日曜日, 4月 20, 2025
ホーム ブログ ページ 265

「宝篋山」地理院の地図に表記を ジオパーク推進協が署名運動

0
13日開かれた筑波山地域ジオパーク推進協議会臨時総会=つくば市役所

【鈴木宏子】つくば市小田と土浦市東城寺の境界に位置する宝篋山(ほうきょうさん)は、国土地理院の地図に山の名前の表記がない。筑波山地域ジオパーク推進協議会(会長・五十嵐立青つくば市長)が、名前を地図に表記する運動を展開することを検討している。13日、つくば市役所で開かれた同推進協臨時総会で明らかにされた。

標高461mの里山、宝篋山は、つくば市小田の住民らが荒れた山を整備し登山道を切り開いて以降、気軽に登れる山として人気が高まり、関東近郊から多くの人が訪れるようになった。宝篋山と周辺の平沢地区はジオサイトの一つにも指定されている。

同推進協によると、市内の登山愛好者から最近「ジオサイトに指定されているのであれば地図に地名が掲載された方がよい」などの意見が事務局に寄せられた。地名を表記するための必要手続きを国土地理院に尋ねたところ、宝篋山を管理するつくば市と土浦市の両市長から書面で申請があれば可能という回答があったという。

一方、宝篋山はほかに宝鏡山、豊凶山、峯鏡山、小田山、大形山などと表記されたり呼ばれたりしていることから、まず地域住民の理解を十分得た上で表記を宝篋山に統一したいとしている。さらに市民に地域資源としての宝篋山の価値や同ジオパークの取り組みを広く知ってもらう機会とするため、麓の小田休憩所などで署名活動を展開することを検討しているという。

臨時総会ではほかに「第5回日本ジオパーク関東大会」が2019年2月2日~3日、筑波山地域で開催されることが発表された。関東10地域のジオパークなどが一堂に介し、つくば国際会議場やつくばカピオなどを会場に、ジオガイド養成の課題や関東全体のジオストーリーの構築などについて話し合うという。約120人が参加予定で、筑波山地域のジオツアーなども開催する予定という。

「土浦ブランド」認定へ 自慢の一品を募集

0
展示、販売されている土浦の名産品=市役所1階の土浦市観光情報物産センターきらら館

【谷島英里子】土浦市の農林水産物や加工品を活用して市内外に魅力をもっとPRしようと、同市は新たに「土浦ブランド」を創設する。土浦ならではのこだわりのある農林水産物、加工品、料理、レシピなどを認定する。3月2日まで、自慢の一品を募集している。

国の地方創生推進交付金を活用した土浦ブランドアッププロジェクト推進事業の一環で取り組む。①土づくりにこだわっていたり、地域の伝統を守っているなど、自慢できる市産の農林水産物や加工品②ここだけの料理や地元ならではの調理法など、市産の農林水産物を使った料理やレシピ③土浦の歴史の中で生まれた食文化や伝統食品、多くの市民に愛されている和菓子や洋菓子など、歴史や物語がある食品—の三つの分類で認定する。

土浦ならではの素材や技法で生産されているか、アイデアやこだわりがあるか、土浦にちなんだ伝承、物語、エピソードがあるか、市のブランド力を向上させることができるか、高い品質があり、安全・安心で環境に配慮して生産されているかなどを審査する。

認定品は「土浦ブランドシンボルマーク」を使用でき自社商品の宣伝などに活用できるほか、市のふるさと納税の返礼品やシティプロモーション(市の広報活動)などでも優先的に活用される。認定期間は2年間。

第1回目として市は、土浦ブランドの申請を3月2日まで募集している。市農林水産課によると、5~10件程度の認定を想定しているという。

▽応募資格は、市内に事業所があり、生産、製造、加工、販売などを行う個人や法人で、市内での購入か飲食が可能なもの▽応募方法は所定の認定申請書に必要事項を記入の上、市農林水産課に持参か郵送、ファクス、または電子メールで申請する。ただし1申請者1件に限る。

問い合わせは市農林水産課内の土浦ブランドアッププロジェクト推進協議会事務局(電話029・826・1111)まで。

食品を福祉施設に カーブスがフードドライブ展開 15日まで

0
カーブス「フードドライブ2018」で集まった食料品=つくば市大角豆のカーブスつくば大角豆店

【崎山勝功】家庭にある食品を募り、食料を必要としている福祉施設の子供たちや女性などに寄付するフードドライブ=メモ=を、女性専門のフィットネスクラブ「カーブスジャパン」(本社東京)が、15日まで実施している。つくばなど県内38店舗を含む全国約1800店舗で、常温保存食品の寄付を受け付けている。同キャンペーンは2007年から毎年行われ今年で11回目。

このうち、カーブスつくば大角豆店(つくば市大角豆)には、会員から乾麺や調味料などの食料品が集まっている。「9年間ほぼ毎回寄付している」という、同店会員でつくば市の主婦(73)は「ささやかな気持ちから寄付している。何かの助けになればいい」と話す。

同店の坂本春香店長(31)は同キャンペーンが会員の間で定着していると語る。西村夏海サブマネージャー(29)は「人が集まる場所でないと食料品を集めるのは難しいので、少しでも広まれば」と、フードドライブ運動の広まりを訴える。

同店では集まった食料品を福祉施設などに寄付した際、会員に向けて贈呈時の写真を貼りだして報告しており、つくば市の主婦は「報告を見て『役に立ってよかった』と思う。ほかのグループや施設でも取り組んでもらえれば」と話した。

