土曜日, 5月 4, 2024

撮った!ふたご座流星群 つくば市森の里、富樫次夫さん

つくば市森の里の富樫次夫さん(66)が14日午前0時22分、森の里団地脇の東谷田川土手沿いで、ふたご座流星群を写真におさめた。 気温マイナス1度と今季最強の冷え込みの中で流星群を待ち、約1時間にわたり300回シャッターを押した中の一枚。空気が澄んで夜空が美しく見える季節だが、撮影した時間は雲一つなく良い条件で撮影できたという。 「昨年も挑戦したがうまく撮れず、今年こそはと臨んだら、うまく撮れたのでうれしかった」と富樫さん。 今夜14日も流れ星をたくさん見ることのできる神秘的な現象を観察できる。(橋立多美)

手荷物検査など警備強化 つくば市成人式 今年の大荒れ式典受け

今年1月のつくば市成人式が大荒れとなり、19歳の少年1人が公務執行妨害の疑いで逮捕されたのを受けて、五十嵐立青市長は13日、来年の成人式の運営と警備体制を大幅に見直すと発表した。受付で手荷物検査を実施するほか、警察官による周辺や会場内の警備を強化、式典そのものを例年の2時間30分程度から40分に大幅短縮する。 受付では、あらかじめ新成人に発送した入場券を確認し、入場券がない新成人は原則、入場できないようにする。手荷物検査ではバッグの中を開けてもらい、酒類や大きな音が出るクラッカーなど危険物の持ち込みを禁止する。 つくば中央警察署、つくば北警察署に協力を依頼し、周辺の違法駐車対策のほか、会場内の警備を強化してもらう。 スタッフは市職員、協力団体、警備員合わせて、昨年の約90人から200人以上に大幅増員し、会場内や周辺の警備を強化する。 式典は例年、午後に2時間30分程度催していたが、来年は新成人の誓い、主催者あいさつ、津軽三味線演奏などだけに簡素化し、午前中の40分間程度に短縮する。昨年、新成人がステージに上ったのを受けて、ステージ前に鉄柵を設置し警備員を配置する。 ほかに会場周辺は例年、送迎車で渋滞することから、隣接地に送迎スペースを設けて乗降してもらい、路上での乗降を規制する。 来年の同市成人の集いは1月7日午前11時からつくばカピオ(同市竹園)で催される。県内最多の2774人が成人の日を迎え、当日は約1800人が参加すると見込まれている。 大荒れになった今年の成人の集いは1月8日、つくばカピオ(つくば市竹園)で催された。式典の開始15分後、新成人約20人が警備員の制止を振り切り、壇上に上がったり、椅子を投げつけたりするなどして約20分ほど式典が中断し、土浦市の19歳(当時)の少年が公務執行妨害の疑いで逮捕された。(鈴木宏子・ラヂオつくば特約記者)

納屋をリフォーム、憩いの場開設 つくば市の高野ひろ子さん 「地域で支え合える場つくりたい」

つくば市苅間の畑の中に地域住民主体の交流の場、ふれあいサロン「みどりの風」が9月末にできた。オープンから3カ月、懐かしい歌を聴いたり健康体操や食事会を催すなど、地縁の輪を広げている。 主宰者は同地区在住の高野ひろ子さん(69)。栄養士として働いた後は、活け花と茶道の指導をしながら農業を営む夫を支えてきた。今年4月、長女が出産。産後の手伝いのため東京で1カ月生活した。日常を離れたことで人生を振り返り、女性の健康寿命に照らしてこの先10年をどう過ごそうかと心が騒いだ。 同市吾妻の市民活動センターに相談するなど情報収集をしたことで、農具を置いてある納屋をリフォームして地域住民が憩い、支え合える場を作ろうと考えが固まった。 7月に改修工事が始まり、9月中旬に完成した。土間が床板に変わったサロンは約48㎡。重厚な梁(はり)を生かした開放的な造りで、近代的なキッチンと広々とした洋式トイレを備えている。リフォーム代は、栄養士として働いてい当時から、老後の蓄えにと積み立てていたお金を充てたという。 「以前の私は何事も夫任せだったけど、サロンを作ると決めてから1人で市役所に手続きに行ったりするようになった」とひろ子さん。当初、夫はサロン構想に憤ったが、活動が始まると縁の下の力持ちとして応援している。「内弁慶の私にできるのか夫は不安だったと思う」と話す。 11月30日に常陸秋そばを味わう食事会が行われた。大穂や茎崎地区から駆け付けた男性たちが手打ちに挑戦し、近隣の女性たちがそば汁作りを担当。30人の参加者が田舎仕立ての温かいそばに舌つづみを打ちながら交流した。年内は15日に映画上映会、25日には餅つき大会が予定されている。 同サロンは会議やセミナーなどの利用もできる。苅間在住の女性たちは「地域に公共施設の交流センターがあるが、予約を取りたくてもいっぱいで利用できない。サロンができて便利になる」と話す。(橋立多美) ◆みどりの風はつくば市苅間1486。学園西大通りを北に向かい、ファミリーレストラン、デニーズ筑波学園都市店(同市春日)の交差点を左折して約300㍍直進した左奥。問い合わせは電話029-856-1381/高野さんまで。

