水曜日, 7月 9, 2025

【クレオ再生問題】市財政の影響懸念の声も 茎崎で説明会

【橋立多美】つくば市茎崎地区を対象にしたクレオに関する市民説明会が11日、同市小茎の茎崎交流センターで開催され、約40人が参加した。自治会役員や民生委員などの姿が見られた。 市は財政調整基金から20億円、地元のサイバーダイン社など民間企業から30億円の計50億円の出資金と、金融機関からの借入金21億円で「まちづくり会社」を設立。施設を購入し、食品スーパーや子ども向けの体験施設や図書館などを入れ、つくばならではの施設にする構想を打ち出している。 五十嵐立青市長が再生案の説明を行い、「クレオは市の心臓部。中心部から周辺地区への人の流れをつくり、雇用につなげたい」と熱弁をふるった。会場からは再生案に「基本的には賛成」の声も聞かれた一方、「保育所の入居を考えては」「(2年目から黒字を想定している)まちづくり会社の事業収支は市民を誘導している」という意見が挙がった。市財政への影響を懸念する声も相次いだ。 茎崎交流センターでの主なやり取りは以下の通り。 参加者 (市と共に出資する民間会社が)仮に倒産したら市が払うのか。過信しないほうがいい。君子危うきに近寄らずだ。 市長 サイバーダイン社は再生案に共感してくれた。お金も持っていて大丈夫。 参加者 (まちづくり会社の)主導権を得るために51%出資してはどうか。 市長 市の規模とバランスを考えて20億円にした。市長が社長になることはない。メンバーは経験値の高い人を考えている。 参加者 子ども向けの科学体験施設は地元の研究機関と連携するのか。 市長 研究機関と連携してつくばらしい内容にしていきたい。 参加者 子ども向けのフロアが出来ると自転車で行く人が増えると思う。駐輪場はどうなるか。 市長 今ある駐輪場の整備を考えている。 参加者 まちづくり会社の事業収支案は、これしかないと市民を誘導しているように思えなくもない。情報公開で開示してほしいのと、総合運動公園の反省をしていただきたい。 市長 情報公開は行政の記録を全て出すことを基本にしている。 参加者 フロア構成案が示されているが、駅との連動性から保育所や防災や介護などのサービス機能があっていい。余裕をもって決めてはどうか。 市長 市民の声を聞きながら進めていく。2階の自転車拠点は土浦駅前にできた拠点と連携しながら運営することもできる。 参加者 つくばは地域で温度差がある。茎崎地区の商圏は牛久で中心地に関心がないし、行かない。それは駐車料金が高いからだ。 市長 (中心地区は)料金の問題と、立体駐車場で止めにくいという意見が多く、幅を広げる工事をしており利用しやすくなる。無料時間を延長する交渉をしていく。 参加者 予算オーバーのツケは市民にまわる。それだけはやってほしくない。 市長 予算の追加投入はしない立場に立ち、お金のたれ流しはしない。 説明会は今後▽14日午前10時~、市役所▽14日午後3時30分~、筑波交流センターで開かれる。

200社が自社技術や商品をPR 筑波銀行ビジネス交流商談会 高校生も出展

【鈴木宏子】地域企業の情報発信と販路拡大を応援する筑波銀行(藤川雅海頭取、本店土浦市)の「ビジネス交流商談会」が11日、つくば市竹園、つくば国際会議場で催された。「食」と「ものづくり」企業を中心に、県内のほか北関東の200を超える企業や団体の出展ブースが設けられ、自社の技術や商品をPRした。 ベンチャー企業のブースのほか、現役高校生が自校の取り組みを紹介する高校生ブース、茨城のコメを試食できる試食コーナーなども設けられ、大勢の企業関係者でごった返した。 高校生ブースは7校が出展。県立つくば工科高校(つくば市谷田部)は、ロボットコンテストに実際に出場したロボットを展示したり、筑波大学や産業技術総合研究所(つくば市東)の協力を得ながら取り組んでいるコンピュータープログラム開発の取り組みなどを紹介した。ロボット工学科1年の宮下耕輔さん(16)は「いろいろな企業や学校が集まって情報交換し合っていて、新しいコミュニケーションや産業がいろいろな方向に広がると思う」と感想を話した。 会場ではベンチャー企業による自社商品のデモンストレーションも行われた。歩く人の後を追いかける追従運搬ロボットや、熟練技術者がものづくりをする思考回路をシステム化したAI(人工知能)のデモンストレーションを最前列で見学した同工科高1年の廣瀬優斗さん(16)は「人の生活を豊かにしようという強い気持ちを感じた。自分も人に役立つロボットや機械を作りたい」と語っていた。