同社広報室によると、17年実施の同キャンペーンでは県内の会員など約5000人(16年は約4650人)が参加。県内の店舗で計約8t(16年は約8.2t)の食料品が集まった。会員からの寄付に加え、報道などで一般市民が同キャンペーンを知り、同社店舗を訪れて食料品を寄付した例もあったという。

県内各店舗で集められた食品は、昨年はつくばなどの県内17カ所(16年は12カ所)の児童養護施設や母子生活支援施設などに寄付され、施設数はこれまでで過去最多となった。

受け付ける食品は、賞味期限が18年5月1日以降まである缶詰やレトルト食品、コメなど常温保存可能な未開封の食料品で、生ものや冷凍食品は対象外。同店は女性専用のため男性は店舗入口での受付となる。問い合わせ先はカーブス本社(フリーダイヤル0120・441・029)。

◆メモ・フードドライブ

家庭にある食品を募り、食料を必要としている子どもたちや女性、高齢者に寄付する運動。1960年代に米国アリゾナ州フェニックスで始まり、現在では全米各地の学校、企業、地域で一般的に行なわれている。同様の活動として「フードバンク」があり、県内ではフードバンク茨城(本部牛久市)が活動している。

「見た目に楽しい」が人気 バレンタインデー商戦大詰め

0
チョコレート売り場で品定めする来店客=つくば市稲岡のイオンつくば店

【崎山勝功】14日のバレンタインデーに向けて、スーパーなどの小売店や洋菓子店でバレンタインデー商戦が大詰めを迎えている。これまでは女性が男性に向けてチョコレートを贈るのが一般的だったが、近年では女性の友人同士でチョコを贈りあう「友チョコ」や、購入者本人が食べるために購入する「ごほうびチョコ」など贈り方が多様化しているという。

大手スーパーのイオンつくば店(つくば市稲岡)では、1階催事場に特設コーナーを設けて販売に力を入れる。「LOVE(ラブ)!をばらまこう!」を今年のコンセプトに据え、チョコレートを「みんなで贈り合う文化」を推進している。同社の広報担当者は「いろいろな贈り方が増えているので『好き』という気持ちだけでなく、感謝の気持ちを込めてバレンタインチョコを贈り合えれば」と説明する。

同店のチョコ売り場には最大約1000品目をそろえており、化石や化粧品の形をした個性的なチョコレートをはじめ、自分で作る人向けに原材料の板チョコや調理器具などを販売。中には男性への「チョコと抱き合わせの贈り物」として、男性用下着も販売している。同社では「贈り方も多様化しているので、いろいろなニーズに合わせた商品を用意している」という。

今年の売れ行き傾向として、広報担当者は「見た目にも楽しいチョコが人気。女性から見て楽しめるチョコが選ばれる傾向にある」と分析する。

売り場を訪れた龍ケ崎市の会社員女性(38)は「会社の友だちに10個ぐらい贈る予定。上司には友だちよりちょっと上のものを贈る」と、チョコレートの品定めをしていた。

人気キャラクター「ハローキティ」のイラスト入りの、化粧品の形をしたチョコレート各種=同

理工系の書籍充実 リブロ クレオから移転、11日キュートに再オープン

0
理工系新書「講談社ブルーバックス」などの理工系図書が並ぶ本棚=つくば市吾妻のリブロつくばキュート店

【崎山勝功】つくばエクスプレス(TX)つくば駅近くの大型商業施設クレオ2階(つくば市吾妻)で営業していた書店「リブロ」(本部東京都豊島区)が、クレオの閉鎖に伴い、隣接のキュート2階に移転して11日から営業を再開した。新店名はリブロつくばキュート店。

「文化の発信拠点」を担う書店が全国的に減少傾向にある中、稲葉順店長は「(つくばは)30年来付き合いのある土地なので、つくばの本屋を守る」と意気込みを示した。その上で「ネット通販もあるけど、実際に見て、触れ、判断する手助けをしたい。書籍の中身を見て自分の感覚に合うかはネット通販では分からない」と、本と触れ合うことの重要性を説く。

同店は広さ約191㎡、取り扱い冊数は約4万冊。市内のショッピングモール内にある大型書店と差異化を図るため、理工系新書「講談社ブルーバックス」専用の本棚を2つ設置するなど理工系図書を充実する。主な客層として筑波大の学生や市内在住の研究者らを想定しており「車を使わなくても行ける書店」「コンパクトで幅広く」をコンセプトに据える。

同店を訪れた東京理科大薬学部5年の女子学生(23)=同市在住=は「理系を専攻しているので、勉強に役立ちそう。電車で通学しているので、駅の近くに書店があるとありがたい」と話した。

同店は1985年のクレオ開業以来、西武筑波店5階で約30年にわたり営業していたが、2017年2月末の西武撤退に伴いクレオ2階に移転。今年1月末のイオンつくば駅前店の撤退で、キュートに再移転した。

5cm四方の“世界” 渡辺のり子さん、土浦で個展

0
5cm四方の小箱が展示された渡辺のり子さんの個展=土浦市中央1丁目のギャラリー「がばん クリエイティブルーム」
作品のひとつ「夜の噴水公園」

【谷島英里子】5cm四方の箱に小物を入れて“世界”を作る、つくば市のアーティスト渡辺のり子さん(29)の個展「長い旅行の断面図」が土浦市中央1丁目のギャラリー「がばん クリエイティブルーム」で開かれている。

