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産学官プラス金融で創業支援 つくばに18団体結集しスタート

【相澤冬樹】約150の研究機関が集積する地の利を生かし、産学官プラス金融の連携で、つくば発の起業をより積極的に支援しようという枠組が26日、つくば市に誕生した。「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」で、県と市、筑波大学、産総研、物・材機構、農研機構など研究機関、民間の投資家や金融機関など合わせて18団体が参画して設立理事会を開いた。 社会実証の推進へ コンソーシアムは共同事業体。つくばに集積した研究・事業資源を生かして、創業機会の創出や地域経済の持続的発展につなげるのが狙い。新しいアイデアや技術に基づく創業・起業を有機的に支える環境(エコシステム)の形成を促すため、産学官金の連携により事業の創出支援、スタートアップ企業への実証フィールドの提供など社会実証の推進に取り組むとしている。 会員にはTXアントレプレナーパートナーズ(千葉県柏市)、ベンチャーカフェ東京(東京)などベンチャー企業の支援組織が顔を連ねている。常陽銀行、筑波銀行の地元地銀両行も参画した。 設立理事会では、会長に大井川和彦知事と五十嵐立青市長を選び、筑波大、産総研、物・材機構、農研機構の担当者を理事に選任した。今後、理事会は年1回程度の開催となるが、連携事業等は全体運営会議で決定、複数の部会を置いて個別活動に取り組む。具体的な活動の展開は新年度からになる見込みだ。 冒頭、あいさつに立った五十嵐市長は「いわゆる潜在的起業希望期にある事業者に手を差し伸べる施策が従来なかった。その支援のため、これだけの顔ぶれが1カ所にそろう場所はつくばしかない。手厚い戦略で取り組みたい。そろそろ実証実験は卒業し、社会実装にもっていきたい」と意欲をみせた。

洋上打ち上げに成功 筑波大の学生団体ロケット

【相澤冬樹】筑波大学の学生団体STEP(ステップ、相沢慧代表)が24日正午過ぎ、茨城県沖の洋上から小型ロケット「Blue ROSE(ブルーローズ)」の打ち上げに成功した。25日つくば市に戻った相沢代表からNEWSつくばに連絡があった。機体の回収ができず、無線通信も正常に作動しなかったため、到達高度や最高速度についてのデータは得ることができなかったが、目視確認などからの判断で、おおよそ高度3~4キロ程度に到達したと見られるという。 機体回収はできず 打ち上げの射場となったのは、ASTROCEAN(アストロオーシャン、本社・東京、森琢磨CEO)が県沖約80キロの船舶に置いた洋上プラットフォーム。新たな宇宙ビジネス創出を支援する「いばらき宇宙ビジネス事業化実証プロジェクト」として県が採択し、打ち上げに約1500万円を補助した。 ロケットを製作したのは筑波大の理工学群の学生ら約20人でつくる宇宙技術プロジェクトSTEP。打ち上げたのは全長2.85メートル、直径120ミリ、重さ17キロの小型ロケットで、エンジンに2相の推進剤を用いるハイブリッドタイプ。機体には2度パラシュートを放出する2段分離機構を搭載した。 24日は学生3人がプラットフォームに乗り込んだ。前日の強風から一転してほぼ無風の絶好のコンディションだったそうで、午後0時24分ごろ、射出したロケットはまっすぐ上空に飛び上がった。 STEPでは、2006年からロケットや模擬人工衛星の製作・運用に取り組み、18年に約1キロの高さにまで打ち上げた。今回は、学生団体の高度日本記録である3160メートルの更新に挑んでいた。機体やデータの回収ができず、正式な記録更新には至らなかったものの、おおむね予想到達高度に達したと見ており、今後さらに分析を進めていくという。 衛星の小型化で、民生分野を中心に小型ロケットの需要が膨らんでいるなか、国内での射場不足がクローズアップされている。相沢代表は「洋上打ち上げは新たな可能性を開くものであり、人工衛星高度にはまだまだだが、十分な手応えをつかむことができた」と今後に意欲を見せた。 筑波大学STEPのロケット洋上打ち上げ映像(動画) https://twitter.com/i/status/1232090122411077632