結婚応援優待制度「iPASS」 11月22日スタート

【山崎実】結婚を予定しているカップルや新婚夫婦が、商品割引など様々な特典サービスを受けられる茨城県の結婚応援パスポート「iPASS」(アイパス)事業が11月22日の「いい夫婦の日」からスタートする。地域全体で結婚を応援する機運を醸成し結婚を後押しするのが目的。 各種優待制度について県は、07年度から子育て家庭向けの「いばらきキッズクラブ」カードを発足させ、現在、県内の協賛店は約5700店舗。その後、子育て支援パスポート事業の全国共通化に伴い、全国で利用できるようになった。また4年前からは、高齢者向けの「いばらきシニアカード」を導入。シニアについても導入から2年半で約3400店舗が協賛するなど、その活動の幅が大きな広がりをみせている。 「iPASS」事業は、これらの事業と同様の第3弾の優待施策で、結婚支援に特化する。全国的にもまだ5、6府県しか実施していないため、県は他県の例などを参考に対象範囲や協賛内容などについて、市町村、結婚式場、賃貸住宅、家具・家電販売など関連事業者との協議を進めてきた。 利用対象者は、新婚カップルと、概ね1年以内に結婚を予定しているカップルで、18歳以上なら年齢制限なし。新婚カップルは、県内の市町村窓口で婚姻届を提出した際に「iPASS」が交付される。結婚を予定しているカップルは、いばらき結婚応援パスポートiPASSのウェブページから申請書などをダウンロードし必要事項を記入の上、県保健福祉部子ども政策局少子化対策課に郵送するか、アプリストアからダウンロードして登録し、スマホ画面にカード画像を表示させることもできる。 このパスを協賛店で提示すれば、料金割引などの特典サービスが受けられるシステムだ。パスはカップル1組に1枚。有効期限は、これから結婚する予定のカップルは発行日から1年、新婚カップルの場合、結婚した日から1年間となるので、併せて最長2年間となる。制度開始前の今年4月1日から11月21日までに結婚したカップルは、11月22日の制度開始から一律1年間の使用が可能となる。 担当の県少子化対策課によると、現在、協賛店舗を募集中で、県自ら出向き協力を依頼している段階といい、既に500店舗を超えているという。 ◆いばらき結婚応援パスポートiPASSに関する問い合わせは県少子対策課(電話029・301・3261=直通)へ。

