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2021
毎月開催し1年 筑波大生ら延べ3200人利用 食材無料提供
2021年12月19日
コロナ禍でアルバイトが減った学生を支援しようと、つくば市天久保の松見公園で開かれている食材無料提供会が12月で1年を迎えた。市民団体「学生応援プロジェクト@つくばPEACE」(冨山香織代表)が昨年12月から毎月欠かさず、無料でコメや野菜、日用品を配布してきた。1年間で筑波大生ら延べ約3200人が利用した。 「まだ助け必要としている」 19日、松見公園で開かれた食材提供会は約200人が利用した。事前にSNSで募集した配布の予約は開始から3時間弱ですべて埋まった。冨山代表は「学生たちはまだまだ助けを必要としている」と語る。一方で「コロナ禍ということもあり(事前予約制という)制限を掛けざるをえないのは心苦しい」ともいう。 配布会では毎回、利用者にアンケートをとり結果をまとめて、A4判裏表のニュースを作成し、カンパを寄せてくれた支援者に報告している。 10月31日に行ったアンケート調査では、行政に望むことは何かという質問に対し66.7%が「現金給付」と回答した。ほかにも、「学費の引き下げ」(50%)、「給付型の奨学金」(44.1%)、「最低賃金の引き上げ」(32.8%)などと答えている。 助け合いの輪広がる 冨山代表が知人に声を掛けて始めたプロジェクトだが、現在では学生スタッフ15人が新たに加わり、10代から70代と幅広い市民が配布を手伝っている。 SNSのフォロワーも現在約1200人まで増え、支援者の輪が広がりつつある。10月には、茨城大学農学部から新米1.2トンの支援があった。 19日、配布会に来た、筑波大大学院1年の土田隼久さん(23)は「持ちきれないくらいたくさんもらえた。毎月の食料配布はひじょうにありがたい。支援してもらえた分、将来自分が社会貢献をして還元したい」と話した。 中国人留学生で筑波学院大経営情報学部の王丹晨さん(23)は「友達から今回の配布会があることを教えてもらった。サツマイモなどの野菜をもらうことができてとてもうれしい。コロナのため、3年半国に帰ることができていないが、友達や周りの人に支えてもらっている。このような配布は本当にうれしい」と笑った。 19日の配布会では「私もこのプロジェクトに関わりたい」と声を掛けてきた学生もいた。学生スタッフの多くは、もともと配布会に来て食材を受け取っていた。共助の輪は少しづつ広がっている。(武田唯希)
季節感じる工作体験をプロデュース つくば スタジオ’Sで「キッズアートおうえん展」
2021年12月19日
子供たちに楽しいアート体験を提供する「2021冬のキッズアートおうえん展」が26日まで、つくば市二の宮のスタジオ'Sで開催されている。関彰商事と筑波大学の連携による芸術活動「スタジオ'S with T」の企画だ。今年は展覧会形式で、筑波大生が考案した自由工作の完成品と、その作り方を動画やパネルで一緒に紹介している。昨年の冬はオンラインでの開催だった。 筑波大学で芸術を学ぶ学生たちの協力により、毎年開催している。展示は6ブースで、今回は投票箱が置かれ、気に入った作品に投票して応援できる。内容はクリスマスのリースやとんがりハット、毛糸のコースターなど季節感あふれるものが多い。 お正月向けの「書き初めでカレンダーを作ろう!」は、台紙の下半分がカレンダーになっていて、身近な場所などに飾って1年間楽しむことができる。 館内の飾り付けも、天井や壁の星型のペーパークラフトや、正面奥の大きなクリスマスツリーが、クリスマスの気分を盛り上げている。ツリーに飾られた写真入りのオーナメントカードも自由工作の一つ。24日にはキットのプレゼント(なくなり次第終了)と、カードに入れる写真の撮影サービスもある。 ツリーの隣にあるメッセージカードのコーナーでは「今年あったハッピーなできごと」を書き込んで壁に貼り、1年を振り返ってみるのもいい。土浦市から来た青山杏奈さん(小4)と咲良さん(4歳)の姉妹も、カードを書くのを楽しんでいた。杏奈さんが一番気に入った工作は「かわいいきのこを作ろう」。理由は「図工の授業で、粘土の作品づくりをするときに参考になりそうだから」とのこと。 期間中の土・日曜日に、工作の制作キットを日替わりでプレゼントする。キットには説明書と共に、粘土や絵の具といった主要な材料も入っているので、家にあるはさみやのりなどの道具を使い、すぐに工作に取りかかることができる。各キットとも先着15人限定。配布日はスタジオ'Sのホームページか、フェイスブックを参照。(池田充雄) ◆2021冬のキッズアートおうえん展は18日(土)~26日(日)、つくば市二の宮1-23-6、関彰商事つくば本社内スタジオ'Sで。開館時間は午前10時~午後5時、入場無料。
