土曜日, 1月 17, 2026
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当事者家族の写真提供を知人に依頼 つくば市消防長を訓告処分

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つくば市役所

救急車不搬送事案で

高熱を出したつくば市の3歳男児(当時)が2023年4月、救急車を呼んだが病院に搬送されず、その後、重い障害を負った事案で(3月26日付)、つくば市は1日、市消防本部トップの青木孝徳消防長が当時、男児の家族の顔写真の提供を個人的に第3者の知人に求めていたことが分かったと発表した。

実際には写真を入手しなかったが、青木消防長の行為は公務員としての自覚を欠き、消防本部の長として不適切なものだったとして、市は7月28日付で消防長を訓告処分とした。訓告は懲戒処分ではなく厳重注意に当たる。

市消防本部によると青木消防長は、不搬送事案発生から約1カ月後の2023年5月中旬ごろ、男児の家族を知る知人に、家族の写真があったら送ってほしいと求めた。当時、不搬送案事案について家族から市消防本部に問題提起があり、家族と意見の食い違いがあったことから、どのような人物像か個人的に知りたかったためだと青木消防長は釈明しているという。

今年4月、男児の家族から、写真を入手しようとし、公務員及び消防長としてふさわしくない、などの申し出があり発覚した。

申し出を受け市人事課は青木消防長に聞き取りを実施、7月7日、市職員分限懲戒委員会を開催し、同28日、訓告処分とすることを決定した。市消防本部によると青木消防長は、軽率だったと反省しているという。

五十嵐立青市長は「今回発覚した行為は誠に不適切なもの。ご家族に対し心からお詫びすると共に、消防長の任命者としての責任を痛感している。消防長に対しては職責を再認識し、日ごろの業務を通じて市民及び職員からの信頼回復に努めるよう強く指導した」などとするコメントを発表した。

誤った宛名で21人に発送 つくば市 県戦没者追悼式の案内文書

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つくば市役所

つくば市が、県戦没者追悼式に参列予定の市民50人に7月25日発送した案内文書について、同市は31日、21人の封筒に記載された宛名に誤りがあり、11人に郵送されたと発表した。10人は「宛所に尋ねあたりません」として郵便局から市に返送された。

文書は参列予定者の送迎バスの集合時間や場所を案内する内容。29日午前9時ごろ、通知を受け取った市民から、名前が誤った封筒で届いている旨の問い合わせがあり、分かった。29人の封筒に誤りは無かった。

市社会福祉課によると、担当職員が名簿から封筒に印字する宛名データを作成した際、欠席者の氏名のみを削除してしまったため、氏名と連動していた住所がずれたことが原因という。さらに複数でチェックをしていなかった。

同課は7月29日と30日、対象者宅を訪問して謝罪し封筒を回収した。まだ連絡がとれてない市民については謝罪の文書を送付し、引き続き封筒の回収を行うとしている。

再発防止策として同課は、文書を発送する際には封筒に記載の住所、氏名について名簿と相違ないかを複数でチェックするとしている。

物理法則や数式が芸術に 1日からつくばメディアアート・フェス

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片岡純也さんと、フレミング「右手の法則」に着想を得た作品

芸術とテクノロジーが融合した作品の数々を展示する「つくばメディアアート・フェスティバル」が1日から、県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。この中で、つくば市からの委嘱を受けたアートユニット片岡純也さんと岩竹理恵さんの2人が、同市大穂の高エネルギー加速器研究機構(KEK)に滞在して想を練った作品が「つくばサイエンスハッカソン」の取り組みとして初披露されている(4月24日付)。

運動する展示

作品は「KEK曲解模型群」のタイトルで一括展示されている。いずれも回転したり弾き飛ばしたり、波の伝わる運作を繰り返す4つの運動群からなる。個々の作品名はなく、展示期間中、作家による説明や解説もないことから、見るものが思い思いに受け止めてくれればいいという構成だ。

2人は共に筑波大学出身。世界各地をめぐって「アーティスト・イン・レジデンス」の取り組みによる作品を発表してきた。今回は、つくば市の委嘱を受け4月18日から5月16日までの約1カ月間KEKに滞在し、28人もの研究者らに取材し14の施設を見学した。

KEKの細山謙二名誉教授には電気が鉄球を弾き飛ばす実験を見せてもらい、触発された片岡さんがエナメル線を巻いて「フレミング左手の法則」を実地になぞるような作品に仕上げた。岩竹さんは、松原隆彦教授の記した「回転の対称性を扱った数式」を板書のようにトレースして回転するボード上に貼り付け、飛翔する紙飛行機の回転と組み合わせてみせた。

「KEK曲解模型群」は10日まで公開された後、14日から20日まで、大阪・関西万博の内閣府・文部科学省主催の企画展「エンタングル・モーメント[量子・海・宇宙]×芸術」に展示される。

過去最大の出展数

つくばメディアアート・フェスティバルは筑波大学の工学・芸術連携リサーチグループの協力のもと展示する。2014年度にスタートし、隔年開催で7回目を迎える。学内公募により選ばれた学生や大学院生ら若手クリエイターたち20組の作品が展示され、過去最大規模の出展数となった。

「観測の部屋」と名付けられた作品

そのうちの一人、稲田和巳さんの「観測の部屋」は、つくば駅周辺の音を拾ったり、地図上に移動をトレースしたりして24時間を5分間で再現してみせるアートに仕上げた。

◆つくばメディアアート・フェスティバルは8月1日(金)~11日(月・祝)つくば市吾妻2-8、県つくば美術館で開催。開館時間は午前9時30分から午後5時。最終日は午後1時閉館。4日(月)は休館。入場無料。つくば市主催、筑波大学工学・芸術連携リサーチグループ共催。3日(日)午後には美術館2F講座室で「やってみよう!アートプログラミング」と題して、夏祭りをテーマに4つのワークショップを開催する。詳しくはこちら

「普通」が壊れたとき 彼は希望の光に《看取り医者は見た!》43

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写真は筆者

【コラム・平野国美】大震災で崩壊した図書館で「いつも通り」に行動し、パニックに陥った周囲を動かしたKさん(7月4日掲載)。彼の不可解にも見えた行動は、実は人類がその内に秘めた「多様性」という希望の光だったのかもしれません。

その行動を理解する鍵は「神経多様性(ニューロダイバーシティ)」という考え方にあります。脳や神経の働き方は人それぞれに異なり、それを優劣や正常・異常で分けるのではなく、一つの「個性」として捉える視点です。私たちが「発達障害」と呼ぶものも、その多様性の一つの現れとされています。

Kさんの行動は、自閉症スペクトラム(ASD)の特性と重ねてみると、深く理解できます。一つは「ルーティンへの強いこだわり」です。ASDの特性を持つ人の中には、決まった手順や日課を厳密に守ることで心の安定を保つ人が多くいます。震災という非日常において、彼が「定時出勤・定時退勤」というルーティンを崩さなかったのは、それが彼の世界を支える柱だったからです。