発砲スチロール製の箱の中に、おもちゃ、クギ、綿、ロウソク、キーホルダーなどの小物を入れて、一つの世界を作っている。

作品のひとつ「夜の噴水公園」は、鳥のブローチと石とくぎを組み合わせた。紺色に塗られた箱の中に、外灯に見立てたくぎが立てられ、2羽の鳥が池に浮かんでいる。

渡辺さんは筑波大学芸術専門学群卒。学生のころ、箱のアーティストとして知られる米国のジョゼフ・コーネルの作品と出合い、2009年ごろから箱に小物を入れた作品の制作を始めた。11年から土浦市内にある劇団「百景社」で舞台美術を担当しながら、現在までに計300箱を制作した。今年度で退団し、アーティスト活動に専念する。劇団員として最後の個展だ。

渡辺さんは「一箱一箱まったく中身の違う作品を見ることによって、見る人を小さな世界への旅へと導いてくれると思う」と話している。

展示期間は11日と16~25日。開館時間は午前10時~午後6時まで。入場無料。

◆ワークショップ「掌(てのひら)サイズの世界作り」を17日開催する。時間は午後1~4時まで。予約不要。参加費500円。箱に入れたい小物を持参して作ることもできる。問い合わせは百景社の根岸さん(電話029・896・3099)まで。

ワークショップに参加し記者も体験した。作品のテーマは「栄光を掴む」。持参したクラウンのネックレスをメーンに制作。2時間ほどかけ、キラキラに仕上げた

一人暮らしする障害者、高齢者を応援 福祉アパート「あんしん荘」

0
玄関やトイレに手すりが設置され、家電製品が備え付けられた「あんしん荘」の室内を案内する鈴木一也さん=土浦市真鍋

【鈴木宏子】一人暮らしをする障害者や高齢者を応援する福祉アパート「あんしん荘」が土浦市真鍋と阿見町岡崎にある。大家で、土浦市の会社員、鈴木一也さん(35)が夫婦で運営する。

保証人がいなくても入居でき、敷金、礼金は不要。冷蔵庫、洗濯機、IH(電磁加熱)調理器、エアコン、照明などの家電付きだ。バリアフリーではないが、玄関やトイレなどに、入居者に合った高さに無料で手すりを付けてくれる。

入居時に、行政や民間の福祉・介護関係者、大家の鈴木さんと3者で面談する。介護や家事、緊急時の対応、経済面など、その人に合った在宅支援体制を3者で考え、週3、4日だれかが部屋を訪ねてくる体制をつくる。

土浦と阿見に1棟ずつある福祉アパートはいずれも2階建てで、各部屋の間取りは1DK、家賃は月3万4000円から3万7000円。2カ所とも車がなくても歩いて行ける場所にスーパーやコンビニがあり、バス停が近い。

土浦は築30年、阿見は築25年。日本政策金融公庫から事業用融資を受けて鈴木さんが購入し、改修して2016年から福祉アパートとして運営を始めた。現在、健常者も含め40歳代から70歳代が入居している。購入時、いずれも半分以上が空き室だったが、10室ある阿見は満室、8室の土浦は7室が埋まり2月中に満室になる。

■150カ所訪ね構想話す

不動産会社も大家も、高齢者や障害者の入居に消極的であることに疑問をもったことがきっかけになった。

九州地方で高齢者を積極的に受け入れていた大家から福祉アパートの経営を勉強。人口減少社会となり、地域によってはアパートに空室が目立っていること、一方でこれまで不動産業界があまり目を向けていなかった高齢者や障害者がアパートで自立生活を送りたいと望んでいることなどを知った。

福祉アパートの運営構想を自分なりに作り、2015年6月から、仕事が休みの土日曜などに、土浦、つくば周辺の福祉施設などを1カ所ずつ訪ねて回り、自身の構想を話し、需要があるかを探った。訪ねた施設は1年間で150カ所以上になる。

■リスクを一つひとつ除去

不動産賃貸業界では高齢者や障害者の入居に対して、室内での転倒によるけが、火災、犯罪被害、家賃滞納、孤独死などのリスクが懸念されている。

鈴木さんはリスクを一つひとつ検討し対応策を考えた。

室内で転んでけがをしないように必要な場所に手すりをつける▽段差がある場所に蛍光シールを張る▽ガラスが割れてけがをしないように飛散防止フィルムを張る▽火災が起きないようガスコンロや石油ストーブでなくIH調理器やエアコンをあらかじめ設置する▽玄関の閉め忘れがないよう鍵はオートロックとする―などだ。

さらに3者面談で支援体制をつくるにあたっては、鈴木さんが独自に考案した用紙に健康状態や介護サービスの利用状況、経済状況、緊急時の連絡先などを記入してもらう。「仮に孤独死が発生したとしても保証会社の保険を活用できる」と鈴木さん。「リスクが誇張され過ぎている。介護・福祉事業者の支援や保険でかなり軽減できることを大家さん自身がもっと知るべき」と話す。一方で「不動産業界と無縁だったからこそ挑戦できた」ともいう。

鈴木さんは「支援者と連携することで障害者や高齢者が一人暮らしできるまちをつくることは、住みやすいまちをつくることになり、まちおこしにもなっていくと思う。空き家に悩んでいる大家さんはたくさんいる。福祉アパート運営のノウハウをつくって、必要な人に必要な情報を届けられたら」と話す。

問い合わせは鈴木一也さん(電話090・8330・4545、Eメール;ea10679@gmail.com)

土浦市真鍋の福祉アパート「あんしん荘」

子育て、福祉―「きめ細かい市民ニーズに応えた」 つくば市新年度予算案

0
2018年度当初予算案を発表する五十嵐立青つくば市長(中央)=7日、市役所

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は7日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ2.3%減の856億1700万円となる。過去最大だった前年度に次いで2番目の規模。五十嵐市長は「子育て、教育、出産、中心市街地(の問題)など、やらなければいけながったがこれまで手が付けられなかったきめ細かい市民ニーズに応えた」とし「子供の貧困対策に力を入れた」と強調している。

