思議の国のアリス」の公演日程は
▽土浦市亀城プラザ=8日(土)午後6時、9日(日)午後3時開演
▽小美玉市生涯学習センターコスモス=22日(土)午後5時、23日(日)午後3時開演
いずれも30分前開場
▽チケットは全席自由。前売り一般1600円(当日は1900円)、18歳以下1300円(同1600円)、親子ペア2600円。3歳以下は無料。小美玉公演のみ同市内在住・在勤・在学者は無料
▽チケットプレイガイドは〈土浦公演〉劇団創造市場HP・電話予約、さんあぴお(電話029-862-1311)、亀城プラザ(電話029-824-3121)。〈小美玉公演〉生涯学習センターコスモスか劇団創造市場

◆団員(スタッフ・キャスト)募集の問い合わせは
劇団創造市場 土浦市西真鍋4-43
電話029-821-9405(夜間のみ・日中は留守番電話)
メールアドレス sozoichiba@yahoo.co.jp
ツイッター @sozoichiba

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「水エンジン」量産へ 東大発 宇宙ベンチャーがつくばに生産拠点

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