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【シルバー団地の挑戦】1 自治会スリム化へ模索 つくば市森の里 高齢化で地域力衰え

【橋立多美】高齢化が進み、役員のなり手不足や加入率の低下など自治会を取り巻くさまざまな課題が指摘される中、自治会の役割を根本から見直そうという動きが、つくば市内でも始まっている。 深刻な高齢化と人口減少に直面している同市茎崎地区にある森の里自治会は、3月25日に開かれた総会で、これからの自治会のあり方を検討する委員会を自治会内に設置することを決めた。これまでの活動を継続していくほどの体力が地域にはないということが背景にあるという。 総会で、新年度会長の倉本茂樹さん(75)は「高齢化が進む中で、自治会運営を検討する委員会を設置する」とあいさつした。演壇に立った倉本さんは「これからも高齢者支援は続けていくが、役員だけで運営していくには無理がある。検討委員会を含めて住民の力を貸してほしい」と呼び掛けた。 また「夏祭りを続けるか、アンケート調査をした上で決めたい」とも述べ、住民の意見を尊重しつつ、運営をスリム化する考えを示唆した。 空き家に転入も入会断られ 市南端の茎崎地区(旧茎崎町)は、筑波研究学園都市の建設に伴って九つの住宅団地が造成され、純農村地域は首都圏のベッドタウンとなった。 住宅団地の中で市内最大規模の森の里(約1300世帯)は1980年代に約5000人が住んでいたが、今では子どもたちが独立し人口は当時の6割の約3000人に減少した。さらに入居時、働き盛りだった世代が一斉に老いたことで、65歳以上の高齢者人口は4割を超える1388人(2017年4月時点)に上っている。このうち184人が一人暮らしという。 約1300世帯中、自治会に加入している世帯は1071世帯。昨年1年間で退会した世帯は27件、死亡による退会は18件あった。高齢化と人口減少が、自治会加入者の減少と空き家の増加を招いているという。 自治会退会の理由の多くが、会費の徴収や回覧板の配布に歩き回るのが辛いというもの。加入している世帯数に応じて市から補助金(事務委託料)が出るため、退会されると会費収入と委託料を同時に失うことになる。 16年10月から、市が市内全域を対象に実施した「空家等実態調査」では森の里の空き家は55件だった。が、連日団地内の空き家や空き地の見守りをしている自警団は99件あると報告している。最近はリフォームされた家を借りて住む人が出てきた。自治会役員が訪ねて入会を勧めても断られる上にごみ出しのルールを守らない人もいて、役員たちの頭痛の種になっている。 新たな負担次々 自治会活動を担う役員自らも高齢者で、行事運営が負担になってきていることも挙げられる。街路灯のチェックや維持管理、清掃美化、ごみ集積所の管理といった暮らしに関わる活動のほか、7年前から高齢者の見守りや粗大ごみ出し支援、閉じこもりを防ぐための行事や交流サロンなど、高齢者対策を実践している。会員間の親睦を図る夏まつりは恒例の一大イベントだが、後期高齢者が多い実行委メンバーたちは血圧や健康状態を確認して本番に臨むという。 運営をスリム化し、時代に合った役割に切り替えるか。森の里自治会の模索は始まったばかりだ。 ◇NEWSつくばは、高齢社会の抱える課題が顕在する森の里自治会の動きに密着し、人口減少と超高齢社会へのアプローチを「シルバー団地の挑戦」とワッペンを付けて報道する。