【緊急特集クレオ再生問題】市の案に問題点指摘相次ぐ 9日市民説明会スタート

【鈴木宏子】百貨店などが撤退し今年2月から閉鎖されているつくば駅前商業施設クレオ(筑波都市整備所有)の再生問題で、つくば市による市民説明会が9日から同市筑穂、大穂交流センターを皮切りに始まった。約50人が参加し、「出資もテナントもサイバーダイン1社に頼っていいのか」「なぜクレオが優先なのか分からない」など問題点を指摘する意見が相次いだ。 再生案について五十嵐立青市長は、つくば市が20億円出資するまちづくり会社などをつくって、クレオの土地と建物を取得し、71億円かけて子どもたちが遊びながら科学を学べる体験型商業施設に再生する案を示している=9月28日付け。 説明会は回数を増やし計4カ所で開催される。今後は▽11日午後6時~、茎崎交流センター▽14日午前10時~、市役所▽14日午後3時30分~、筑波交流センターで開かれる。 大穂交流センターでの主なやり取りは以下の通り。 参加者 (市の再生案の)ターゲット層が見えない。(例えば書店が入るとあるが)書店の特徴が見えない。 市長 子どもを基点に各世代が楽しめる施設にする。(市が示した)こういう組み合わせが最も効果的で可能性がある。(配置するテナントは)これまでのアンケートに基づいている。 参加者 (クレオ再生案について書かれた広報つくば臨時号が新聞折り込みで配布されたため)臨時号が手に入らない人がいる。まちづくり会社と建物を保有する特定目的会社の2つをつくるというあるが、事業スキームが分かりにくい。 市長 (臨時号を読めないという)おしかりをたくさんいただいているので子どもたち経由で渡せないか検討している。2つの法人をつくるのは税制上の優遇を受けられるため。 参加者 出資もテナントもサイバーダインに相当頼っている。1社に頼っていいのか。 市長 サイバーダイン(などがつくる投資会社)はキャッシュを300億円もっている。 参加者 つくばセンタービルがかなり空いている。磯崎新がつくった建物だ。なぜ優先度としてクレオなのかが欠けている。 市長 筑波都市整備は急に3棟(クレオとキュートとモグ)を売りたいと言っている。全棟マンションにしてはいけない。クレオとつくばセンタービルは双子のような施設。クレオが固まらないとちぐはぐになる。 参加者 子どもをターゲットに置くのは甘い考えだ。子どもたちが動いて親が動くのを期待するのは古いモデル。子どもが少なくなり競合にさらされる。年配者が再チャレンジする場とするコンテンツを増やしてはどうか。 市長 (再生案は)教育を柱にしている。教育には皆お金を使う。研究者OBが活躍する場を3、4階につくっていきたい。 参加者 子ども向け施設だと平日の日中利用する人は少ない。中心部は十分恵まれている。周辺部は公共サービスが足りていない。税金でやる事業の場合、一等地でやるのは理解が得られない。 市長 平日の日中は考えていきたい。中心市街地は公共サービスが根本的に欠落している場所だ。 参加者 食品スーパーとあるが同じようなスーパーでなく高級スーパーに入っていただきたい。 市長 中身はこれからいろいろ工夫していきたい。 参加者 市役所のサテライトオフィスをつくって情報発信するスペースや、市長と市民が同じ目線で議論できる機能がほしい。 市長 6階のミニシアターで市が取り組んでいることを紹介したり、トークショーなどができると期待している。 参加者 クレオが商業施設として不良物件になったのは立体駐車場であるという内的要因がある。車で行きやすいかどうかが命運を決する。つくばセンタービル付近は駐車場がどんどん減っている。(市の再生案は)ゲームチェンジャーにはならない。 市長 (立体駐車場の)1区画を広くする工事をしている。相当止めやすくなる。無料時間を延長する交渉をしていく。 参加者 企画書はひじょうによくできていて、説明は丁寧でよかった。 市長 つくば市の市街地のまちづくりは国とURがやってきた。市が主体的に動くタイミングは今しかない。今やらなければ行政として責任放棄だ。 参加者 筑波都市整備が民間事業者に売却した場合、民間事業者は旧西武側に商業施設と公共施設を計画していると解釈してよろしいか。 市長 ご指摘の通りだが、市の意向をまったく無視している。マンションが建つ建物に多額の投資をしていくことはできない。 参加者 20億の出資というのは市民1人当たり1万円負担になる。テナントに出ていかれるリスクを市が背負わない方がいい。クレオ1棟で中心市街地の問題は解決できない。無理に急がない方がいい。 市長 空き室率を5%に設定している(固く見積もっている)。

