土曜日, 4月 25, 2026
ホームスポーツ【あと一勝の壁】5 3度目のチャンス 力投報われず

【あと一勝の壁】5 3度目のチャンス 力投報われず

【伊達康】失意の敗戦から数日後、監督から「上野に甲子園に連れて行ってもらうぞ」と冗談とも本気ともつかない檄(げき)を受けて、最上学年となった上野はキャプテンに指名された。やがてその言葉を体現し、2年秋に甲子園への3度目のチャンスを迎えることになった。

上野は地区予選から県大会決勝までの全6試合で先発し、県大会2回戦から決勝までは4試合全てを完投した。決勝は宿敵・常総学院と延長15回で決着が付かずに完投。大会を通じての投球回数は驚異の55イニングに及び投球数は900球を超えた。翌日の再試合は安高颯希(桜美林大3年)が1失点に抑える快投を演じて霞ケ浦が春以来の優勝を遂げた。

秋季関東大会は開催県には3校、開催県以外の6県には2校の出場枠があり全部で15校が出場する。通常は2回勝たなければセンバツ当確ラインの準決勝に進めないが、開催県の1位校だけは1回戦を免除され準々決勝から出場する特典(スーパーシード)が与えられる。つまり、開催県の1位校は1回勝てばセンバツ当確という訳だ。この年の秋季関東大会は茨城開催だったため、茨城1位の霞ケ浦がスーパーシードを獲得した。

1回戦を終え準々決勝の相手は桐生第一に決まった。先発はこの試合も上野だ。霞ケ浦は2回裏に先制を許したが、4回表に相手のエラーで同点に追い付いた。その後、1対1の膠着状態のまま9回裏に突入。二死二塁から打ちとった当たりが痛恨のサヨナラ打となった。霞ケ浦打線は散発5安打と沈黙。上野の力投が報われず甲子園への3度目のチャンスもあと1勝の壁に阻まれた。「最後は際どいところに打たれた自分が悪い。県大会決勝の後は1週間ボールを握らずにノースローで調整した。痛みはなかったが、県大会の疲労は抜け切ってなかった」

投手陣の底上げへ 上野に頼らない春

一冬を越えて3年春の県大会。霞ケ浦の投手起用方針は秋から一転した。「春先の練習試合で調子が上がらず東海大相模にめった打ちを食らったというのもあるが、大会前に監督からは『関東大会がかかった準決勝だけ完投で行くぞ』と言われていた」。1人でも多く夏の大会で投げられるめどが立つように、上野以外の投手の経験値を上げる方針で大会に臨んだ。霞ケ浦はその思惑どおりに安高颯希を中心に、秋は出番のなかった岩田直也や浅賀蒼太の継投で勝ち上がり、準決勝の土浦湖北戦は上野が2失点完投で春季関東大会行きを決めた。さらに常総学院との決勝では1年生の飯村将太(桜美林大2年)と根本将汰(桜美林大2年)にも登板機会を与えた。決勝では敗れたものの、上野一人に頼ることなく勝ち上がる中で投手陣に経験を積ませることに成功した。

横浜を撃破 夏に向け自信

神奈川開催の春季関東大会では淺間大基(日本ハム)と髙濱祐仁(同)を擁する神奈川1位の横浜と対戦した。場所は神奈川高校野球の聖地「横浜スタジアム」だ。完全なるアウェーの中、県大会の疲労が全くない上野は横浜打線を相手に5安打2失点に抑える粘投を見せた。打線は6回まで1安打に抑えられていたが11個の四球と相手投手の制球難に乗じて長短打を絡め、7回表に一挙7点を挙げ7回コールド勝ちを収めた。横浜のコールド負けは1970年春以来44年ぶりのことであった。1年秋の東海大相模に続いて横浜を下す大金星。投打ががっちりかみ合っての勝利は夏に向けて自信となった。

=続く

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県内初、知的障害者バスケ大会「スマイルカップ」 5月6日 つくばで開催