「コスモ星丸」35年ぶり再起動 つくばミニメイカーフェアで人気

【相澤冬樹】つくばでは初開催となる「ものづくりの祭典」、つくばミニメイカーフェア(TMMF)が15、16の両日、つくばカピオ・アリーナ(つくば市竹園)で開かれた。ビジネスシーンや趣味の世界で活躍する数々の成果が披露されたなか、主役になったのは各種のロボットたち。なかでもつくば生まれのレトロなロボットが、子供から大人まで来場者の幅広い関心を集めた。 科学万博のマスコットロボット フェアは、「つくる場=つくば」がキャッチフレーズ。企業や研究機関、大学から町の科学者、技術者まで全国から151組も集まり、実演展示やセミナー・シンポジウムなどで丹精込めた日ごろの成果を披露した。五十嵐立青つくば市長も姿を見せ、バスケットボールのシュートロボットを脳波で動かす実演に取り組んだ。つくばの産総研の開発した技術だ。 https://youtu.be/LGxlpyzSeUk そんななか、子供たちには「かわいい」、大人たちには「懐かしい」と注目を集めたのは、1985年に開催された科学万博のマスコットロボット「コスモ星丸」。つくば市のAI企業、LIGHTz(ライツ、乙部信吾社長)が目を付けて、TMMFへの参加企画として「復活プロジェクト」を立ち上げた。 乙部社長は85年当時小学生、岩手から万博見物に来て、今も鮮やかな思い出になっているという。「温故知新」の姿勢で、新しい技術との融合を図る同社の企業戦略にも合致するプロジェクトとして、保管先のつくばエキスポセンターから借り受けた。 科学万博から35年、まったく動かず、1週間前まで同センターの展示ブースに飾られていた。当時の最先端と思いきや、足もとの底部はベニアの板張りだったそうで、補強して、動力部などをチューンアップ。動作の電源は蓄電池からモバイルバッテリーに変え、コントローラーもスマホ仕様に変えたという。 科学万博で見られたじゃんけんをしたり、おじぎをしたりの動作はまだ不安定なため、電子音を立てて前進や後退、回転をするのにとどまった。それでもご愛敬なのは健在で、来場者の人気を集めた。同社が会場で呼び掛けた100万円のクラウドファンディングにも早速の応募が集まっていた。 今回ひとまず動く形になってステージに登場した星丸だが、やっと再起動を果たした状態。これから1年をかけ、新しい要素も加えてバージョンアップを目指すそうだ。

モノ好きたちのメイカーフェア 15、16日 つくばカピオで開催

【相澤冬樹】モノ好きなメイカー(Maker)たちがつくばに集結―好奇心を刺激するサイエンス系のフェア(Faire)が15、16の両日、つくばカピオ・アリーナ(つくば市竹園)で開かれる。Maker Faireは全世界200カ所以上で開かれてきた「ものづくりの祭典」。これまで日本では東京、京都などで開催されており、つくばでは「つくる場=つくば」をキャッチフレーズにして初開催となる。全国各地から集まった総勢151組のメイカーが、ロボット、AI、教育、未来のモビリティーなど、様々なオリジナルの作品を展示して来場者と交流する。 つくばをはじめ全国で活動する研究者や経営者、エンジニアたちがつくばミニメイカーフェア(TMMF)実行委員会(江渡浩一郎委員長)を編成して主催する。「つくる」文化の確立や新たな学術・研究の創出、スタートアップ推進などを目的に掲げており、つくば市などが共催する。 これまでに全プログラムが決まり、総勢151組のメイカーの参加が決まった。子供から大人まで体験できるものづくりコーナーを置く出展者も22組ある。 15日のオープニングでは、江戸時代に活躍したつくばの発明家、飯塚伊賀七が約200年前に作ったからくり和時計の複製を用い特別に実演(15日正午から)する。科学万博つくば85のシンボルロボット「コスモ星丸」を最新の技術を用いてよみがえらせるダンスショー(両日午後1時から)も予定されている。 トークセッションは全8組予定されている。民間企業として初めて宇宙へ到達するロケットの打上げを行ったインターステラテクノロジズ社の稲川貴大社長を招いて、民間・個人による宇宙開発の可能性を語る「宇宙ロケット、作ってみた」は15日午後3時から、つくばを拠点に活躍している古生物の芝原暁彦さん(地球科学可視化技術研究所)、気象の荒木健太郎さん(気象研究所)、動物解剖学の郡司芽久さん(国立科学博物館)による「つくればわかる、かたちの科学」は16日午後3時から開催する。 筑波大学宇宙技術プロジェクト「学生だけで作る超音速ロケットと小型探査機」など研究者や企業によるプレゼンテーションも両日午後にプログラムが組まれている。 事前申込は不要、入場無料。問い合わせはTMMF実行委員会。