不要品通じ市民交流 つくばリサイクルマーケット 25年にぎわい続く

【田中めぐみ】つくば市の市民団体「リサイクルを推進する会」(高野正子代表)が年4回、つくば駅近くの市中央公園水の広場で開いている「つくばリサイクルマーケット」が人気だ。次回は11月25日に第107回が開催される。 使用可能なものを捨てずにリサイクルすることを目的として、毎年3月、5月、9月、11月の年4回開いている。多い時には700人の来場者があるという。1994年5月からスタートし今年で25年目を迎える。 震災で意識が変化 1993年、代表である高野さん(73)は、つくば市のごみ焼却施設(当時は第1衛生センター)を見学した際に、まだ使えるものがごみとしてたくさん捨てられているのを見た。もったいないと感じ、何かきっかけがあれば使ってもらえるのではないか、使える物と人とを仲介する場を提供したいと思ったのがきっかけで「リサイクルを推進する会」を立ち上げた。 以来25年間、リサイクルマーケットを運営し、つくば市の人と物の事情を見てきた高野さんだが、2011年3月11日の東日本大震災を契機に、出店者の意識が変化したのを感じるという。「震災以前は、自分の所有物を増やしていくこと、また、今より上の等級の物にグレードアップすることを豊かさと考える人が多かった。しかし震災後は、壊れてしまうからぜいたくな良いものは必要ない、今必要な物を必要な分だけ所有しようという意識に変わり、真剣に出店する人たちが増えたように思う」と話す。 1割を災害義援金に 9月23日は、出店者68人が72区画で出店。好天のもと、およそ500人の来場者でにぎわいを見せた。出品されているのは、衣類や靴、本、未使用のタオルや食器、使わなくなったおもちゃ、雑貨、文房具など様々。リサイクルを目的とするマーケットであるため、食品や植木、生き物、ハンドメイド品などの出品は禁止されている。 マーケットの来場者は、家族連れだけでなく近隣の大学生、外国人も多い。外国や県外から来て知り合いのいない人も、リサイクルマーケットを通じて交流を広げているという。 出店料のうち1割は災害などの義援金に充てている。今回は今年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の義援金とするという。また、毎回要らなくなったジーンズ、Tシャツ、鉛筆、消しゴムなどの寄付を募り、集まった物資をフィリピンに支援として届けている。 ボランティアスタッフとして運営を手伝っている筑波学院大学2年の﨑野詢矢さん(20)はこの日初めて出店者として参加した。子どもの頃からファンだという読売ジャイアンツのグッズを中心に出品し、野球ファンたちが興味深そうに足を止め、野球談議に花を咲かせた。 ◆次回11月25日(日)のリサイクルマーケットは午前10時から午後2時まで。雨天中止。出店希望者は初回のみ往復はがきでの申し込みが必要。申込締切は11月10日(消印有効)。2回目からは電話またはメールで参加を受け付ける。参加費は1区画(1.8m×1.8m)500円。 主催▽リサイクルを推進する会 http://t-recyclemarket.main.jp/ 出店申込の往復はがきの宛先は〒305-0031 つくば市吾妻3-19-1-2-303 高野正子さん メール▽info@t-recyclemarket.main.jp