特別会計などを合わせた総額は1391億6700万円で同比1.6%減。つくばエクスプレス(TX)沿線の二つの義務教育学校の建設が終了したことからマイナスとなる。

歳入は、人口増加などから市税が同比2.7%増えると見込む。借金に当たる市債は二つの義務教育学校の建設終了により同比22・5%減少する。ただし市債と、将来発生する支払い見込額である債務負担行為を合わせた残高は前年度より増えて708億円になる見込み。旧茎崎町との合併算定替えの特例期間が終了し18年度から不交付団体となるという。

新年度の主な事業は、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭の児童などに支給する福祉金を児童1人当たり年3万円増額し1億2700万円を計上する。子どもの学習支援として、新たにNPOや社会福祉協議会などが取り組む無料学習塾4カ所に計850万円を補助する。

子育て支援は新規事業として、産婦人科を新たに開設したり、病床を増やしたり、医療機器を購入する産婦人科施設に費用の半額を助成する(5000万円)。出産後、体調不良や育児不安がある母親が、赤ちゃんと一緒に診療所や助産院に宿泊しながら育児相談を受けたり心身のケアを受ける産後ケア(525万円)にも新たに取り組む。

教育は、統廃合により4月に開校する秀峰義務教育学校のスクールバス運行に1億8400万円を計上。小学校に続き市立中学校11校の普通教室すべてにエアコンを設置する(4億1800万円)。

つくば駅前の商業施設クレオから西武筑波店に続いてイオンつくば駅前店が撤退するなど空洞化が課題の中心市街地対策は、クレオ跡地の利活用を調査する委託費などに648万円を計上。中央公園(吾妻)の池の水をきれいにして子どもたちが水遊びできるようにするなど、たまり場や遊び場をつくる実証実験をする中心市街地プレイスメイキング事業に1000万円を計上する。

ほかに、高齢者や障害者の外出を自家用車で移送支援しているNPOなどの福祉有償運送事業に計160万円を補助する▽市役所(研究学園)敷地内に、市民が交流スペースとしても利用可能な分庁舎を建設するため、9億4600万円(15年間)の債務負担行為を設定する▽産業振興センター(吾妻)を1億2300万円で再整備し1階に共有オフィスとなるコワーキングスペースなどをつくる▽中央図書館は、土日曜の開館時間を2時間延長し、無料駐車時間を1時間延長する(計915万円)。

民間保育所の保育士の給与に月額3万円を上乗せする保育士処遇改善助成金は、17年度に引き続き実施し2億2100万円を計上する。事業を凍結した竹園3丁目地区の地域拠点再構築事業は18年度も凍結のままという。

本庁経験生かし多方面で改革 筑波山神社 岩佐弘史宮司

0
筑波山神社の岩佐弘史宮司

【鈴木萬里子】2015年に筑波山神社(つくば市筑波)宮司となった岩佐弘史さん(54)が多方面の改革に取り組んでいる。神社本庁出向先の「神社新報」記者時代に、全国各地の神社を取材し、そこで得た経験から数々のアイディアを実践している。

同神社は元旦祭に始まり、春と秋の例大祭(御座替祭)など行事が多い。毎年2月10、11日は2日間にわたって節分にあたる年越祭(としこしさい)が催される。

まず取り組んだのが正月の境内の混雑緩和だ。拝殿正面の柱間に白布をかけた大賽銭(さいせん)箱を設けた。次に参拝者が歩く参道の石畳を拡げ、動線を確保した。通常の賽銭箱の約5倍となり、並ばずに参拝できる。祈祷は、名前での呼び出しから色別のプレートを渡しての放送案内で、従来に比べてよりスピーディになった。

車の渋滞対策も課題の一つだ。神社境内には1時間無料の駐車場が100台分ある。筑波山山頂は関東で一番、日の出が早い。そのため山頂で初日の出を拝む登山者が多く、元旦は未明から境内駐車場がいっぱいになる。ゴールデンウイークから紅葉までのシーズン中の週末も同様だ。登山者は長時間駐車するため車の入れ替えが出来ないことが渋滞の一因となってしまうという。

岩佐さんは「渋滞は車社会の弊害。境内を整備して駐車スペースを更に確保したい。利便性を考えスマホで渋滞状況が見えるようにもしたい」と次なる改革を目指している。

地元沼田の区長を長く務め同神社責任総代の渡邊一雄さんは「神社の行事がある日は朝8時に渋滞が始まり筑波山麓まで車列が出来る。山道なので拡幅するのは難しい。現在、歩行者の安全を図るため側溝にふたをする工事をしていて7~8割完成している。新しい道を他に作るしかないのではないか」と話し、岩佐宮司と共に新たな改革を模索している。

筑波山神社拝殿

薪ストーブ静かなブーム 愛好者が里山整備に一役

0
作業の合間に休憩するつくば薪クラブの小林さん(中央)と山田健司さん㊧。右は土地所有者の金子さん=4日、龍ケ崎市塗戸町

【橋立多美】環境にやさしい薪(まき)ストーブが静かなブームになっている。里山を整備しながら薪ストーブを楽しむ「つくば薪クラブ」(芳賀開一代表)のメンバーが4日、龍ケ崎市塗戸の約1haの雑木林の伐採に取りかかった。