【桜花爛漫】 2000本が春の山に彩り 雪入

【鈴木萬里子】雪入地区はかすみがうら市西部に位置し、雪入山、浅間山を中心とした山地に自然豊かな林が広がる。ここに2000本を超える山桜が点在し、春の山に彩りを添える。雪入山南側の成沢には山桜の自生林があり「茨城の自然百選」に選ばれている。 「山桜がこんなにあるのに注目されてこなかった。たくさんの人に知ってほしい。豊かな自然と山桜をPRしたい」と雪入山麓にあるふれあいの里公園ネイチャーセンター所長の川崎慎二さんは話す。 例年の満開はソメイヨシノより1週間ほど遅い4月10日頃だが、今年は早足に春がやってきているという。訪れるなら早めがお薦め。同センターや三ツ石森林公園もりの小屋で、公園内マップの入手やトイレ使用も可能だ。 山桜は日本に自生する野生種の1種。花は白色や淡紅色が多いが、白色に淡紅色が混じったものなども見られる。葉は最初は赤く、徐々に緑色になっていくが、最初から緑色の葉もある。 自然交配により生まれ、鳥や虫の糞から排出された種が地に落ち芽を出す。交配した条件、根付いた土壌、育った環境により開花時期、花の色や新芽の色など様々な違いが出るのだという。 平均寿命は100~400年。中には500年を超える山桜もあるそうで、寿命60年とされるソメイヨシノの比ではない。山中で芽吹き、たくましく育った山桜に「生命力の強さを感じる」という人の多いのもうなずける。ハイカーの60代女性は「凛(りん)と咲き誇る姿が孤高の人のようでひかれる」と話した。 4月7日に山桜ウォーク 4月7日(土)に開催される今年で6回目となる春の一大イベント。毎回500人もの参加者が桜を愛でながら山里を歩く。山全体の桜を下から眺める「里コース」(5㎞)と、尾根から満開の山桜を眺める「尾根コース」(10㎞)がある。コース途中の三ツ石森林公園で幹回り1mの山桜約200本が迎えてくれる。「眺望大桜」「天空桜」「美肌桜」など、命名木に出合うのもウォーキングの楽しみになっている。 申し込みは▽里コース=定員200人、℡0299-59-7000(雪入ふれあいの里公園)▽尾根コース=定員300人、℡029-862-3500(県立中央青年の家) =【桜花爛漫】終わり

【桜花爛漫】SNSで拡散、科学の街に新名所 東光台研究団地

【橋立多美】開花した桜花がライトアップされ、幻想的な光景が繰り広げられている―。ここはつくば市東光台研究団地のウシオライティング(本社東京都中央区)つくば事業所で、科学の街らしい夜桜見物の新名所だ。 主に舞台やコンサート会場の演出照明を手がける同社エンタテインメント事業部が、専門技術を生かしてソメイヨシノ8本を美しく染め上げた。最新の高出力LED照明機器をセットした2階の窓から光が放たれ、15秒程度の間隔で鮮やかなピンクやオレンジ、緑、白色、黄、青、紫へと変わっていく。 ライトアップのきっかけは同事業所センター長の細居秀人さんら3人。竣工後に植樹された樹齢27年のソメイヨシノを見上げながら「我々だけで花を楽しむのはもったいない。ライトアップして地域の人たちにも楽しんでもらったらどうだろう」と意見がまとまった。 照明機材の扱いは慣れているが、照明をセットする建物と8本の桜の位置が平行でないため光を当てるのに苦労したそうだ。培った技術を駆使してライトアップに成功したのが2013年春だった。「地域社会との調和」を基本方針にしている同社は細居さんらの提案を受け入れ、翌年春から本格的にライトアップがスタートした。 8本の桜は、社員がレクリエーションで使う広さ約1650㎡の芝生に植えられている。今年もライトアップが始まると、家族連れや、三脚をセットしてシャッターチャンスをうかがう人たちでにぎわい始めた。 稲敷市の50代の夫婦は「初めて来たが見事の一言。桜の季節の楽しみができた」。つくば在住で1歳の子どもを連れてきた30代の夫婦は「今年で2回目。夜桜は昼間見る桜と違って味わい深い」と話した。3世代で阿見町から訪れた女性は「ここで撮る写真は家族のいい記念になりそう」とスマートフォンを手に顔をほころばせた。 ライトアップの時間帯は同事業所敷地内の駐車場が開放され、多くの車が出入りする。細居さんは「SNSが普及して一気に来場者が増えた。群馬や千葉、横浜のナンバープレートを付けた車もある」という。 桜の開花時期は年度末。会社は多忙を極めるときだが、来場者から元気をもらっているという。「朝出社して芝生周辺を見回るが、これまでごみ一つ落ちていたことがない。『楽しんだよ』の気持ちが伝わってきてうれしいし、続けていく元気の源になっている」と細居さんは話してくれた。 ライトアップは4月2日(月)までの午後6時~同10時。開花状況により日程変更あり。いろいろな角度から見るのがお薦め。つくば事業所は東光台5-2-4(東光台研究団地内の幹線道路沿い) https://youtu.be/CIitYRvUg9w