プラネタリウムが新世代に つくばエキスポセンター

【相澤冬樹】つくばエキスポセンター(つくば市吾妻、中原徹館長)のプラネタリウムが1日、改修工事を終えリニューアルオープンした。1月31日に内覧会が開かれ、新システムの紹介と新番組「地球発、宇宙の彼方へ~未体験スペースツアーへの招待~」の試写会が行われた。 プラネタリウムは、直径25.6メートルのドーム天井に満天の星空を映し出す光学系の装置に、プロジェクターで投影する全天周デジタルシステムを組み合わせるもので、今回は2012年以来8年ぶりにデジタル系を入れ替えた。6台構成の4Kレーザープロジェクターを使用し、マルチプロダクションシステムによりつなぎ目のないスムーズな動きで、明るく鮮やかな映像をわん曲したドームスクリーンに映し出す。 同センター運営部、瀬戸口啓一部長は「明るさは従来に比べ数値的には1.4倍だが、更新前に比べ5倍近くなっている」と胸を張った。 光と影の動き リアルに再現 搭載される映像技術「メディア・グローブ・シグマ(Σ)SE」により、地球や宇宙の姿をダイナミックに再現する。コンピューターグラフィックスの画像処理と異なり、恒星や星団などデータベース化した膨大な銀河モデルを元にシミュレーションした映像。光と影の動きまでリアルに再現する。 データには地球の地形モデルも含まれ、1日から公開の「地球発…」は冒頭、筑波山を出発し、富士山を経て、エベレストから宇宙に近づくシーンなどが用意された。火星から木星、土星を旅し、途中、小惑星探査機「はやぶさ」がサンプル採集を試みたイトカワなどに立ち寄る40分の番組だ。 ドームスクリーンでの映像展開について、中原徹館長は「科学や芸術など多様な表現に役立たせてほしい。スポーツ中継にも新たな可能性を開くかもしれない」と期待を寄せる。 同センターのプラネタリウムは1985年の科学万博開催に合わせて設置されたのが初代で、光学系は2006年に現在の2代目に更新された。見る場所に応じて、位置の変化する星や星座を映し出す。昨年秋から急速に明るさが低下して関心が持たれているオリオン座の赤色超巨星、ベテルギウスの減光も今回のプログラムに反映されているそうだ。 ◆「地球発、宇宙の彼方へ~未体験スペースツアーへの招待~」は2月1日公開、上映期間は5月31日まで。上映は毎日2回。入館料を含むプラネタリウム料金は大人1000円、4歳~高校生500円(税込み)。問い合わせ電話029-858-1100。 ➡つくばエキスポセンターの過去記事はこちら

異例の真冬開花 世界で最も大きな花 筑波実験植物園

【田中めぐみ】世界で最も大きな花の一つ、ショクダイオオコンニャクが18日、国立科学博物館筑波実験植物園(つくば市天久保)の温室で開花した。これまで同園では5~8月に開花しており、真冬の開花は国内で初めて。開花期間は短く、咲いてから3日目にはしおれてしまう。 同園での開花は5度目となる。同じ株が連続して花を咲かせるのも国内初で、世界でも極めてまれな事例だという。 18日午後9時半現在、高さ2メートル32センチ、直径86センチでまだ開いている途中だという。虫を呼び寄せて受粉するため、動物の死骸に似た独特の臭いを放っている。 栽培計画担当の小林弘美さんは「ショクダイオオコンニャクが機嫌よく育つように皆で考え育ててきた。職員総出で手塩にかけて世話をしたことが開花の要因と考えている。しかし、開花スイッチがどこで入るかはまだ分かっていない」と話す。 絶滅危惧種で、インドネシア、スマトラ島の限られた地域にしか生えないサトイモ科の植物。同園では2006年に小石川植物園(東京都文京区)から株を譲り受けて栽培を始めた。02年から2年ごとに花を咲かせ、7年おきや十数年おきにしか咲かないとされていた定説を覆した。 今回は、昨年11月6日に67キロのコンニャクイモを定植。12月16日に地表に芽が出て、年明けの1月2日に花芽であることを確認した。18日、日没とともに花が開き始めた。 できるだけ多くの人に見てもらいたいと同園は19日から21日まで開館時間を延長し、午前8時半から午後5時まで(入園は午後4時半まで)開館する。開花までの成長の様子は同園ホームページで公開している。開花の様子のライブ配信も行う。入園料は一般320円。問い合わせは029-851-5159(同園) https://www.youtube.com/watch?v=MSdEkc-2uZY&feature=youtu.be ➡筑波実験植物園の過去記事はこちら

