木曜日, 3月 30, 2023
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「公園が借りられない」 つくばの食料支援団体 場所未定のまま開催を告知

「公園が借りられない」。そう話すのはつくば市の食料支援団体「学生応援プロジェクト@つくばPEACE(ピース)」の冨山香織代表(40)だ。コロナ禍、毎月1回程度、食材の配布を行っているが、今、開催の危機にひんしている。 筑波大学近くの松見公園(同市天久保)を中心に活動している。9月は25日または26日に開催する予定を立て、公園を管理する市公園施設課に申し込んだところ「緊急事態宣言の延長により屋外であっても公園は貸せない」と利用を断られた。 やむを得ず、つくばPEACEはツイッターなどのSNSで、25日か26日に必ず開催することを利用者に知らせた。安心してもらうために日付けのみの告知を行ったという。しかし配布日が約10日後に迫っているにも関わらず、いまだ開催場所は決まっていない。 2020年12月に食料支援活動を立ち上げた。コロナ禍でアルバイトが減って困窮する学生や母子家庭などに食材や日用品を無償提供することにより、生活の心配を減らし安心して勉強してもらうための活動を行っている。 猛暑となった夏期も、屋外の炎天下での活動は、食材が傷んでしまったり、利用者の学生やスタッフが熱中症になる危険を避けるため、屋内の公共施設の利用を申し込んだが、いずれもコロナ禍を理由に断られ、場所探しに奔走した経緯がある。 長蛇の列ができた今年4月の食材無料提供会=松見公園

届かない家庭とどうつながるか コロナ禍の子ども支援㊦

学用品や給食費の一部を援助する「就学援助」を受けるなど、経済的困難を抱えるつくば市の小中学生は約1400人(2019年度時点)。このうち、小学4年生以上は青い羽根学習会で無料の学習支援などを受けることができる。しかし実際に学習会に通っている子どもは今年1月時点で約2割の278人(一部、高校生も含む)だけだ。 つくば市は年に3回、学習会の対象世帯に郵送や各学校を通して案内を送っているが、なかなか学習会の利用につながらない。経済的な困難を抱えているのに支援に結びつかない子どもにどう支援を届けるかが課題となっている。 「歩いて通える範囲にない」 市民団体「つくば子ども支援ネット」(山内ゆかり代表)では、昨年8月から今年3月までに計4回、経済的に困難を抱える子育て家庭を対象に食品や学用品の無料配布会を開催した。最初の2回は、市内の公営住宅1800軒にチラシを配布し、支援が必要な家庭に幅広く配布会の情報が届くようにした。公営住宅に入っている子育て家庭は少なく、地道な作業だったが、配布されたチラシを見た10数軒の家庭が1回目の配布会につながった。配布会に来た家庭には、青い羽根学習会や子ども食堂の案内をしたが、「歩いて通える範囲にない」「(低学年のため)青い羽根学習会の対象になっていない」という声も聞かれた。 今年3月の配布会では、SNSなどでの呼び掛けとともに、スーパーの店頭にポスターを掲示し、80世帯まで対応できるように準備していたが、実際に配布を希望したのは69世帯。「支援を必要とする人の中には、情報を集めたり、支援につながったりする力が弱い人もいる。彼らにつながれるような方法を模索する必要がある」と、同支援ネット代表の山内さん(49)は話す。 今年度も数カ月おきに配布会を開催する予定で、必要な家庭に情報が届くよう、公営住宅へのチラシ配布や、企業等に協力を求めながら、様々な場所にポスターを掲示したい考えだ。「食料配布会に来る家庭は、教育が貧困の連鎖を止めるために重要であることを認識し、子どもが勉強することを支えてあげたいという意欲のある家庭。その陰には、もっと大変な家庭もあるのではないか」と山内さんは心配する。

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音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会

カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。

3回目の桜《短いおはなし》13

【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。

数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開

国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。

仕様書不備で落札決定取り消し つくば市

つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。