土曜日, 11月 15, 2025
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土浦市立図書館開館1年 入館者60万人に 21日から18の催し

【鈴木宏子】土浦市立図書館(同市大和町、入沢弘子館長)が昨年11月27日、同駅西口前のアルカス土浦に移転・開館して1周年を迎える。1年間の来館者数は約60万人になると見込まれ、県内トップクラスとなる見通しだ。1周年を記念して、21日から27日まで「図書館フェス」が催され、6日間で18のイベントが繰り広げられる。

同館によると、18日までの来館者数は58万660人。1日平均1821人が来館し、年間来館者数は目標だった40万人の1.5倍となる見込みだ。昨年度、県内の図書館で最も入館者数が多かったのはつくば市立中央図書館の51万5000人。つくばを上回るとみられる。

1日当たりの平均貸出者数は587人、貸出冊数は1969冊。一人当たりの貸出冊数は移転前の旧館(文京町)と比べ2.2倍に増えた。年齢別では16~18歳の貸出冊数が旧館と比べ6倍、19~22歳が4倍と若い世代の利用が急増したのが特徴という。

来館者の内訳は、利用者アンケートに回答した792件を分析すると、高校生など10代の学生が40%を占める。利用頻度は全体で週に1~2回通う人が最も多く34%に上った。

同館は駅前のにぎわいを創出するというもう一つの役割を負う。市都市計画課が11月上旬に実施した1日交通量調査では、駅ビル西口前地点の人通りは市役所が駅前に移転してきた2015年と比べ、休日が1.32倍の8722人、平日が1.17倍の9913人に増え、通行量増加が数字で示された。

できることはすぐ改善

館内の利用環境は、利用者アンケートをもとに改善が図られてきた。開館当初は「持ち込んだ自分のパソコンをどの席で使えるか分からない」「近くの人の話し声がうるさい」などの意見があったという。意見をもとに、パソコンを使う席、高校生が勉強する席、図書館の資料を閲覧する席などに分けて、より利用しやすい環境を整えた。「いすを引く音がうるさい」という声には、いすの脚にクッションを付けるなどして対応した。

入沢館長は「アンケートはスタッフ全員に毎日、回覧している。改善できることはすぐやってきたのことが満足度につながっているのではないか」と話す。「『いい図書館。これからも頑張って』『受け付けの対応が良い』など励ましも寄せられるので、スタッフのモチベーションも上がる」という。

2年目を迎えるのを前に入沢館長は「引き続き図書館に来ていただけるよう努力し、まだ図書館に来てない市民の方もおられるので足を運んでいただけるよう工夫したい」と話す。21日からの「図書館フェス」ではカフェ、映画、コンサートなど図書館としては異色のイベントを開く。「まだ来館したことのない人に足を運んでもらうきっかけにしてもらい、駅前のにぎわいをつくれれば」と話す。

図書館フェスのイベントは以下の通り。

▽高野史緒講演会「図書館の天使たち—図書館で夢と出会う方法」=23日(金・祝)午後2時30分~4階研修室。土浦市出身で江戸川乱歩賞を受賞したSF作家。10月16日に発行された土浦を舞台にした作品「グラーフ・ツェッペリン夏の飛行」についても話を聞けるという。

▽映画鑑賞会「生誕100年—いわさきちひろ~27歳の巣立ち」=27日(火)午後1時30分~、4階研修室。日本を代表する絵本画家の知られざる人生に迫ったドキュメンタリー映画を上映。

▽渡辺大輔フォルクローレライブ「晩秋に楽しむフォルクローレの世界」=25日(日)午後1時30分~1階ラウンジ。かすみがうら市出身で元土浦市職員でもあるケーナ奏者。

▽リサイクルブックマーケット=25日(日)午前10時~4階研修室。図書館で不用となった雑誌などを無料で譲渡する。1人10冊まで。当日整理券を配布し入替制。

▽1日限定!図書館カフェ=23日(金・祝)午前11時~2階ヨムカフェラウンジ。図書館でバリスタのいれたコーヒー(250円)を楽しむ。

▽おとなのための朗読会=22日(木)午後1時30分~4階研修室で、土浦朗読の会による朗読会。

▽ちいさなおはなし会=21日(水)午前11時~2階おはなしのへや。0~3歳児と保護者向けおはなし会。

▽おはなし会=25日(日)午前11時~2階おはなしのへや。幼児~小学生対象のお話し会。

▽こども映画会「チップとデール」=23日(金・祝)午後1時~2階おはなしのへや。

▽腹話術&マジックショー=23日(金・祝)午前11時~2階おはなしのへや。けんちゃんとゆかいな仲間たちによるショー。

▽学校対抗!ビブリオバトル=24日(土)午前10時30分~1階プラザ、市内高校生がお勧めの本を紹介し観戦者の投票でチャンプ本を決める学校対抗書評合戦。学祭土浦とコラボ企画。