明けまして。パンダマウス 日本産 生物遺伝資源 江戸時代からはるかな旅

【相澤冬樹】年の初めの福ネズミ、理化学研究所バイオリソース研究センター(つくば市高野台)の城石俊彦センター長(66)が紹介してくれるのは白黒のブチ模様、ご丁寧にも耳と顔の輪郭を黒く縁どるパンダマウスだ。1980年代にデンマークで見つかり実験動物として系統化されたマウスだが、素性をたどると18世紀、日本の江戸時代の愛玩ネズミにまで行きつくことが分かってきたそう。小さな体に宿るジャポニズムの系譜を追う。 研究リソースを日本から生み出す バイオリソースは生物遺伝資源のこと。実験に使う動植物は、かつては研究者自身が用意したが、経費や労力の効率化から収集や育成を専門に行う機関が設けられた。理研のバイオリソースセンター(BRC)は2001年の設立、19年4月に就任した城石さんが3代目センター長になる。前任地の国立遺伝学研究所以来、ゲノム解析や遺伝解析によるマウス研究に携わってきた。 BRCでマウスとはハツカネズミを指す。9000系統近くが保管されているなかに、ドブネズミなどのラットはいない。老化や免疫など生命現象の理解やヒトの病気の治癒、創薬の研究に欠かせないモデルとなる。過去10年にわたり毎年3000系統前後のマウスを国内外の研究者に提供してきたという。 実験用マウスの系統のほとんどはヨーロッパ産マウスを元に米国で生まれたものだ。日本では1970年代、国立遺伝学研究所の森脇和郎博士(1930-2013)を中心に「自分たちのリソースをつくろう」と、同研究所がある静岡県三島市で捕獲した野生マウスからMSM/Ms(通称・ミシマ)を系統化するなどしている。森脇博士はこの過程で、世界中の野生マウスを採集し、多数の近交系統を生み出した。何世代にもわたって近親交配を繰り返し、がんにかかりにくい形質などを遺伝的に樹立する手法である。 ジャポニズムとメンデル 後にBRC初代センター長となる森脇博士の元で働いたのが城石さんだった。森脇博士は1987年に、デンマークのペットショップでパンダマウスを発見している。 この模様には見覚えがあった。天明七年(1787)に「珍玩鼠育草」という本が出版されている。著者は定延子、現代語訳すれば「変わり種ネズミのカタログ」というべき図録で、掲載された「豆ぶち」というネズミがパンダマウスそのものだった。 調べると、江戸時代の日本では、金魚やアジサイなどの動植物を品種改良する市井の文化が花開き、ハツカネズミでもさかんに行われた。幕末から維新の時期に、浮世絵などを買い求めるジャポニズムが欧米で流行し、これに乗って愛玩ネズミも流出したらしい。さらに20世紀初頭、ヨーロッパでは「メンデルの遺伝法則」の再発見により交配実験ブームが起こり、ここで豆ぶちネズミの白黒模様が格好のモデルとなったことが当時の文献から分かってきた。 近交系統化によって、パンダマウスにはJF1/Msの名がつけられた。JFは Japanese Fancy、すなわち日本の愛玩ネズミから採られている。 パンダマウスは便秘がち 遺伝子レベルで調べると、JF1/Msは現在実験用マウスとして国際的に最もよく用いられるC57BL/6という系統のマウスとDNA配列が0.8%しか違いがないことが分かってきた。従来、系統樹の根元にあった中国由来のマウスより近いのである、さらにC57BL/6をはじめとする実験用マウスには、こぞって7%の部分にJF1/Ms由来のゲノム領域が認められるのである。 つまり、日本産バイオリソースを探して行きついたのは、「150年以上の時を経て、日本からヨーロッパに渡り、欧米からから日本に戻ってくるというはるかな旅だった」と城石さんは述懐する。 ちなみにパンダマウスは便秘になりやすく、白黒まだら模様をつくる遺伝子と関連がありそうなのだという。遺伝子を一つ変えるだけでマウスは白黒から茶色に戻る。これで便秘まで治るか、遺伝子治療の研究中ということだった。

