金曜日, 1月 16, 2026
ホーム土浦来年50周年の「創造市場」 6月に土浦と小美玉で公演 地域劇団の駆け込み寺の役割も

来年50周年の「創造市場」 6月に土浦と小美玉で公演 地域劇団の駆け込み寺の役割も

【田中めぐみ】土浦を拠点に活動し、来年で結成から50周年を迎える社会人劇団「創造市場」(同市西真鍋町、代表・稜地一週〈五頭良二〉さん)が6月に土浦市と小美玉市で「不思議の国のアリス」を公演する。

「創造市場」は元は1970年に結成されたジャズバンドで、音楽だけにとどまらず、芝居、文学、絵画など、総合的な芸術を追求する若者たちの集まりだった。当初は社会風刺的な内容の芝居を公演していたが徐々に活動が少なくなり休止。その後、74年に再結成し、以降休むことなく活動を続けている。

現在は土浦市内やつくば、牛久、龍ケ崎、鉾田市などから、高校生から60代までおよそ25人の団員が集まり、週2回、2時間程度の稽古と年4回の公演、ワークショップを行っている。地域の劇団から相談があれば、持っている音響、照明設備、衣装なども無償で貸し出しており、現在は地域のアーティストの駆け込み寺のような役割も担っている。

今年4月に開催された「第11回沖縄国際映画祭」で上映された「エキストロ」(監督村橋直樹、脚本後藤ひろひと、NHKエンタープライズ)で、山本耕史さん、斉藤由貴さんらと共演し、主演を務めた萩野谷幸三さん(63)は同劇団メンバーだ。

チャレンジし続け、おもしろさ追求

代表の稜地一週さん

「不思議の国のアリス」の脚本・演出を手掛けた稜地(五頭)さんは「はちゃめちゃなストーリーのアリスは、伝統や歴史、しきたりを重んじる英国社会を風刺した作品とも言われている。まるでおもちゃ箱やキャンディー箱をひっくり返したようなゆかいなアリスの世界観を楽しんで、見る人それぞれに何かを感じてもらえれば」と語った。「エキストロ」の萩野谷さんは今回出演しないが、キャストの演技指導を行っている。

アリスのキャストの1人でつくば市在住の入江諭さん(39)は、人見知りで話すのが苦手な自分を変えたいと演劇を始めたという。「創造市場」に入団する前は別の演劇系サークルで1年弱活動していたが、本格的に舞台に立ってみたいと一昨年からメンバーに加わった。「人と関わって成長したいと覚悟を決めて入団した。活動はとにかく楽しい。仕事が終わってここに来て、いつもメンバーと笑っている。楽しむところは楽しみながらも、めりはりをつけて稽古している」と話す。

同じくキャストの森裕嗣さん(36)は「創造市場は歴史の重みがありつつも、常に新しいことにチャレンジし続け、おもしろさを追求している。だからこそ年齢関係なく人が集まってくるのだと思う。アリスの世界は狂った、よく分からない世界だが、セリフの端々に現代の我々にもはっとするような気付きがある。アリスが名作として残っているゆえんなのだろう」と語った。

舞台人口を増やしたい

現在、団員を募集している。稜地(五頭)さんは「芝居、ダンス、バンド、民謡、コンテンポラリーアートなど、ジャンルを問わず、とにかく舞台人口を増やしたい。年齢も経験も問わない。やってみたいと思う人はぜひ来てほしい」と語る。

左から「不思議の国のアリス」キャストの森裕嗣さん、沼田裕行さん、入江諭さん

◆「不思議の国のアリス」の公演日程は
▽土浦市亀城プラザ=8日(土)午後6時、9日(日)午後3時開演
▽小美玉市生涯学習センターコスモス=22日(土)午後5時、23日(日)午後3時開演
いずれも30分前開場
▽チケットは全席自由。前売り一般1600円(当日は1900円)、18歳以下1300円(同1600円)、親子ペア2600円。3歳以下は無料。小美玉公演のみ同市内在住・在勤・在学者は無料
▽チケットプレイガイドは〈土浦公演〉劇団創造市場HP・電話予約、さんあぴお(電話029-862-1311)、亀城プラザ(電話029-824-3121)。〈小美玉公演〉生涯学習センターコスモスか劇団創造市場