そして、その「変わらない姿」が、結果的に日常を失った人々の心の拠(よ)り所となりました。

もう一つは「シングルフォーカス(一点集中)」という才能です。周りの混乱した「空気」や人々の感情といった、曖昧で複雑な情報を処理するのは苦手かもしれません。しかし、その分、目の前の「本を分類し棚に戻す」という明確なタスクに対しては、驚異的な集中力を発揮します。誰もが途方に暮れる中で、この才能が復旧への一歩を踏み出す力になったのです。

平時であれば、彼の「空気が読めない」「融通が利かない」といった特性は、社会生活を送る上での「弱み」や「困難さ」として映ったかもしれません。しかし、震災という危機的状況において、それらは「パニックに動じない冷静さ」や「秩序を回復させる実行力」という「強み」へと劇的に反転したのです。

「みんなと違う」ことが存在意義

これは、人類の生存戦略そのものとも言えます。考えてみれば、私たちの祖先が厳しい自然界を生き抜いてこられたのは、集団の中に多様な個性が存在したからではないでしょうか。

危険をいち早く察知し、衝動的に行動する多動(ADHD)的な人がいたから、捕食者から逃げ延びることができたのではないでしょうか。Kさんのように、どんな時も変わらぬ手順を貫き、集団の知恵や技術を安定して維持する自閉(ASD)的な人がいたから、コミュニティは崩壊を免れ、文化を次世代へとつなぐことができたのかもしれません。

「普通」という型に全員を押し込める社会は、想定外の出来事に対して非常にもろい可能性があります。Kさんの物語は、神経の多様性は決して欠点ではなく、予測不能な世界を生き抜くために人類が進化の過程で手に入れた「才能の宝庫」ということを教えてくれます。こう考えると、Kさんの存在意義は、彼が「みんなと違う」ことにあったと考えられないでしょうか。(訪問診療医師)

TX東京駅延伸 機運醸成へ、効果を調査 首都圏新都市鉄道 

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「長期ビジョン2025」を発表する首都圏新都市鉄道の渡辺良社長

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道の渡辺良社長は31日、つくば市内で記者会見し、沿線自治体などから要望がある東京駅と土浦駅の南北二つの延伸のうち東京駅延伸について、秋以降、東京駅延伸がもつ社会・経済的意義について調査を実施し、機運醸成を図る一助としたいと話した。一方、土浦駅延伸についてはコメントする立場ではないとした。

今年8月に開業20周年を迎えるにあたり策定した「長期ビジョン2050」発表の記者会見の中で明らかにした。東京駅延伸については昨年12月、茨城、千葉、埼玉、東京の沿線11市区による「期成同盟会」(会長・松丸修久守谷市長)が発足し、今年6月、延伸効果の調査などを求める要望が出されたことを受けて、調査を実施するという。

調査内容については①鉄道整備による沿線の地価上昇効果が、東京駅延伸によりさらにどれだけ増えていくのか②東京と交流が増えることで、柏の葉やつくばなど産官学の研究機能がさらにどのような効果をもたらすのか③沿線で進められている持続可能なまちづくりに、さらにどのような効果が出てくるのか④首都直下型地震や自然災害が発生した時、防災機能をもつつくばと直結することで大きな効果を発揮するのかーなどを挙げる。

渡辺社長は「若い世代が、割と短時間で通勤できる沿線に住宅を確保できることによって、首都圏全体の労働環境が整備されることがもつ社会・経済的意義が議論される中で、機運の醸成を図る一助になれば」とし、「東京駅延伸の建設主体、運行主体がどこになるのか何も決まってないが、期成同盟会からの要望に対する答えとして調査を実施したい。鉄道会社としても調査研究は意味のあることで、東京駅延伸の社会・経済的評価を把握したいとする」とする。秋以降、民間シンクタンクなどに委託し、1年ほどかけて調査を実施する方針だ。

土浦駅延伸に対して「コメントする立場にない」としたのに対し、東京駅延伸については延伸効果の調査を実施するとしたことについて渡辺社長は、東京駅延伸は交通政策審議会で位置付けられ、さらに審議会で採算性の評価がされていて、1を超えると費用対効果が得られるとされる費用便益分析(B/C)が1を超えていること、期成同盟会を構成する沿線11市区がもつ同社の株式が5割を超えていることなどを挙げた。

東京駅延伸をめぐっては、国の交通政策審議会が2021年7月、東京駅と臨海副都心を結ぶ「都心部・臨海地域地下鉄構想」を、TXとの接続も含め事業化に向けて検討の深度化を図るべきだとする答申を出し、22年11月には東京都が、同地下鉄構想の事業計画案の発表で、TX延伸との接続を今後検討するとした。

コラボで何世代も住んでもらえるまちづくりへ

首都圏新都市鉄道の「長期ビジョン2050」は、TX20駅の鉄道ネットワークを基盤に、首都圏新都市鉄道と企業、住民、自治体、教育研究機関などが連携を強化して、技術革新を先導したり社会課題を解決するなど社会をリードしていこうという構想。渡辺社長は「沿線の人口は2045年まで増えるといわれているが、成長している時こそ次の手が打てる。沿線では流山市などで何世代にもわたって住んでいただけるような持続可能なまちづくりがされており、一緒にコラボし、沿線全体に広がっていくお手伝いができれば」と語る。(鈴木宏子)

山中たい子氏が立候補を表明 県議補選つくば市区

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山中たい子氏

知事選と同日の9月7日投開票で行われる県議補選つくば市区(欠員1、告示は8月29日)に、元県議で共産党つくば市委員長の山中たい子氏(73)が31日、同党から立候補すると表明した。同補選には元県議の塚本一也氏(60)=自民=が立候補を表明しており(6月27日付)、2人目となる。

山中氏は「参院選では、物価高や暮らしの大変さ、自民党裏金問題に対する怒りが現れた。自民党県政と正面から対決する共産党の議席を増やして、県民の多様な意見や願いを県政に届け、県民の命と暮らしを守るための県政に変えていきたい」と話す。

つくば市の課題として、県立高校が不足している問題を挙げ「(牛久栄進高校など)一部定員を増やすなどの改革がはかられてきたが、子供たちが増えていることに対する抜本的な対策が示されない」と批判する。県全体の課題としては「東海第2原発は防潮堤の施工不良問題で工事を来年12月まで延長することになったが、原発回帰の政策が推し進められようとしている中、再稼働反対・廃炉を訴える議席を増やさなければならない」などと話す。

その上で公約として①国保税、介護保険料、後期高齢者医療保険料の引き下げなど、暮らしと福祉を守る②児童生徒数増に見合う県立高校新設とクラス増設を進めるなど、教育と子育て政策を推進する③危険な東海第2原発の再稼働をストップし廃炉にするなど、食と農・環境を守るーなどを掲げたいとする。

山中氏は福島県小野町出身、日本大学Ⅱ部法学部新聞学科卒。千葉県商工団体連絡会に勤務。つくば市に転居後、1984年から旧桜村議・つくば市議を4期を務め、2003年から県議を4期を務めた。前回2022年12月の県議選は次点だった。現在、共産党県常任委員などを務める。(鈴木宏子)。