13日からミツバチサミット つくば国際会議場で3日間

【相澤冬樹】2年ぶり2回目となるミツバチサミット2019が13~15の3日間、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれる。主催は同サミット実行委員会(委員長・横井智之筑波大学助教)。「環境・食の未来を考える」をテーマに、ミツバチに関わる研究発表や情報交流のワークショップがあり、展示や販売も行われる。 横井実行委員長(40)は「ミツバチは産業になったり趣味になったり、生態が様々に解き明かされてきた。これからの環境と食を考えるうえでも興味深い生き物といえる。専門家たちの情報交換にとどまることなく、特に高校生や子供たちに魅力的なミツバチの世界に触れてほしい」という。 2017年開催の第1回は筑波大学構内で2日間の開催だったが、延べ1000人近い参加者を集めた。今回は会期を1日延長し、つくば駅にほど近い国際会議場に会場を移した。茨城、つくばが特にミツバチや蜂蜜の産地というわけではないが、同大学や農研機構などあるつくばは研究者らが交流しやすい条件だった。 研究発表や「蜜蜂と遠雷」朗読会も 前回はセイヨウミツバチ、ニホンミツバチの養蜂関係者の姿が目立ち、飼養に関わる知識や技術情報の交換に多くの人だかりができた。今回は有料エリアを4つに区分して、「参加者の興味に応じて立ち寄れる構成にした」そう。①キッズ(子供たち向けのサイエンスカフェなど)②サイエンス(シンポジウムやポスターセッションなど研究発表を中心)③フェスタ(セミナーやワークショップなどイベント企画)④プロフェッショナル(農家や養蜂家に役立つ講習会など)の-4エリア。 日程を追うと、13日午後が基調講演「日本のミツバチ・研究・養蜂環境:最近の動向」佐々木正己さん(玉川大学名誉教授)の後、5つのシンポジウムが開かれる。全ゲノムが解読されたミツバチの“設計図”を読み解くなどがテーマだ。 14日には午後から特別講演「農薬の生態リスク評価最前線」五箇公一さん(国立環境研究所)の後、全国から集まった高校生、大学生による研究発表「全国学生養蜂サミット2019」がある。元NHKアナウンサー岩井正さんらが恩田陸著「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎刊)などを読む朗読会(入場無料、先着50人、整理券配布)も予定されている。 15日は午前中、つくば養蜂研究会などによる第1回ニホンミツバチの会全国大会「ミツバチ保護活動を考える」など。3日間で10のシンポジウム、50のポスター発表が予定されている。 入場料は高校生以下無料、一般は1日券1500円、3日券3000円(税込み)。蜂蜜や蜂蜜酒を販売するマルシェやブックカフェなど無料エリアも設けられる。イベント等詳しくは公式ホームページで。 ➡ミツバチサミット既報はこちら

染谷・東大教授に江崎玲於奈賞を授与 ナノテク駆使つくばで素材開発

【相澤冬樹】ナノサイエンス・ナノテクノロジー分野で優れた業績を挙げた研究者に贈られる「第16回江崎玲於奈賞」(茨城県科学技術振興財団など主催)の授賞式が13日、つくば市竹園のつくば国際会議場で行われた。 同財団の江崎玲於奈理事長から賞が贈られたのは、東京大学大学院工学系研究科教授の染谷隆夫さん(51)。ナノテクノロジーを駆使した素材開発によって、曲げたり、伸ばしたり、ねじったりできるようなゴムシートのような有機半導体デバイスを発明した。 この技術で人間の身体のような3次元曲面にさまざまな電子機能を直接貼り付けて、健康状態やスポーツの運動状態などをモニタリングできるようになった。最新のものは厚さが1マイクロメートル、1平方メートル当たり3グラムしかないフィルムに薄型センサーをプリントして肌に貼り付け、心電図を取るなどしており、新しいバイオエレクトロニクスが生み出されつつある。 江崎玲於奈賞は副賞1000万円、染谷さんは夫人同伴で授賞式に臨んだ。記念講演で研究にはつくば時代があったことに触れ、「2003年に研究を始めたころは、プリントは手刷りだった。2005年につくばに来て8年、伸縮性に富み壊れにくいナノ素材がみつかり、大面積に展開できる印刷技術につながった」と振り返った。 授賞式ではまた、県内において科学技術に関する研究に携わり、優れた成果を収めた研究者を表彰する第30回つくば賞が物質・材料研究機構フェロー、廣崎尚登さん(64)の「白色LED用蛍光体の開発」に贈られた。 さらに第29回つくば奨励賞(実用化研究部門)は同機構機能性材料研究拠点グループリーダー、島村清史さん(53)ら3人の「レーザー加工機用の優れたファラデー回転子の開発と実用化」に、同賞(若手研究者部門)が理化学研究所バイオリソース研究センターチームリーダー、林洋平さん(38)の「難病患者特異的 iPS細胞を用いた革新的治療法の創出」に、それぞれ贈られた。

