土曜日, 7月 12, 2025

【高校野球茨城’18】土浦一と土浦三 3回戦で力尽く

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は9日目の17日、3回戦の残り8試合が行われた。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦には、他球場で2回戦を勝ち上がり、一回り成長して戻ってきた2校の姿があった。だが土浦一は境に4-13で7回コールド負け、土浦三は取手一に0-10で5回コールド負けを喫し、大会から姿を消すことになった。 土浦一、最後の力振り絞る 土浦一は13日、Bシードの日立一を敵地で破るという快挙を遂げた。だがその代償は大きかった。エースの大松崎智也は疲れが抜けず、主将の矢追駿介は足のけいれんのダメージが残り、いずれも今戦はベンチスタート。先発投手には日立一戦で好救援した古宮学樹が名乗りを上げた。 捕手の横島健太朗は「古宮は今までで一番真っすぐが走り、いけると思ったが、自分の配球が合わなかった。相手のデータは全部頭に入っていたが、それを投手に伝えきれなかった」と悔やむ。 2回2死から甘く入った初球を打たれ、そこから一挙5失点。「布陣を組み替えたのが裏目に出て、選手に良い入り方をさせてあげられなかった」と藤田大輔監督。 さらに4回にも1失点し、スクランブル登板した大松崎も、一度ついた境打線の火を消せず、5回に6安打を浴び7点を失う。一方、自軍の打線は2安打と沈黙。藤田監督は「相手の変化球には甘いところもあったが、大量失点を受けて打席で考え過ぎてしまった」と分析する。 だが0-13と大差をつけられ、ついに打線が奮起。4点を奪い、5回コールドを回避することに成功。2点適時打を放った矢追主将は「このままでは終われないし、日立一にも申し訳ない。絶対に4点取るぞとベンチで話し合った」と明かす。3年生が最後の力を振り絞ってヒットをつなぎ、2年生へ思いを伝えられたことは、来年に向けての良い材料になった。   土浦三、力出し切れず 土浦三は13日、古河三に7-0でコールド勝ち。エースの濱崎鉄平は1回戦に続いてこの試合も最後まで投げ抜いた。そして迎えた今日の取手一戦。コンディションは問題なかったが、試合の入り方がいつもとは違ってしまったという。 「自分は初回の先頭を抑えることで乗っていくスタイル。だが今日は気持ちが足りなかった。入りがおかしくなり、配球やリズムを変えて修正もしたが、一度相手に行ってしまった流れを戻せなかった」 1・2回で計6点を失ったが、クリーンヒットはさほど多くない。逆に自軍は、いい当たりが出ても後に続かない。わずかな歯車のかみ合わせの違いによって、全く逆の展開になっていてもおかしくなかった。 「なぜだか最初のバント処理からチームにスピード感がなく、ゲームにならないまま終わってしまった。若いチームなので流れを止められない。また3回戦ともなると、相手もこちらのわずかなスキを見逃さない」と松浦三喜男監督。 さらに4点を失い、0-10で迎えた5回裏。コールド負けが迫る中、濱崎はベンチ前でキャッチボールを始める。「ここで終わらず、次の回にも行くぞ」というメッセージを込め、チームを勇気付けようという彼の作戦だった。それでもツーストライクと追い込まれ、今度は「冷静に」と直接声をかける。だがその願いもむなしく、バットは空を切る。土浦三の夏が終わった。   第100回全国高校野球選手権茨城大会 3回戦(7月17日、J:COMスタジアム土浦) ※7回コールド バッテリー 境:野口、染谷、猪瀬-大江 土浦一:古宮、大松崎、先崎-横島 長打(すべて境) 三塁打:稲毛田和 二塁打:大江2、野口   ※5回コールド バッテリー 取手一:三浦-用 土浦三:浜崎-木村 長打(すべて取手一) 三塁打:和方 二塁打:用、菅原