連絡通路の屋根崩落 筑波大 42年前に建設、老朽化原因か

筑波大学(つくば市天王台)で10日午前7時45分ごろ、建物と建物の2階部分をつなぐ連絡通路(渡り廊下)の屋根が崩落した。日曜日だったことから建物内や付近に学生などはおらず、けが人はなかった。 屋根は長さ約17.5m、幅約4.7m、重さ約25t。鉄骨造りで、42年前の1975年に建設された。屋根を建物に固定していた片側の鉄筋が切れていた。原因は調査中だが老朽化によるとみられている。 屋根は3年に1度点検していた。前回2015年10月の点検では異常は確認されなかった。崩落直前も予兆などはなかったという。建設以来、改修工事などは実施されておらず、来年度予算に改修を概算要求していたという。 事故時、近くの警備員室にいた警備員がどーんという大きな音を聞き、駆け付けたところ、屋根が約2m下の2階通路に落下し、光を取り入れるための屋根のガラスが割れ、通路に散乱していた。通路手すりも一部破損し、通路に出入りする片側の建物の扉のガラスも割れた。 同大は通路付近を通行止めにし、近く屋根を撤去する方針。類似箇所が構内にどれくらいあるかについても調査を進めている。 一方、通路両側の建物では現在も授業が行われている。授業で何度も通路を行き来したという社会学類2年の女子学生は「学内でも(今回事故が起こった建物や人文社会学系棟などがある)第1エリアの建物だけ古いのではないか。何か起きる前に危険箇所を点検してほしい」と話していた。 同大広報室は「安全確保をしたので、今後、事故原因を明らかにし、類似箇所を調査したい」としている。(鈴木宏子)

子ども食堂がプレオープン 土浦駅前の総合福祉会館 月1回、100円で手作りの食事提供

土浦駅前の市総合福祉会館(同市大和町)5階に11日、子ども食堂「つちうらほぺたん食堂」がプレオープンした。子どもの貧困や孤食などが社会問題になる中、来年1月から月1回、1食100円で子どもたちに手作りの食事を提供する。 市社会福祉協議会(会長・中川清市長)といばらきコープ(鶴長義二理事長)が共同で取り組む。市内の一人暮らしの高齢者などに手作り弁当を調理・宅配している市社協の調理ボランティアが温かい食事を作る。JA土浦から野菜などを無償で提供してもらうほか、今後、市民の寄付なども募って運営する。 市内に住む中学生以下の子どもならだれでも利用でき、保護者も1食300円で一緒に食事できるのが特徴だ。保護者は高校生以上ならきょうだいや祖父母でも構わないという。子どもたちは食事のほか、宿題をしたり、ボランティアと遊んだりなど自由に過ごすことができる。 下妻、常総、結城市の3カ所ですでに子ども食堂を展開しているいばらきコープ食育サポーターが運営のノウハウを提供する。スタート時は月1回だが、利用者の要望により回数を増やしたり曜日を変更することも検討する。 市社協の調理ボランティアは現在約250人いる。子ども食堂にはそのうち約30人が登録し、毎回10人ほどが交代で調理をするという。市社協では将来、運営のノウハウを学んだ調理ボランティアらが中心となって、市内の中学校区ごとに開設したい意向がある。 11日は地元のレンコンやカボチャ、ピーマンなどが入ったカレーが出された。近隣の小中学校にちらしをまいて参加を呼び掛け、小中学生38人と保護者らが参加し、元気にお替わりをする子どもたちも多くいた。土浦二中1年の沢辺湧星さん(13)と妹の媛星(きら)さん(11)は「野菜そのものの味がしておいしい」「来月も来たい」などと話し、調理ボランティアの田之室光子さん(73)は「月に一度だけでなく1回でも多くできれば」などと語っていた。(鈴木宏子、谷島英里子) ◆つちうらほぺたん食堂は来年1月から毎月第4水曜日午後5時から8時ごろまで開設する。本格オープンは1月24日午後5時。保護者が送り迎えすることが原則。参加費は中学生以下100円、保護者300円。詳しくは電話029・821・5995(市社協福祉のまちづくり係)  