たすきリレー土浦駅前から出発 児童虐待防止啓発の「オレンジリボン」

【崎山勝功】児童虐待防止の啓発活動、オレンジリボン運動=※メモ参照=を広める「子どもを守ろう!オレンジリボンたすきリレー2019」の出発式が1日、土浦市大和町のアルカス土浦屋外広場で開かれ、県内の児童施設職員ら22人がゴールの茨城県庁(水戸市笠原町)に向かって出発した。 出発式で児童養護施設「窓愛園」(土浦市殿里)の上方仁理事長は「大切な子どもたちを守っていかなきゃいけない」と述べ、児童虐待防止を訴えた。上方理事長と中川清土浦市長からオレンジ色のたすきを手渡された走者たちは、午前8時30分ごろに中川市長の競技用ピストルの合図に合わせ、晴天の下、県庁まで約50キロの道のりを駆け出した。 たすきリレーは、児童虐待防止を広く市民に知ってもらうために、県児童福祉施設協議会、県要保護児童対策地域協議会が主催して開かれ、2013年から今年で7回目の開催。 取材に上方理事長は「虐待だけでなく、いじめも増えていて子どもが大切にされなくなっている。もう一度子どもの大切さを再認識してもらいたい」と訴えた。 ◆増える一方の児童虐待通報 県こども家庭課の統計によると、県内の虐待相談対応件数は、直近の2018年度で2687件(全相談件数5995件中44・82%)で、虐待相談対応件数が急増し始めた16年度の2038件よりも約600件も増加している。県では、土浦など県内3カ所の児童相談所(児相)で対応した全ての児童虐待案件の概要を県警に情報提供する取り組みを18年1月から実施しているが、児童虐待は増加の一途だ。 同課によると、18年度での児童虐待2687件の内訳は▽心理的虐待56・6%▽身体的虐待26・6%▽ネグレクト(育児放棄)15・3%▽性的虐待1・5%。児童虐待の加害者別では、▽実母46・6%▽実父44・8%▽実父以外の父6・3%と、実母と実父で約8割以上を占めている。 被害児童の年齢別では▽小学生34・6%▽3歳~就学前24・7%▽0~2歳児18・0%▽中学生14・8%▽高校生ほか7・9%と、自力で抵抗できない小学生と未就学児だけで被害児童の約7割強を占めている。 児童相談所や市町村間での適切な引き継ぎの実施や警察との連携強化、児童福祉司などの専門職員の増加を盛り込んだ議員提案条例「茨城県子どもを虐待から守る条例」が、昨年12月県議会で成立し、4月1日から施行された。 だが、相次ぐ児童虐待に対して上方理事長は、児相に一時保護要請が毎日のように来ている現状に触れて、児童養護施設は「どこも定員いっぱい。虐待児童を受け入れたくても受け入れられない。本当は(親元に)お返ししないで、少しお預かりしたほうがいいけど」と苦しい事情を明かした。 ※メモ・オレンジリボン運動 2004年、栃木県小山市で当時3歳と4歳の兄弟が、同居していた父親の友人から暴行を受けた末に川に投げ込まれて死亡した事件を受けて、05年に同市の市民グループ「カンガルーOYAMA」が事件の再発防止と児童虐待防止を目指して始まった。