【高校野球茨城’18】常総、つくば国際大共にベスト16

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は、8日目の16日から3回戦に入った。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦では、常総学院が総和工に10-0で5回コールド勝ち。つくば国際大は東洋大牛久に粘られるも8-7で突き放し、共にベスト16入りを果たした。 常総の先発・岡田、立ち上がり以外は満点 常総学院は岡田幹太投手が今大会初登板。「秋と春は勝利に貢献できなかったので、この夏は絶対に自分が投げてチームを勝たせようと思っていた。序盤は制球が悪くチームに迷惑をかけたが、粘りの投球ができたことはよかった」 立ち上がりに1安打2四球を許し、初回は無死二・三塁、2回は2死三塁のピンチを招くが、いずれも後続を断って無失点。3・4回は三者凡退できっちりと締め、佐々木力監督も「最初は力んでバタバタしたので20点を引き、80点の出来」と高く評価。 打線では、春から好調を維持している水野勢十郎を先頭に置いた。期待に応え全打席出塁を果たし、長打2本で4打点という暴れっぷり。「相手投手はコントロールが良かったので、甘い球には積極的に行こうと思っていた。自分はミート力に自信があるので、特に狙い球はつくらず、打てると思った球を振っている。つなぐつもりで行き、結果的に長打になって良かった」 次戦は20日、ノーブルホームスタジアム水戸で下館工と対戦する。「前の試合も今回も5回コールドでこられたが、この後はそうそううまくいかない。暑くて体がつらいが最後まで気を抜かず、試合終了まで全力でプレーする」と水野。二瓶那弥主将も「2つ快勝したことは大きいが、これでチームが緩まないようしっかり締め直したい。どのチームがきても関係なく、自分たちの野球で冷静に熱く、いい試合をしたい」と意気込みを語った。   つくば国際大・福島、投打に大車輪の活躍 つくば国際大は東洋大牛久を相手に取っては取られてと、片時も目を離せない熱戦を繰り広げた。飛び交った安打数は両チーム合わせて26本、残塁数は21となった。 接戦を制した要因について山口幸彦監督は「最後まで諦めず元気に、追い付かれても1点ずつ取っていこうと話し、その通りにやってくれた。相手の石上投手への対策として、同じ左でタイプも似ている福島に投げさせて練習してきた」と語る。その成果が初回の、相手の立ち上がりに乗じて挙げた2得点だ。また3回には、6安打に相手のエラーなどをからめて4点を奪った。 しかし、東洋大牛久も2・3・4回とこまめに得点を挙げ、6-5と追いすがる。つくば国際大の先発は、2回戦に続いて登板の福島脩馬投手。「体が重い中、力を入れるところは入れて、後はスピードよりも制球重視」と山口監督。エースで四番、打撃でも4打数4安打という活躍に、体を休めるいとまもなかった。五番でこの日3打数3安打だった秋谷凌平が、途中で足を痛めて離脱したことも、福島の重責をさらに重くした。 「秋谷の分までやってやろうと気力で頑張った。9回の1点差のピンチも、絶対打たせないという強気の気持ちでいった。苦しい試合だったがつらいというより楽しかった。なかなかああいう場面は味わえない」と福島。 秋谷と交代してグラウンドに入った米崎響は、セカンドの位置から福島の背中を見て「(福島)脩馬さんが最後まで自分のペースで投げ、それに応えるように全員が打って勝った。尊敬する最高の先輩。自分も投手としてその跡を継げるよう全力で頑張りたい」との思いを抱いたという。 つくば国際大の次戦は20日、ひたちなか市民球場で水戸商と対戦する。   第100回全国高校野球選手権茨城大会 3回戦(7月16日、J:COMスタジアム土浦) 常総 1 4 0 1 4 10 総和工 0 0 0 0 0 0 ※5回コールド バッテリー 常総学院:岡田、大木島-菊地壮 総和工:中村、櫻井-功刀 長打(すべて常総学院) 三塁打:水野 二塁打:水野、二瓶 つくば国際 2 0 4 0 0 0 1 0 1 8 東洋大牛久 0 2 1 2 0 0 0 1 1 7 バッテリー つくば国際大:福島-高田 東洋大牛久:石上、山田-井田 長打 三塁打:石上、土屋、井田(東洋大牛久) 二塁打:福島(つくば国際大)