【桜花爛漫】貴族の衣まとい淡緑色 森林総合研究所

【富永みくに】森林総合研究所(つくば市松の里)には、限られた場所でしか見られない桜がある。その一つが「桜はピンク色」という常識を覆す淡緑色のギョイコウ(御衣黄)だ。今つぼみがふくらみ始めている。 ギョイコウの栽培は江戸時代から始まり、名前は貴族の衣服の萌黄(もえぎ)色に近いことに由来する。花は大輪八重咲。濃い緑と淡い黄色が混ざった花弁が特徴的だが、満開を過ぎると花弁の中心部から徐々に赤く染まる。 遺伝子的にはヤマザクラとオオシマザクラの雑種系統で、花期はソメイヨシノより遅く、今年の見頃は4月中旬ごろまで。同研究所の吉丸博志研究員は「一般的にはソメイヨシノが咲く頃が桜の季節とされるが、ソメイヨシノよりも後に満開を迎える栽培品種の方が種類は多い。後から咲く花も含めて長く桜の季節を楽しんでほしい」と語る。 同研究所に植えられている樹木は約640種類。そのうち桜は野生種が7種、栽培品種が15種ある。ギョイコウのほかにも、京都市左京区の盆地、市原にゆかりがあり、開花した枝が虎の尾のように見える「市原虎の尾」などの珍しい桜がある。 敷地内には研究材料として利用するための樹木園が二つあり、このうち自由に見学可能な第1樹木園(面積3.28ha)にはヨウキヒ(楊貴妃)、イチヨウ(一葉)、カンザン(関山)など、さまざまな品種の桜が植樹されたサクラコーナーが設けられている。花見客でにぎわう場所が多い中、ゆったりと樹木の中を散策しながら多彩な桜を鑑賞できる貴重なスポットだ。 桜は当日正門守衛室で受付すればだれでも見学できる。見学可能日時は平日午前9時~午後5時。科学技術週間の4月20日に開催される「春の一般公開」では、研究者のガイド付きで樹木園内が見学できる。 見学に関する問い合わせは、同研究所ホームページ(https://www.ffpri.affrc.go.jp/facilities/jumokuen/)へ。敷地内のサクラの開花状況については「サクラ開花ビジュアルマッピング」(http://www.ffpri-tmk.affrc.go.jp/sakurazensen/2018/)で確認できる。

ひたちなか市と原発広域避難協定締結 土浦市など14市町村

【鈴木宏子】土浦市など県南と鹿行地域の14市町村は29日、ひたちなか市と原子力災害広域避難協定を締結した。東海第2原発(東海村)で過酷な原子力災害が発生した場合、14市町村はそれぞれ避難所を設置し、ひたちなか市民を受け入れる。 ひたちなか市は、東海村に隣接する一部地区が直ちに避難をする5㎞圏内(PAZ)、市全域が段階的に避難を実施する30㎞圏内(UPZ)となっている。東海第2原発で過酷事故が発生した場合、住民15万7000人全員が市外に避難することを余儀なくされる。このうち14万3000人は居住地区ごとにそれぞれ土浦市など14市町村に避難し、1万4000人は千葉県内の10市村に避難するという。 同日、土浦市役所で協定締結式が催され、土浦市の中川清市長ら14市町村長らが参加。ひたちなか市の本間源基市長と一人ひとり協定書を取り交わした。 本間市長は「ひたちなか市民を受け入れていただくことに感謝し、万が一のときは皆様にご協力いただきたい」と述べた上で、「前例のない、15万7000人全員の避難がいかに困難を極めるものであるかを感じている。寝たきりの人もいるし、施設に入っている人もいる。果たして市民が間違いなく避難先に到達できるのか、どういうルートで避難するのか、地震による道路や橋の被害も想定しないといけない。5㎞圏内から順番に避難しなくてはいけないが、(30㎞圏内の)住民感情からすると一刻も早く、という気持ちになると思う」と広域避難の課題の大きさを指摘した。 その上で、東海第2原発の再稼働問題について周辺6市町村で安全協定見直しを求めていることについて触れ「あと一歩というところ。福島をみると5㎞、10㎞に避難が限られることはなく帰宅困難区域もある。(原発立地の東海村以外も)再稼働に関し意見を申し述べられる権利があるのは当然」と強調した。 中川市長は「万が一のときは住民の命を最優先に考え、ひたちなか市からの避難者に最大限の支援をしていきたい。14市町村も連携を図り、互いの防災力向上を図っていきたい」などと応じた。 ひたちなか市の避難者を受け入れる14市町村は、土浦、石岡、龍ケ崎、牛久、鹿嶋、稲敷、かすみがうら、神栖、行方、小美玉市、美浦村、阿見、河内、利根町。 土浦市の場合、1万6600人を受け入れるという。市内の小中高校など34カ所に避難所を設置し物資を提供、ひたちなか市職員が到着次第、避難所の運営を引き継ぐ。避難所開設期間は1カ月間程度。一方、地震と原子力災害が同時に発生し、土浦市民も避難所生活を余儀なくされ避難所が満杯になった場合はどうするかなど、課題が多く残っているという。