子連れ筑波山《ことばのおはなし》84

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写真は筆者

【コラム・山口絹記】金曜夜の仕事の帰り道。娘からメールが届いた。今週は忙しかったし、「お疲れ様」的な内容を予想しながら開いてみると、目に入ったのは「明日山登りに行ける?」という文面。ここしばらくの週末は、とんでもなく暑いか天気が悪いかのどちらかだったので、比較的涼しく天気もよさそうな明日はチャンスかもしれない。う~ん、重い体にムチを打ちつつ、「いいよー」と返信する。

翌朝、当然のようにたたき起こされ、寝ぼけまなこで登山用の服に着替えてパッキングを済ませる。今回は上の娘と下の息子を連れて、3人での初登山となった。息子は登山自体が初めてだったが、絶対行くと言って譲らなかった。最悪、途中から背負うことも考えなければならないが、できれば避けたい。ということで、登りはケーブルカー、下山のみのコースにした。

下山が目的であれば、途中で何かあったとき、こどもたちに登頂を諦めさせる必要がなくなるからだ。ある程度経験を積んでも、途中下山の判断をするのは難しいものだ。

先頭をずんずん進んでいく娘と、それに負けじと追いすがる息子。私は最後尾でふたりの様子を見る。すぐに音を上げると思っていた息子は姉への対抗心か、転んでも泣かずに立ち上がっては黙々と歩を進める。

明日は寝坊させてもらう

30分にも満たない外出でも疲れるとすぐに抱っこをせがむ息子が、自分で足場を探りながら山道を歩いている姿は親としてはなかなか感慨深いものがある。上の娘が初めて山登りをしたときは、自分の体に合ったルート取りをするということをしっかり教えなければならなかったのだが、息子は自然とそれができるようだ。

やはりきょうだいと言えど、違う人間なのだと実感する。普段と違う環境で子どもと過ごす価値というのは、こういうところにあるのだろうと思う。

3時間以上かかったが、無事に下山することができた。車のエンジンをかけてバックミラーで後部座席を見やると、お土産を胸に抱いて子どもたちはすでに爆睡している。いつでもどこでも体力がゼロになるまで動き続けられるのはこどもの特権だ。父の体力も限りなくゼロに近いのだが。明日こそ寝坊させてもらおう。それくらいの権利を主張したって許されるとうれしいんだけどな…と父は思うのだ(言語研究者)

TX茨城空港延伸へ活動を継続 7市議会期成同盟

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あいさつする長島幸男小美玉市議会議長

TX(つくばエクスプレス)の茨城空港延伸を目指す「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」の2025年度総会が29日、土浦市内のホテルで開かれ、メンバー7市の議会議長が活動の継続を確認した。現在つくば市止まりのTXをJR土浦駅まで延伸することについては茨城県の方針が決定しているが、さらに茨城空港(小美玉市)まで延伸するかどうかについては将来の検討課題になっている。

期成同盟会は2018年5月に土浦市で発足、それから7年間活動を続けてきた。メンバーに名前を連ねている議会議長は、土浦、石岡、つくば、かすみがうら、行方、鉾田、小美玉(会長市)の7市。この日の総会には、つくば市を除く6市の市長あるいは副市長・市長公室長も参加した。

小美玉市の長島幸男市議会議長はあいさつの中で「土浦方面延伸は県からその構想が発表されているが、空港を取り巻く環境が変化した場合は、次の段階として空港への延伸を議論することになっている」と述べ「沿線開発に伴う交流人口の増加などを促すためにも、空港延伸に向けた運動を引き続き展開する」と、活動の継続を訴えた。

期成同盟会発足の地である土浦市の安藤真理子市長は「今年2月に県から土浦延伸に向けた事業構想が発表され、TX延伸実現に向け一歩踏み出した。延伸で人の流れを常磐線に引き込むことで周辺市の活力を引き出し、県全域に波及させることができる」と、鉄道延伸の経済効果を強調した。

改めて空港延伸を議論

来賓として参加した茨城県の小松英雄政策企画部次長は「開通から20年がたち、TXは首都圏鉄道ネットワークの中で重要な役割を担っている。沿線開発により人口が9万人も増え、企業や商業施設の進出も活発になり、沿線地域の発展に大きく寄与している」とTX効果を総括、「空港延伸については、第3者委員会から『空港を取り巻く状況が変化した時には改めて空港延伸を議論する』との提言をもらっている」と述べた。

県は今月「茨城空港将来ビジョンー首都圏第3の空港を目指して」と題する報告書を発表。この中では「県が推進するTX県内延伸構想に関しては、土浦延伸実現後、空港を取り巻く総合的な状況の変化などを見極めた上で、改めて茨城空港延伸について議論することにしている」「同構想の進捗を注視しながら、将来における空港アクセスの充実について検討していく」と記載されている。

茨城空港の役割として「羽田・成田空港とともに、首都圏第3の空港として、日本の国際・国内空港需要に対応する空港」と、茨城空港の将来を位置付けている。TXを首都圏第3空港への重要なアクセス手段と考えているようだ。(坂本栄)

夏を彩る大型タペストリー 今年もつくば駅前商業施設に展示

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優秀賞を受賞した日本国際学園大の(左から)生井さんと鈴木さん

つくば駅前の夏を彩る、恒例の大型タペストリー作品展が商業施設トナリエつくばスクエア トナリエMOG1階のプラザ・パフォーマンス・ギャラリーで始まった。展示されるのは、日本国際学園大学の学生がデザインした作品。同大学とつくば都市交通センターが連携して実施している「TUTCタペストリーアートコンペティション」で優秀作品に選ばれたに2作品が、それぞれ約3週間ずつ展示される。

同展は2015年から始まり今年で11年目を迎える。今年は8月につくばエクスプレス(TX)が開業20周年を迎えることから、例年のテーマである「夏を彩る大型タペストリー」に「つくばらしさ」をテーマに加えて作品を募集した。応募のあった7作品から、生井妃萌乃さん(20)の「水鏡」と、鈴木翔斗さん(21)の「ガマと筑波山」が選ばれた。

同大情報デザイン学科3年の生井さんは、湖に映る夏の青空と、筑波山を描いた。筑波山の二つの峰を右上に天地逆さまに描き、大空を舞う鳥と漂う白い雲の姿を、水面の揺らぎとともに鮮やかに表現した。生井さんは「夏の涼しさを幻想的にイメージした作品。選ばれてうれしいし、これほど大きな作品を作ったことはなかったので自信になった」と受賞の喜びを語ると、「大学では、カフェなどお店のチラシやポスターを制作している。将来はデザインを通して自分が作りたいものを届けていきたい」と今後の目標を話した。

同じく情報デザイン学科3年の鈴木翔斗さんが描いたのは、筑波山ロープウェイつつじケ丘駅前にあるガマ大明神だ。2021年に閉館した、三井谷観光が運営していた食堂や物産展、子ども向け遊具を併設した観光施設「ガマランド」の敷地内に今もある高さ約5メートルの大型のガマを描き、下から見上げる大胆な構図が評価された。