力強いチェーンソーのエンジン音が冷たい空気を震わせ、大きく枝を伸ばしたエノキが次々に切り倒されていく。木の重心を判断し、狙った方向に倒すのは勘と経験を必要とするそうだ。

雑木林は千葉県流山市在住の金子保広さんの所有地。長年放置したことで400本ほどの雑木とササが生い茂った。一念発起して整備することにしたが孤軍奮闘しても歯が立たなかった。

同クラブは里山保全活動を実践しているNPO法人「つくば環境フォーラム」(田中ひとみ代表=つくば市要)の会員の中で、薪ストーブ愛好家たちが森林整備で出る木材の有効活用を図るために2008年に結成した。現在は「つくば薪クラブ」として独立し、下草刈りなど里山林の整備をしながら薪材の伐採や運搬、薪割り、乾燥など一連の薪作りを行っている。薪は活動に応じて会員に配分されている。

手慣れた様子でチェーンソーを操る同クラブの小林茂樹さん(59)=龍ケ崎市在住。「斜面での下草刈りや薪割りは体力を消耗するが、きれいな空気の下で仲間と交流しながらの作業はジムに通うより楽しい」と話す。

暖房器具として、インテリアとしても人気の高い薪ストーブの良さはどんなところにあるのか。「体の芯から暖まる心地良さとガラスの窓から見える炎に癒される」と、薪ストーブ使用歴20年の小林さんはいう。難点は薪の入手で、市販は一束700円前後と高額になるため、薪を確保するルートを持つことが必要になると話した。

所有林の伐採を依頼した金子さんは「手を入れなかったことで雑木が自生し、ササやツタが繁茂して陽が入らない暗い林になった。還暦を過ぎて『終活』として林をきれいにしなければと思った。だが遅々として進まず、つくば薪クラブのお陰で先が見えてきた」と安堵の表情を見せた。

同クラブは一緒に活動する仲間を募集している。問い合わせは「つくば環境フォーラム」にメール(tef298@lime.ocn.ne.jp)で。

エンジン音を響かせてチェーンソーで木の根元を切る小林さん=同

 

土浦の雛まつり開幕 干支のいぬテーマに創作雛も

0
干支の戌をテーマにした手作り作品=土浦市中央1丁目のまちかど蔵「大徳」

【谷島英里子】「土浦の雛(ひな)まつり」が4日、土浦市中央1丁目の土浦まちかど蔵「大徳」「野村」会場を中心に市内134店舗で始まった。大徳では土浦の商家に伝わる明治時代のひな人形の展示や干支(えと)の戌(いぬ)をテーマにした手作りの人形がお目見えした。期間は3月3日まで。

大徳では「花咲じいさん」と「ワンちゃん大集合」と題した創作雛が所狭しと飾られた。7段のひな階段には、干支のいぬの顔を施した創作ひなが展示されるなどユニークな作品もあった。

参加店にはつるし雛や創作雛が展示されている。今年も一部店舗でお茶やお菓子のサービス、和服来場者へのプレゼントがある。協賛店のスタンプラリーもあり、土浦駅前通り、中城通り、本町通り、亀城公園周辺の4エリアの店舗でスタンプを集めて応募すると抽選で景品をプレゼントする企画もある。

問い合わせは主催の市観光協会(電話029・824・2810)まで。

いぬの干支雛=同

土浦出身の大関高安が豆まき 5日、木田余の宝積寺

0
高安関らが豆まきした昨年の「節分会」=土浦市木田余の宝積寺

【谷島英里子】きょう3日は節分。土浦市木田余の宝積寺(飯山孝之住職)で5日、節分会が行われ、同市出身の大関高安関(田子ノ浦部屋)、田子ノ浦親方、前頭四枚目の荒鷲関(峰崎部屋)が本堂から豆まきする。

節分は厄年や還暦を迎えた男女が豆をまき、1年の健康を願う行事。同寺の節分会は、伝統文化を体験してもらおうと、木田余地区長会、同地区子ども育成会、資源保全会が協力して開催し6年目となる。

今年も高安関らが参加し、高安関と荒鷲関の色紙が当たるおひねりやお菓子などもまくという。豆まき後には力士と握手ができる交流会も設けている。

飯山住職は「豆まきをする家庭が減少しているので子どもたちにも参加してほしい。力士とも交流して楽しい時間にしていただけたら」と話している。

節分会は午後3時30分から、法要後に豆まきをする。問い合わせは宝積寺(電話029・821・6731)まで。

節分に向け恵方巻商戦ピーク

0
各種恵方巻が並ぶ売り場を訪れる来店客=つくば市稲岡、イオンつくば店

【崎山勝功】3日の節分に向け、恵方巻(えほうまき)商戦がピークを迎えている。スーパー、コンビニ各社や外食産業などがこぞって参入し、PRに余念が無い。

大手スーパー、イオンつくば店(つくば市稲岡)では、すし売り場に特設コーナーを設けて販売に力を入れる。飲食店ガイド「ミシュランガイド東京」で7年連続三ツ星を受賞したすし店「鮨(すし)よしたけ」が監修した「極(きわみ)恵方巻」(税込1058円)を中心に、魚介類やローストビーフなどの具材を取り入れた各種恵方巻を売り出している。

「極」は、エビ、煮アナゴなど8種類の具材を使った太巻きずし。のりは、1月下旬に佐野厄除大師(栃木県)で祈祷を済ませたものを使うなど随所で差別化を図っている。

2日、同店の売り場を訪れた土浦市の60代主婦は「夫婦2人で食べます」と恵方巻を買い求めていた。

イオンの広報担当者によると今年は、通常サイズ(約18㎝)よりも半分の長さのハーフサイズが増えており、種類の違うハーフサイズを3本パックにまとめ、食べ比べを楽しめるよう工夫しているという。

