金曜日, 4月 23, 2021
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【震災9年】福島に入り猫救出を経験 つくばで地域猫活動のリーダーに

【橋立多美】つくば市在住の重松聖子さん(71)には9年経っても忘れられない光景がある。住む人を失った家の中に猫の骸(むくろ)が2体並んでいた―。巨大地震、津波に続いて福島第1原発が爆発し避難指示が出された。「すぐに帰れると思い、猫が外に出ないように鍵をかけて行ったんだと思う」 2010年、県南を中心に活動している動物愛護団体のボランティアとして啓発や犬猫の保護譲渡に取り組んた。翌年3月11日に東日本大震災が発生。厳冬期を迎えようとする10月、同団体に所属する3人で福島県東部の太平洋に面した浜通り地域の警戒区域に、置き去りにされた猫の救出に向かった。 早朝に福島県に入り、富岡町の施設で防護服に着替えて線量計を首から下げた。帽子と上着、ズボン、手袋、マスクが渡された。手袋は3重、靴は2重のビニールで覆った。 双葉町や大熊町、楢葉町、浪江町など大地震でインフラや建造物の倒壊が相次いだ被災地で、とり残された猫を探し回った。犬はほかの愛護団体が保護した。 「枯れた草の中に猫が隠れていないかと分け入る度に線量計の針が大きく振れた。自分の被ばく線量より生きている子を助けたいという思いが強かった」と振り返る。震災から半年以上空腹に耐えてまちをさまよった猫たちの体は、汚れてやせ細っていた。 街灯を流された被災地は明かり一つない。午後4時過ぎに活動を打ち切った。この日保護した猫は10匹だった。車に積んでいった100キロの餌は、救出できなかった猫が命をつなぐために、先に被災地に入った動物愛護団体が作った30カ所の餌箱に入れてきた。 土浦のシェルターで世話 所属していた団体が福島で被災した犬猫を保護するシェルターを11月に土浦に設置し、猫舎に約40匹、犬舎に20頭ほどを受け入れた。猫の世話を担当した重松さんは「どうしても懐かない3匹がいて、ケージの隅から動かず目はうつろだった。飼い主に捨てられた、何も信用しないと抗議しているようだった」。 ところが、懐かないのを承知で里親になってくれた家に引き取られると、生き生きして顔つきまで変わった。「家族として迎えられたことで人への信頼を取り戻したと思う。猫は家につくといいますが人につくんです」と重松さんは話す。 心ならずも、ペットを家に置いて逃げなければならなかった飼い主も辛いだろうと、猫たちの写真を、保護した町の避難所に掲示した。3組の飼い主が猫の好物を持ってシェルターに会いにきた。連れ帰ったのは1組。2組は避難所暮らしで飼えないと後ろ髪を引かれつつ福島に帰っていった。 震災時の体験が動物愛護への気持ちをより強くした。犬猫の殺処分数は減少傾向だが全体の80%を猫が占めていること、野良犬を見かけることはなくなったが野良猫が増えて全国的に問題になっていることから、地域の野良猫に不妊去勢手術などをする地域猫活動を推進する「Team.ホーリーキャット」を17年に発足させた=2019年7月17日付。 「飼い主は万一に備えて」 重松さんは「3月11日は震災を思い起こす日。想定外の自然災害が起こっているだけに飼い主には万一に備えてほしい」という。 首輪に迷子札を付けて写真を携帯するほか、フードや猫用の散歩ひもを入れたリュックとキャリーバッグはいつでも取り出せる場所に置く。またペット同伴の避難所が開設されるようになったことから、自治体のハザードマップで避難所の位置を確認しておくことを薦める。 ➡震災9年の関連記事はこちら