鈴木さんは「ガマの迫力が伝わるデザインにしたかった。今回の作品のために改めて筑波山に行ってみると、目の前に広がる自然など筑波山の新たな魅力に気づく機会になった。筑波山にはガマの油売りなど他にはない魅力的なスポットがある。受賞には驚いたが、とてもうれしい。将来はデザインを生かした仕事に就きたい」と語った。

選考委員長を務めたつくば都市交通センター理事長の関俊介さんは「今年はTX開業20周年にちなんでつくばをテーマに設定した。センター地区の交通インフラを支える立場で、つくばを盛り上げ、にぎわいの演出に貢献できればと考えている。応募作品には、夏のイメージにつくばをどう表現するか工夫した作品が多かった。受賞した2作品を通じて、道行く人にもつくばの夏を感じていただきたい」と語った。

日本国際学園大学教授で審査員の高嶋啓さんは「応募作品には、つくばに広がる田んぼや、TXの車両、祭りつくばのねぷたなどがあった。大きくメッセージが入るなど、遊び心を取り入れたユーモアあふれる作品もあった。受賞した作品を通じて、つくばの新たな一面を知ってもらう機会になるとともに、清涼感を感じてもらえたら」と語った。(柴田大輔)

◆「TUTCタペストリーアートコンペティション」優秀賞受賞作品による大型タペストリー展は、つくば市吾妻1-6-1 トナリエつくばスクエア トナリエMOG1階プラザ・パフォーマンス・ギャラリーで9月8日(月)まで開催。生井妃萌乃さんによる「水鏡」は7月28日(月)から8月19日(火)まで、鈴木翔斗さんによる「ガマと筑波山」は8月19日(火)から9月8日(月)まで。入場無料。

子どもを育む居場所、遊び場に期待《令和楽学ラボ》36

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こども大学の授業風景

【コラム・川上美智子】イオンモールつくば(つくば市稲岡)に全天候型遊び場、「ミライパーク」が整備されたという。気候変動による猛暑が続く夏場は、熱中症アラートが連日のように発せられ、子どもたちが外で遊ぶことはほぼ不可能になった。ちょうど、夏休みに入ったところであるが、子どもたちの声は聞こえず、公園にも道路にも人の姿は見えない。このような全天候型の遊び場が身近にあることは、幼小の子どもの育ちに不可欠なのかもしれない。

日立市では6年前、雨天でも親子で遊べる屋内型子どもの遊び場「Hiタッチらんど・ハレニコ」を駅前(現ヒタチエ・4階)にオープンした。北関東最大と言われる㈱ボーネルンド監修による人気の遊具が整備されており、県内のみならず東京方面からの来場者もあり、本年2月には入場者50万人セレモニーが開催された。筆者が学長を務める特定非営利活動法人(NPO)「子ども大学常陸」が、設立時よりこれに関わり、日立市の指定管理者として運営を行っている。

あそび・まなび場は、安全を確保するため、12歳までの子どもと保護者が一緒に入場するスタイルになっており(13歳以上の未成年も家族と一緒であれば入場可能)、定員250人、90分入れ替え制となっている。ベビーゾーン、ロールプレイゾーン、アクティブゾーン、芝ゾーンには、たくさんのボーネルンドの遊具が整備されている。

日立市の「ハレニコ」内部

また、通路を挟んで無料の子育てサポートエリアと管理エリアがあり、親子遊び、各種講座、一時預かりサービス、相談事業など、保護者が利用できるスペースが設けられていて、子どもたちのうれしそうな声が絶えない。

知的好奇心を刺激し学ぶ楽しさを知る

そもそも子ども大学は、子どもたちに大学レベルの教育を施すために2002年、ドイツの大学で発足し、日本でも2008年にスタートした。子ども大学常陸も、学校とは異なる第2の学び場、体験の場、冒険の場としての役割を果たしたいと、2014年に日立に誕生した。子どもの知的好奇心を刺激し学ぶ楽しさを知ってもらうために、茨城キリスト教大学や茨城大学の教授陣を中心に、ゼミと称して、それぞれの専門性を活かした授業を分かりやすく、実技などの活動を交え、アクティブラーニング形式で進めている。

このほか、設立以来、誰よりも力を注いできた山名芙美理事長の手腕により、日立市や地域の団体、企業と連携して数えきれないほどの事業を実施し、日立市の子育ち・子育て拠点の役割を果たすまでに成長した。

昨年度の事業を見て行くと、ふるさとの歴史を知る「ひたち自然史パンテオン」、「あそびコンシェルジュの設置」、「サッカー大会」、「親子で楽しいリズム」、「パンポン教室」、「日立科学遊び隊の体験イベント」、「おはなし会」、「ライフケア日立連携事業」、「茨城キリスト教大学ゼミ生による無料託児」、「ママの自分時間プロジェクト」、「キラキラワークショップ」、「お誕生日会」、「ハレニコマルシェ」、「ママサロン」、「ハイハイレース」などの自主事業、職場体験、シビックセンター・サクリエ、森の学校、丸善イベント、日立産業祭、パンダフェス、保育園情報交換会、県北ママコミュ等の協力事業などがある。

子どもの安全管理、28人の従業員の労務管理、研修など保育園運営に負けず大変な面があるが、子どものゼロ歳からの学び支援と子育て中の保護者支援として重要な施設であることだけは確かである。つくば市に発足した新施設が、子どもたちの多様な活動の拠点になるよう期待している。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)

土浦の8中学校77人 強豪関彰商事野球部から実技指導受ける

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関彰商事野球部選手の指導を受けながら打撃データを計測する中学生(手前右)

社会人軟式野球の強豪で国体、天皇杯茨城大会2連覇を果たした関彰商事野球部による野球教室と合同練習会が27日、J:COMスタジアム土浦で催され、土浦市の地域クラブ「ブルーオ―シャン」に所属する8つの中学校の中学生77人が二つのグループに分かれ指導を受けた。

守備の指導を受ける中学生

熱中症対策として午前8時に開会式を行い、キャッチボール、バッティング、ポジション別練習などを実施した。弾道計測器など最新機器を使ったデータ計測も行われ、一人一人の打球速度、打球角度、打球飛距離を計測した。投手は投球スピードの測定を行った。

走塁練習の指導を受ける中学生たち

フリー打撃では、最初に関彰商事の選手がバッティングを行いスタンドに打球を叩き込むと、子供たちから大きな歓声と拍手が響いた。

バッティングの手本を見せる関彰商事の選手(右)

球場内にある室内スペースでは、けがの予防、動きを良くする股関節のストレッチ指導も行われた。

打撃指導を受ける中学生

関彰商事の藤井楽監督は「野球を楽しんでやってほしい。みんなの成長を期待している。高校、大学、プロで活躍を祈っている。頑張って欲しい」と今後の成長に期待を寄せた。飯田涼太主将(都和中学校出身)は「いろんな子供たちと触れ合えて楽しかった。技術の指導は顧問の先生に任せて軽くアドバイスして基本的なことを教えた。中学生から野球を始めた子供もいるのでまだまだ成長段階、伸びしろはある」などと話した。