恵方巻を広めるきっかけを作ったコンビニ店でも、1月ごろから店内に恵方巻の模型やPRポスターを掲示し販売している。イワシ1匹の塩焼きを丸ごと包んだ「まるごといわし巻」など、意表を突いた商品を出す回転すしチェーン店もある。

 

恵方巻の模型が展示されているコンビニ店内=龍ケ崎市佐貫、セブンイレブン竜ケ崎若柴店

買い物客ら名残惜しむ イオンつくば駅前店閉店 33年の歴史に幕

0
クレオ内のシャッターが下りる様子を撮影するなどして名残を惜しむ買い物客たち=つくば市吾妻

【大志万容子、谷島英里子】つくば駅近くの大型商業施設クレオ(つくば市吾妻)は1月31日、イオンつくば駅前店と専門店全8店が営業を終え、33年の歴史に幕を下ろした。閉店時刻の午後8時、同駅前店出口では佐久間勇樹店長はじめ従業員が「ありがとうございました」と頭を下げながら、買い物客を見送った。クレオ2階の正面入り口前には、買い物客ら数十人が帰宅せずに残り、8時半ごろ、店内のシャッターが下り始めると、写真を撮るなどして名残を惜しんだ。

最後の営業を終え買い物客に頭を下げる従業員ら=31日午後8時過ぎ

最終日の店内は日中、買い物客でにぎわった。「ラストプライスご用意します!」との店員の掛け声がとび、「70%オフ」「半額」の札が並ぶ中、商品をカートに積みあげて買い物をする人たちの姿が見られた。

50代の女性は「大型ショッピングモールより(店内が)コンパクトで買い物しやすかった。20年以上前から利用しており、なくなるなんて思いもしなかった」と閉店を惜しんだ。3歳と1歳の子どもを連れた30代の女性は「去年、近くにマンションを購入したのに、西武に続いて立て続けに商業施設がなくなるのが悲しい。つくばの中心部が寂しくなってしまう」と不安を明かした。

佐久間店長は「閉店を発表して以降『子どもの頃から来店してきたので思い出が詰まっている』『大学生の時アルバイトでお世話になった』等の声を寄せていただいた。長年ご愛顧いただいた地域の皆様には心から感謝している」とコメントした。

つくば市の五十嵐立青市長は「昨年の西武筑波店の閉店に引き続き、イオンつくば駅前店の閉店により、クレオが全館閉店となることは非常に残念」とし「クレオはつくば駅前のにぎわいづくりの鍵となる重要なエリアであり、引き続き(クレオを運営する)筑波都市整備や関係者と連携しながら、公共施設の導入も含めて今後のあり方の検討を進める」とのコメントを発表した。

同店は1985年3月、ジャスコつくば店としてオープン。売り場面積は約6300㎡、1階は食品や家電、日用雑貨など、2階は衣料品を中心に扱い、昨年2月に閉店した西武筑波店とともに周辺住民に親しまれてきた。しかし同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)によると「つくばエクスプレス(TX)開通や郊外大型店が増えるなど周辺環境が変化し、消費者のライフスタイルも変わったことに対応できなくなった」。売上高も約20年前のピーク時に比べ半減していたという。従業員145名は近隣店に異動するなどして雇用を継続する。

同日営業を終了した専門店8店舗のうち6店舗は隣接する商業施設キュートに移転する。クレオの後続テナントについてはまだ見通しが立っていないという。

営業終了後、閉店セールの掲示物をはがす関係者=31日、午後8時30分ごろ

「議会って何?」 市民が情報公開し調査報告書を作成 土浦

0
「『議会って何?』市民レポート」を作成した市民団体「土浦まちづくり市民の会」のメンバーら=29日、土浦市国分町、市四中地区公民館

【鈴木宏子】市議会議員はどのような議会活動をしているのか、土浦市議会の年間議会費約3億9800万円はどのように使われているのかなどを、市民の立場からまとめた小冊子「『議会って何?』市民レポート」(A4判、22㌻)がこのほど作成された。

土浦市の市民団体「土浦まちづくり市民の会」(代表・長坂慎一郎元山形大教授)が、本会議や委員会の議事録を読み、計15回にわたって関係資料を情報開示請求するなどして、約1年かけ2015年度の実態を中心にまとめた。分析した結果を数値化して表にするなど見やすい工夫をしている。

市議の報酬や出席日数、質問回数のほか、1議案当たりの審議時間、政務活動費の使い道、委員会の行政視察の問題点などについてまとめた。

■1議案の審議3~8.2分

土浦市議の報酬は県内ランキング(13年度)で水戸、日立、ひたちなか市に次いで4番目に高く、兼業・兼職をしている市議が70%と全国平均の57%より多いことなどをまず指摘している。

さらに16年3月議会会期中に開かれた4つの委員会の議事録をもとに、議案の審議状況を調査。委員会での1議案当たりの審議時間はわずか3~8.2分で、審議の際出された質問回数は、質問が多い上位2人の議員の質問が70%を占め、質問ゼロの市議もいることなどを明らかにし、「約半数の議員は質疑に参加していないも同然」などと指摘している。

■行政視察「成果何も報告されていない」

政務活動費の使い道については、50%以上を視察旅費に当てている会派が3会派あったとし、「視察内容が市の抱える問題とかけ離れているものが多く、何のための視察か、見てきたことをどう市政に反映させるか問題だ」などとしている。