【震災9年】双葉町からの避難者 つくばの宿舎で最後の慰霊祭

【崎山勝功】東日本大震災から丸9年を迎えた11日、つくば市周辺で避難生活を送っている福島県双葉町からの避難者が、同市並木3丁目の国家公務員宿舎前で慰霊祭を執り行った。避難者の間では茨城県内各地に転居する動きが進んでいる。今回が同宿舎で開く最後の慰霊祭になるという。 慰霊祭は双葉町出身の中村希雄さん(78)方の宿舎の庭先に祭壇を設け、参列者約20人が1人ずつ線香をあげ、祭壇前で犠牲者の冥福を祈った。 地震発生時刻の午後2時46分ごろには、双葉町の方向に向かい犠牲者に黙とうを捧げた。黙とう後、時代劇「水戸黄門」の主題歌「ああ人生に涙あり」を合唱した。 慰霊祭を主催した中村さんは、11年10月から同市並木の公務員宿舎で避難生活を送り、震災から1年後の12年3月から毎月11日の月命日に宿舎の庭先で慰霊祭を開いてきた。17年3月までは毎月行っていたが、18年からは年1回前後の開催となっていた。今年は中村さん一家が3月中に転居し同宿舎を退去するのに伴い、同宿舎での最後の慰霊祭になる。 中村さんは取材に対し「晴れ晴れして、何か一区切りしたような感じ。こんなにたくさんの方に来ていただいて良かった」と語った。つくばでの日々を中村さんは「いいことづくめ。いじめに遭ったことは無く、みんなで楽しく日々を送ることができた」と振り返った。 慰霊祭には、筑波大体育系の長谷川聖修(きよなお)教授(62)と学生たちも一緒に参列した。長谷川教授らは、体操教室とグラウンドゴルフを通して避難者たちと交流を深めてきた。 長谷川教授は「慰霊祭に参加することで、メディアでは知ることのできない福島の実情、特に原発のことについて知ることができた。原発は自分、皆の未来のために考えなければならない」と語った。その上で「中村さんたちは辛い経験をされているはずだが、いつも明るく、逆に自分が元気をもらっている」と話した。国家公務員宿舎での慰霊祭は今回で最後となるが、体操教室やグランドゴルフへの参加により今後も交流は続くという。 転機を迎える避難者たち 並木の国家公務員宿舎にはピーク時で48世帯が住んでいたが、応急仮設住宅の供与期間が限られていることから、入居者たちの多くがつくば市や周辺市町村などに転居しているという。双葉町からつくば市内に移住した上原滋さん(75)は「あちこち回って、転居が8回目。(つくば市が)最後の住み家になると思う」と語った。 現在、土浦市に住む双葉町出身の新川義隆さん(73)は「土浦に永住する。土浦での生活も慣れてきた。地域の人が受け入れてくれたから」と新天地での生活を語った。新川さんの息子2人は仙台市に、3男は土浦市に住んでいるという。 ➡震災9年の関連記事はこちら

【震災9年】脱原発訴え つくばで市民集会

【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸9年を迎えた11日、脱原発と護憲を訴える「3.11から9年 さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会」がつくば市吾妻のつくばセンター広場で開かれた。市民ら約50人が参加し、東海第2原発の再稼働反対などを訴えた。 市民団体「戦争をする国づくりNO@つくば」と「安倍9条改憲NO!市民アクションつくば連絡会」の共催で行われた。 集会では、東海第2原発の再稼働の是非について県民投票を実施するよう直接請求に取り組んでいる「いばらき原発県民投票の会」の徳田太郎共同代表(47)が発言し、署名集めの現状について「昨日(10日)の時点で(有権者の50分の1の約4万9000筆を超える)約8万筆の署名をいただいている。つくば市では(市内)有権者の5%を越える1万筆の署名をいただいた」と県南地域で関心が高いと話した。その上で「私たち一人ひとりが考え、悩み、選択していく。私たちの民主主義は始まっている」と県民投票の意義を説いた。 集会では「首都圏で唯一の東海第2原発は、稼働40年を超す古い原発で、周辺30キロメートル圏に94万人が住む危険な原発」だとして、再稼働反対などを訴えるアピールを採択した。 新型コロナ影響、デモ行進取り止め 同集会は震災後、毎年3月11日に行われている。例年は集会後、つくば駅周辺をデモ行進するが、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響でデモ行進を取り止め、屋外集会のみの実施となった。今年は感染拡大防止のためマスク姿で参加した市民が多く見られた。 集会後に取材に応じた徳田共同代表は「県南は総じて他の地域に比べ県民投票への関心が高い。何といっても高齢の方の関心が高かった。逆に言うと若い世代に関心を持ってもらうのが今後の課題」だと述べた。 ➡震災9年の関連記事はこちら