【桜花爛漫】 かつてのため池に580本 乙戸沼公園

【大志万容子】土浦とつくばを結ぶ学園東大通り沿いの乙戸沼公園(土浦市中村西根)では、例年より早めの桜が見頃を迎えている。暖かな陽気に包まれた週初めの26日から、次々に花が開いた。訪れた人たちは、沼を囲むように植えられた桜にスマートフォンを向けて撮影するなど、春の到来を楽しんでいる。 敷地面積約13haの園内には、樹齢40年から60年のカンヒザクラやソメイヨシノ、ヤエザクラなど約580本の桜があり、亀城公園や新川堤などと並ぶ土浦の花見の名所になっている。昨年は3月25日から4月上旬の16日間に約1万人の人出があった。遅咲きのヤエザクラがあるため、例年4月の第3週頃まで花見を楽しめる。 乙戸沼はかつて水田に安定して用水を供給するためのため池だった。つくば市二の宮、洞峰公園事務所の樹木医、芹沢誠さんによると、筑波研究学園都市を南北に縦貫する東大通りを造成するために湿地帯を埋めたて、土盛りをして桜が植樹されたという。乙戸に住む長老は「車が通る大通りの所も沼だった。水がきれいでジュンサイがとれたんだ」と聞かせてくれた。この話を裏付けるのが乙戸沼に近い土浦市立第三中学校(1947年創立)の校歌だ。一番で「乙戸の沼の水ひろく じゅんさいの花におい咲く」と歌われている。 春の陽気に包まれた27日、水面に近い場所の桜にはまだつぼみが多い枝も見られたが、日当たりのよい場所では満開に近いところも。見物客が薄桃色の花びらを見上げたり、家族連れやグループがシートを広げて弁当を味わうなど、思い思いに春を堪能していた。 市観光協会によると、今年は気温が高いこともあり、花の開花は例年より一週間ほど早かったといい、今見頃を迎えている。咲いたソメイヨシノは4月1日(日)まで楽しめそうだ。