開催に向けつくばのチームが尽力 知的障害のある人によるバスケットボール大会「スマイルカップ イン つくば(SMILE CUP IN TSUKUBA)」(主催・茨城パラスポーツ協会)が5月6日、つくば市竹園のつくばカピオで開かれる。県内では初の試みとなる大会で、つくばを拠点に活動する県内唯一の知的障害者バスケットボールクラブチーム「スマイル」が開催に向けて尽力した。スマイル代表の福原美紀さん(54)は「知的障害があってもバスケを楽しめる。それを多くの人に知ってもらいたい」と思いを込める。 競技は一般のバスケットボールと同ルールで行われる。国内では1999年に日本FIDバスケットボール連盟が発足し、全国大会「FIDジャパン・チャンピオンシップバスケットボール大会」を主催するなど普及が進められてきた。2025年の第28回大会には全国から男女計36チームが参加した。国際大会には日本代表も出場し、2015年のエクアドル大会では男子が5位、女子が銀メダルを獲得している。一方で、2000年シドニーパラリンピック以降、同競技はパラリンピック種目から外れている。 県内唯一のクラブチーム 福原さんが活動基盤とする「スマイル」は、2011年に発足し今年で16年目を迎える。自身も障害のある子を持つ親として「子どもたちが仲間と笑顔になれる場所をつくりたい。障害があってもやりたいことを諦めないでほしい」という思いで立ち上げたチームだ。 現在は小学生から20代中後半まで約30人が所属し、全国大会を目指す「スマイル強化チーム」と、障害の程度に関わらず参加できる「スマイル育成チーム」の2部制をとる。練習は、つくば市内の体育館で週に2回から3回行われ、つくばを中心に、土浦や常総、水戸、日立など県内各地から「バスケがしたい」という思いでつながる選手が集まっている。 大会開催の背景には、県内の競技環境の課題がある。現在、県内には知的障害者のバスケットボールのクラブチームが「スマイル」しかなく、選手たちは広範囲から通っている。他県では複数チームが存在し地域ごとに大会も開かれているが、県内では「チームを選ぶことすらできない状況」が続いている。 「まずは競技の存在を知ってもらい、チームを増やしたい」。福原さんはこうした思いから昨年6月、茨城FIDバスケットボール連盟を設立。大会開催はその第一歩となる。 大会は、神奈川、千葉、栃木から各県の強豪チームが参加する「チャンピオンシップ部門」と、競技経験の浅い選手たちによる「フレンドリーシップ部門」が行われる。フレンドリーシップ部門には、市内の福祉団体にも呼び掛けて編成した「入門チーム」が参加し、厳密なルールにとらわれず、全員がボールに触れシュートできるようにするなど配慮する。「まずはバスケットの楽しさを知ってほしい」と福原さんは話す。 楽しむ姿を見てほしい 福原さんは「障害があるからできないと諦めてしまう人が多いが、楽しむことはできる。大会を通してその姿を見てもらいたい」と語る。さらに「障害が重かったりルールが分からなかったりして最初から無理だと思われがちだが、バスケは誰でも楽しめるもの。それを子どもたちだけでなく、親や周囲の大人たちにも知ってもらい、その先に各地でチームが生まれ、選手自身が選べる環境につながってほしい」と期待を込める。 監督を務めるつくば市在住の遠藤裕さん(42)は、「県内で開かれる初めての大会であり、チーム名を冠した大会でもあるので優勝したい気持ちは強い。大会を通じてチームとしてもう一段階成長できれば」と話す。 キャプテンで水戸市在住の會澤心さん(24)は「チームメートはこれまでの大会経験で成長してきた。みんな自由だが、やる時はやる。若さと走力を生かして、強いチームにも勝ちたい」と意気込みを語った。(柴田大輔) ◆知的障害者バスケ大会「スマイルカップ イン つくば」は、5月6日(水)午前9時45分から、つくば市竹園1丁目10-1、つくばカピオ・アリーナで開催。入場無料。問い合わせは、茨城パラスポーツ協会に電話(090-2554-1301/090-8963-9296)またはメール(ibaraki.fid@gmail.com)にて。詳しくは大会ホームページへ。