◆団員(スタッフ・キャスト)募集の問い合わせは
劇団創造市場 土浦市西真鍋4-43
電話029-821-9405(夜間のみ・日中は留守番電話)
メールアドレス sozoichiba@yahoo.co.jp
ツイッター @sozoichiba

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江戸時代後期につくばで活躍した発明家、飯塚伊賀七(いいづか・いがしち)が建てた「五角堂」のかやぶき屋根を修理する材料にしようと、ススキが自生する近隣の原っぱで12日、カヤ刈りイベントが開催され、地元の親子連れなど小学生から70代まで約70人が、刈り取ったススキを集めて束にするなどの作業を体験した。 伊賀七は当時の谷田部新町村の名主で、からくりの和時計、測量器具、地図、農業機械の自動脱穀機などを発明した。五角堂は伊賀七の生家に建てられた。何のために建てたのか分かってないが、床面が正五角形と当時は建築が難しく、独自の構造で建てられている。1958年に県指定史跡になり、89年に解体修理されたが、かやぶき屋根の傷みがひどくなり、五角堂を管理する同市が昨年、屋根の一部を修理した。残りの部分を、今回刈り取ったススキで修理する予定だ。 カヤ刈りイベントは、石岡市を拠点にかやぶき屋根の保存活動に取り組む市民団体「やさと茅葺き屋根保存会」(萩原寿盈会長)とつくば市教育委員会が共催した。場所はつくばエクスプレス(TX)みどりの駅近くの市立みどりの義務教育学校に隣接する未利用の原っぱの一部約200平方メートルで、市民ボランティアを募って実施した。 学校脇の原っぱにススキが茂っていることを知った市内に住む同保存会事務局の仲村健さん(44)が同校と市教委などに働き掛け、昨年、同保存会が同所でカヤ刈りを実施し、石岡市内のかやぶき屋根を修理する材料にした。その後、地元に住む谷田部地区活性化協議会の牧野秀宣会長(70)から「地元のカヤで五角堂を屋根を修理してはどうか」と提案があり、イベント開催に至ったという。 12日は午前中に同保存会が仮払い機でススキを刈り、午後に親子連れ約70人が刈り取られたススキを拾い集めて、ひもで縛り、束にした。2時間ほどの作業で121束が出来上がった。 刈り取ったカヤは、同保存会の会員が自宅の風通しのよい場所で保存する。さらにワークショップを開催し、屋根で作業しやすいようカヤの長さをそろえて束にする「かやごしらえ」を実施する予定だ。 母親と参加した近くに住む小学3年の戸田結斗さんは「学校でちらしをもらって参加した。カヤの束を積み上げた上に座って楽しかった」と話し、家族で参加した近くの会社員、藤尾友彦さん(42)は「毎日犬の散歩で通るところなので、普段できない経験をしたいと参加した」と語り、長女で小学3年の晴香さんは「ススキを束ねてぎゅっと結ぶのが難しかった」と話していた。 同保存会の仲村さんは「カヤ刈りを通して身近な歴史や文化を知り、それが現在や未来につながるものだということを感じてもらえたらうれしい」と話し、同活性化協議会の牧野会長は「地元のものを地元の材料で修理すると、親しみができる。小学生も参加し、自分たちが取り組んだもので修理できれば地元の歴史にもっと親しみがわくと思う。すごくありがたいし、子供たちがいっぱい参加してくれてよかった」と語っていた。 市文化財課によると、刈り取ったカヤは同保存会に約1年間保存してもらい、2027年度に五角堂の残りのかやぶき屋根の修理を実施する予定という。(鈴木宏子)