「逆転の発想」が原点 土浦駅ビル 29日、サイクリング拠点オープン

【鈴木宏子】JR土浦駅ビル(同市有明町)に29日、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」がオープンする。中心市街地の衰退に悩む土浦で、何が始まろうとしているのか。 同拠点施設は県と土浦市が1階と地下1階に設置した。同駅ビルを運営するJR東日本の子会社、アトレ(東京都渋谷区)が指定管理者として管理運営する。駅ビルもペルチからPLAYatre TSUCHIURA(プレイ・アトレ・ツチウラ)に名称変更する。 シャワー、コインロッカー、レンタサイクル、サイクルショップ、カフェなどがあり、自転車で乗り入れできる。館内で組み立て、修理、洗車などもできる。サイクリングコンシェルジュが常駐し、地域の観光スポットを案内したり、街の楽しみ方の情報を提供などする。 従来のショッピングを中心にした「モノを売る」駅ビルから脱却し、「コトを売る(体験を提供)ことにまじめにチャレンジする」と、アトレ土浦店プロジェクトリーダーの藤本沢子課長は狙いを話す。 7分の1に落ち込み 土浦駅ビルは1983年にオープンし35年の歴史がある。藤本課長によると、売り上げのピークはバブル期の1991年で、年間約112億円の売り上げがあった。 その後、つくばエクスプレス(TX)が開通し沿線に多くの商業施設が建設されたこと、土浦駅を利用するのは車を運転しない学生やシニアが中心になったことなどから、駅ビルの売り上げが低迷し、2016年度の売り上げはピーク時の7分の1の約16億円まで落ち込んだ。 「モノが売れない、地元のお客様に駅ビルにお越しいただけない、お店を入れ替えてリニューアルしても解消されない中、駅ビルをどのように存在させるか。それならば足元の商圏に頼らず、東京や全国からお客様を呼ぼうという逆転の発想」だという。 「世の中の消費は、モノを買うより体験することにお金を使う体験型にシフトしている。モノを売ることにこだわらないというのが原点」と藤本課長。新しい価値をつくり出し、コトを売ることにチャレンジするチャンスだと捉えた。 同じ時期、土浦では、県が中心になり、霞ケ浦や筑波山を巡る全長180㎞のサイクリングコース「つくば霞ケ浦りんりんロード」の環境整備が進んでいた。PRが功を奏し、同コースを利用する自転車愛好者は2015年が約3万9000人だったのに対し、16年度は約4万8000人、17年度は約6万人を超えると推測されるなど年々増加している。 米ポートランドをイメージ サイクリングのまちづくりで、藤本課長がイメージしたのが自転車の街として知られる米国西海岸のポートランドだという。 ポートランドには全長480㎞を超える自転車優先道路や自転車専用レーンが整備され、多くの市民が通勤・通学に自転車を利用している。自転車のイベントも数多く開催され、自転車を利用した観光も盛んで、グルメスポット、公園、下町、ビール醸造所など街中を巡るガイド付きツアーや、少し離れたブドウ畑、渓谷まで足を延ばすツアーなどが用意され、自転車は一大産業となっている。 「土浦、霞ケ浦は日本有数の観光拠点になる。そこから始める」と藤本課長はいう。 専用列車を運行 とはいえ、首都圏や全国からどうやって自転車愛好者を集めるのか。アトレでは、土浦駅前で自転車フェスティバルを開いたり、親会社のJR東日本や旅行会社と連携しサイクリスト向けの専用列車を運行して誘客に努める予定だ。 最初のフェスティバルはオープン後、最初の土・日曜となる31日と4月1日に駅前特設ステージで開催する。最新モデルのスポーツ自転車が集結し、試乗会やツアーなどを実施したり、キッズスクールなども開催するという。 オープン後、初めてとなるサイクリスト専用列車は4月22日に運行する。「つくば山桜ライド」と題して、上野発、15両編成の臨時列車が土浦にやってくる。参加者は折りたたみ自転車をたずさえて列車に乗車。土浦駅を出発し、山桜やご当地グルメを堪能しながら真壁休憩所まで片道30㎞を往復する。JTBが参加者を募集しており、28日までに130人の参加申し込みがあるという。 ホテルは90室前後 土浦駅ビルは今年11月、第2弾として2階と3階に、学びや体験を充実させたカフェ、レストラン、クッキングスタジオがオープン。第3弾として来年5月、2階南側に茨城の地ビールや日本酒、パン、スイーツなど地元の人気店を集めたフードマーケットがオープンする。最終段階の第4弾は来年秋以降、3~5階に、サイクリングを気軽に楽しむ人のためのカジュアルなホテルが誕生する。 ホテルはすでに運営会社が決定。客室は90室前後となり、1人1万円以下で宿泊できる施設になるという。「サイクリストはもちろん、観光客、ビジネス客も気軽にカジュアルに利用できるホテル」と藤本課長。さらに「霞ケ浦の景観が一番の魅力。きれいな霞ケ浦であってほしい」と願う。

もし公演中に火災が起きたら… 観客参加し避難訓練 つくばカピオ

【谷島英里子】コンサートの最中に火災が発生したことを想定した避難訓練が27日、つくば市竹園のつくばカピオで行われた。カピオを管理するつくば文化振興財団が職員と観客の防災意識向上を目的に初めて企画した。公募の176人が参加し、同市消防音楽隊が出演協力した。 医務室からの出火を想定した。訓練ではコンサート中盤に火災報知器が作動し、職員がその場で待機するよう指示を出しつつ、ほかの職員らが館内の状況を確認。「1階で火災が発生しました」と状況を説明してから、出口ドア付近に立って屋外に誘導。残っている人がいないことを確認して訓練が終わった。観客はスタッフの指示に従って終始落ち着いた様子だった。 市消防本部予防広報課の苅部明夫課長は「観客はステージを見るために前を向いているので避難場所は分からない。スタッフの誘導が大切になるので、避難や誘導を呼び掛ける声は大きくしっかり出してほしい」と話した。山田和穂館長は「観客を入れた訓練は初めてだったので緊張感があった。改めて人が集まったときの動きを確認して今後につなげたい」と話した。 訓練通し考えるきっかけに 【富永みくに】消防音楽隊による3曲目の演奏が終わった直後、けたたましく非常ベルが鳴り、火災が発生したことが放送で告げられた。訓練だと分かっていたこともあり、会場内は落ち着き払っていた。「これってうその火事でしょ?」そんな子どもたちの声が場内に響く。その後もパニック状態に陥ることなく、参加者全員がスムーズに屋外に移動した。 このようなエピソードを語ると「避難訓練は意味がない」と思われるかも知れない。しかし、参加者の声を聞いてみると「楽しい行事の時に災害が起きたらどう行動すれば良いか考えるきっかけになった」「子どもたちは学校で避難訓練があるが、私たち(主婦)にはないので良い経験になった」との声が多数聞かれた。 普段の生活の中で「もしも今、災害が起きたら…」と、考える習慣を持たせるのが避難訓練の最大の意義である。コンサート会場や映画館などで、まず席についた時、天井を見上げて「もしもこれが落ちてきたらどうするか」、周囲を見渡して「火事になったらどこから逃げるか」と、1分でも2分でもいいから考える。こうするだけでも、実際に災害が起きた時の初動は違ってくるのではないだろうか。 「どこが出火場所なのかの説明がなかった」「ステージ上の消防隊員が誘導してくれなかった」などの声も聞かれ、確かに気になる点は多々あった。しかし、参加者の多くが「災害対応」という良い習慣を手土産として持ち帰った、貴重な訓練になったと思う。改善すべき点は改善しつつ、こうした訓練が今後も継続されることを願っている。  

