【橋立多美】シリーズ企画「シルバー団地の挑戦」の舞台、つくば市の森の里団地は、住民の2人に1人が高齢者で、運営を担っていた役員が高齢化し、役員のなり手不足にあえぐ。負担が大きい、活動がマンネリ化しているなどマイナス面を指摘する声もあるという。こうした中、自治会では、シニア世代が平穏な生活を送れるよう、高齢者の引きこもり防止や生活支援事業など高齢化対策事業を推進している。インタビュー2回目は、森の里自治会長の倉本茂樹さん(77)に今後の展望を聞いた。
―高齢化が進み、近年、自治会ではどのようなことが課題になっていますか。

3年前から急に1人暮らしと認知症者を抱える世帯が多くなり、その対策が喫緊の課題です。1人暮らしで雨戸を閉めて引きこもっているというご近所からの通報や、認知症による徘徊で行方不明になり、警察と民生委員が捜索して保護されるなどの事態は毎月起きています。
私は自治会長のほかに、防災・防犯自警団の団長と市社会福祉協議会のふれあい相談員を兼務しており、1日に3回の巡回パトロール時に、1人暮らしや、同居の家族が仕事で昼間1人になる人に異変がないかなど、見守りをしています。ふれあい相談員には守秘義務があり、約60人の自警団員に個人情報は伝えませんが、さりげない見守り要員として活動してもらっています。力及ばず、私が自治会に関与してから孤独死が2件ありました。この方々は、戸が開かないことを不審に思った訪問介護員と近所の人の通報で発見されました。
―さまざまな相談に応じて多忙な日々を送っておられますが、結局、だれかが奮闘しないと自治会は成り立たないというのが実情でしょうか。
私は自治会事務所のある森の里公会堂に毎日出向いています。私に付けられたあだ名が「まぐろ会長」。夜でも泳ぎ続ける回遊魚まぐろに例えたそうです。私が会長を7年続けているのは、故郷島根の恩師の教え「社会に貢献しなさい」が染みついているからでしょう。私で役に立つなら…と引き受けています。
高齢化が進む中で国は介護政策を施設から在宅へと転換しました。在宅介護が当たり前となり、高齢化率49.25(2018年の市行政区別人口統計)の森の里は要介護者が激増する可能性がある。家族に頼れない人が増える中、地域の助け合いが重要になります。その要になるのが自治会で、弱まりつつあるつながりを結び直すことが必要です。そのために、もう一肌脱ぐつもりです。
(シリーズ「シルバー団地の挑戦」終わり)
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