打撃のアドバイスをする関彰商事の飯田涼太主将(中央)

参加した新治学園義務教育学校8年(中2)の岩瀬健心さんは「楽しかった。ためになることを多く学んだので9月から始まる新人戦に生かしていきたい」と話し、土浦ニ中1年の東洸祐さんは「日頃練習出来ないこと、学習出来ないことを選手が分かりやすく教えて下さって、一人一人に合ったトレーニングを教えてくれたので、これから野球をやっていく中で、学んだことを練習や試合に生かしたい。次は自分たちが学んだことを後輩たちに教えてつなげられるようにしたい。新人戦では市内で優勝して県南、県大会に出場してみんなで協力して優勝したい」と抱負を語った。(高橋浩一)

野球教室に参加した土浦市内の中学生と関彰商事野球部の選手たち

与党・既存政党が敗けた参院選で思うこと《文京町便り》42

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土浦藩校・郁文館の門=同市文京町

【コラム・原田博夫】7月20日が投開票だった第27回参議院議員通常選挙は、自民・公明の与党が予防的に低めに設定した勝敗ライン50にも届かず、与党の敗北が明白になった。とりわけ鮮烈なのは、参政党の大躍進である。

2020年3月に政治団体として届け出、同年4月に結党されたばかりの参政党は、第26回参議院議員通常選挙(2022年7月)で比例区1議席(神谷宗幣)を獲得でき、比例区5人(いずれも落選)の得票で約3.3%(176万票)を獲得して政党要件2%を上回り、政党交付金の支給対象となった。

第50回衆議院議員総選挙(2024年10月)で小選挙区に85人・比例代表に10人の候補者を擁立し、小選挙区では全員落選するも、南関東・近畿(比例復活)・九州の3ブロックで1議席ずつ獲得した。さらに認知度を高めた上での第27回参議院議員通常選挙である。選挙区7名・比例7名の計14名の当選で、非改選1名を加えると、15名の参議院議員に至った。立派な国政政党である。

今回の選挙結果からは、与党(自民、公明)の低迷・退潮、新興政党(参政党、国民民主、維新、れいわ、保守、みらいなど)の躍進に加えて、立憲・共産・社民など、いわゆる伝統的左派(リベラル系)政党の不振も明らかだ。

この背景には、⑴現下の物価高騰との対比での手取りの伸び悩み・生活の窮迫感、⑵ワンイシューの新興政党に、全方位型の与党の支持基盤が浸食されたこと、⑶インターネットやSNSなどへの依存度の高い若い世代(10代~40代)には新興政党への親近感が高かったこと、⑷21世紀に入ってから重視されるようになった(外国人との融和、LGBTや選択的夫婦別姓の導入・推進など)ポリティカル・コレクトネスへの人びとの心理的な躊躇(ちゅうちょ)などがあった―とする分析がある。

小選挙区と大選挙区の混在は問題

私はこの際、選挙制度に関する2点を付言しておきたい。第1は、衆議院と参議院で採用されている選挙制度にねじれのあることである。

衆議院議員は定数465人で、うち289人が小選挙区選出議員、176人が比例代表選出議員である。小選挙区の区割りは国勢調査人口に基づき最長10年ごとに見直される。比例代表は(都道府県域よりも広域の)全国11ブロックから選出される。候補者は小選挙区と比例代表の重複立候補が可能で、小選挙区で落選しても比例代表で復活当選が可能になる。

対して、参議院の定数は248人、うち100人が比例代表選出議員、148人が選挙区選出議員で、3年毎に半数の改選がある。比例代表選出は全国を一つの選挙区にしているが、選挙区選出は都道府県ごとの45選挙区(合区が2つある)で選出される。人口の多い都道府県では複数の議員が選ばれる大選挙区制、人口の少ない県では一人の議員を選ぶ小選挙区制が採用されている。

本来、民意に忠実であるべき衆議院では小選挙区が、良識の府であるべき参議院では大選挙区制が採用されるべきであるにもかかわらず、現職議員に過度に配慮して両制度が混在し、しかも組み合わせは逆の方向にねじれている。この大いなる矛盾を、そのままに放置している21世紀の日本人の政治的無神経さを疑う。

第2に、細かな点だが、投票の際の立憲民主党と国民民主党の政党略称は、分党以来いずれも「民主党」である。事後的に案分してもらうそうだが、これは国民に対して不謹慎ではないか。次回の国政選挙からは改めてもらいたい。(専修大学名誉教授)

雌と雄の特徴備えたカブトムシ つくば市内で発見

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展示されている雌雄モザイクのカブトムシ

27日まで 豊里ゆかりの森で展示

雌と雄の特徴を備えた「雌雄モザイク」のカブトムシがつくば市内で発見され、27日まで同市遠東の市豊里ゆかりの森昆虫館で生きたまま展示されている。発見したのは、同市東光台で寿司屋を営む小倉秀正さん(51)。今月15日夜、市内数カ所にカブトムシを採りに行き、翌日仕分けをした際に分かった。数万匹に1匹の珍しいものだという。

体長は約5センチで、前足の形や背中の表面にうぶ毛が生えている雌の特徴と、頭角と胸角を備えている雄の特徴を同時に持つ。細胞分裂の異常や、性染色体の脱落などが原因で起こるといわれ、子孫は残せない。19日から27日まで同館で展示し、その後はく製にして再展示する予定だ。

発見した小倉さんは、目の赤いカブトムシの繁殖も行っており、普段からたくさんのカブトムシを見ている観察眼が発見につながった。今後は地域産のレアなカブトムシで地域活性化を行いたいそうだ。

昆虫館で生きたまま展示されているミヤマクワガタを見せる豊里ゆかりの森職員の山本雄一朗さん

豊里ゆかりの森の山本雄一朗さん(38)は「雌雄モザイクは一生のうちに一度ぐらいしか見られない珍しいもの、展示している間に是非見にきてもらいたい」と話し、「昆虫館では生きているミヤマクワガタを展示しているなど、数を増やし、充実した内容になってきた。今後は子供向けの講座なども考えているので、期待してほしい」と来館を呼び掛ける。

カブトムシは土の中で半年以上過ごし成虫になってからの寿命は1~3カ月ぐらいと言われる。成虫はクヌギやコナラの樹液を好み集まる。ゆかりの森(12ヘクタール)のクヌギ林でもカブトムシが観察でき、昆虫採取もできる。(榎田智司)

夏の夜に里山で開かれる饗宴《宍塚の里山》126

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ニイニイゼミの羽化

【コラム・森本信生私たち「宍塚の自然と歴史の会」では、宍塚の里山を舞台にして、さまざまな観察会を開催しています。毎月第1日曜日(原則)には、専門家を招いた「テーマ別観察会」が開かれます。植物、野鳥、昆虫に加え、粘菌、プランクトン、種と実、きのこ、モグラ、遺跡など、多岐にわたるテーマで自然の魅力を探ります。