【桜花爛漫】157公園に植樹 樹齢40年、樹勢に衰え

【橋立多美】桜のつぼみがほころび、満開間近。約300本の桜が咲き誇る北条大池を始め、つくば市内には、桜が植樹された157カ所の都市公園がある。農村部では、社寺の参道や田畑の中に点在する桜が開花し、春一色に彩られる。桜の代表格ソメイヨシノの満開の景色を楽しむスポットが多いが、近年は樹勢が衰えているという。 都市公園の整備や維持管理をしている市建設部公園・施設課によると、市内の桜は樹齢40年余のソメイヨシノが多い。1960年代末に幹線道路が造成され、その後、街路樹や公園の植樹が行われたことによるという。 ソメイヨシノは、江戸時代にエドヒガンとオオシマザクラの雑種を交配させた品種で、戦後、都市開発や公園整備に伴って全国各地に広まった。同市も例外ではない。 近年、日本全域でソメイヨシノの衰弱が目立つようになり、「寿命60年説」がささやかれる。樹木医=メモ=で国交省国土技術政策総合研究所(同市旭)の研究員、飯塚康雄さんは、寿命というより生育環境による影響が大きいと話す。 「ソメイヨシノは高く広く枝を伸ばす品種。植栽間隔が狭いと互いに枝を交差させながら成長するが、40歳を過ぎると交差した枝が日照不足で枯れ始めて樹勢の衰退が始まる」と話す。「市内のペデストリアンデッキ(歩行者と自転車のための専用道路)に植樹されたソメイヨシノは衰退が見られるが、土浦市立真鍋小学校のソメイヨシノは樹齢100年でも樹勢は衰えず、力強く咲いている」とも。 同市二の宮、洞峰公園事務所で行われている「植物なんでも相談」の相談員を担当している樹木医の芹沢誠さんは、「樹齢40年ともなると花見客が訪れ、養水分を吸収している根元を踏まれるのも寿命を縮める一因」と語る。踏みつけられて根が浮き出たり、枝を傷つけられると腐朽菌が侵入するそうだ。美しい桜並木を次世代に引き継ぐために枝を折らない、飲み残しを捨てないなどのマナーを呼びかける。 一方、芹沢さんはソメイヨシノだけが桜として取り上げられる状態を憂慮する。「桜は約400種類ある。多彩な桜に出合ってほしい」とした上で、乙戸沼と森林総合研究所、雪入の山桜を挙げてくれた。連載で紹介する。 メモ 【樹木医】樹木の保護と生育に関する知識の普及と指導を行う専門家。日本緑化センターが実施する資格審査に合格して登録される。活動は県単位で、日本樹木医会茨城県支部(阿部豊支部長)は59人で組織されている。

2カ国語の消防車出動 つくば、全国初

【谷島英里子】つくば市消防本部は、火災や災害などの情報を日本語と英語で広報する消防車を全国で初めて導入した。火災、大雨、竜巻、地震警報や注意報などあらかじめ収録された10種類の音声を2カ国語で繰り返し放送することができる。 市内には外国籍の住民が多く、国際会議も数多く開かれているなどから、ポンプ車と救助工作車の2台に導入した。昨年12月から実際の活動に使われていて、今月16日に一般公開した。 警報や注意報などが発令された際、パトロールしたり、火災や災害発生時に出動して広報するほか、春と秋の火災予防運動に役立てる。現在、中央消防署が管轄する中心地区や研究学園地区、豊里地区と、茎崎分署が管轄する茎崎地区などをパトロールしているという。 市消防本部警防課の鈴木康司救助係長は「つくばには外国人が多いので情報難民を出さないようにと消防士らで考えた。2020年には東京オリンピック・パラリンピックもあるので、ほかの消防本部にも広がれば」と話していた。 ▼音声の一部は 「こちらは消防本部です。ただ今、火災警報が発令中です。火の取り扱いには十分注意してください」 「This is an announcement from Tsukuba Fire Department. "Fire Alret"has been announced,please be careful when using the fire」