5つの委員会が16年度に計9回、約418万円の旅費をかけて行った行政視察については、それぞれの視察報告書を閲覧した上で「目的地、視察項目と土浦市との関連性が書かれておらず、視察先を選んだ理由が不明で、視察によってどのような成果があったか何も報告されていない」などと問題点を厳しく指摘している。

同会の高村義親事務局長は「日頃、議会に無関心だったことから『これではいけない』と思い立って作成した。初めて知る事実、驚くような実情があり、事実を知り、いい方向に変えていく力になれば」と語り、殿岡哲雄さんは「今後、議会に提言書を作れれば」と話している。

小冊子は計300部作成。1部200円。問い合わせは☎090・3147・0766(殿岡さん)。

昨年12月24日完成した「『議会って何?』市民レポート

打ちたてのそば485食 高齢者宅に届ける つくばの森林ボランティア

0
熱心にソバを打つボランティアら=つくば市森の里自治会公会堂

【鈴木萬里子】打ちたての常陸秋そばを地域の一人暮らしの高齢者宅に届ける「茎崎『おぐろくの森』高齢者新そば無料試食会」が27日と28日、つくば市茎崎地区で催された。地元の耕作放棄地で栽培したそばをボランティア20人が手打ちしてパック詰めし、民生委員の協力で計485食を届けた。

同市小茎と六斗地区に広がる「おぐろくの森」の再生に取り組むボランティア団体「つくばフォレストクラブ」(福木哲朗会長)が主催した。同会員らが育てた常陸秋ソバを使い、昨年に続き2回目の開催となった。市の公募型まちづくり補助事業「2017年度アイラブつくばまちづくり補助金」を活用した。

茎崎地区に住む一人暮らしの75歳以上の高齢者485人から申し込みがあった。昨年は300食だったが大幅に増えた。今年から茎崎地区の民生委員20人が協力し、老人宅を訪問するなど要望を把握してくれたのが大きかったという。

そば打ちは27日が宝陽台、六斗、下岩崎、28日は森の里、大茎の計5カ所の会場を使い、2日間かけてそばを打った。そば打ちボランティアも昨年の12人から今年は20人に増えた。全員が70代。その一人で「宝陽台そば打ち食す会」事務局長の深井勇悦さん(74)は「ボランティアで協力するのは良い活動だと思う。上手な人のそば打ちを見ることができて、スキル向上に役立つ」と話した。

出来上がったそばは、ボランティアらが一人前150gに計り、だし汁とわさびを添えてパック詰めした。配布は民生委員が協力して行い、打ち立てをすぐに食べることが出来ると好評だった。

同クラブ会員で新そば試食会の活動を中心となって支える佐藤文信さん(67)は申込者の増加について「昨年評判が良かったので食べたい人が増えたようだ。申込締切後も電話があり対応した。『おいしかった』『来年も楽しみにしている』の電話にほっとしている」と笑顔。今後について「今は数カ所でそばを打っているが、それぞれの地域単位でそば打ちから調理、会食まで出来るようになれば」と話した。

打ちたてそばの分量を計りパック詰めするボランティア=同

「相続を“争い”にしない対策を」 認知症増える中、税理士法人が講座 つくば

0
いつか直面する相続のために熱心に聞き入る参加者たち=つくば市千現、つくば研究支援センター

【橋立多美】多くの人がいつか直面する相続問題。認知症患者が増えている今、判断能力が十分でなくなったら財産の管理や相続はどうしたらいいかと不安を募らせる人は多い。

こうした社会のニーズに応える「あなたと家族を守る―認知症対策・相続対策講座」が27日、つくば研究支援センター(つくば市千現)で開かれた。同市や土浦、牛久市、阿見町など県南地域から約40人が参加して耳を傾けた。主催は同センターに事務所がある相続手続支援機構。

講師は税理士法人「栄光パートナーズ」代表で税理士や行政書士の資格をもつ逆井甚一郎さん(74)。専門用語を解説しながら、認知症になって判断能力が衰えた人を法律的に支援する成年後見制度、元気なうちに財産管理や終末期の尊厳死宣言などを登記しておく公正証書と遺言の重要性を説いた。

また認知症対策として注目されている家族信託(民事信託)についても触れた。2007年にスタートした比較的新しい制度で、信頼できる家族や親類に遺産の管理や処分を託すというものだ。

逆井さんは「おっくうがって相続の手続きに手を付けない人が多いが、遺産分けで生じるトラブルの原因のナンバー1は不動産」と話した上で、相続を骨肉の争いの舞台にしないために相続対策が大切だと強調した。

講座に参加した、つくば市の50代女性は「親が老いてきて相続のことを考えなければと思っていたが、窓口がどこにあるか分からなかった。今日は勉強になりました」と話した。

今回の講座は第3回目。今後も年に3~4回の頻度で開講していくという。問い合わせは☎029・846・6444( 栄光パートナーズつくば事務所、つくば研究支援センター内)

逆井甚一郎さん(左から2人目)と相談員たち=同

「筑波大生の演奏に元気もらった」 森の里団地 130人がジャズ楽しみ交流

0
ジャズ演奏をする筑波大ジャズ愛好会「ゑひもせス」のメンバー=つくば市森の里,、森の里公会堂多目的ホール

【崎山勝功】つくば市茎崎地区の住宅地、森の里団地でこのほど、森の里自治会文化部主催の「新春ジャズコンサート」が開催された。会場の森の里公会堂多目的ホールには小学生から年配者まで約130人が詰めかけ、筑波大学ジャズ愛好会「ゑひもせス」の演奏に聴き入った。