出走! サラブレッド堆肥エコシステムプロジェクト 茨城大学など産学連携

【相澤冬樹】競走馬の育成牧場から毎日大量に排出される馬ふんを有効活用し、環境循環型の地域農業への展開を図る「サラブレッド堆肥エコシステムプロジェクト」が県南地域の大学、民間企業、農業従事者の連携で動き出した。良質な堆肥の生産体制が整い、農水省の研究開発プラットフォーム活動の1つに取り上げられたことから、メンバーがコンソーシアム(議長・黒田久雄茨城大学農学部教授)を立ち上げ31日、記者会見を開いてスタートを宣言した。 馬ふんベースの発酵堆肥「サラブレッドみほ」を製造、販売するのはリーフ社(つくば市若栗、鈴木総一社長)。つくば牡丹園(つくば市若栗)の関浩一園長(59)が約20年にわたって培った土壌改良の技術を元に、馬ふんを短期間で完熟堆肥とすることに成功した。関園長は土壌研究のため、東京農工大学の連携大学院のある茨城大学農学部に籍を置き、現在博士課程3年に在学中。 美浦トレセンのある茨城県南には35の育成牧場で作る馬牧場協議会があり、約1500頭が飼われている。ここから出るふん尿まみれの敷きわらは毎日約30トンにもなり、霞ケ浦をはじめとする環境への負荷が懸念された。同協議会が黒田教授に相談したことから、関園長に堆肥化研究の白羽の矢が立った。 競走馬はドーピングの厳しさから飼料に抗生物質や薬物を使わないよう管理されるため、原料としては良質だが、堆肥にする場合、炭素/窒素の比率が高いのがこれまで技術上の課題だった。微生物が大量発生して窒素を消費するため、作物の生育に障害となった。 関園長は米ぬかやカニ殻、酵素などを混ぜることによって、微生物の発生をコントロール。糸状菌や放線菌などの働きにより、ふん尿廃棄物を早ければ20日間で完熟堆肥にすることができた。敷きわらの植物成分は高温ですっかり分解し、ほとんど匂いのしない状態に仕上がる。完熟堆肥を使った土壌は保水力や柔軟性に優れ、肥料や農薬の使用が抑えられるという。現在3棟の堆肥ハウスで製造を行っている。 「作物が丈夫になった」 「サラブレッドみほ」はボタン栽培で実績を積み、今春までに製品化、一部ホームセンターで取り扱いを開始した。さらに阿見町の農事組合法人大地のめぐみの組合員農家で、農作物での実践的な試用が始まっている。同法人の荻島光明事務局長によれば「ハクサイなど今季は台風15号、19号の被害を免れなかったが、作物が丈夫になったと思う。回復力がめざましい。農地の健康が作物の健康、ヒトの健康、地域の健康につながっていくはずだ」という。 今回は茨城大学、大地のめぐみ、リーフ社の3法人でコンソーシアムを組んだ。黒田教授は、阿見町、美浦村を中心につくば市、牛久市、稲敷市の農地に利用を拡大し、定量的な堆肥効果の把握に務める一方、農家レストランへの食材提供などによりブランド価値を高める「プロジェクト」にしていきたい考えでいる。

地震の専門家に聞くリスクへの備え つくばで公開セミナー

【相澤冬樹】つくば市マンション連絡会(後藤哲郎会長)は14日、つくば市役所で同市との共催による公開セミナー「地震はどこでも起きる」を開いた。つくばで地震研究に携わる2人の専門家を招き、話を聞いたもの。マンション居住者に限らず市民一般との情報共有を目的にしており、地震のメカニズム解説が中心の講義となった。 講師は筑波大学生命環境系、八木勇治教授、建築研究所国際地震工学センター、横井俊明センター長の2人。1995年の阪神淡路大震災と2011年の東日本大震災をそれぞれ体験した同市在住の市民2人も参加し体験談を語った。 八木教授は、地殻の硬い岩盤が沈み込む際に破砕されて起こるプレート地震と横ずれなど3パターンある断層型地震に分けて、それぞれを解説。活断層が引き起こす直下型地震と首都圏で想定される南関東直下地震とは混同されがちだが、後者は沈み込むプレートのなかで起こる地震で、マグニチュード7レベルの地震が歴史的に繰り返されてきた。県内を震源とするものでは1895年の茨城県南部地震(M7.2)、1921年の龍ケ崎地震(M7.0)が該当するが、つくばもこの直下地震域に含まれるかは「両論あって分からない」という。 いずれにしても、統計的にリスクを割り出すのは地震の場合、極めて困難になっている。継続を大切にする行政に対し、研究者は豹変を恐れない姿勢が大事で、両者の緊張関係を保っていかなければならないとした。 一方、横井センター長は「確率が低いということは地震が起こらないということではない。しばらく起こらないということでもない」としたうえで、自然災害に対してはレジスタンス(抵抗・耐性)からレジリエンス(復元力・回復力)を重視する考え方に改めなければならないと訴えた。 同連絡会はつくばエクスプレス(TX)の開通以降、マンション建設が相次ぐつくば市にあって、マンションの管理組合や居住者相互の交流、情報交換、情報共有を目的に2015年に設立。現在同市内には約70棟の分譲マンションがあると見られるが、うち15棟がメンバーになり、各種研究会や情報交換を行っている。

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「市の理解得ながら進める」日本財団 つくばに軽症者病床9000床整備 新型コロナ

