日曜日, 5月 24, 2026
ホームつくば上郷高校跡地に陸上競技場整備へ つくば市 旧筑波西中に私立通信制高校

上郷高校跡地に陸上競技場整備へ つくば市 旧筑波西中に私立通信制高校

【鈴木宏子】住民投票で白紙撤回となった総合運動公園に代わって、陸上競技場の整備を検討している=2018年12月18日付=つくば市は9日、設置場所について県立上郷高校跡地(同市上郷)が総合的に最も評価が高いとする調査結果をまとめ、同日開いた市議会全員協議会に報告した。市内の廃校11校を対象に調査した。一方、市立筑波西中学校跡地(同市作谷)には、県外の私立学校が2021年4月開校を目指して広域通信制高校の開設を検討しているという。

陸上競技場は、8レーンの400メートルトラックと、内側にサッカーなどに使用できる人工芝のフィールドを整備する。観客席は1000席程度のメーンスタンドと、1000席程度の芝スタンドを設け、190台程度の駐車場を設けることを想定している。中止となった総合運動公園計画では地方の主要な大会が開催できる2種公認の競技場を整備するとしていたが、今回は中学生の記録会など市内大会が開催できる4種公認とする。ただし施設規模は8レーンを設けるなど3種公認相当にするという。

秀峰筑波義務学校の開設などに伴って廃校となった筑波地区の10校と上郷高校の計11校の跡地を比較検討した。上郷高校は、現在ある校舎を取り壊さず、運動場に競技場を整備できるためコストが抑えられること、隣接の農地を組み入れて拡張すれば200台程度の駐車場を確保できることなどから高い評価を得た。

一方、調査対象は11カ所のみで、同市大穂の旧総合運動公園用地は検討対象にしなかった。五十嵐市長は「(総合運動公園用地の一部に陸上競技場を整備するという)制限をつけると全体利用が難しくなるため」と説明している。旧総合運動公園用地は現在、購入を希望する民間業者からの事業提案を募集している=4月26日付5月6日付

陸上競技場整備に向けた今後のスケジュールは、今年度中に住民意見交換会などを開くほか、基本構想を策定する。10億円を超える事業費になることから、来年度以降、総合運動公園問題を教訓に策定された「大規模事業の進め方に関する基本方針」に従って、市民のニーズに即しているかや事業の効果、課題、影響、財政負担などを検証するという。建設費や整備時期などは現時点で未定。

市議会全員協議会で学校跡地の利活用に関する調査結果を報告する五十嵐立青市長=9日、つくば市役所内

市議からは「陸上競技場整備にはかなりのお金がかかる。つくば市は小中学校の過密化問題などがあり優先順位としてはどうなのか。総合運動公園用地を除いた理由についても市民に理解を得ることが必要」(山中真弓市議)、「(インフィールドの)サッカー場は人工芝ということだがつくば市は芝の産地。産地育成を図るために天然芝を十分に使うことが重要」(鈴木富士雄市議)などの意見が出た。

上郷高校は2011年3月末に廃校となり、12年に市が土地と建物を県から取得したが未利用のままとなっている。

年4500~6000人が宿泊し授業

筑波西中学校跡地への通信制高校新設は昨年、県外の学校法人から打診があったという。学校名などは現時点で明らかにできないとしているが、開校すれば、年1回5日間程度、150人から200人の生徒が市内に滞在しながら同校で授業を受ける。生徒は入れ替わりで延べ年30週程度来校し、7カ月半で年4500人から6000人の生徒が同校で授業を受けることが想定されているという。

市が校舎などを改修した上で、土地と建物を学校法人に賃貸借する予定。開校すれば、廃校となった筑波第1小学校跡地(同市筑波)に2008年に開校したつくば松実高校に次いで市内2カ所目の通信制高校となる。