都心の外国人旅行客を茨城に つくばで商談会 大手旅行会社に売り込み

都心に集中する訪日外国人旅行客(インバウンド)を茨城・千葉エリアの観光地に誘致するための商談会「第6回JATAインバウンド商談会」(日本旅行業協会=JATA=主催)がこのほど、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。ホテルやレジャー施設など茨城・千葉地域の観光産業関係者ら153人が参加し、大手旅行会社に向けて、茨城・千葉地域の観光資源を売り込んだ。 茨城県国際観光課の大賀庸年係長は、訪日外国人旅行客を呼び込む県の施策として、PRと情報発信、旅行商品づくり、受け入れ態勢の整備の3つの柱を掲げ、「都心に集中している外国人をいかに茨城に来てもらうか、単純に泊まるだけでなく、観光資源があることをPRしたい」などと語った。 ホテルオークラフロンティアつくば(つくば市)の大内裕・宿泊セールス課予約担当課長は「茨城は観光資源のPRはまだまだ。紅葉シーズンの筑波山も日本の人にもインバウンドにもまだまだPRが出来ていない」と課題を挙げ「もっと茨城をPRするお手伝いができれば」と話した。 テーマパーク「こもれび森のイバライド」(稲敷市)の運営会社ファームの担当者は、同園での乗馬体験を例に「欧米の人は日本らしい『和』の雰囲気を求めているが、アジアの人には乗馬は喜ばれるのではないか」と、どの国の旅行客をターゲットにするかで売り込む商品が違ってくると話し「今回商談会に参加したのを参考に、ゼロベースからインバウンド対策や集客について考えていきたい」と述べた。 質高いプロフェッショナルな商品を 外国人旅行客の茨城への誘致について観光学が専門の大島愼子・筑波学院大学学長は「茨城県は豊かな自然と文化と食があり、更なる訪日外国人の誘致が期待できる。東京と関西に偏りがちな訪日外国人を誘致するためには、まず地域が自分たちの文化資産を知り、情報発信することが必要。観光客は新しい魅力を常に探している。観光業界は、外国人の個人旅行者に質の高いプロフェッショナルな商品を提供していただけたら」とコメントした。(崎山勝功)

認知症予防は可能か 高齢化進む茎崎で勉強会 「考える習慣を」

「認知症の予防は可能か」と題した勉強会が9日、つくば市茎崎保健センターで開かれた。つくば双愛病院(同市高崎)内の介護老人保健施設「ひまわり」の長廻紘施設長が講演し、「認知症の予防は社会性を保ち、考える習慣をつけること」などと語りかけた。 茎崎地区は高齢化率が今年4月1日現在35.56%と市内で突出して高いなどから、市茎崎地区連合会が主催した。できるだけ平穏な日々を送りたいと願う地区住民ら約60人が参加した。 長廻さんは東京女子医科大学消化器病センターで、選りすぐりの内視鏡を作ることに専念した後、群馬県立がんセンター病院長を務めた。その経験から、がんと認知症を比較し、予防について語った。 講演では「がんができる部位は決まっていて、小さいがんでも発見できるようになり死に至る病気ではなくなった。予防には検診です」と話した。一方「認知症は脳に垢(あか)がたまった状態。体内で脳細胞だけは再生できない。社会性の欠如や思考しない生活習慣が認知症の引き金になるとされている。認知症に有効な薬はできていない」などと述べた。 老齢の親と同居している50代の男性は「認知症になると介護が大変だと聞いて参加した。(親の)聴覚が衰えてきたが、できる限り会話して認知症にならないようにしていきたい」と話した。(橋立多美)