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐため、日本財団(東京都港区、笹川陽平会長)は3日、つくば市南原2番地、つくば研究所跡地に軽症者向け病床約9000床を整備すると発表した。 発表に対し、つくば市の五十嵐立青市長は3日夜「市には事前連絡や調整は一切なかった。市にとって極めて大きな影響のある発表内容で、情報収集を進める」などのコメントを市ホームぺージで発表した。これに対し同財団経営企画広報部は「ご理解をいただけるよう説明していきたい。つくば市を始め、厚労省や関係機関の理解を得ながら進めていきたい」としている。 東京・船の科学館は4月末開設 軽症者向け病床は、東京都品川区の船の科学館とつくば市の2カ所に計約1万200床整備する。船の科学館は約1200床で4月末から受け入れを開始する。つくばは7月末に開設する予定。 同財団によると東京の船の科学館には、約1万2200平方メートルの敷地内に大型テント9張とコンテナハウスなどを整備する。ほかに、2020東京パラリンピックに向け日本代表選手がトレーニングするために18年に建設された体育館「パラアリーナ」約2000平方メートルにも病床を整備する。4月末から受け入れ開始できるようすぐに整備に着手し、テントは順次、建設していく。 つくば研究所跡地約5万7000平方メートルには、現在、角水槽棟や回流水槽棟などの研究施設などがある。まず現在ある建物を解体などして、7月末から軽症者の受け入れが開始できるようにする。今後の具体的な解体や整備のスケジュールは今後検討するという。

レンコン黒皮病、徐々に拡大 県が対策へ本腰

【山崎実】レンコンの商品性を損なう黒皮病が全国的に発生し、生産量日本一を誇る県内でも徐々に被害が拡大していることから、県は生産者団体などと協力し実態調査に着手した。 黒皮病は、レンコンネモグリセンチュウ(線虫)によって引き起こされ、被害を受けたレンコンは肌に黒い小斑点が発生する。全体的にやや黄変し、一節目(頭)の肥大が悪くなり、形状が三角形に変形してしまう。品質維持の大敵で線虫駆除が重要になる。 既に県は、農機具の洗浄や健全な種バスの使用、農薬としての石灰窒素の施用、収穫後の残さの除去など総合防除法をまとめ、2017年以降、講習会などを通して生産者に指導を行ってきた。 しかし、被害の程度が地域やほ場によって異なるほか、具体的な防除対策の判断を生産者個々の対応に任せてきたため、実効性に疑問符が付き、県も本腰を入れて黒皮症対策に取り組む。 具体的には、レンコン産地での発生状況を正確に把握するため、生産面積の大きい土浦市やかすみがうら市などで生産者団体と調査に着手した。今後、3年以内を目途に他の市町村にも拡大していく方針で、その結果を地図に落とすなどして可視化する。被害程度の大きい地区は直接、個別指導を行うなど、重点的に防除対策を実施していく。 また収穫後の残さ処理についても、集団的・組織的な堆肥化の取り組みなど、出来るだけ早くほ場から持ち出して処理する方策を検討するとしている。

《続・気軽にSOS》58 「過ぎる」感情のデメリット

【コラム・浅井和幸】前回のコラムでは、不安にも憂鬱な気分にもポジティブな意味があるということをお伝えしました。ネガティブに思える感情や感覚も、適切に作用すれば、それは大きな利点があるものです。しかし、「過ぎる」感情や感覚は、短期的にも長期的にもデメリットが大きいので、対処が必要ということになります。 例えば、不安についてです。不安は、これから起こるかもしれない「嫌なこと」に対する警報機のようなものです。それは、まるで「この先に行ったら電車にひかれてしまうよ」と呼び掛けているような作用です。 踏切の警報機の音は、人が聞いて嫌だなと感じる不協和音が使われているらしいですね。他の警報音も、なんとなく気持ち悪いな、怖いな、不安だなと感じる音になっているはずです。 不安があるから、なんとなく嫌な感覚だから、そこを避けられるわけですね。ですが、電車も来ないのに、この警報機が鳴りっぱなしだったらいかがでしょう。もしくは、まだまだ電車は遠くかなたで、踏切に到着するには1時間以上もかかるような時点から、遮断機が下り、警報機が鳴り続けたらどうでしょうか? この文章を書いていて、具体的に想像してしまい、今、私は背筋が「ぞくっ」とするような感覚です。とても怖い状況であるからです。 不安をコントロール

つくばの高齢者施設でさらに3人が感染 新型コロナ

つくば市内で新型コロナウイルスの感染が確認された同市北条、介護老人保健施設アレーテルつくば(運営・恵仁会)の40代女性職員の濃厚接触者について、県は3日、さらに施設入所者3人の感染が判明したと発表した。同施設での感染者は計13人になる。 3人は、いずれもつくば市に住む90代の女性2人と80代の女性1人。3人とも症状はないという。 3日は入所者68人、通所者20人と職員26人の計114人についてPCR検査を実施した。111人は陰性だった。県はさらに濃厚接触者の調査を進めている。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら