月曜日, 6月 5, 2023
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オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大学生サークル「斬桐舞」(下)

【車谷郁実】新曲の完成を目指し、オンラインでの振り入れが始まって、もうすぐ1カ月。初めての試みはうまく進んでいるのだろうか。 新曲の振り入れは週に2回で2時間程度。1回の練習に30~40人が参加している。振りは各パート2、3人が中心となって考えた。練習ではそのうちの一人が振りを教え、残りの人が部員の踊っている様子を観察して気づいたことを担当者に伝える。練習の様子は録画し、後で見返すことが出来るようにした。 手を広げ満面の笑みで踊ってる オンラインでは相手に直接触れることができないため、腕の微妙な角度やつま先の向きなどの細かい部分を伝えることが難しい。担当者は「腕の角度は45度、つま先は外にむけて」など画面に各パーツのみを映しながら、動きを言語化して具体的に伝えている。 しかし、対面と違いオンラインでは同時に複数の人が会話をすることができない。自然と会話の数が減り、淡々と時間が過ぎてしまうこともしばしば。実際に振りを教えた小澤政貴さん(20)は「コミュニケーションをとることが難しく、相手がどう思っているかがわかりづらい」と不安げな様子を見せる。そこで、部員の進捗状況を把握するため、定期的に各自で動画を撮って提出してもらい、振りをどのくらい覚えられているか確認するようにした。 動画を見た部長の田中大輔さん(21)は「こんなに新入部員のみんなが踊れるようになると思っていなかった。自主練習を頑張ってくれたんだと思うととてもうれしい」と予想外の出来に驚きをみせた。新入部員の渥美和香奈さん(18)は録画された先輩の動画を0.5倍速で再生し、練習後それを見て自主練習に励んだという。練習を何度も見返すことが出来るというオンラインならではの良さを活かした。

オンラインでもYOSAKOIは踊れる 筑波大の学生サークル「斬桐舞」(上)

【車谷郁実】県内外で活躍する筑波大学のYOSAKOIソーランサークル「斬桐舞(きりきりまい)」がオンラインでの活動を続けている。週に2回2時間ほどアパートの自室などから双方向型オンライン会議アプリ「Zoom」を使って練習している。8月末からは新曲の振りのレクチャーが始まった。振り入れという。オリジナル曲の完成に向けて、試行錯誤を続ける斬桐舞の半年間を追った。 新曲の振りを共有できない 斬桐舞では2年に1度、振りや楽曲、衣装デザインなどをメンバーたちが一から考え、オリジナル曲を作っている。今年はオリジナル曲を更新する年で、2月末から現3年生を中心に制作を開始した。予定通りいけば年末には全部員に振りを共有し、4月には新入生に披露するはずだった。しかし、新型コロナが流行。活動の自粛を余儀なくされ、新曲の振りを共有できないまま時間だけが過ぎた。毎月1回のペースであった各地のイベントも次々と中止になっていった。 3カ月が経ったころ、サークル内でこのままでいいのかという声が上がり始めた。夏には対面練習を再開できるかもしれない。せめて体作りだけでもと6月からオンラインで筋トレやストレッチを始めた。普段の活動と同じ週に2回、時間は普段よりも1時間半短い30分。自粛生活の中で部員たちがつながりを感じられるようにコミュニケーションをとる時間も設けた。 そうして、本格的な練習が始まらないまま、7月に入った。コロナは一向に収束する兆しを見せず、3年生にとって最後の舞台である11月の大学の学園祭も中止が決定した。新曲の振りを中心に作ってきた副部長の大坂実旺(20)さんは「何を目標にすればいいかわからず、サークルとして活動している意味さえわからなくなった」とその時を振り返る。 3年生の転機になったのが、オンライン開催された祭りへの参加だった。昨年までのオリジナル曲を各々が踊って撮影し、それを動画編集して1つの曲につなげる。新入部員にもオンラインで曲の一部を教え、参加してもらった。一人で踊った動画をつなげて、見応えはあるのかはわからない。それでもゴールを見失った3年生にとって、一つの達成したい目標が出来たことは確かだった。

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博物館の歴史論争拒否、土浦市法務が助言 《吾妻カガミ》159

【コラム・坂本栄】今回は158「土浦市立博物館が郷土史論争を拒絶!」(5月29日掲載)の続きになります。市立博物館と本堂清氏の郷土史論争。博物館の論争拒否に対し、本堂氏は「(博物館がそう出るなら同施設を管轄する)市教育長に検討申請書を提出する」と反発しており、エスカレートしそうな雲行きです。 また取材の過程で、本堂氏を門前払いするようアドバイスしたのが市の法務部署であったと聞き、土浦市の博物館マネジメントにも唖然(あぜん)としました。論争を挑む本堂氏をクレーマー(苦情を言う人)並みに扱うよう指導したわけですから。 郷土史をめぐる主な論争は3点 私は中世史に疎いこともあり、市立博物館(糸賀茂男館長)の学芸員にこの論争の要点を整理してもらいました。 いつから山の荘と呼ばれたか ▼本堂氏:『新編常陸国史』(国学者中山信名=1787~1836=が著した常陸国の総合史誌)の記述からも明らかなように、「山の荘」(土浦市北部の筑波山系地域)の名称は古代からあったのに、博物館は同歴史書の記述を無視して同名称を古代史から抹消した。