霞ケ浦に海洋少年団設立 舟艇体験通し青少年育成

【谷島英里子】霞ケ浦に親しむことを通じて青少年育成を図ろうと、霞ケ浦海洋少年団の結団式が15日、土浦港のマリーナを運営する土浦市川口2丁目、ラクスマリーナで開かれた。 幼稚園児から小学生まで17人が入団した。結団式で五頭英明団長(土浦市副市長、ラクスマリーナ社長)が「少年少女たちが霞ケ浦に親しみ、学び、海洋国日本の時代の担い手として心身ともに健康でたくましい人間に成長するよう育成に努めたい」とあいさつ。 団員を代表して龍ケ崎市立城ノ内小6年の市原遼人さん(11)が「僕たちは地域と社会への感謝を忘れず、海洋少年団の伝統を受け継ぎ伝えることを誓います」宣誓した。 海洋少年団は、幼稚園児から高校生までの男女が海などでの団体活動を通して、社会生活に必要な道徳心や心身共に健康でたくましい人間育成を行う。 団員らは今後、ラクスマリーナが主催する、子どもも高齢者も障害者も誰もが楽しめるマリンスポーツイベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」での活動や、カッターやカヌーなどの舟艇体験、航海訓練などを行う。

【高校野球茨城’18】土浦二、3回戦進出の夢かなわず

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会7日目の14日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦には土浦二が2回目の登場。チームの歴史を塗り替える3回戦進出に挑んだが、下妻一を相手に0-7の7回コールド負けを喫し、夢の実現はかなわなかった。 土浦二は10日の1回戦、八千代に12-1の6回コールド勝ちを収めて勢いに乗り、翌日から下妻一に照準を合わせた練習を積んできた。「トーナメント表を見たときから意識していた。2年前の夏も2回戦で敗れた相手。ここに勝ってこそ目標の3回戦進出を達成できる」と大森航主将。 坂本武司監督は、先発投手に2年の庄司大翼を起用した。多彩な変化球で相手にゴロを打たせて取るタイプで、特に球速85㎞ほどの大きく曲がるカーブが得意だ。「今日の相手にはこのカーブが有効だと思うので、どんどん使って流れを引き寄せよう」と、庄司自身も意識していた。 ところが誤算があった。打ち取った当たりでも細かいミスやエラーが出てアウトを取りきれない。相手は機動力を使い、スリーバントや連続バントもからめてしつこくランナーを進めてくる。「相手のエースから得点できる雰囲気がなく、失点できないプレッシャーで硬くなった面もある」と大森主将。 相手の加藤孝太郎投手に対しては、得意の変化球への対策をしてきたが、ふたを開けてみたらストレートがよく来ていた。2年ながら四番を任された中山越も「打ちたい気持ちが先に立って力んでしまい、落ち着いて自分のスイングができなかった」と振り返る。 この経験をバネに来年こそは、3回戦進出の夢を果たしたい。「庄司・中山らが中心になり、1年間練習を積んでいってほしい」と、大森主将もエールを送る。 第100回全国高校野球選手権茨城大会 2回戦(7月14日、J:COMスタジアム土浦) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 土浦二 0 0 0 0 0 0 0 0 下妻一 1 0 0 1 1 0 4× 7 ※7回コールド バッテリー 土浦二:庄司、入野-木村 下妻一:加藤-大竹 長打(すべて下妻一) 二塁打:磯貝、秋葉