ジャズの定番曲「A列車で行こう」「イパネマの娘」「テネシーワルツ」など、アンコール曲も含めて全11曲を約2時間にわたり演奏した。住民たちは体でリズムをとって楽しんでいた。

同自治会は、昨年も同大のジャズ愛好会に出演を依頼。今年は今春卒業する4年生が主力の「ゑひもせス」の5人が出演した。演奏中にメンバーが卒業間近なことを語りかけたことから、演奏終了後に会場から「頑張れ!」の声援が送られた。

ボーカルとピアノ担当の奥田展也さん=芸術学群4年=は「エールに心から感謝、うれしい。地域の人たちの温かさを感じた」と話した。昨年も別のメンバーと出演したというアルトサックス担当の江橋佑奈さん(22)=同大比較文化学類4年=は「このメンバーでしかできない演奏ができた。卒業の節目になる」と語った。

主催した文化部の吉田敏部長は「森の里に限らず茎崎地区は高齢化が進んでお年寄り世帯が多くなった。家に閉じこもらず身近な場所で住民が交わることができるよう、四季折々にイベントを開催しており、新春コンサートもその一環。若い人たちが熱心に演奏するジャズの名曲に元気をもらったと思う」と話した。

演奏終了後、観客から「ガンバレ」コールが送られた

「夢中になった銀幕の世界伝えたい」 手描き映画看板展 30日から、アルカス土浦

0
新作を含めた映画看板と井桁豊さん=つくば市榎戸の井桁さん宅

【橋立多美】映画全盛期だった昭和の温かみを伝える「懐かしの手描き映画看板展」が30日から、土浦駅西口前のアルカス土浦1階、市民ギャラリーで始まる。土浦市優秀映画鑑賞推進事業実行委員会主催、シネ・フォーラムつちうら協力。

作者は旧水海道町(現常総市)生まれで、つくば市在住の元映画看板絵師、井桁豊さん(85)。少年雑誌の挿絵に憧れるほど絵が好きだった井桁さんは、中学を卒業すると地元にあった映画館で5年間看板制作の見習いを続けた。

用事を命じられて都内に行った時は映画館が立ち並ぶ浅草六区に立ち寄り、看板を見上げて観察したり、ベニヤ板に張られた看板の紙の材質を知りたいと、切れ端をこっそり持ち帰った。まさに先輩絵師の技を盗みながら画力を高めていった。

20歳で上京して映画館に就職した。当時は戦後の復興期で映画は娯楽の王様だった。邦画洋画を問わず名作が次々に公開され、1千点を超える映画看板を描き続けた。

しかし映画産業の衰退で帰郷し、イベント用看板を請け負う傍ら、映画愛好者が集うシネ・フォーラムつちうらの一員に。同フォーラムの自主上映会などの際には手弁当で看板を手掛けている。

90年代からシネコンが映画館の主流となり、映画看板絵師たちは姿を消した。「知り合いはみんな看板業になった。僕もその1人だが、大衆が夢中になった銀幕の世界を映画看板で伝えていきたい。あと3年は描き続ける」と井桁さんは話す。

今展では、これまでに描いた黒澤明監督作「羅生門」や洋画の名作「風と共に去りぬ」「ローマの休日」「タイタニック」などに加え、NHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」、大河ドラマ「西郷どん」など新作を含めた80点が展示される。

会場には、閉館となった市内の映画館が保管している映写機がお目見えする。

会期は30日(火)~2月4日(日)。入場無料。

自動運転車の事前テスト 自動車研究所が2月から開始 つくば

0
交差点を右折する際、直進してくる対向車に配慮した走行ができるかをテストする自動運転車㊨=つくば市苅間、日本自動車研究所内の模擬市街路Jtown

【鈴木宏子】日本自動車研究所(つくば市苅間)の模擬市街路Jtown(ジェイ・タウン)で2月から、同研究所による自動運転車の事前テストサービスが始まる。公道に出て実証実験をする前に、自動走行システムの安全性能やテストドライバーの対応力をテストしてもらい評価する。開始を前に25日、報道関係者を対象に見学会が開かれた。

自動運転システムの開発は現在、国家プロジェクトして取り組まれている。2016年に示された警察庁の「自動走行システム公道実証実験ガイドライン」で、同研究所が実験施設の一つとして挙げられたのを受けて、独自にテストと評価ができるようにした。

Jtownは自動運転の評価拠点として昨年4月、同研究所内に完成した。広さ16haで、交差点、カーブ、坂道、横断歩道のほか、工事現場などの障害物も設置され、市街地の道路を再現した。雨や霧、強い西日、夜間などの悪条件を再現できる特異環境試験場などもあり、3つのエリアで構成されている。

昨年からすでに自動車メーカーなどの利用が始まり、現在フル稼働状態という。これまでは利用者がそれぞれ独自に試験、評価していたが、2月から新たに同研究所がテストし評価するメニューを加える。

同研究所のテストでは、自動運転車にさまざまな計測機器を取り付けて走行してもらう。直線やカーブを適切な速度や軌道で走行できるか、赤信号や一時停止線で停止できるか、交差点を曲がる際、対向車や歩行者の動きに配慮した対応ができるか、降雨時や暗い中で、歩行者や信号、標識などを認識できるかなどを評価する。結果は、自動運転システムの改良やドライバーの訓練などに役立ててもらう。

永井正夫所長は「自前のテストコースをもたないベンチャー企業や大学、部品メーカーなどに利用してほしい」などとしている。

強い西日が差す中で、歩行者や信号機の色を認識できるかをテストする自動運転車=Jtown内の特異環境試験場