ヘイトスピーチ規制に前向き 五十嵐つくば市長 11月の街宣活動受け

つくば市内で11月、排外主義を掲げるヘイトスピーチ=メモ=の街頭宣伝活動があったのを受けて、五十嵐立青市長は6、7日の市議会一般質問で、ヘイトスピーチを抑止する対策に前向きな考えを表明した。 五十嵐市長は、6日の一般質問で小森谷佐弥香市議(つくば・市民ネットワーク)の質問に対し「ヘイトスピーチはあってはならない」と述べ、規制のガイドラインを設けている神奈川県川崎市の事例を念頭に「大阪や川崎などの事例があるので参考にしながら、憲法に保証された(言論の)自由を留意をする必要があるが、ヘイトスピーチを抑止する取り組みについては進めていきたい」と答弁した。 7日の一般質問でも、滝口隆一市議(共産)の質問に対し「ヘイトスピーチ対策法第4条第2項の規定に基づき、地域の実情に応じた対策を講じていく」と答弁。「ヘイトスピーチを抑止する対策を進めていきたい」と改めて表明した。 同街頭宣伝活動は、11月12日、同市吾妻のつくば駅前で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の会員ら約20人により行われた。県警によると「在特会のつくばでの街宣活動は初めて」。当日は50人近くの警官が警戒に当たったほか、周辺では市民らが「差別主義者(レイシスト)監視中」や「差別街宣にNO」などのプラカードを掲げ抗議した。(崎山勝功) ※メモ 【ヘイトスピーチ】人種、国籍、思想、宗教、性的指向など変えることが難しい個人や集団の特質に対し、暴力や差別をあおる発言や行動。国内では2016年6月に「ヘイトスピーチ対策法」が施行されたが、差別的言動の解消に向けた教育・啓発活動に重点が置かれ、罰則規定はない。

土浦消防Aが3連覇 県民駅伝大会

第34回県民駅伝競走大会(県体育協会主催)が9日、那珂市向山の笠松運動公園補助陸上競技場の周回コースで開かれ、職域対抗の部(45組参加)で、土浦消防Aチームが52分00秒で優勝。昨年よりタイムを46秒縮めて大会3連覇を果たした。 同部門で同じく出場した土浦消防Bチームも、昨年よりタイムを16秒縮め54分16秒で4位入賞と健闘。表彰対象の8位までのうち、1位と4位を土浦勢が占めた。 レースは、同公園の周回コース1周3.1㎞を、走者5人がタスキをつなぎ、合計タイムを競った。 土浦消防Aは、1区は笠間市消防A(笠間市)にリードを許したものの、2区走者の中川慎太郎(25)が首位に躍り出た。その後は3、4、5区とも首位をキープし、5区走者の福本純(29)が独走状態でゴールした。 クラブ対抗の部(41組出場、走者1チーム5人)では県南の牛久走友会A(牛久市)が54分17秒で7位入賞と健闘を見せた。 市町村対抗の部(23組、走者7人)には、土浦、牛久、龍ケ崎、守谷市と県南勢4チームが出場した。県北、県央勢に苦戦したものの、市町村から複数チームが出場した場合は表彰は1チームのみという規定に基づき、土浦市チームが1時間16分34秒で繰り上げて8位に入賞した。 入庁1年目、2区の中川慎太朗 ライフセービング全国2位の実力発揮 職域対抗の部で首位に躍り出た2区走者の中川慎太郎(25)は土浦消防本部入庁1年目。学生時代からライフセービングに取り組み、今年のライフセービング全日本大会で2位の実績をもつ。 「走る力の強化の一環」として同消防本部の陸上部に入った。中川は「ライフセービングで砂浜を走るのは慣れているけど(本格的に)陸で走るのは初めて。前の区間の方に配置してもらって安心して走ることができた」とレースを振り返った。 土浦消防A・Bチームの木村真也監督は「今年1年目のルーキーの中川が入ってかなりの好タイムを出した」と高く評価した。 最終走者としてゴールした福本は「皆の力で優勝できたのでほっとしている。いろんな方に協力してもらって大会に出場できているので感謝でいっぱい。来年は4連覇に向けて頑張りたい」と意気込みを示した。 木村監督は「皆、実力を出した。互いに切磋琢磨して練習をしたのが良かった。速い新人が入ってくればいい刺激になる」と述べた。Bチームについても「『Aチームに負けない』という気持ちがあったせいか、タイム差もあまり無くいい走りができた。今年は目標に『ワン・ツー・フィニッシュ』を立てていたけど及ばなかった」と語った。 土浦消防Bの5区走者の田崎平生(20)は「去年も(土浦消防)Aチームが1位でBチームが4位。来年こそはワン・ツー・フィニッシュを達成したい」との目標を示した。(崎山勝功) ※区間賞(県南分のみ)は次の通り。 ◆職域対抗の部 3区・中泉英行(土浦消防A)10分36秒▽4区・伊豫田悠(同)10分36秒▽5区・福本純(同)10分39秒 ◆市町村の部 4区・高橋実里(守谷市)10分38秒※区間新記録 出場チームコメント 【クラブ対抗の部7位】▷牛久走友会A・5区走者、青山直毅(30)=初めて走ったので完走できればいいかな思った▷青山努監督=選手全員が頑張ってくれて本当に良かった 【市町村対抗の部8位】▷土浦市チーム・3区走者、柴崎伊武希(高校2年)=8位入賞できるとは思ってなかったけど、チーム全員で頑張って走って結果を残せることができて良かった。来年は今年以上のタイムと成績を残したい 【市町村対抗の部10位】▷龍ケ崎市チーム・油原信義総監督=個々に選手みんながベストタイムを出していた。あとは中学生選手の底上げが必要。 【市町村対抗の部11位】▷守谷市チーム・高橋義久監督=「本格的に走る」というよりは楽しく走るのを目的にエントリーした。みんながそれぞれ楽しく走れたので結果には十分は満足。 【市町村対抗の部15位】▷牛久市チーム・高橋信博監督=選手みんながそれぞれ力を出し切って頑張ってくれた。  