相手を理解するとは?《続・気軽にSOS》99
2021年12月19日
【コラム・浅井和幸】「相手を理解する」とは優しく思いやりを持って接することですから、敵や嫌いな相手は理解なんてしたくないものですよね。当たり前のことのようですが、それは必ずしも正しいことではないようです。 理解するという言葉には、「正しく分かる」という意味と「思いやる」という意味があります。「敵を知り、己を知れば、百戦してあやうからず」という孫子の言葉があります。孫子とは中国の春秋時代の武将です。当時の戦争で、相手に負けない方法としての教えであり、現代においてビジネスの場で好まれている考え方です。 この「知る」は、「理解する」と言葉を変えてもよいでしょう。命も取られかねない戦争の相手に、思いやりを持って対応しようということではありません。敵にやさしく接していこうという教えではありません。相手の性質を正確に知ることにより、さらに自分の性質を正確に知ることにより、負ける危険がないということです。 友人Aと私の会話 A「嫌な上司がいて困っているんだ。何とかうまい対応の仕方はないかな?」 浅井「どんな上司なの?」 A「自分では新しいアイデアを出せないくせに、人が出した案に対して、重要じゃない小さな部分をネチネチと指摘してくるんだよ」 浅井「それは嫌だねぇ」 A「そうだろ? なんで、あんなつまらない指摘をするんだろうね?」 浅井「ま、物事の優先順位が分からないからだろうね。分からないなりに、良くしようとか、指摘できるところを見せて、自分をよく見せようとしてるんじゃないかな」 A「いやいや、そんな生易しいものじゃなくて、本当に嫌な奴なんだよ」 浅井「そうなんだ」 A「だって、機嫌が悪いときは、怒鳴ったりするやつなんだよ。いい大人が、どうして怒鳴ったりするんだろうか?」 浅井「きっと、キャパシティが小さくて、何か別でもストレスがあるんだろうね。もしかしたら、その上司も別の人から怒鳴られているかもね」 A「は? なんで浅井は、そんなつまらない上司をかばうんだ? 俺の方が悪者だと言いたいのか?」 浅井「いやいや、かばってないし、そもそも善悪の判断をしようとは思っていないよ。むしろ、今の嫌な状況を変えるためには、その上司の性質を理解した方が対応しやすいと思うよ」 A「ふざけるな。そんな上司に対応する必要もないし、悪い奴を理解する必要なんてない。そんな上司の肩を持つような奴とは話しているだけ無駄だ」 自分は悪くない、相手が悪い… 問題を解決するときは、嫌な相手を理解し、自分の見たくない部分も理解することは大切なことだと思います。ま、この会話は、問題解決をするという共通認識がないままに進んだ会話であって、問題解決する前に、悪者が誰で善人が誰で、敵が誰か、味方が誰かをはっきりさせることが必要だということになります。 日常では、「問題解決」よりも、「自分は悪くない、相手が悪い」と同感する方が何倍も重要であるという場面は多いものです。(精神保健福祉士)
水素燃料電池バスでPCR検査 筑波大、市と実証実験
2021年12月18日
災害などで電源を失った場所でも、高精度の感染症検査を可能にするシステムを開発中の筑波大学(つくば市天王台)が、同市のPCR検査会場で実証実験を行った。17日までの3日間、市独自のPCR検査が行われた会場に水素燃料電池バスを持ち込み、装置の稼働状況、検査から通知までの所要時間を調べるなどした。 検査会場の市役所本庁舎駐車場に持ちこまれたのは、トヨタ自動車の燃料電池バス「SORA(ソラ)」をベースに車内を改装した車体(11月18日付)。医学医療系感染症内科学の鈴木広道教授、システム情報系の鈴木健嗣教授らが、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムにより開発している。車内にはPCR検査に使う全自動の遺伝子解析装置や核酸抽出装置などが設置されている。今回大学と市が協力し、PCR検査希望者の協力を得て実証実験を行った。 つくば市では新型コロナ感染拡大の第6波に備え、10月から無症状の市民や市内在勤・在学者を対象にPCR検査を行っている。