また、季節の移り変わりを体感できる「土曜観察会」は、毎週土曜日の午前中に実施。子どもたちには、遊びや体験も取り入れた「子ども探偵団」も用意しています。

ユニークなのが「夜の観察会」です。夜になると、昼間はひっそりと静かにしていた生き物たちが闇の中でうごめき、まるで別世界のような光景が広がります。春はカエル、夏は昆虫、秋は鳴く虫をテーマに、昼間とは全く異なる夜の里山に分け入ります。

ニイニイゼミの羽化

7月21日に行われた夜の観察会では、セミの羽化が圧巻でした。夕方、長い年月を土の中で過ごした幼虫たちが一斉に地上へ這い出してきます。今の時期に多いのはニイニイゼミ。成虫の大きさは20~24ミリ程度と小さく目立ちませんが、その鳴き声は特徴的で、梅雨明けと夏の訪れを感じさせてくれます。

ニイニイゼミの幼虫は、殻のまわりが泥で覆われているため、見分けやすいのが特徴です。水分の多い土を好むことや、体の表面に泥がつきやすい性質があるのかもしれません。幼虫はゆっくりと木を登り、背中が割れ、殻から抜け出し、今にも落ちそうなほどに背中を反らせ成虫が姿を現します。そして、徐々に羽の模様が現れます。

羽化の瞬間は、まさに生命の神秘を感じさせますが、同時に外敵に狙われやすい、最も危険な時でもあります。4年もの歳月を経てようやく地上に出てきた幼虫が、バッタの仲間であるウマオイにガチガチと食べられてしまう無残な場面にも遭遇しました。自然の美しさと同時に、その厳しさも痛感させられます。

ホタルといえば、水辺で成虫が飛び交うゲンジボタルやヘイケボタルを思い浮かべる方が多いと思いますが、陸生で幼虫の時に光るホタルも存在します。懐中電灯を消して雑木林の闇に身を置くと、木々の間に神秘的な青い光が点滅しているのが見られ、幻想的な気分に包まれます。

観察会では、宍塚大池の堤防に明かりを灯し、光に集まってくる虫たちの観察も行いました。夜の空気に溶け込むように虫たちの息づかいを感じることができます。

カラスウリの花びら

秋になると赤く熟すカラスウリの実。その花は、夏の夜にレースのような白い花びらを開き、翌朝にはしぼんでしまいます。闇夜に白く浮かび上がるその姿は、一夜限りの、まさに“夏の饗宴”と呼ぶにふさわしい光景です。

日中の暑さが厳しいこの時期、昼間の外出はためらわれるかもしれませんが、夏の夜には、静けさと神秘に満ちた別世界が里山に広がっています。夕涼みがてら、宍塚の里山に足を運んでみてはいかがでしょうか。(宍塚の自然と歴史の会 理事)

霞ケ浦、準決勝で力尽きる【高校野球茨城’25】

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3回表霞ケ浦2死二塁、大石の適時打で荒木洸史朗が生還

第107回全国高校野球選手権茨城大会は25日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われた。第2試合では霞ケ浦が2-7で明秀日立に敗れ、土浦つくば勢はトーナメントから姿を消した。

25日 準決勝 第2試合 ノーブルホーム水戸
霞 ケ 浦  001010000 2
明秀日立 22000111× 7

3回表霞ケ浦2死二塁、大石が左前へ適時打を放つ

霞ケ浦は序盤の4失点が最後まで重く響いた。先発の三浦颯介が初回4四死球と1安打で2点を失い、2回にも中前打と中堅への三塁打でさらに1点を失ったところで降板。「序盤からボールが上ずってコントロールできなかった。決まったときは相手を押せていただけにとても悔しいし、3年生に申し訳ない。来年はもっと力強い球を投げられるようになりたい」と三浦。

霞ケ浦の先発、三浦

高橋祐二監督によると1年生投手三浦の先発起用は、前日まで悩み抜いた結果だという。「市村(才樹)であと2つ勝ちたいが、さすがに18回は頼れない。いままで先発を任せてきた稲山(幸汰)も調子がいま一つ。三浦は今大会初登板だが、3回頑張ってくれればと思い、子どもたちにも相談して起用を決めた」

ところが皮肉にもこの日の市村は良かった。三浦に代わってマウンドに上がると、6回まで明秀日立打線を散発2安打に抑えた。「プレッシャーはなくチャレンジ精神で行った。春に負けている相手だが意識し過ぎず、力を抜いた結果がいいピッチングにつながった」と市村。

2回途中からマウンドに上がった市村

後は点を取るだけだが、6回を除く毎回走者を出しながら、なかなか思うように得点に結びつかない。4回は2死満塁としたが村上聖が二ゴロに倒れ、5回は無死満塁の好機にも、奪ったのは暴投による1点だけだった。

5回表霞ケ浦無死満塁、相手投手の暴投で三走・鹿又嵩翔が生還

特に5回途中から登板した相手の3人目投手、中岡誠志郎を打ちあぐねた。投球モーション中に足をぶらぶらと振り子のように振ったり、上手にクイックモーションを使ったりして、タイミングを狂わされた。

すると市村にも暑さの影響などが見えてくる。6回の失点はエラーと内野ゴロによるものだったが、7回は2安打と暴投、8回は4安打でそれぞれ1点ずつを許した。

8回裏明秀日立1死満塁、霞ケ浦が遊ゴロからのダブルプレーでピンチを脱する

7回表の霞ケ浦にはこの試合3度目の満塁のチャンスが訪れた。まず大石健斗が四球を選び、代打・大橋泰祥の左前打に敵失がからみ1死二・三塁、だが西野結太が見逃し三振、片見優太朗が四球で満塁。ここで原道仁志が代打に立ったが、内野フライに倒れた。

「打ちたい気持ちが先行し、ボール球を振ってしまう場面が目立った」と高橋監督。「特に5回のチャンスが惜しかった。一度追い付いていれば市村ももっと元気を出せた。6回くらいまではボールのキレ、精度とも今季一番だった」と悔やんだ。(池田充雄)

霞ケ浦の応援席

常総学院、準決勝で敗れる【高校野球茨城’25】

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相手校歌を聞き涙を流す常総学院の選手たち

今大会、優勝候補筆頭の常総学院が準決勝で敗れた。第107回全国高校野球選手権茨城大会は25日、ノーブルホーム水戸で準決勝2試合が行われ、常総学院は藤代に2ー4で敗れた。

25日 準決勝 第1試合 ノーブルホーム水戸
常総学院 100000010 2
藤  代 10102000× 4

常総学院はここまでの4戦全てコールド勝ちと、圧倒的な強さで勝ち進んできた。藤代は23日の準々決勝で、茨城大会では47年振りに完全試合を達成したプロ注目の水戸啓明の最速右腕、中山優人を打ち崩し準決勝に挑んだ。