小中学生らが今年も放置ごみ回収 土浦花火大会の翌朝

【崎山勝功】強風のため途中で中止となった6日の第87回土浦全国花火競技大会から一夜明けた7日早朝、土浦市佐野子の桜川河川敷周辺では、小中学生や地元住民などの市民ボランティアが、手分けして放置ごみの回収に当たった。 午前7時ごろ、桜川河川敷の無料観覧席付近には、ビニールシートや布団などが散乱し、食べかけの飲食物がそのまま放置されていた。大会パンフレットなどでは、小中学生たちの活動を紹介した上でごみの持ち帰りを呼び掛けている。にも関わらず例年ごみの放置が繰り返されている。 河川敷では、土浦一中の生徒約400人と、土浦小の4~6年の児童と保護者ら約280人が清掃に加わった。生徒たちは、場所取り用の布テープやビニールシート、空き缶やペットボトルなどを回収していった。土浦一中2年の五頭一生さん(14)は「ごみが結構あったなと思った。街がちょっときれいになって良かった」と話した。ペットボトルに混じってバスケットボールなど、花火大会とは無関係なごみもあったという。 今年度、同中に赴任し初めて参加した保健体育担当の嶋田恵理子講師(30)は「生ものだったり、シート固定の金具が落ちていたけど、生徒たちは嫌がらずに拾ってくれた。正直、思っていたよりもごみが少ないと思った」と振り返った。 ごみ袋を手に、食べかけの飲食物などを回収した男性は「昨日(6日)花火が中止になった腹いせかも」と話した。 便乗の「不法投棄」か 河川敷近くに設けられた同市生田町の臨時ごみ置き場には、可燃ごみに混じって家具など、花火大会と関係ないごみも混じっているのが見られた。午前8時30分ごろ、ごみ回収車が到着して男性作業員2人が約20分かけて次々と回収していった。回収作業中に、市では引き取らない消火器や、業務用の食用油などの産業廃棄物が出てきた。作業員は「この回収車では回収できないので、後から市に回収してもらう」と話した。

入院中の小児 科学を楽しむ エキスポセンターが出前教室

【橋立多美】科学を体感できる、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)の科学出前教室が同市天久保の筑波大学附属病院エントランスホールで6日行われ、同病院に入院している9人の子どもたちが星空体験と科学工作を楽しんだ。 同センターのプラネタリウムドームの大きさは直径25.6㍍あるが、その5分の1にあたる5㍍のドームスクリーンが設営され、秋の星座が映し出された。ドームは遮光性フィルムを用いたもので、職員らが手作りで完成させた。またペットボトルの中の魚が浮いたり沈んだりする不思議な浮沈子(ふちんし)の工作が行われ、科学の面白さに触れた。 保護者や看護師に付き添われ、点滴を受けながら参加した子どももいたが、解説付きで約20分、秋の星空を鑑賞した。かすみがうら市の5歳の男児は「きらきら光って面白かった」と、付き添った父親を見上げて顔を紅潮させた。筑西市の小3年男児の父親(40)は「プラネタリウムを見せたことはなかったし、入院生活に楽しさを届けてくれて有り難い」と笑顔だった。 同センターは、青少年への科学技術の普及啓発のための科学出前教室(アウトリーチ活動)を続けており、昨年度は128団体に出向いている。広報担当の小堀安奈さんは「これまでは幼稚園や小中学校への出前が主流を占め、病院での教室は今回が初めて。保護者や医療者の皆さんにも喜んでいただけた。つくば市吾妻のセンターから日帰りで往復できるエリアなら出前します」と話す。

土浦花火 火花で観客10人軽いやけど 強風により途中で中止

【鈴木宏子】6日夜、土浦市佐野子、学園大橋付近の桜川湖畔で開催された第87回土浦全国花火競技大会で、打ち上げ花火の一部が地上に落下して破裂し、観客の9歳から66歳までの男女10人が軽いやけどを負った。 市消防本部や市商工観光課によると、午後6時30分ごろ、打ち上げた花火玉の一部が風に流されて保安区域外の桜川河川敷に落下して破裂し、近くにいた観客の手や足、背中などに火花が飛び散った。 10人は救護所に待機していた医師に手当てを受け、帰宅した。救急車で病院に運ばれた人はいないという。 事故発生を受けて大会実行委員会は打ち上げを中断、気象情報を収集した結果、今後も今以上の風が強く吹く恐れがあると判断し、午後7時ごろ、大会中止を決めた。 大会は同日午後6時から開催された。日本三大花火とあって、75万人の観客らが観覧した。 大会の目玉は、横幅500㍍で9カ所から6分間に約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」だったが、打ち上げはなかった。 会場から引き上げる観客たちからは「残念だ」の声が聞かれた。また「今年の売り上げは低いよ」と、こぼしながら店を片付ける露天商の姿が見られた。 同実行委は、今回の中止は天候不順によるものであるため、桟敷券料金の払い戻しはしないとしている。