阿見町の予科練平和記念館 《日本一の湖のほとりにある街の話》12

【コラム・若田部哲】終戦直前の1945年6月10日。この日は、阿見・土浦にとって決して忘れてはならない一日となりました。当時、阿見は霞ヶ浦海軍航空隊を有する軍事上の一大重要拠点でした。そのため、B29による大規模爆撃を受けることとなったのです。当時の様子は、阿見町は予科練平和記念館の展示「窮迫(きゅうはく)」にて、関係者の方々の証言と、再現映像で見ることができます。今回はこの「阿見大空襲」について、同館学芸員の山下さんにお話を伺いました。 折悪くその日は日曜日であったため面会人も多く、賑わいを見せていたそうです。そして午前8時頃。グアム及びテニアン島から、推計約360トンに及ぶ250キロ爆弾を搭載した、空が暗くなるほどのB29の大編隊が飛来し、広大な基地は赤く燃え上がったと言います。付近の防空壕(ごう)に退避した予科練生も、爆発により壕ごと生き埋めとなりました。 負傷者・死亡者は、家の戸板を担架代わりに、土浦市の土浦海軍航空隊適性部(現在の土浦第三高等学校の場所)へと運ばれました。4人組で1人の負傷者を運んだそうですが、ともに修練に明け暮れた仲間を戸板で運ぶ少年たちの胸中はいかばかりだったかと思うと、言葉もありません。負傷者のあまりの多さに、近隣の家々の戸板はほとんど無くなってしまったほどだそうです。 展示での証言は酸鼻を極めます。当時予科練生だった男性は「友人が吹き飛ばされ、ヘルメットが脱げているように見えたが、それは飛び出てしまった脳だった。こぼれてしまった脳を戻してあげたら、何とかなるんじゃないか。そう思って唯々その脳を手で拾い上げ頭蓋に戻した」と語ります。また土浦海軍航空隊で看護婦をしていた女性は「尻が無くなった人。足がもげた人。頭だけの遺体。頭の無くなった遺体。そんな惨状が広がっていた」と話します。 累々たる屍と無数の慟哭 この空襲により、予科練生等281人と民間人を合わせて300名以上の方々が命を落とされました。遺体は適性部と、その隣の法泉寺で荼毘(だび)に付されましたが、その数の多さから弔い終わるまで数日間を要したそうです。

牛久沼近くで谷田川越水 つくば市森の里北

台風2号と前線の活発化に伴う2日からの降雨で、つくば市を流れる谷田川は3日昼前、左岸の同市森の里の北側で越水し、隣接の住宅団地、森の里団地内の道路2カ所が冠水した。住宅への床上浸水の被害はないが、床下浸水については調査中という。 つくば市消防本部南消防署によると、3日午前11時42分に消防に通報があり、南消防署と茎崎分署の消防署員約25人と消防団員約35人の計約60人が、堤防脇の浸水した水田の道路脇に約100メートルにわたって土のうを積み、水をせき止めた。一方、越水した水が、隣接の森の里団地に流れ込み、道路2カ所が冠水して通行できなくなった。同日午後5時時点で消防署員による排水作業が続いている。 越水した谷田川の水が流れ込み、冠水した道路から水を排水する消防署員=3日午後4時45分ごろ、つくば市森の里 市は3日午後0時30分、茎崎中とふれあいプラザの2カ所に避難所を開設。計22人が一時避難したが、午後4時以降は全員が帰宅したという。 2日から3日午前10時までに、牛久沼に流入する谷田川の茎崎橋付近で累計251ミリの雨量があり、午前11時に水位が2.50メートルに上昇、午後2時に2.54メートルまで上昇し、その後、水位の上昇は止まっている。 南消防署と茎崎分署は3日午後5時以降も、水位に対する警戒と冠水した道路の排水作業を続けている。

論文もパネルで「CONNECT展」 筑波大芸術系学生らの受賞作集める

筑波大学(つくば市天王台)で芸術を学んだ学生らの作品を展示する「CONNECT(コネクト)展Ⅶ(セブン)」が3日、つくば市二の宮のスタジオ’Sで始まった。2022年度の卒業・修了研究の中から特に優れた作品と論文を展示するもので、今年で7回目の開催。18日まで、筑波大賞と茗渓会賞を受賞した6人の6作品と2人の論文のほか、19人の研究をタペストリー展示で紹介する。 展示の6作品は、芸術賞を受賞した寺田開さんの版画「Viewpoints(ビューポインツ)」、粘辰遠さんの工芸「イージーチェア」、茗渓会賞授賞の夏陸嘉さんの漫画「日曜日食日」など。いずれも筑波大のアートコレクションに新しく収蔵される。芸術賞を受賞した今泉優子さんの修了研究「樹木葬墓地の多角的評価に基づく埋葬空間の可能性に関する研究」は製本された論文とパネル、茗渓会賞を受賞した永井春雅くららさんの卒業研究「生命の種」はパネルのみで展示されている。 スタジオ’S担当コーディネーターの浅野恵さんは「今年は論文のパネル展示が2作品あり見ごたえ、読みごたえがある。版画作品2作品の受賞、漫画の受賞も珍しい。楽しんでいただけるのでは」と来場を呼び掛ける。 筑波大学芸術賞は芸術専門学群の卒業研究と大学院博士前期課程芸術専攻と芸術学学位プログラムの修了研究の中から、特に優れた作品と論文に授与される。また同窓会「茗渓会」が茗渓会賞を授与している。 展覧会は関彰商事と筑波大学芸術系が主催。両者は2016年から連携し「CONNECT- 関(かかわる)・ 繋(つながる)・ 波(はきゅうする)」というコンセプトを掲げ、芸術活動を支援する協働プロジェクトを企画運営している。 (田中めぐみ)