【高校野球茨城’18】湖北、科技日立に延長サヨナラ 秋のリベンジ果たす

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会の6日目となる13日、土浦湖北はひたちなか市民球場(同市新光町)で、科学技術学園日立との初戦に臨んだ。秋季大会で敗れた相手に対し、10-9で延長サヨナラ勝ちを収め、3回戦へ駒を進めた。 土浦湖北は守備で迎えた1回表、先発の川下颯真投手のコントロールが乱れ、1アウト満塁から3連続押し出しで早くも降板。3点のハンデを負った状態で反撃に入ることになった。こうした厳しい展開に「誰も諦めず、1点ずつ返していこうと話し合った」と大崎凌輔主将。だが相手投手の変化球を捉えきることができず、取っては取られての繰り返しで、なかなか道のりは遠い。 5回裏に3安打と相手のエラーなどで勝ち越した後も、突き放すことはできず、8回表に追い付かれ、9回表には1死一・二塁のピンチも迎える。 このときの投手は4人目の天野宮拓夢。「自分の後にはもう投げられるピッチャーはいない、自分が最後まで投げきるしかない」という思いで臨み、チームメイトにも「一人じゃない。全員で守るから」と励まされながらマウンドを守った。実は科技日立は秋の県大会の初戦で敗れた相手で、天野宮はそのときの敗戦投手でもあった。そのリベンジの気持ちも強かったという。 9回表のピンチを三塁ゴロからのダブルプレーで切り抜けると、10回裏についにチャンス到来。2死から相手の守備エラーと四球でスコアリングポジションに走者を進めると、打者はここまで2安打の八番・上野歩馬。「監督の指示通り、来た球に逆らわず、力を抜いてインパクトだけで合わせた」と、真ん中に入った初球を右中間へ運んだ。 次に迎えるのは16日の水戸葵陵戦。「また楽な試合にはならないと思う。一球一球全力で戦っていきたい」と大崎主将は意気込む。 第100回全国高校野球選手権茨城大会 2回戦(7月13日、ひたちなか市民球場) 科技日立 3 1 0 2 0 0 1 2 0 0 9 土浦湖北 0 1 2 1 3 0 2 0 0 1X 10 ※延長10回 バッテリー 科技日立:佐藤隼、松本、佐藤大-川端 土浦湖北:川下、坪井、郡司、天野宮-上野 長打 二塁打:齊藤、上野(土浦湖北)、高橋(科技日立)

土浦三中3年 坂田慈央選手 飛び込みで世界大会へ

【鈴木宏子】土浦三中3年の坂田慈央(じおう)さん(14)が、ウクライナの首都キエフで23日開幕する世界ジュニア飛込選手権に日本代表として出場する。渡航を前に13日、中川清土浦市長を表敬訪問し「入賞目指して頑張りたい」と決意を話した。 坂田さんは今年3月下旬に行われた世界ジュニア選考会14、15歳の部で優勝し、日本代表に選ばれた。後ろ宙返り、回転からの入水が持ち味という。 ジョイフルアスレチッククラブ土浦に所属。小学2年から飛び込みを始め、小学6年のときには全国大会で入賞した。昨年から今年にかけて、県の国体強化選手の一員として海外合宿などを経験する中、急成長中の注目選手という。現在、毎日3時間、休日は6~7時間練習を重ね、週に2日はウエイトトレーニングやトランポリンなどの練習に励んでいる。 父親の和也さん(44)も元飛び込み選手。現在は日本水泳連盟飛込強化コーチで、昨年はユニバーシアード日本代表の監督を務めた。 慈央さんは「国際大会に出場するのは初めてなので、入賞(8位以内)を目指したい」と話す。 中川市長は「緊張し過ぎないで、日頃の練習の成果を思う存分発揮してください」と激励した。

合併白紙に JAつくば市と谷田部

【鈴木宏子】JAつくば市(岡本秀男組合長)とJAつくば市谷田部(横田伊佐夫組合長)の合併協議が白紙になっていたことが分かった。6月8日の第4回合併推進協議会で白紙とすることが決まり、その後の両JAの理事会で承認された。経営方針の不一致が原因という。 両JAは来年2月1日の合併を目指して、今年4月22日、つくば市内JA合併推進協議会を設立したばかりだった。同協議会設立からわずか2カ月余りでの破談となった。 両JAは2013年から、JA土浦と3JAで合併研究会を発足させ合併に向けて研究を続けてきた。しかし合意に至らず、今年2月、研究会は解散。3月からJAつくば市と谷田部の2JAで合併の検討が始まり、4月に合併協議会を設立した。 同協議会事務局長を務めたJAつくば市の鈴木雅文さんは「経営の方向性の歩み寄りが出来なかった。JA土浦と3JAによる協議も含め、5年間協議をしてきたが溝が埋まらなかった」と話した。一方、国による農協改革や、県中央会による広域合併推進の流れがあることから、今後については「(将来は)新たな枠組みを検討することになると思う」としている。