▽「貸出0回本」=21日~12月15日、2階展示棚。開館以来1年間、1回も貸し出されていない本を展示。

▽小林じん子展関連図書展示=1日~12月28日、2階情報ステーション。土浦市出身の漫画家、小林じん子さんが影響を受けた本を展示。市内で開催中の「小林じん子展」との連携企画。

▽親力アップ講座「こどものケンカ!その時親は!?」=21日(水)午前10時15分~2階おはなしのへや。乳幼児と保護者が対象。

▽本の通帳サービス=市内小中学生を対象に図書館で借りた本の履歴を銀行の通帳形式の手帳に印字できるサービスを23日(金)からスタート。

ほかに1階広場で▽ビバマルシェ=23日▽キッチンカー大集合=24日▽あおぞらマルシェが開催される。

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緊急消防援助隊が合同訓練 1都9県の隊員ら1400人が集結 

県内で20年ぶり 大規模災害発生時に全国各地に駆け付ける緊急消防援助隊 関東ブロックの合同訓練が12日、土浦市小高にある採石場、塚田陶管柳沢工場の敷地内で実施された。1都9県(東京、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、静岡、福島)の緊急消防援助隊による合同訓練の一環で、県内での開催は20年ぶりとなる。 12日と13日の2日間、土浦市のほか、ひたちなか、神栖、鉾田、鹿嶋、水戸市の13会場で、1都9県の緊急消防援助隊員や関連機関など約1400人が参加し、倒壊建物救助訓練、多数負傷者救助訓練、石油コンビナート火災対応訓練などのほか、宿営地設置・運営など後方支援訓練や、指揮本部運営訓練なども実施されている。 土浦の集落が孤立したと想定 訓練は、連日の大雨により河川氾濫や土砂災害が発生している中で、茨城県沖を震源とする震度6強の地震が発生したという想定で行われた。津波や大規模火災などが県内各地で発生し、多数の負傷者や孤立者が出た複合災害の状況を想定した。 土浦市の会場では、東京、埼玉、栃木の3都県の緊急消防援助隊210人と、茨城県内の消防広域応援隊14部隊60人が参加。同市東城寺地区の集落が土砂崩れにより孤立したと想定し、消防隊員らが専用重機で道路の障害物を除去したり、崩れた土砂に埋もれた車両や倒壊した家屋の中からの救助、ヘリコプターによる上空からの救助などの訓練が実施され、部隊同士や関係機関との連携、指揮系統の確認などが行われた。 ほかに自衛隊、国土交通省、茨城DMAT(災害派遣医療チーム)なども加わり、がれきが散乱して通行が困難な場所でも走行できる救助車両や消防ヘリコプター、照明車など約80台が救助訓練に当たった。 鬼怒川水害では支援受け入れ 緊急消防援助隊は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに創設され、大規模災害時に消防庁長官の要請などにより、他の都道府県から派遣される。2011年の東日本大震災や24年の能登半島地震でも活躍した。県内では、15年の関東・東北豪雨による鬼怒川水害の際に支援を受けている。 緊急消防援助隊ブロック合同訓練は、1996年から全国を6ブロック(北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州)に分け、各ブロック内の都道府県が持ち回りで実施してきた。茨城での開催は2005年以来となる。 茨城県消防安全課は今回の訓練について「県内での大規模災害の発生を想定し、近隣都県の緊急消防援助隊の応援を受け入れ、多くの関係機関とともに実施する今回の訓練は、受援体制の強化に大きく寄与する大変意義深いもの。本訓練を通じて、本県の受援体制の見直しを図り、茨城県緊急消防援助隊受援計画へ反映させていきたい」と話している。(柴田大輔) https://youtu.be/OkVy1R0cUdQ