旧筑波西中学校=同市作谷

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

紀州と奈良の産地にみる伝統と革新《文京町便り》52

【コラム・原田博夫】専修大学社会科学研究所による「紀州と奈良の産地にみる伝統と革新」をテーマとする春季実態調査が2月下旬に2泊3日で行われ、同研究所の研究参与を務めている私も参加した。 醬油醸造と有田みかん 1日目午後は、和歌山県湯浅町で1841(天保12)年から営業している醸造蔵・角長(かどちょう)を訪ね、江戸時代から続く伝統的な醬油醸造製法を見学した。展示館での高齢女性従業員の熱のこもった説明に圧倒されたが、かつての繁栄にもかかわらず、同地では今や1社のみで営業している危機感を感じた。 2日目午前は、有田市で「有田(ありだ)みかんの生産・加工・販売(6次産業)」に取り組んでいる早和(そうわ)果樹園を訪ね、秋武新吾会長のお話をうかがった。全国のみかん生産量が360万トン(1970年代半ば)から60万トンに激減している中、450年の歴史を誇る有田みかんも、愛媛県などからの挑戦もあって、豊作貧乏に苦しんでいた。 秋武会長は1979年、7戸の農家で早和共撰組合を設立、ハウスみかんに取り組んだという。その後、各種の革新的な取り組みにチャレンジし、2000年には法人化した。今や、直営栽培農場10ヘクタールに及び、出荷量(生果500トン、加工1200トン)、売上高16.2億円(2025年6月期)に達している。 こうした順調な事業もあり、ここ10数年、約5名の大学新卒者を採用し、農林水産大臣賞を3回受賞、経済産業省「地域未来牽引企業」にも選定(2018年1月)されたそうだ。創業者の秋武氏(80歳ぐらい?)の沈着な状況判断と前向きな精神、加えて温厚な人柄が魅力的で、6次産業化の成功事例と拝察した。 マフラーや化粧用パフ 2日目午後は、橋本市高野口の妙中パイル織物を訪問した。1947年創業の同社は、同地に相当な規模・棟数の工場を立地しているが、現在稼働しているのはそのごく一部という。 社長(3代目)さんによると、川島織物グループ企業として、自動車・鉄道・バスなどの車両用モケット(ビロード状の織物)を生産していたころは、工場もフル稼働だったが、いまやその用途・商品は消滅し、衣料マフラーや化粧用パフなどへの商品転換を迫られているが、売り上げ規模があまりにも違い過ぎる。 この場合、商品それ自体に瑕疵(かし)があるというより、既存の販路が消滅したことからの業態転換が難しい事例とお見受けした。この日の宿泊ホテルには、高市早苗首相の似顔絵入りタオルが展示されていたが、残念(あるいは当然)ながら在庫は品切れだった。 3日目午前は、世界遺産でもある元興寺と「なら工藝館」を訪ね、「ならまち」をぶらついた。本企画教員(大阪市立大学勤務経験あり)推薦の白玉屋栄壽(えいじゅ)で名物「みむろ最中」を購入し、日本酒発祥の地・奈良の今西清兵衛商店で「春鹿」の利き酒をさせていただいた。 奈良には今西姓が多い 予定の行程はここまでだったが、近鉄奈良駅に向かうべく乗り込んだタクシーで、運転手さんの名前が今西だったことから、話が連想ゲームよろしく展開した。運転手さんの話では、奈良には今西姓は多い。そのわけは、藤原氏の先祖とされる中臣氏やその従者が鹿島神宮をたつとき、「チョット西に行ってくる」と言ったからだ、という眉唾物を披露してくれた。 私が茨城県から来たと言うと、「何かの縁ですね」と返してくれたので、私もイバラキ弁で「いや、どうも」と応じた。お後がよろしいようで…。(専修大学名誉教授)

地元酒販店4代目 都市型醸造所を23日オープン 土浦駅近く

土浦市新治地区の酒販店「佐藤酒店」の4代目、佐藤栄介さん(32)が23日、土浦駅近くのビルに、醸造から販売、体験までを一貫して行う小さな地酒醸造所「土浦醸造」をオープンする。 駅前や市街地などに立地し、醸造工程を見学したり、出来立てを味わうことが出来る都市型醸造所と呼ばれる業態で、地元土浦産のコメ、市特産のレンコン、市の花、桜のウッドチップなど地元の素材を生かして酒造りをする。中心市街地活性化の一役も担いたい意向だ。 佐藤酒店は同市沢辺で1948年に創業。2019年に土浦駅ビル、プレイアトレ土浦に角打ちを楽しめる地酒専門店を出店、23年にイオンモール土浦にこだわりの地酒販売店を出店した。今回、地域密着型の起業や新規事業を支援する総務省の「ローカル10,000プロジェクト」の支援を受け、酒を「売る」から「造る」に挑戦する。市内で唯一の酒類製造者になる。 店舗は土浦駅から徒歩2分のビルの1、2階を利用し、1階に醸造所、2階に試飲スペースなどを設ける。1階の醸造所には500リットルのタンク三つと、製麹室、発酵設備などを設置する。杜氏は、東京・浅草初のクラフト酒醸造所「木花之醸造所」で修行を積んだ、佐藤さんの義姉の青木彩夏さんが務める。 提供するのは、発酵したもろみを濾(こ)さない「どぶろく」や、もろみを絞った「澄み酒」で、一つのタンクから 「どぶろく」と「澄み酒」の2種類をつくる。伝統的な日本酒の醸造技術をベースに、さらに地元特産のレンコンや桜のウッドチップなどを取り入れ、土浦の風景や季節を表現する。また麹(こうじ)を利用したノンアルコールの甘酒なども製造する。 代表の佐藤栄介さんは「自分たちの土地の酒を自分たちの手で造りたいと思い醸造所を造った。この街の未来へ続く酒になれたらうれしい。そして土浦醸造がハブとなり、農業、商業、観光、研究などに関わり、地域貢献できれば。そのためにはまず自分の事業を成功させたい」と意気込みを話す。(榎田智司) ◆23日は、初仕込み酒限定200本を先着順で販売する。どぶくろタイプは720ml税込2970円。澄み酒は720ml税込3300円。見学は2200円で、醸造工程の見学から試飲までを一貫して体験できる。