【高校野球茨城’18】常総コールド発進 霞ケ浦は鬼怒商と競り合う

【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は12日、大会5日目に入り2回戦に突入した。土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦ではシード校の常総学院と霞ケ浦が、共に初戦を勝ち上がった。 常総、つなぐバッティングで4回13安打 春季大会優勝の第1シード、常総学院は、佐竹に10-0と5回コールド勝ち。初回、先頭の二瓶那弥主将が四球で出るとすかさず二盗を決め、二番・水野勢十郎の左前二塁打で先制。2回には七番・手塚悠と九番・菊地竜雅の2安打で1点追加。3回は6安打と1死球で6点を挙げ、4回にも2安打とボークで2点を加えた。 特に水野は、3回の2点三塁打を含む3安打3打点の活躍。「まずは塁に出ることを意識している。今日は(四回の死球も含め)4打席とも出塁できた。次もチャレンジ精神で自分が出てかき回し、周りにつなげていきたい」 二瓶主将は「チームでつなぐバッティングができ、目標の5回コールドを達成させ、いい入りをした。今年は打ち勝つチームと言われているが、それだけで上がれるほど甘くはない。大型打線でもここぞというときは細工を決めて1点を確実に取る」と、常総らしさは今年も健在だ。 先発の菊地竜雅投手は4回を投げて1安打5三振。佐々木力監督も「100点満点。一つ一つのボールにキレがあり、コンパクトに打ってくる相手打線を封じ込めた」と高評価だ。菊地は登録選手中唯一の1年生であり、公式戦では初登板。「スタンドに人が大勢いるのを見て緊張したが、自分は1年なので、気にせず楽しく投げようと、目の前の試合に集中した。1つ1つアウトにすれば結果がついてくる」と、最高141㎞のストレートを軸に役目を全うした。常総学院は次戦、16日に総和工と対戦する。球場未定。   霞ケ浦、我慢比べ制し終盤に突き放す 春季大会4強の霞ケ浦は鬼怒商に6-2の勝利。春の主戦を務めた福浦太陽が先発し、5回までヒットを許さず三振と内野ゴロの山を築いた。 攻撃では初回に1番・天野海斗、2番・森田智貴、3番・小儀純也の3連打で2点を奪うが、その後は鬼怒商先発・廣瀬昂大投手の術中にはまり、5回終了まで1安打に抑え込まれる。 高橋祐二監督は「相手投手は、カウントを稼ぎに来る、右打者の中へ入ってくる緩いボール。これをどう打つんだと。本人たちの奮起が必要。この試合がお灸(きゅう)になればいい」と、試合後も苦い表情。 鈴木和樹主将は「体が開いてレフトフライやショートゴロが増えてしまい、それを試合中に修正できなかった。初戦を終えたので気を取り直し、個人としてもチームとしても調子を上げて、自分たちの野球をしていきたい」と反省する。 霞ケ浦は6回に横田の左前二塁打で1点を加え、手詰まりを抜けたかに見えたが、7回表にピンチを迎える。1死満塁から中犠飛と左前打で1点差。だが福浦は「同点まではOK。気楽に行けよ」との鈴木主将のアドバイスに支えられ、後続を絶って反撃を待つ。 そして7回裏、森田の殊勲の一打が飛び出す。大会16号となる2点ランニング本塁打。「つなぐイメージで長打になった。ライトがクッションの処理を誤ったのを見て、三塁まで行けると思ったら、三塁コーチが大きく手を回していた」 8回からは鈴木寛人投手がマウンドへ。けがで2カ月半戦列を離れていた期待の長身右腕の復帰は、チームにも良い刺激になりそうだ。霞ケ浦の次戦は16日、多賀と対戦する。   第100回全国高校野球選手権茨城大会 2回戦(7月12日、J:COMスタジアム土浦) 佐竹 0 0 0 0 0 0 常総学院 1 1 6 2 × 10 ※5回コールド バッテリー 佐竹:鈴木飛、藤田-海老原、中村 常総学院:菊地竜、岡田、塙-草部 長打(すべて常総学院) 三塁打:水野 二塁打:水野2、斉藤、野澤   鬼怒商 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 霞ケ浦 2 0 0 0 0 1 2 1 × 6 バッテリー 鬼怒商:廣瀬-古谷 霞ケ浦:福浦、鈴木寛-鈴木和 長打 本塁打:森田(霞ケ浦) 三塁打:森田(霞ケ浦) 二塁打:菅野、横田、天野、黒田(霞ケ浦)、萩原(鬼怒商)