15日は45人、16日には54人が実験への協力に同意した。受付で検査キットを受け取り、検体として唾液を採取。キットは「SORA」の車内に持ち込まれて検査された。検査結果はQRコードを読み込み、識別情報を入力するとメールで通知されるシステムを想定しており、16日までの集計では、受付から検査結果が返ってくるまで最短48分、中央値は53分だったという。 鈴木広道教授は「いつでもどんな場所でも同じ質の検査を提供できることを目指す。現場によって状況や人の流れも異なるため、不具合が起きないかどうかを検証している。少しでも早く検査結果が分かるよう検査受付から結果通知まで常に60分を切ることが目標」と話す。検査自体の時間はこれ以上短縮することが難しいため、今後は通知システムの改良を重ねていく考えだ。 年を越し足を延ばす実証実験 17日には市の公用車である水素燃料電池自動車「MIRAI(ミライ)」を「SORA」にケーブルでつなぎ、電力を供給した。車内で行うPCR検査に必要な電気は「SORA」だけでまかなえるが、「MIRAI」をつないで電力供給することによりさらに遠隔地に出向くことが可能になるそう。 来年1月からは狭い場所を行き来できるマイクロバスの検査車も導入し、大型バスと2台で県央や県北、鹿行地域に赴いての実証実験を予定している。2月から3月には大学内外のイベントで無料のPCR検査を行い、社会実装に向けて調整を続けていく。 緊急時、災害時の感染症対策は地域の課題解決につながるとして、市は今後も筑波大に実証実験の場の提供を行っていく予定だという。(田中めぐみ)
大好きな霞ケ浦のあれこれ① 《夢実行人》3
2021年12月18日
【コラム・秋元昭臣】霞ケ浦は茨城県南東部に位置し、その先端が利根川に流れ込む、日本第2の面積の淡水湖です。西に土浦・高浜を持つ「西浦」、北に鉾田を持つ「北浦」、それに「常陸利根川」などを併せた総称ですが、一般的には「西浦」を霞ケ浦と呼んでいます。 その管理は、利根川の一部として「国交省関東地方整備局霞ケ浦河川事務所」が行っています。日本1の琵琶湖は国交大臣の委託を受けて滋賀県知事が管理しています。 昔は東京湾の一部で、「流れ海」と言われた時代もあります。海からの塩害防止の「河口堰(かこうぜき)」ができるまでは、汽水湖でした。銚子とは3時間遅れで潮の満ち干の影響があり、シジミや海の魚も獲れました。 そのころは水質もきれいで、湖岸には砂浜や13カ所の「湖水浴場」あり、学校の授業でも使われていました。小魚が泳ぐ姿を見て、子供ながら工夫して釣りを楽しんだものです。大きな黒いタンカイ(淡水域にすむ中型の貝)を足でほじくって遊びましたが、この貝が「貝ボタン」になっていたとは知りませんでした。 湖の干拓:霞ケ浦10%、八郎潟80% 昔、霞ケ浦の広さは2位ではなく3位でした。では、2位はどこだったのでしょう。秋田県の八郎潟です。しかし、1956年から1977年にかけ、その80%が干拓事業によって農地になり、現在は18位です。 戦後の食料不足を補う干拓で、霞ケ浦唯一の島だった「浮島」も、本新島干拓(1942~1956年)によって陸につながりました。このように、10%もの水面が干拓されて農地になったものの、霞ケ浦の現在の広さは2位です。ちなみに、3位は北海道のサロマ湖、4位は福島県の猪苗代湖です。 霞ケ浦の流域人口と面積は、茨城県の約3分の1を占めています。琵琶湖の流域面積は滋賀県の79%、流域人口は12%です。 アオコが猛威を振るって湖面が緑色になり、腐敗臭が出たのは1974年ごろで、50年も前になります。最近10年の水質の指標「透明度」(30センチの白い円盤を沈めて見えなくなる深さ)は 50~90センチと、泳げたころの100~150センチには届きませんが、湖心では100センチも珍しくなくなっています。 今欲しいのが砂浜です。国交省では「里浜」造りを進めていますので、霞ケ浦が昔に戻りつつあることはうれしいことです。(元ラクスマリーナ専務)
別人の住民票コードを誤登録 つくば市
2021年12月17日
つくば市は17日、6年前に海外から転入してきた外国人の住民登録をした際、誤って、他県で住民登録されている別の外国人の住民票コード(住民基本台帳に記録される無作為の11桁の数字)を登録してしまったことが分かったと発表した。 市市民窓口課によると、2015年7月に海外から初来日しつくば市に転入してきた外国人の住民登録をした際、すでに他県で住民登録されていた別の外国人と氏名、生年月日、国籍、性別がすべて同じだったことから、他県から転居してきたと思い込み、他県の別人の住民票コードを誤って登録してしまったという。 他県の外国人が今年10月、マイナンバーカードの交付を申請したことがきっかけで誤りが判明した。他県の外国人のマイナンバーカードがつくば市に届いた一方、他県の外国人にはカードが届かなかったことから、カードを発行する機関から照会があり分かった。 6年前に市が住民登録をした際、本人に直接聞き取りをするが、日本語があまりしゃべれず、当時の担当者の確認が十分でなかったとみられるという。 市は、誤登録があった2人の外国人にそれぞれ事情を説明して謝罪し、市内に住民登録した外国人の住民票コードを訂正した。 再発防止策として市は、外国人の届け出を受ける際は、通訳用のタブレットを使用したり、外国語に堪能な職員が対応するなど窓口での本人の聞き取りを正確に行い、届け出内容の確認を徹底して再発防止に努めるとしている。 誤登録による個人情報の流出などはないとしている。
まちづくり会社3億円調達にメド つくばセンタービル オフィス改修継続へ
2021年12月17日
つくば市が出資するまちづくり会社、つくばまちなかデザイン(同市吾妻、内山博文社長)の資金調達問題(10月16日付)で、内山社長は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)に出席し、前日の16日にファンド(投資信託)から資金調達の承認を受けることができ、3億1600万円を調達できると報告した。 同社は10月に、つくばセンタービル1階内部のアイアイモール解体工事を始めた。一方、貸しオフィスに改修する工事費用は10月時点でまだ調達できておらず、「資金調達ができない限り、改修工事に着手しない」としていた。16日に調達できたことから工事を継続して改修を実施する。 内山社長の議会での説明によると、国交省の「老朽ストック活用リノベーション推進型まちづくり事業」を活用し、政府系金融機関の民間都市開発推進機構(民都機構)が約2億円、地域金融機関の常陽銀行が約1億円を出資して、投資事業有限責任組合という形態のファンドを設立する。ファンドは、まちなかデザインが発行予定の3億1600万円の劣後社債を引き受ける。NECキャピタルソリューションの100%出資会社、オハナパナ(OHANAPANA、東京都港区)がファンドを運営する。 年利3%の社債で、まちなかデザインは10年間で返済する。10年目の2031年は未返済の残り1億4600万円を借り換えて、32年以降は約3000万円ずつをさらに4年間で返済していくという。 市内の飲食店などと協働運営 一方、改修後の貸しオフィスなど「働く人を支援する場」は来年4月オープン予定で、運営について、カフェは飲食店「フィンラガン」(つくば市天久保、松島壮志さん経営)、子連れワーキングスペースはNPO子連れスタイル推進協会(同市梅園、光畑由佳代表)とそれぞれ協働運営するほか、コワーキングスペースでのイベントは、市内で同様の施設を運営するしびっくぱわー(同市天久保、堀下恭平社長)と協働運営するとした。(鈴木宏子)
エスカレーター取り止め つくばセンタービル 改修計画を大幅見直し
2021年12月17日
専門家や市民団体から見直しを求める要望が出ていた、つくば市によるつくばセンタービル(同市吾妻)の改修計画について、市は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)で、エスカレーターの設置を取り止めるなど当初の改修計画を大幅に見直すことを明らかにした。 建築デザイン残す形に 見直し計画は、エスカレーターの設置を取り止めるほか、センター広場を囲む外壁、ノバホールと小ホールの間の1階大通路、ノバホール西側の外階段をいずれも取り壊さず、現在の建築デザインをそのまま残す。センター広場の床にテントを固定する床穴を開ける計画も取り止める。 今回の見直しについて五十嵐立青市長は「市民、(市議会)特別委員会、利用者からの意見を反映し、意匠にさらなる配慮をした」などと話した。 つくばセンタービルは、プリツカー賞を受賞した磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作だと世界的に評価されていることから、建築意匠が専門の筑波大学、鵜沢隆名誉教授の見解をもとに、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)が、五十嵐市長や小久保貴史市議会議長に対し、計画の見直しを求める要望書を2度、提出していた。 さらに市が10月1日から31日まで市ホームページで実施した意見募集では、エスカレーターについて意見を出した17人中、15人がエスカレーターの設置は必要ないなどの意見を出していた。 市議からは「そもそも市民説明会を最初からやっていればそんなことはなかった。見直し案ではなく、やり直し案。エスカレーター2基とも無くなるような計画は行政としてあり得ない」(飯岡宏之市議)、「基本設計をやる前に市民意見を聴取していなければならなかった。大きな誤りだったと感じている」(山中真弓市議)など厳しい意見が出た。 価値喪失など懸念する指摘受け 西側(旧ライトオンビル側)に設置予定だったエスカレーターを取り止める理由について市は、意匠への配慮、費用対効果などのほか、市民窓口を当初予定のつくばセンタービル1階から隣接のBiViつくば2階交流サロンに移すため、エスカレーターの利用者が減るなどとした。エスカレーターについては、2基の計画のうち北側の1基を今年6月、議会の意向を受けて市が設置を取り止めた。今回取り止めが決まった西側のもう1基については市民団体から、設置に伴いセンター広場の外壁を改変することになり、センター広場と不可分な空間として国際的に高い評価されてきた広場の価値を喪失させる、10メートルも離れてない位置に既存のエレベーターがある―などと指摘していた。 センター広場を取り囲む外壁は、現在の壁を撤去し開閉式のガラス扉に取り換える計画だったが、意匠へのさらなる配慮と費用対効果を考慮しそのまま残す。市民団体は、中央広場の壁はメタリックなアルミの正方形とガラス窓、ガラス扉のバランスで構成されており、外壁を撤去することは中央広場の形状を変えることになるなどと指摘していた。 ノバホールと小ホールの間の1階通路の片側の壁を壊して通路を狭める計画は、意匠に配慮して取り止める。併せて市民活動総合センターの設計を見直す。通路については市民団体から、堅牢な石造りの壁でできた通路は研究学園都市の都市軸を形成しているなどの指摘があった。一方、通路を保全することに伴って、高校生が勉強などするフリースペースが、現在の市民活動センター部分から通路部分に移動する。現在の通路は照明が暗く室温の調整もなされてないことから、照明を明るくしエアコンを整備して室内環境を向上させるという。一方「気の毒。落ち着いて勉強できるのか」(橋本佳子市議)など、課題を指摘する意見も出た。 ノバホール西側外階段は、土浦学園線から車両の乗り入れができるよう半分を改変しスロープをつくる計画だったが、安全性を考慮して取り止める。市民団体は、スロープの傾斜角が急で、車いすやベビーカーには使用できず建築基準法やバリアフリー法からみて問題。急勾配のスロープを下りた自転車などが、歩行者と接触したり、交通量が多い土浦学園線で事故が発生する危険がある、すでにキッチンカーが出入りしている既存の車用スロープを利用すれば足りるなどと指摘していた。 市による今回の大幅な見直しについて、建築意匠を守るよう要望していたつくばセンター研究会の冠木代表(70)は、「全面的に市の計画が変わりびっくりしている。(当初の計画が)すべて撤回され、ひじょうに良かった。ただここまでこじれたのは手続き上、問題があったのだと思う」と話している。(鈴木宏子)
薬の品切れにふりまわされて《くずかごの唄》99
2021年12月17日
【コラム・奧井登美子】来年はトラ年。薬剤師は薬のトラブルを絶対起こしてはいけない職業である。半年前から、どういうわけか、コロナ禍の中で薬の原料の輸入品がストップしてしまったらしい。処方箋調剤薬局は、薬の品切れに悩まされている。60年間、経験しなかったことである。 「すみません。薬の中でビソプロロ―ル・フマル酸塩錠が、今、品切れなのです」「えっ品切れ、冗談じゃないよ。心臓の薬で、狭心症を予防する薬だから、キチンと飲むように医者から言われている大事な薬だよ」「ごめんなさい。明日の朝、飲む分はありますか?」「ないよ」 探してみれば家にあるのに、こういう時、心配で、必ず「ない」と答える人が多い。 「困ったわね。今日中に、何とか手に入れて、お宅までお届けするしかない」「必ず届けてくれ。