思い分かち合い4年 夜の絵画教室仲間が作品展 つくば

【橋立多美】「美術の世界には、こうしなければという決まりはない」を合言葉に、将来への不安や介護の悩みなど、同じ思いを分かち合う仲間と絵を描く過程を大切にする筑波山麓の絵画教室が30日から、古民家を改装したカフェ&ギャラリークラウドナイン(つくば市大角豆)で「小さな夜の絵画教室展」を開く。水彩とアクリル画約20点を展示する。 教室を主宰するのは筑波山麓に住むフリーのイラストレーター小沢陽子さん。気取りがなくて明るい小沢さんのアトリエには、地域の知人や生まれ育った下妻の友人たちが集まり、井戸端会議が始まるのが常だった。こうした仲間たちで4年前に絵画教室がスタートした。 メンバーは60~70代の7人。店を切り盛りする人や養鶏に携わる人など、全員が仕事を終えて顔をそろえるのが夜7時。それから絵筆を握る。 小沢さんは千葉大学教育学部卒。教壇には立たなかったが、ルールにとらわれず自由に表現する現代美術を追求しており、教室では描き上げるまでの過程を楽しむことにしている。時に絵画教室が井戸端会議の場になることがある。仕事や介護に傷付き、辛くて参加したメンバーがいると「制作よりも大事」と皆で話を聴く。思いを分かち合い、打ち明けた本人は心が晴れてスッキリした顔で帰っていくという。 もっと年をとっても教室を続けようというメンバーたちは、教室が仲間たちの安否確認の機能を果たすと考えている。移動手段の車をいつまで運転できるかがネックだが、小沢さんは「多様な人々が共に生きる地域社会のモデルを仲間と模索していきたい」と話す。 年を重ねると新しいことに挑戦する機会は少なくなる。作品発表に戸惑う声もあったが、思い出づくりとして制作に打ち込んできた。会期は30日(金)~4月11日(水)、5日は休廊。入場無料。  

第1期土浦ブランドに18品認定

【谷島英里子】土浦市が今年新たに創設した「土浦ブランド」に、レンコンやワカサギを使った加工品など18品が認定された。 24日、土浦市大和町のアルカス土浦で第1期の認定式が開かれ、中川清市長が、企業や団体の代表者に認定証を手渡した。中川市長は「市内外に(認定品の)魅力を発信して地域活性化につなげたい」と期待を込めた。 地元産品をもっとPRしようと、2月1日~3月2日に土浦ならではこだわりのある農水産物や加工品、料理などを募集した。21品の応募があり、有識者らでつくる「土浦ブランドアッププロジェクト推進協議会」が独自性や品質などを選考基準に審査した結果、18品が選ばれた。 認定品は「土浦ブランド」のマークが使用でき自社商品の宣伝などに活用できるほか、市のふるさと納税の返礼品やシティプロモーション(市の広報活動)などでも優先的に活用される。認定期間は2年間。 18品は次の通り。 ▽土浦農業協同組合の「れんこん」 ▽飯村畜産の「つくば山麓 飯村牛」(牛肉) ▽土浦市農業公社の「土浦産常陸秋そば」(そば粉) ▽武井れんこん農園の「武井れんこん農園のれんこん」 ▽常磐商店の「霞ケ浦産 白魚煮干」 ▽田中屋川魚店の「小えび佃煮」 ▽佐藤畜産の「佐藤畜産の極選豚」(豚肉) ▽柴沼醤油醸造の「紫峰」(しょう油) ▽小松屋食品の「わかさぎのコンフィ」 ▽レストラン中台の「幻の飯村牛ビーフシチューカレー」 ▽JA土浦女性部加工部会の「亀城味噌」 ▽久月総本店の「霞ケ浦帆引きれんこん物語」(洋菓子) ▽土浦鈴木屋の「土浦常名の里の純米大吟醸」 ▽志ち乃の「栗どら」(どら焼き) ▽前島製菓の「九万五千石」(かりんとう) ▽高月堂の「霞浦の恵み」(クッキー) ▽瀧田興業の「瀧田蕎麦」(乾麺) ▽創作和菓子すぎやまの「蓮根カレーパイ」