1回1死2塁で常総学院の佐藤剛希がレフト前へ先制のタイムリーヒットを放つ

常総学院は初回に藤代先発のエース斉藤駿介から、先頭の浜崎怜央がセンター前ヒットで出塁。「いつも通りのスイングで低めの直球を振り抜いた」と浜崎。続く渡辺康太がバントで送り、1死2塁で佐藤剛希がレフト前へタイムリーヒットを放ち先制する。

1回佐藤剛希希のタイムリーで生還する浜崎怜央

その裏藤代も、常総学院先発のエース小澤頼人の立ち上がりを攻め、2本のヒットで1死1、3塁とすると、佐々木陸大がレフト前へタイムリーヒットを放ち同点に追いつく。

小澤は今大会初めて失点を許すと、3回には2死後永野快飛にライトオーバーのスリーベースヒット、石岡遼清にレフトへタイムリーヒットを打たれ2−1と逆転され藤代が勝ち越した。

先発したエース小澤頼人

5回、常総学院は浜崎のヒットで出塁すると、渡辺が四球を選び、1死1、2塁のチャンス。しかし続く佐藤剛希がピッチャーランナーで、2塁走者浜崎が飛び出しアウト。チャンスを逃した。

8回1死3塁で小澤頼人がライトへ犠牲フライを放つ

その裏藤代は2点を追加し突き放す。反撃に出たい常総学院は8回1死から柳光璃青がスリーベースヒットで出塁すると、小澤頼人がライトへの犠牲フライで1点を返すものの、9回は水口煌太朗、荒沼暖人と、有川志裕に代わる代打柴田隼里が倒れ、4年ぶりの決勝進出はかなわなかった。

8回小澤頼人の犠牲フライで柳光璃青が生還

藤代は春の大会準決勝で常総学院に敗れたリベンジを果たし、今大会ここまでわずか1失点だった常総学院から9安打、4得点を挙げた。優勝した2014年以来の決勝進出となる。

先発した常総学院の小澤頼人は「調子は悪くなかったが最後の決め球が甘く入ってしまった。辛いこともあったが仲間たちと支えあって出来た。最高の仲間たちだった」と常総学院での野球生活を振り返った。浜崎怜央主将は「初回に先制したが自分たちのペースにもっていけなかった。内容は悪く無かったし力は出し切った。藤代とは春に対戦し苦手意識は無かったが、(藤代先発の)斉藤駿介にしっかりコースを決められた」と話した。

試合終了後ベンチに引き上げる常総学院の選手たち

島田直也監督は「チャンスをものにした藤代の執念が強かった。小澤は最後まで小澤らしいピッチングをしてくれたし悪い球は投げていなかった。今日の試合は紙一重だったがツキがなかった。今年のチームは昨年よりは力がないチームだった。正直ここまで出来るとは思ってなかったが、浜崎主将の、何とかしたいという必死さを感じた試合結果で、高校野球を見せてもらった。負けたのは自分のせいで選手は力を出せた」と涙ぐんで話した。(高橋浩一)

安否確認適切に実施せず つくば市委託の宅配弁当業者 高齢者、自宅で死亡

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つくば市役所

つくば市は25日、高齢者の安否確認を主目的に同市が実施している「高齢者宅配食事サービス事業」で、委託業者が16日、適切に安否確認をしなかったと発表した。高齢者はその日の夜、自宅で死亡しているのが確認された。

弁当を自宅に届け高齢者から応答がなかった場合、委託業者の配達員はただちに会社に連絡し、会社は高齢者本人と緊急連絡先の親族などに連絡することが市の安否確認対応マニュアルで義務付けられている。しかし配達員はただちに会社に連絡しなかった。

市高齢福祉課によると、宅配業者の配達員は16日午後1時20分ごろ、市内の一人暮らしの高齢者宅に弁当を届けたが、インターホンを押しても、電話をしても応答がなかった。配達員はその日の午後4時ごろまで計5回、高齢者に電話連絡したが、応答がなく、職場に戻ってから会社に報告した。

一方、同日、高齢者と連絡がとれないことを不審に思った親族が、高齢者の子供に連絡し、同日午後8時30分ごろ、子供が高齢者の自宅を訪れたところ、玄関のドアノブに弁当が掛けられていた。子供が玄関のかぎを開けると内側にチェーンロックが掛けられ、すべての窓が施錠されていた。子供は警察に通報、その後レスキュー隊が駆け付け、室内に入り、洗面所に倒れている高齢者を発見した。

警察の検死の結果、死亡推定時刻は16日午前中で、死因の特定には至らなかった。高齢者は軽度の認知機能障害があったが、健康状態は良好で、かかりつけ医の定期的な診察を受けていたという。

事態を受けて市は委託業者に対し、経緯報告書と改善計画書の提出を求めたほか、再発防止のため業務委託仕様書と安否確認マニュアルの再確認と、事業の主目的である安否確認を徹底するよう指導したとしている。業者からは経緯報告書と改計画書が提出された。

高齢者宅配食事サービス事業は、安否確認や健康保持を目的に、買い物や調理が困難な高齢者に、希望する日に弁当を手渡す事業で、現在、市内の高齢者約130人が登録し、1日平均50人が利用している。弁当は1食650円で、一般の高齢者は400円で利用でき、差額の250円を市が負担している。宅配事業は土浦市に事業所がある1社が受託している。

視覚障害者の歩行誘導マットなど体験 関彰商事のアスリート社員2選手

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視覚障害者の屋内用歩行誘導マットを体験する山口凌河選手=つくば市二の宮、関彰商事つくばオフィス

車椅子やベビーカーも引っ掛かりなく

関彰商事のアスリート社員でパラリンピック日本代表の山口凌河選手(28)と高橋利恵子選手(27)が23日、大阪のゴム部品メーカーが開発した屋内用 視覚障害者歩行誘導マットなどを、つくば市二の宮の関彰商事つくばオフィスで体験した。高橋選手は「視覚障害者向けの製品がさらに進化していることを知ることができた」などと感想を話した。

2人は視覚に障害があるパラリンピック競技「ゴールボール」の選手で、山口さんは東京パラリンピック日本代表、高橋さんは東京とパリパラリンピック日本代表を務めた。高橋さんは東京パラリンピックで銅メダルを獲得した。体験会には山口選手を応援しているノンフィクション作家の小松成美さんも駆けつけた。

体験した誘導マットはゴム製で表面は平らで柔らかく、車いすやベビーカーなどが行き来しても引っ掛かりなく通行できるのが特徴。視覚障害者は床と誘導マットの材質の質感の違いを足の裏や白杖で感じながら歩くことが出来る。

誘導マットは縦横30センチ、厚さ5ミリ。床面に1枚ずつ両面テープで貼り付けて目的地まで誘導する

錦城護謨(きんじょうごむ、大阪府八尾市、太田泰造社長)が開発した。緑内障を患う男性が通院先の病院に、トイレまで点字ブロックを設置してほしいと頼んだ際、医師から、病院内はストレッチャーや点滴スタンド、車椅子などが行き交うので障害になってしまうと言われたことがきっかけという。他の医療・福祉機器の移動の邪魔にならない誘導ブロックとして開発された。両面テープで簡単に設置できる。

