木曜日, 3月 30, 2023
タグ ベンチャー

Tag: ベンチャー

臭い測定し病気診断目指す 物材機構発ベンチャー つくば

物質・材料研究機構(NIMS、つくば市)発ベンチャー企業、Qception(キューセプション、本社 同市千現 つくば研究支援センター内、資本金100万円)が5月に設立された。同機構の研究者でもある今村岳さん(36)が代表を務める。「ニオイを測る文化をつくる」をビジョンに掲げ、臭いを測るセンサーの販売と、臭いを測るためのコンサルティング事業などを展開する。 将来は、人や動物の呼気や汗、尿など、生体材料から出る臭いを測定し、病気の診断や健康管理を行うことを目指している。初年度の売り上げ目標は5000万円。 (左から)Qceptionの松阪秀喜 最高財務責任者、 今村岳代表、 吉川元起 最高技術責任者(同) 同機構では、研究者でもあり同社の最高技術責任者を務める吉川元起さん(45)らが、臭いを測定する「膜型表面応力センサ(MSS)」を2011年に開発して以降、センサーの実用化に向けた様々な産学官連携の取り組みを約50以上の企業や機関と共に行ってきた。センサーのチップ(集積回路の基盤)はすでに別の会社が生産し、代理店販売を開始している。

ベンチャーのつくば×ものづくりの大田区 25日企業交流イベント

つくばのベンチャー企業と東京・大田区のものづくり企業が交流する「ミートアップ」が25日、つくば研究支援センター(つくば市千現、箕輪浩徳社長)で開かれる。両地域から医療・ヘルスケア機器開発に携わる計10社が参加し、対面とオンラインでプレゼンテーションを行う。Zoom(ズーム)配信で500人規模の聴講参加を見込んでおり、参加無料で事前登録を受け付けている。 オンラインで商機拡大 支援センターが今年度新設した事業企画「多地域との連携イベント」による第2弾。ものづくり「オンリーワン」の中小企業が集積する町として知られる大田区産業振興協会(川野正博理事長)との共催となる。傾斜のある道でも軽い力で直進できる車いす「COLORS(カラーズ)」を開発したカラーズ社の田尻久美子社長らが発表する。 つくば市側からは、▽車いす利用者(下肢機能障害者)の日常や訓練に「立ち上がる」力を提供する製品を開発、ことし筑波大学発ベンチャーに認定されたQolo(コロ)社の江口洋丞社長▽嚥下(えんげ、飲み込み)障害に対処するシステム開発を行っているPLIMES(プライムス)社の下柿元智也副社長▽人工知能による簡便・高速・高精度の睡眠計測を取り入れ睡眠医療の変革をめざすS’UIMIN(スイミン)社の藤原正明社長▽まぶしくない近赤外線カラー眼底カメラに生活習慣病の早期発見を可能にしたナノルクス社の祖父江基史社長▽外科用マイクロ手術支援ロボット開発にリニアモーター技術の応用を図るクロノファング社の渡邊浩司社長-の発表が予定されている。 支援センターには産総研や筑波大学などと培った異業種交流やビジネスマッチングのイベント実績があるが、ベンチャー支援部の石塚万里部長によれば、「つくばに増えてきたベンチャー企業は、扱う分野が多面的で、特定テーマだと少数企業でしか集まれなかった」という。共同研究や開発につながる協業関係を築くために、多地域連携が模索された。 6月に開催の第1弾では、「ライフサイエンス」をテーマに、川崎市(神奈川)の国際戦略拠点キングスカイフロント企業との交流が行われた。創薬・医療系のスタートアップ企業が機器や技術の「シーズ」をプレゼンした。「ミートアップ」は興味を持った企業が、名刺交換や懇親会など対面で距離を縮めるのが基本だが、コロナ禍からオンラインでの開催を余儀なくされた。

JAXA認定ベンチャー 宇宙・衛星ワンストップサービス提供へ

【山崎実】宇宙開発のシンプル化をミッションに、つくば市千現、つくば研究支援センター内に「SEESE(シーズ)」(社長・棚田和玖JAXA研究開発員)が設立され、4月からワンストップサービスの提供を開始する。 世界的規模で小型衛星の製造・打ち上げ機数が急増しているが、そのうち約50%は打ち上げ前、または後に異常発生などからミッションを達成できずに終えてしまっているという。 同社はこのような宇宙・衛星関連産業に取り組む大企業、ベンチャー企業の事業遂行を円滑、確実なものにするため、環境試験ワンストップサービスを行う。環境試験はロケット打ち上げ時や過酷な宇宙環境に衛星が耐え得るかどうかを事前に地上で評価するために行われる工程。 コンサルティングから機材準備、解析評価、試験オペレーター手配など、そのプロセスを一つにつなげてサービスを提供する。 全国に8社しかないJAXA(宇宙航空研究開発機構)認定ベンチャーで、JAXAの知的財産を利用した事業を行うこともできるという。 問い合わせはSEESE(電話080-6728-1754、同社HP)。

Most Read

音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会

カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。

3回目の桜《短いおはなし》13

【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。

数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開

国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。

仕様書不備で落札決定取り消し つくば市

つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。