火曜日, 7月 8, 2025

「筑波大生の演奏に元気もらった」 森の里団地 130人がジャズ楽しみ交流

【崎山勝功】つくば市茎崎地区の住宅地、森の里団地でこのほど、森の里自治会文化部主催の「新春ジャズコンサート」が開催された。会場の森の里公会堂多目的ホールには小学生から年配者まで約130人が詰めかけ、筑波大学ジャズ愛好会「ゑひもせス」の演奏に聴き入った。 ジャズの定番曲「A列車で行こう」「イパネマの娘」「テネシーワルツ」など、アンコール曲も含めて全11曲を約2時間にわたり演奏した。住民たちは体でリズムをとって楽しんでいた。 同自治会は、昨年も同大のジャズ愛好会に出演を依頼。今年は今春卒業する4年生が主力の「ゑひもせス」の5人が出演した。演奏中にメンバーが卒業間近なことを語りかけたことから、演奏終了後に会場から「頑張れ!」の声援が送られた。 ボーカルとピアノ担当の奥田展也さん=芸術学群4年=は「エールに心から感謝、うれしい。地域の人たちの温かさを感じた」と話した。昨年も別のメンバーと出演したというアルトサックス担当の江橋佑奈さん(22)=同大比較文化学類4年=は「このメンバーでしかできない演奏ができた。卒業の節目になる」と語った。 主催した文化部の吉田敏部長は「森の里に限らず茎崎地区は高齢化が進んでお年寄り世帯が多くなった。家に閉じこもらず身近な場所で住民が交わることができるよう、四季折々にイベントを開催しており、新春コンサートもその一環。若い人たちが熱心に演奏するジャズの名曲に元気をもらったと思う」と話した。

「夢中になった銀幕の世界伝えたい」 手描き映画看板展 30日から、アルカス土浦

【橋立多美】映画全盛期だった昭和の温かみを伝える「懐かしの手描き映画看板展」が30日から、土浦駅西口前のアルカス土浦1階、市民ギャラリーで始まる。土浦市優秀映画鑑賞推進事業実行委員会主催、シネ・フォーラムつちうら協力。 作者は旧水海道町(現常総市)生まれで、つくば市在住の元映画看板絵師、井桁豊さん(85)。少年雑誌の挿絵に憧れるほど絵が好きだった井桁さんは、中学を卒業すると地元にあった映画館で5年間看板制作の見習いを続けた。 用事を命じられて都内に行った時は映画館が立ち並ぶ浅草六区に立ち寄り、看板を見上げて観察したり、ベニヤ板に張られた看板の紙の材質を知りたいと、切れ端をこっそり持ち帰った。まさに先輩絵師の技を盗みながら画力を高めていった。 20歳で上京して映画館に就職した。当時は戦後の復興期で映画は娯楽の王様だった。邦画洋画を問わず名作が次々に公開され、1千点を超える映画看板を描き続けた。 しかし映画産業の衰退で帰郷し、イベント用看板を請け負う傍ら、映画愛好者が集うシネ・フォーラムつちうらの一員に。同フォーラムの自主上映会などの際には手弁当で看板を手掛けている。 90年代からシネコンが映画館の主流となり、映画看板絵師たちは姿を消した。「知り合いはみんな看板業になった。僕もその1人だが、大衆が夢中になった銀幕の世界を映画看板で伝えていきたい。あと3年は描き続ける」と井桁さんは話す。 今展では、これまでに描いた黒澤明監督作「羅生門」や洋画の名作「風と共に去りぬ」「ローマの休日」「タイタニック」などに加え、NHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」、大河ドラマ「西郷どん」など新作を含めた80点が展示される。 会場には、閉館となった市内の映画館が保管している映写機がお目見えする。 会期は30日(火)~2月4日(日)。入場無料。

自動運転車の事前テスト 自動車研究所が2月から開始 つくば

【鈴木宏子】日本自動車研究所(つくば市苅間)の模擬市街路Jtown(ジェイ・タウン)で2月から、同研究所による自動運転車の事前テストサービスが始まる。公道に出て実証実験をする前に、自動走行システムの安全性能やテストドライバーの対応力をテストしてもらい評価する。開始を前に25日、報道関係者を対象に見学会が開かれた。 自動運転システムの開発は現在、国家プロジェクトして取り組まれている。2016年に示された警察庁の「自動走行システム公道実証実験ガイドライン」で、同研究所が実験施設の一つとして挙げられたのを受けて、独自にテストと評価ができるようにした。 Jtownは自動運転の評価拠点として昨年4月、同研究所内に完成した。広さ16haで、交差点、カーブ、坂道、横断歩道のほか、工事現場などの障害物も設置され、市街地の道路を再現した。雨や霧、強い西日、夜間などの悪条件を再現できる特異環境試験場などもあり、3つのエリアで構成されている。 昨年からすでに自動車メーカーなどの利用が始まり、現在フル稼働状態という。これまでは利用者がそれぞれ独自に試験、評価していたが、2月から新たに同研究所がテストし評価するメニューを加える。 同研究所のテストでは、自動運転車にさまざまな計測機器を取り付けて走行してもらう。直線やカーブを適切な速度や軌道で走行できるか、赤信号や一時停止線で停止できるか、交差点を曲がる際、対向車や歩行者の動きに配慮した対応ができるか、降雨時や暗い中で、歩行者や信号、標識などを認識できるかなどを評価する。結果は、自動運転システムの改良やドライバーの訓練などに役立ててもらう。 永井正夫所長は「自前のテストコースをもたないベンチャー企業や大学、部品メーカーなどに利用してほしい」などとしている。

文化財を火災から守れ 土浦で防火訓練

【谷島英里子】26日の「文化財防火デー」を前に、土浦市中央1丁目、亀城公園内にある県指定史跡・土浦城趾でこのほど、文化財防火訓練があった。 防火デーは1949年1月26日、法隆寺の金堂壁画が焼損したことを教訓に制定された。土浦市では、地域ぐるみで防火・防災意識を高めてもらおうと開催し、41回目になる。 訓練には、市立荒川沖小5年生22人と、地域住民、市文化財愛護の会、市消防本部の隊員が参加した。児童らは、バケツリレーや119番通報、煙体験のほか、江戸時代の消火器「竜吐水(りゅうどすい)」を使った放水も実施した。 訓練を終えた和田純さん(11)は「もし火災が起きたら、今回覚えた通報訓練を活かしたい」と話していた。

オオヒシクイの生態を再現 モニュメント制作へ 土浦 大聖寺住職

【鈴木宏子】絶滅の危機にひんするオオヒシクイの保護活動を長年続けてきた土浦市永国、大聖寺の小林隆成住職(79)が、稲敷市の稲波干拓地で越冬するオオヒシクイの生態を再現したモニュメの制作に取り組んでいる。3月までに同寺の本堂や境内に5つのモニュメントがそろう。 羽を広げたり水面に首を突っ込んで水を飲む様子などを再現した生態彫刻、親子3羽の実物大の石像、オオヒシクイの姿が彫刻された手水舎(ちょうずや)、実物大のバードカービング(鳥の彫刻)、オオヒシクイが彫刻された仏具、馨台(けいだい)の5つ。 生態彫刻は、富山県南砺(なんと)市井波地区の伝統工芸「井波彫刻」の第一人者、南部白雲氏が彫り、大聖寺本堂正面の屋根が張り出した向拝(ごはい)に設置する。すでに一部が出来上がり、3月までに残りが完成する。 石像は中国の作家が制作中で、参道脇の参拝者が手などを洗う手水舎近くに2月に設置する。手水舎には4羽のオオヒシクイの姿が彫刻される。 バードカービングは、鳥の工房つばさ(静岡県伊東市)を主宰する作家の鈴木勉さんがオオヒシクイの姿を忠実に再現した。16日に完成、本堂内に設置された。馨台には、首を伸ばし周囲を監視し危険を知らせる群れのリーダー、奴雁(どがん)が彫刻され、すでに完成している。 小林住職は山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)理事、日本鳥類保護連盟専門委員などを務める。1985年ごろから稲波干拓地に通い、2001年にはオオヒシクイの調査・保護団体「稲敷雁の郷友の会」(当時は江戸崎雁の郷友の会」の設立に関わった。 2007年2月、山階鳥類研究所総裁の秋篠宮さまが稲波干拓地でオオヒシクイを観察し大聖寺に立ち寄った折、「将来、稲波干拓地のオオヒシクイの生態を南部白雲師の手で再現したい」と夢を語って以来、準備を進めてきたという。 小林住職は「人の住めないところに鳥はすめても、鳥のすめないところに人は住めない。モニュメントが、野鳥を通して地球環境を考えるきっかけになれば」と話している。

つくば、土浦で12人がけが 雪で転倒やスリップ

22日、つくば市で16㎝、土浦市で5㎝の積雪があった雪の影響で、歩行中の転倒や車のスリップ事故などが相次ぎ、23日午後4時までにつくば市で8人がけが、土浦市で4人がけがを負い病院に救急搬送された。 つくば市消防本部によると、22日夕方から夜にかけて市内5カ所で雪による事故などが発生し5人がけがを負った。午後4時30分過ぎ、同市今鹿島で乗用車同士がスリップし衝突、双方の車を運転していた男性(46)と女性(24)がそれぞれ頭や腰を打つけがを負った。午後5時過ぎ、同市上郷で、自宅敷地内で除雪作業をしていた男性(57)が転倒し腰を打つけがをした。 午後7時過ぎ、同市北条で、軽乗用車がスリップし道路脇の田んぼに落ちた。運転していた男性(43)にけがはなかった。同市高野では、男性(56)が自宅玄関先で滑って転倒し頭を打った。同市松代では、男性(49)が職場の階段で足を滑らせて転倒し左足の関節を骨折するけがを負った。 23日は市内3カ所で事故が発生し3人がけがをして救急搬送された。午前9時過ぎ、同市六斗で、車がスリップして道路脇に落ち、運転していた男性(40)が左頭部に打撲を負った。同市吾妻では、女児(5)がアパートの外階段から6段滑り落ち転倒した。午前10時過ぎ、同市妻木で、建設現場の様子を見に行った男性(47)が転倒し、腰を打撲するけがを負った。 土浦市では22日に3件の事故があり3人がけが、23日は1件の転倒事故があり1人が救急搬送された。土浦市消防本部によると、22日夕方、同市田中で乗用車の事故があり男性(48)がけがを負った。同市板谷と中村南ではそれぞれ歩行者の転倒事故があり、50歳と62歳の男性2人がけがを負った。23日は80歳男性が自宅庭で足を滑らせて転倒しけがを負う事故があった。

フリージア生産者ら 花屋のプロから「消費者好み」学ぶ 土浦

【斎藤茂】卒業や入学シーズンを控え、何かと花束を贈る機会が増える中で、県南地域のフリージア生産者らがこのほど、県土浦合同庁舎(土浦市真鍋)にフラワーショップの店員を講師に招き、フラワーアレンジメントの実演を通してフリージアの魅力を学んだ。一般消費者がフリージアにどのような印象を抱いているのかを探り、生産拡大につなげようというもの。 牛久市やつくば市、つくばみらい市などの生産者らで組織する県フリージア研究会(大山勝久会長、12人)と、稲敷地方農業改良普及センターが初めて開いた。会場には生産者の他、花き市場、種苗会社、県農業総合センターの職員ら20人が出席した。 講師に招かれたのはグランステージ山新の「創花」の大塚香菜子さんと美浦村のフラワーショップ「花りん」の仁井田圭子さん。2人は色とりどりのフリージアを使ってフラワーアレンジメントを実演。その過程で大塚さんはお客に人気のある花束を、仁井田さんは節分などの行事にちなみ、枡(ます)を使った花飾りやブーケなどを製作し、フリージアの特徴や扱い方を説明した。 製作の様子を興味深げに見守っていた生産者らは、花束を長持ちさせる工夫やその他の花の組み合わせ、消費者が好む色などについて矢継ぎ早に質問。大塚さんは房の形をしたフリージアの独特の姿に「小さくかれんな花は他の花にもなじむので、花束の定番として人気がある。お客さんは赤系を好むなど多様している」などと店頭での感想を話した。 景気低迷のあおりなどを受けてフリージアの生産者数は年々減少を続けているが、それでも東京市場への出荷量は関東エリアではトップを維持。東京中央卸売市場のデータでは、2016年出荷本数は216万本強で、2位の山形75万本を大きく引き離している。ちなみに3位は埼玉62万8000本、4位千葉62万7000本と続いている。 大山会長は「後継者を育てるにはもっと消費を拡大していかなければならない。そのためにはどうすればフリージアの魅力をより多くの消費者に知ってもらうか、お店の話を参考にして生産現場に活かしていきたい」と話している。

閉店まであと10日切る イオンつくば駅前店 31日午後8時営業終了

【大志万容子】つくば駅近くの大型商業施設、イオンつくば駅前店(つくば市吾妻)が31日午後8時に閉店する。同店2階の入り口付近にはカウントダウンの看板が設置され、22日は営業終了まであと10日を切り「あと9日」の文字が掲示された。 同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)によると、閉店セレモニーなどの予定はないという。 31日まで「閉店売り尽くし」セールが開催されている。22日現在、紅白幕を巡らせた衣料品の売り場では、婦人や紳士の衣料品が20%~半額オフ、肌着が40%オフなどで販売されている。22日は雪模様ということもあり、70%オフのビニール傘を買い求める人の姿も多く見られた。 同市春日在住の60代の女性は「20年前から利用していただけに残念。ほとんどの買い物を頼っていたので、これからどうしよう」と途方に暮れていた。 同店は1985年3月ジャスコつくば店としてオープン。筑波都市整備が運営するクレオ内の1、2階に入居、33年にわたり営業してきた。

つくば、土浦に大雪警報 最大15㎝の積雪

【谷島英里子】22日、つくば、土浦などは雪に見舞われ、水戸地方気象台は同日午後2時27分、県南地域に大雪警報を出した。23日未明までに最大で15㎝程度の降雪があるという。大雪警報の発令は昨年の2月9日以来。 前線を伴った低気圧が発達しながら伊豆諸島付近を東に進み、雪を降らせた。つくば市では22日午後5時、7㎝の積雪を観測した。 降雪により、つくば市教育委員会は22日、市立小中学校の下校時間を繰り上げ、給食後の午後1時30分に下校させた。土浦市は通常の月曜日と同じ午後3時までの下校となった。23日朝はつくば、土浦両市とも小中学校の登校時間を2時間ほど遅くし午前10時ごろとする。 首都圏の鉄道に一部運休や遅延が出ている中、22日午後5時現在、JR常磐線、つくばエクスプレスいずれも平常運転となっている。 22日午後3時過ぎ、つくば駅周辺では、下校する高校生らが駅に急ぐ姿が見られた。横から吹き付ける雪に傘を斜めにしたり、傘を差さずコートのフードを頭にかぶって肩をすぼめながら足早に急ぐ生徒らもいた。 23日は強い冬型の気圧配置となり、晴れ時々曇りの予報となっている。

来館者10万人達成 開館45日目、土浦市立図書館

【鈴木宏子】土浦市立図書館(同市大和町)の来館者数が21日、10万人になった。昨年11月27日、JR土浦駅前、アルカス土浦内にオープンし45日目(開館日)の達成となる。同館は年間40万人の来館者を目標としており、開館2カ月弱での10万人達成は、目標より1.5倍速いペースとなる。 21日午後、10万人目の来館者となった市立土浦第2小学校1年、板羽美帆ちゃん(7)に、入沢弘子館長から、市のイメージキャラクター「つちまる」のぬいぐるみと、同市出身の力士、高安関の切手シートなどの記念品が贈呈された。美帆ちゃんは「びっくりした。(10万人目になって)うれしい」などと話していた。 絵本を返却するため、父親の会社員、浩之さん(55)とやって来た。5回目の来館という。浩之さんは「(移転前の旧館と比べ)本も増えたし、ジャンルも分かりやすく、居心地のいい場所になった。面白い本を探して、子どもにいろいろな本に親しんでもらえるようにしていきたい」などと語っていた。 同館のこれまでの1日平均来場者数は約2200人で旧館の3.5倍。貸出冊数は1日平均2228冊で同2.25倍。1階市民ギャラリーの来館者数と合わせるとアルカス土浦全体の来館者数は計約11万5000人になる。 入沢館長は「駅前立地になり、気軽に立ち寄る方が増え、利用の仕方にも変化を感じている」とし「10万人達成は一つの節目になる。これからも多くの方が本に親しみ利用しやすい図書館づくりを目指し、駅前活性化に寄与できる施設として地域と連携を図り貢献していきたい」などとしている。

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