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日本の子どもは可哀そう 《ひょうたんの眼》36

【コラム・高橋恵一】青年海外協力隊員として東南アジアに派遣された青年の経験談である。優れた日本農業技術で作物を育てたところ、高温多湿の気候の効果もあって、半年でそれまでの1年分の収穫ができた。現地農民は、大喜びをした。次に、協力隊員は、後半の作付けに取り掛かろうとしたところ、農民は動かない。1年分の収穫ができたのだから、もう働く必要がないというのだった。30年前のことだ。 青年海外協力隊員は、苦笑しながら、現地農民の経済感覚を伝えてくれたが、今なら、ゆとりのできた時間や資金をどう使うかを考えたかも知れない。 日本では、高度成長期から、成果をひたすら企業資金力の強化に回し、労働時間の短縮やセーフティーネットの構築、地球環境の改善・保護に回すことはほとんどなかった。 それから30年。日本の幸福度ランキングは、世界で56位。韓国とピッタリ寄り添って、ロシア、中国の少し上位に位置しているが、OECD(経済協力開発機構)37カ国のうち最下位レベルだ。 我々の生活レベルを考える時、「昔」と比べると、格段に忙しさが変わって来ている。拘束された忙しさ、義務的な忙しさである。 日本の幸福度を改善するためには、就業時間を短縮し、最低賃金を思い切り上げればよい。毎日の労働時間を7時間、週35時間以内にすれば、全く違う世界が見えてくる。当然、フレックスタイムが導入され、満員電車も解消する。生産力を維持するためには、雇用を拡大しなくてはならない。女性の役割が大きくなり、より多様性が拡大する。変化への原動力は、格差社会の解消である。

高齢者施設にワクチン配送 65歳以上4万7000人に接種券郵送も つくば市

高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの配送が22日、つくば市で始まった。同日午前、第1便となるファイザー社製のワクチンが、市内の介護老人保健施設に1カ所に届けられた。併せて同日、市内の65歳以上の高齢者約4万7000人にワクチン接種券が郵送された。23日以降、各家庭に届く。 マイナス70度の超低温冷凍庫から取り出したワクチンを必要な数だけ素早く配送用の保冷箱に移す作業員=22日、つくば市役所 配送されたワクチンは、17日に国から届いた2箱(1950回接種分)のうちの一部で、市役所内に設置された超低温冷凍庫でマイナス75度で保管されていた。 4月26日から5月3日の週には5箱(4875回接種分)が国から届く予定で、医療機関のほか、特別養護老人ホーム10カ所とグループホーム18カ所にも届けられる予定だ。 接種開始は5月24日

開園25周年 つくばわんわんランド 「人とペットが共存する拠点に」

日本最大級の犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」(つくば市沼田、東郷治久社長)が27日、開園25周年を迎える。1996年4月27日、現在の3分の1ほどの面積でスタートした。ペットは家族の一員であるという価値観が浸透すると共に、犬を見せる施設から犬と触れ合う施設へとコンセプトを変化させてきた。現在、約90種約500匹の犬がいる。 寺崎修司園長は「日本のペットに対する意識は、ペット先進国と比べまだまだ遅れているところがあるので、正しい知識をもって人と動物が共存する社会を目指す拠点になれれば」と話す。 珍しい大型犬、ナポリタンマスティフをなでる寺崎園長 25周年を記念して26~28日の3日間、25歳の人と小学生以下の入園料が100円になる特別イベントが開催されるほか、ゴールデンウイーク(GW)中の29日から5月5日まで、グループ法人のつくば国際ペット専門学校講師による犬のお手入れ教室やしつけ教室などが開催される。 園のシンボル 黄色い木造犬は4代目

別の学校も臨時休校 つくば市教員が新型コロナ

つくば市は21日、市立学校教員が新型コロナウイルスに感染していることが分かり、この教員が勤務する学校を22~23日の2日間、臨時休校にすると発表した。 市教育局学び推進課によると、20日に感染が確認された教員が勤務する学校とは別の学校という。 21日感染が分かった教員の濃厚接触者は現在、保健所が調査している。この教員の症状や、いつまで勤務していたかなどは公表しないとしている。 一方、20日に教員の感染が確認され、21~22日の2日間、臨時休校としていた学校は、23日から通常通り授業を開始する。