多目的トイレの床に設置できるトイレ誘導ライン

ほかに、多目的トイレの床に設置して便座や洗面台まで誘導するトイレ誘導ライン、視覚障害者がかばんに入れて持ち歩き、必要な時に必要な場所に貼る歩行テープが紹介され、それぞれ体験した。

かばんに入れて持ち歩き、必要な時に必要な場所に貼る「歩行テープ」を手にとって感触を確かめる(左から)高橋利恵子選手と山口凌河選手

多目的トイレの誘導ラインについて山口選手は「多目的トイレの中は配置がわからず、ほとんど使ったことが無かった。誘導ラインがあれば自分も使えると思う」と話し、高橋選手は「多目的トイレを使う場合は、まずトイレ内を時計回りに一周して確認していた」などと話した。

自分で持ち歩き必要な時に貼る歩行テープについて高橋選手は「歩行テープはいろいろなところで使いたい。例えば新幹線でトイレに行く際、自分の座席の目印に通路の床に貼るなどの使い方ができると思うが、社会の理解も同時に広がっていってくれれば」などと話した。

山口選手と高橋選手は今年2月、靴に装着して目的地を足の振動で案内する視覚障害者向け歩行ナビを体験した(2月25日付)。体験会の様子を発信した関彰商事のSNSを見た錦城護謨から山口選手に自社製品も体験してほしいと連絡があり、錦城護謨は日本ゴールボール協会のオフィシャルサプライヤー、関彰商事は同協会のオフィシャルサポーターを務めている縁から、社会貢献活動の一環として関彰商事が体験会を開いた。(鈴木宏子)

残業少ない・休暇取りやすい… つくばのソフト会社 ユースエール認定企業に

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ハローワーク土浦の今野義勝所長から認定通知書を受け取るSmart Solutionsのプレーヴェ・ティル社長(左)=つくば市千現

市内2社目

残業が少ない、休暇が取りやすい、離職率が低いーなど、若者の採用に積極的で雇用環境が整った中小企業を厚生労働大臣が認定する「ユースエール認定企業」に、新たにつくば市千現のソフトウェア開発会社、Smart Solutions(スマート・ソリューションズ、プレーヴェ・ティル社長)が認定され、24日ハローワーク土浦の今野義勝所長から認定通知書が手渡された。

市内の認定企業は、2018年12月に県内で4番目に認定されたソフトウェア開発会社、ペンギンシステム(同市千現、仁衡琢磨社長)に次いで2社目。

認定基準は、正社員の平均残業時間が月20時間以下、有給休暇の取得日数が年平均10日以上、直近3年間の新卒者の離職率が20%以下など。

認定されると、ハローワークの支援拠点などで積極的にPRしてもらえたり、認定企業限定の就職面接会に参加したりできる。自社の商品や広告に認定マークを使用できるほか、総合評価入札を行う行政機関で加点評価などを受けることもできる。

同認定制度は若者雇用促進法に基づいて2015年10月にスタートした。県内の認定企業は28社目になる。

ティル社長によると同社は、従業員が始業時間や終業時間を自由に決めることができるフレックスタイム制で、自分で日々の労働時間を調整できるという。ティル社長は「全員がエンジニアなので、残業して長く働くより、睡眠時間をとって、どう解決するかやいいアイデアを出す方が大事」だという。同社技術営業部の中津留高広さんは「若い人を採用したいと会社のホームページで社員を募集していたが、2021年から3年間は採用できなかった。(6月17日に)ユースエール認定企業に認定されたことをきっかけにハローワークを通じてすぐに応募があり新卒者を採用することができた。こんなにすぐに注目してもらえるとは思わなかった」と話す。(鈴木宏子)

周辺地区商店街でチャレンジショップを つくば市がビジネスプランコンテスト

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昨年度のビジネスプランコンテストで選ばれ、吉沼地区に出店した(左から)原田まゆみさん 鷲尾祥規さん 藤田真一さん

新規出店や新規事業の立ち上げを目指す個人や団体を対象につくば市は、周辺地区商店街の空き店舗などで一定期間、チャレンジショップを出店するためのビジネスプランコンテストを開催する。

選ばれた人は同市吉沼と北条地区で、準備から運営まで行政や伴走者のサポートを受けながら、実際に実店舗の開業と運営を体験できる。独自性や話題性のある出店者を選出するという。ビジネスプランの募集は8月29日まで。

チャレンジショップ事業は、急速に発展する同市の中心市街地などから離れた周辺地区の振興と、新規事業の立ち上げ支援などを目的に2022年から実施している。

出店場所は、同市吉沼の商店街にある「吉沼まちかどテラス」と、北条にあるレンタルスペースの一角を利用した「北条イリアイテラス」の2カ所。業種としては小売業とサービス業を募集し、吉沼は飲食業も可能。利用料は月額1万円。

運営費として15万円の補助を受けることができるほか、行政や伴走者がSNSや市の広報などでPRしてくれ知名度アップを図ることができる。昨年度は、店舗レイアウトのアドバイスや、市役所内での出張販売によるPR支援を受けたほか、チャレンジショップ終了後は5月開催のつくばフェスティバルに出店などした。

審査スケジュールは、書類審査とプレゼンテーションによる最終審査があり、実際に出店が始まるのは10月からとなる。審査に当たるのはアオニサイファーム代表で市議の青木しんやさん、いなりとお赤飯ろはん店主の川渕明日香さん、中小企業診断士でビズシアの高橋寛さん、中小企業診断士でいろどり経営デザイン代表の赤田彩乃さんの4人。

体験後は実店舗やキッチンカーで

昨年度、北条地区に出店した和田紗智さん

昨年度は10人の応募があり4人が選ばれた。吉沼に出店したのは▽カフェ「WASHI no COFFEE」の鷲尾祥規さん▽ベーグル専門店「Dot.Begel」藤田真一さん▽絵本専門店「3Po Books」の原田まゆみさんの3人。北条に出店したのは▽ドライフラワーなどの雑貨店「curly flower shop」の和田紗智さんだ。鷲尾さんは現在同市みどりの東、藤田さんは牛久市で実店舗を経営している。原田さんは車で移動式図書館を運営している。和田さんはつくば市酒丸で実店舗を経営している。

鷲尾さんは「元々実店舗を持つのが夢で、実際に店舗を持つ前にチャレンジしたかった」と述べる。

市周辺市街地振興課の吉田未来さんは「ビジネスコンテストに参加された方には好評で、実店舗での営業体験が大変良かったという声も聞いている。これからは地域の協議会などともうまく橋渡しが出来たら良い」と話す。(榎田智司)

◆ビジネスプランコンテストの問い合わせは、運営事務局のセキショウキャリアプラス(電話029-860-5080、メールcs_tsukuba@sekisho-career.co.jp)へ。