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レンコン黒皮病、徐々に拡大 県が対策へ本腰

【山崎実】レンコンの商品性を損なう黒皮病が全国的に発生し、生産量日本一を誇る県内でも徐々に被害が拡大していることから、県は生産者団体などと協力し実態調査に着手した。 黒皮病は、レンコンネモグリセンチュウ(線虫)によって引き起こされ、被害を受けたレンコンは肌に黒い小斑点が発生する。全体的にやや黄変し、一節目(頭)の肥大が悪くなり、形状が三角形に変形してしまう。品質維持の大敵で線虫駆除が重要になる。 既に県は、農機具の洗浄や健全な種バスの使用、農薬としての石灰窒素の施用、収穫後の残さの除去など総合防除法をまとめ、2017年以降、講習会などを通して生産者に指導を行ってきた。 しかし、被害の程度が地域やほ場によって異なるほか、具体的な防除対策の判断を生産者個々の対応に任せてきたため、実効性に疑問符が付き、県も本腰を入れて黒皮症対策に取り組む。 具体的には、レンコン産地での発生状況を正確に把握するため、生産面積の大きい土浦市やかすみがうら市などで生産者団体と調査に着手した。今後、3年以内を目途に他の市町村にも拡大していく方針で、その結果を地図に落とすなどして可視化する。被害程度の大きい地区は直接、個別指導を行うなど、重点的に防除対策を実施していく。 また収穫後の残さ処理についても、集団的・組織的な堆肥化の取り組みなど、出来るだけ早くほ場から持ち出して処理する方策を検討するとしている。

《続・気軽にSOS》58 「過ぎる」感情のデメリット

【コラム・浅井和幸】前回のコラムでは、不安にも憂鬱な気分にもポジティブな意味があるということをお伝えしました。ネガティブに思える感情や感覚も、適切に作用すれば、それは大きな利点があるものです。しかし、「過ぎる」感情や感覚は、短期的にも長期的にもデメリットが大きいので、対処が必要ということになります。 例えば、不安についてです。不安は、これから起こるかもしれない「嫌なこと」に対する警報機のようなものです。それは、まるで「この先に行ったら電車にひかれてしまうよ」と呼び掛けているような作用です。 踏切の警報機の音は、人が聞いて嫌だなと感じる不協和音が使われているらしいですね。他の警報音も、なんとなく気持ち悪いな、怖いな、不安だなと感じる音になっているはずです。 不安があるから、なんとなく嫌な感覚だから、そこを避けられるわけですね。ですが、電車も来ないのに、この警報機が鳴りっぱなしだったらいかがでしょう。もしくは、まだまだ電車は遠くかなたで、踏切に到着するには1時間以上もかかるような時点から、遮断機が下り、警報機が鳴り続けたらどうでしょうか? この文章を書いていて、具体的に想像してしまい、今、私は背筋が「ぞくっ」とするような感覚です。とても怖い状況であるからです。 不安をコントロール

つくばの高齢者施設でさらに3人が感染 新型コロナ

つくば市内で新型コロナウイルスの感染が確認された同市北条、介護老人保健施設アレーテルつくば(運営・恵仁会)の40代女性職員の濃厚接触者について、県は3日、さらに施設入所者3人の感染が判明したと発表した。同施設での感染者は計13人になる。 3人は、いずれもつくば市に住む90代の女性2人と80代の女性1人。3人とも症状はないという。 3日は入所者68人、通所者20人と職員26人の計114人についてPCR検査を実施した。111人は陰性だった。県はさらに濃厚接触者の調査を進めている。 ➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら

桜も寂しげな入学式に つくば・土浦 小中学校再開はさらに2週間延期

小中学校の新学期の授業開始時期について、つくば、土浦両市は3日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため2週間、臨時休校することを決めた。授業開始は早くて20日となる。 両市とも感染者が発生していること、県南のつくばエクスプレスと常磐線沿線は、東京など都市部との行き来が多い感染拡大要注意市町村であるとして、県が2日、平日夜間と週末の不要不急の外出自粛を10日まで要請したことなど受けた措置となる。 両市とも新学期自体は6日から始まるが、その日は教科書などを受け取るだけで短時間で帰宅する。翌日から2週間の休校となる。 つくば市、今度は給食なし つくば市は、小中学校いずれも在校生は6日登校し教科書などを受け取る。7日から19日まで休校となる。入学式は小中学校とも7日予定されていたが実施せず延期する。ただし新小学1年生と新中学1年生は7日、保護者と登校し、教科書などを受け取る。 臨時休校中、保護者が働いていて家庭で面倒を見ることができない家庭については、児童クラブでのみ子供を受け入れる。3月の臨時休校期間は学校で受け入れ、給食も提供したが、今回は感染者が増加しているリスクを踏まえ学校では受け入れないという。児童クラブに登校する子供は弁当を持参する。