詩劇「憎しみは愛によって止む」を終えて《映画探偵団》100

【コラム・冠木新市】5月16日、詩劇コンサート・つくばシルクロード2026「憎しみは愛によって止む」に、スリランカ大使とスリランカ仏教界を代表する僧侶を迎え、出席者128人(出演者も含む)の「満員御礼」で終了した。 2部構成の第1部「終わりの始まり」では、1951年に締結されたサンフランシスコ講和条約の背景と内容、その後のスリランカと日本の交流を映像と舞踊で表現した。第2部「平和の里を訪ねて」では、筑波山、桜川、北条大池を歌ったクリシャンタさんの新曲など6曲、大川晴加さんの「憎しみは愛によって止む」など2曲を披露した(コラム99)。 寄せられた感想では「歴史や社会に詳しい主人ですが、この事実(日本分割統治)を初めて知り、衝撃を受けていました」「始めから涙流しっぱなしでした。ジャヤワルダナさんに日本人として感謝です」など、たくさんの感動メールが届いた。 だが、内実は大変だった。ジャヤワルダナ氏の演説を日本語にし、AIで作成したのだが、リアルにできなくて13回やり直した。完成したのは開演2時間前で、やっと6分の演説を流すことができた。また、日本人の音響担当とスリランカ人の映像担当のやり取りが言葉の問題もあり伝わらず、映像と舞踊合わせはぶっつけ本番だった。 木下恵介監督「スリランカの愛と別れ」 翌日、疲れが残るなか、木下恵介監督「スリランカの愛と別れ」(1976年)を見直した。昨年、公開49年後に初めて見たが、あまり印象に残らなかった。ところが、今回のイベントを終えて見ると、まるで違って見えてきた。 時は1976年。舞台はスリランカ。4組の男女が出てくる。水産会社で働く青年(北大路欣也)と宝石商の女性(栗原小巻)の恋。国連の仕事をする松永(小林桂樹)とその妻(津島恵子)の夫婦愛。現地の娘ライラと結婚しようとする若者の恋。満月の夜、ホテルで過ごす謎の大富豪ジャカランタ夫人(高峰秀子)と身の回りの世話をする老僕。 この4組の愛が描かれるのだが、昨年見た時と印象がまるで違うのだ。26年間続く内戦前のスリランカの美しい景色と人々の貧しいが穏やかな生活が描かれる。物語の軸はジャカランタ夫人だ。インド人と結婚して何不自由はないが、がんを患っていて、日本に残した息子のことが気になる。インド人の夫は何者かに殺された。 昨年は日本人の視点で見ていた。今回はスリランカ人の視点で見ていたようだ。スリランカ人の日本人に対する反応がよくわかる。 国際交流とは一緒に活動すること イベントを通じて気づいたが、スリランカ人は控えめで、あまり意見を言わない。しかし意見は持っている。先に言ってくれたら対処できたことが幾つもあった。スリランカは450年間も植民地だった国。そのような歴史からきているのかもしれない。 3か月間、スリランカの方とイベントに取り組み、学ぶことが多かった。以前から感じていたが、国際交流とは、集まりに参加するだけではなく、一緒に活動することが大事と思う。同じ映画が違って見えたのは、体験がそうさせたのだ。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <つくつくつくばの七不思議の映画とお話>・日時:5月30日(土)午後1〜3時・場所:カビオ小会議室2、参加費無料・対象:次回作のイベント参加希望者・主催:一般社団法人スマイルアップ推進委員会

事業用軽自動車の課税に誤り 116台 56万円を返金へ 土浦市

土浦市は22日、黒ナンバーの事業用軽自動車の課税額に誤りがあり、本来より高い軽自動車税を課税してしまったと発表した。誤りがあったのは過去5年間で計116台。過大に課税した金額は計56万7600円。市は今後、所有者に返金するとしている。 市課税課によると、車のナンバープレートのひらがな部分が「り」と「れ」となっている軽自動車は本来、事業者用として登録すべきところ、市のシステム設定に誤りがあり、自家用として登録し、自家用の軽自動車税を課税したという。 システムは2012年ごろ設定され、少なくとも14年度分から誤っていた。一方、5年で時効となることから、市は5年前の2021年度以降に課税した事業用軽自動車を対象に、過大分を返金するとしている。 今年度の軽自動車税の納税通知書を受け取った車の所有者から問い合わせがあり、誤りが分かった。他の車も調査したところ、今年度は79台の課税額が誤っていた。過大だった金額は1台当たり年間で1000円~4700円。 市は対象者に対し22日付でお詫びの通知を出した。今後、返金手続きを進める。再発防止策として市は、システム設定の再確認やデータ確認の徹底、職員のチェック体制強化などを実施するとしている。