《婚姻件数、戦後最低ーいばらきの結婚事情》㊦ 「すごい嫁さんだ」

つくば市小田の大曾根京子さん(58)は、自立的農業経営を目指して農業生産法人・武平ファーム代表になった女性農業者。連載2でふれたが、同市農業委員会の担い手対策専門委員でもある。 「やり方次第で農業は面白い」 大曾根さんは笠間生まれの元看護師。小田の兼業農家で会社を経営する夫と30歳で結婚して退職。4人の子を育てながら、先祖代々の田畑で義父を含む家族が食べる作物を作っていた。 転機は17年前。夫が会社をたたむことになり、農業経営士の夫と話し合い、農業生産法人として本格的に就農することに。農業用重機を操る大型特殊免許を取得し、近所で「すごい嫁さんだ」と評判になったという。約54㌶の田畑で水稲や麦、大豆などを生産している。 29人で構成されている市農業委員会中、女性委員は2人。大曾根さんは「農業は男の世界」と言いつつ、「女性主体で運営している農家レストランは人気があり、地域を元気にする。自然派の暮らしを求める女性なら、やり方次第で農業は面白い」と笑顔を見せた。 【取材を終えて】 NPO法人ベル・サポートの他にも婚活パーティーを催す企業に話を聞き、今どきの若者の結婚観が浮かび上がった。1,有名人を始め、周囲で離婚するカップルが多くなったせいか、離婚経験者を敬遠しないが前妻(夫)との間に子どもがいるかを問題にする。理由は養育費や将来の相続に関わる。2,女性は経済面と休日などの生活設計のため、農業を含む自営業の男性を受け入れない。 つくば市農業委員会は結婚支援事業を「農業後継者が良縁に恵まれ、農業経営を安心・安定して営めるよう」と位置付けている。農業後継者のために女性を農業に引き入れようとする形では、今後も成果がでないのではないかと感じる。 「嫁」にならなくても就農 国と同市独自の助成を受けて、つくば地域は非農家出身の新規就農者が多く、2人の女性が農業の担い手として活動している。農業に関心を持つ女性が「嫁」にならなくても就農した好例で、後に続く女性も出てこよう。彼女たちの関心に応える仕組みづくりが農業の発展につながるのではないだろうか。(終わり)(橋立多美)

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