オオヒシクイ生態彫刻群完成 土浦 大聖寺

【鈴木宏子】土浦市永国、大聖寺の小林隆成住職(79)が制作していたオオヒシクイの生態彫刻群五つが完成し、同寺に設置された。稲敷市の稲波干拓地で越冬するオオヒシクイの生態を再現した計40羽のモニュメント群で、絶滅の危機にひんするオオヒシクイの保護活動を長年続けてきた小林住職が取り組んでいた。 10日、富山県南砺(なんと)市の伝統工芸「井波彫刻」の第一人者、南部白雲さん(66)が、オオヒシクイ2羽を彫ったさい銭箱を本堂正面に据え付け、すべてのモニュメントの設置が完了した。首を長く伸ばして周囲を警戒する群れの見張り役、奴雁(どがん)の姿を彫った木彫だ。 モニュメントはほかに、本堂正面の梁(はり)4本に設置された、稲穂をついばんだり、羽を休めたりしている様子を再現した木彫群。手水舎(てみずしゃ)の天井に彫刻された空を舞う様子、庭に設置された実物大の親子の石彫など。いずれも稲波干拓地などでのオオヒシクイの生態を彫刻で再現している。 南部さんは「(生態を再現した彫刻群が寺院に設置されたのは)国内で例がないのではないか」と話し、「お寺はいろいろな人が集まる公共性のあるところ。来た人が楽しいよねと感じてくれれば」と話す。 構想から10年以上をかけようやく完成した。小林住職は「200人以上の方から多額の寄進をいただいたお陰でできた。感無量」と語り「野鳥は環境をはかるものさし。鳥のすめないところに人は住めない。このモニュメントが環境問題を考える糸口になれば」と話す。

科学・文化スポット紹介 つくば駅周辺まち歩きマップ

【橋立多美】つくばセンター地区活性化協議会(つくば市竹園)が、TXつくば駅を中心とするセンター地区の科学や文化施設が一目で分かる「つくば駅周辺まち歩きMAP」を5000部製作した。 センター地区は、東西の大通り線と南北の大通り線の中の南北2.4kmの細長い区域で、面積は約80ha。これまでのマップは細長い区域に沿ったタテ型だったが、見やすく横に配置したA3版で、手書きのイラストを交えた親しみやすいデザインになっている。 マップは、つくばエキスポセンターや江戸時代の古民家を移設した、さくら民家園、筑波研究学園都市のランドマーク・つくばセンタービルなどのスポットを紹介。フォトスポットや飲食店も盛り込まれている。 同協議会は、同地区のにぎわい創出を目的に、筑波都市整備(株)を中心に同地区に立地する企業など52団体が2009年に設立した。 協議会事務局長の稲葉祐樹さんは「つくば駅周辺は市外から学会や仕事で来訪する人が多いが、つくばらしい建築物を見ることなく帰ってしまう。駅周辺の魅力を知ってほしい」。事務局の神村典子さんは「マップを活用してセンター地区を回遊してもらえるとうれしい」と話している。 ◆「まち歩きマップ」は、つくば市総合インフォメーションセンター(BiViつくば内)、つくば駅自由通路の物産館前などで手に入る。

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