なかったら、別の薬局へ行ってみるしかない」「メーカーが品切れなので、よその薬局も厳しいと思います」「じあ、どうすればいいんだ」 私が、客を怒らせないように、気を使いながら話をしている間、事務員さんが必死になって知り合いに電話して在庫を探っている。 「ハイ、よかった。ありました。うちのもう1軒の薬局にありました。お届けします。メーカーは違ってしまっても、成分は今までの物と変わりありません。安心してお飲みください」 とんでもない、考えられなかった事態 薬の卸業者、何軒かの取引先に電話してもないとなると、同業者に頼んで分けてもらうしかない。電話して、頭下げて、分けてもらい、取りに行って、患者さんの家にお届けする。 コロナ禍で、不足薬品の調達という、とんでもない、考えられなかった仕事が、処方箋調剤薬局に降りかかっている。(随筆家、薬剤師)
遊びと学びを各世代に届ける 筑波山麓に森の学校プレオープン
2021年12月16日
つくば市内でフリースクールやカルチャースクールなどを運営する教育研究施設、BEK Lab(べくらぼ)の第2拠点となる「つくばグリーンスクールBEK」が10日、同市国松にプレオープンした。4月からの本格稼働に向け、無料見学会・説明会や記念イベントを実施中。今後は2拠点でそれぞれに、つくばの都市的な面、自然豊かな面を生かして活動していく予定だ。 身の回りの素材を生かして グリーンスクールBEKは、筑波山のふところに抱かれた静かな環境にあり、所有する森やミカン畑などを活用しながら、街なかではできないような体験型学習を、幼児や小学生に向けて提供していく。 体験型学習は「1つのアイテムで100の学びを」をモットーに、教科書は使わず、自然環境や身の回りの素材などを生かして、学校の教科学習にもつながるようなプログラム作りを心掛けているという。代表の星野つばささんは「例えば1本の木を題材にとり、理科や社会の学習に結び付けたり、見て触れて感じたことを言葉や絵、音楽で表現したりなど、さまざまな学びへと発展させられる。たくさんの驚きや発見、感動の機会を得られるようにしたい」と語る。 週末にはライブラリーラウンジとして開放される。絵本のほか幼児教育や子育て関係の専門書など、蔵書は常時1000冊以上で、季節によって内容を入れ替える。 併設するギャラリーではオープニング記念として18日まで、同市在住のペインティングとウッドバーニング作家、上渕翔さんの作品展を開催している。ここ5年ほどの近作を小品も含め25点ほど展示し、作品はいずれも購入可能。19~25日の展示は三谷多加子さん。初めて会った人のイメージを直観的に描いた「インスピレーション絵画」など、鮮やかな色彩と繊細なタッチを特徴としている。 このほかライブや各種ワークショップ、マルシェなどのイベントを随時開催。星野さんは「好きな場所で本を広げたり、アートや音楽を鑑賞したり、森を駆けまわったりなど、大人も子どももそれぞれ、自分に合った楽しみ方を見付けることができる」と来訪を呼び掛ける。 学習サポートと講座 BEK Labが目指すのは、あらゆる立場の人に幅広く対応できる学びの場。さまざまな世代が行き交い、国籍の違いやハンデによる分け隔てなどもなく、ボーダーレスに集える場所だという。 子育て関連ではプレママ・ママ倶楽部や、幼児向けのプリスクール、小学生から高校生までを対象としたフリースクールを運営する。BEK Lab創始者の関口加代子さんは、特にフリースクールの設置は地域にとっても喫緊の課題だと考えている。「不登校の小中学生はつくば市内でも400人近くいる。そのうち自分に合った学びに出会えた子はわずか2割ほどで、ほかの子は自宅や児童館で過ごしている。個人に合った居場所や学びの場を提供し、自立をうながすような支援をしたい」 2つの拠点のうち、つくば市東にあるラーニングスペースでは、個別や小人数での学習サポートを展開するほか、曜日や時間ごとに趣向を変えた講座を開く。それぞれの講座によって生徒や教室の雰囲気が異なるという。(池田充雄) ◆つくばグリーンスクールBEK 12月のイベント[ライブ]18日=海東美紀子(オカリナ)&塚本英之(ピアノ)、19日=宇都野紘子(ピアノソロラウンジ)、24日=クリスマスJAZZナイト[ワークショップ]18・19日=簡単気軽なピタパン作り、24日=森の恵みで作るオーナメントほか申し込み・問い合わせはメールinfo@beklab.com、電話029-857-2798
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