つくばラーメンフェスタ始まる 復興目指し7年目 「ぜひ出たい」と評判定着

【崎山勝功】県内外のラーメン店18店が参加して12種類のラーメンを提供する「つくばラーメンフェスタ2018」が6日、つくば市学園南の研究学園駅前公園で始まった。8日まで開かれている。 同市商工会青年部が中心の同実行委員会が主催する。2011年の東日本大震災と12年5月6日のつくば市北条地区竜巻からの復興を目指して、2012年からスタートした。今年で7回目。 同実行委員長の今村瑠璃さんは「つくばの街を活性化させるきっかけになったと自負している」と話す。同フェスタには県内外から有名ラーメン店が出店しており「(ラーメン店は)出店を快く引き受けてくれた。『ぜひ出たい』というくらいラーメン店さんからの評判は高い」と語り、つくばの有名イベントにまで成長したと胸を張る。 今年は、東京の「鯛塩そば灯花」、愛知県の「麺屋桜」など県外の有名店6店のほか、県内外のラーメン店12店が協力して同フェスタ限定のラーメンを作り提供する6店の計12店が出店した。初日の6日には、午前中から各店舗前に長蛇の列ができていた。 味の違いを堪能して満足 石岡市から来た地方公務員女性(24)は「特級鶏蕎麦(そば)龍介」(土浦市)と「塩ラーメン千茶屋」(群馬県)が合同で製作したしょうゆラーメンを注文し「あっさりしておいしかった」と満足げな表情を見せ「次は『麺や庄の』に行ってみたい」と話した。 かすみがうら市の女性(26)は「in EZO(えぞ)本店」(北海道)のみそラーメンを注文し「すごく濃厚でおいしかった。ラーメンに乗っているお肉も大きかった」と語った。 会場では、当日チケット(税込800円)を5枚購入すると、抽選でつくば市内のラーメン店25店舗で使える食券が当たるキャンペーンを行っており、当日チケットを購入した来場者が抽選くじを引いていた。このほか、つくば観光大使が筑波山の特産品「福来(ふくれ)みかん」を使ったラーメンの試食サンプルを来場者に配っていた。 県内外から多くの来場者が集まることから、今村委員長は「筑波山など市内を巡ってもらうきっかけになれば」と期待を寄せた。

県内の消防隊が集結 つくばでテロ災害対策訓練 湖沼会議やG20に向け

【谷島英里子】世界湖沼会議やG20貿易・デジタル経済大臣会合を控えるつくば市で5日、テロなどによる大規模災害を想定した県緊急消防援助隊の訓練が実施された。同市高野の豊里交流センターに県内全24消防本部の緊急消防援助隊70人、24車両が集結し、災害派遣に必要な宿営地の設営など後方支援活動の訓練をした。 県消防長会が主催した。訓練では、湖沼会議やG20の会場となるつくば国際会議場に神経剤がまかれ、多数の負傷者が出たと想定。同市消防本部が災害対策本部を設置して応援要請を行った。 集結した隊員らは3つのブロックに分かれて、仮眠用テントを手早く立ち上げたり、組み立て式ベッドや装備品を配備したりした。災害時用の調理器具を使ったカレー作りなども実施された。 日立市消防本部の高信均消防長は「災害時は隊員同士の信頼関係も重要なので、今回の訓練は各消防本部の隊員同士のコミュニケーションにもつながったのではないか」と話していた。 緊急消防援助隊は、被災地の消防力だけでは対応困難な大規模・特殊災害発生時に、地元市町村長や知事、消防庁長官の要請を受けて出動し、現地で都道府県単位で活動する部隊。近年、県立消防学校(茨城町長岡)を会場に訓練が行われているが、今回、湖沼会議やG20に向けて初めてつくば市で実施された。

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