筑波山の中腹、筑波山梅林(つくば市筑波)で12日から開催を予定していた「筑波山梅まつり」について、主催者の筑波山梅まつり実行委員会(委員長・五十嵐立青つくば市長)は1日、まん延防止等重点措置の茨城県への適用に伴い、開幕を延期すると発表した。12日から3月13日まで開催の予定だった。新型コロナの感染拡大が始まった一昨年は会期途中で中断、昨年は県独自の緊急事態宣言により約2週間遅らせての開幕となっていた。
開催可否は、状況を見て判断
今年の延期措置について市観光推進課は、市内で感染が拡大している状況をみた上での判断だったと説明し、今後についてはまん延防止等重点措置の解除後の開催に向けた準備をしつつ、重点措置の期限である20日を目安に「県外を含めた周辺地域の状況を踏まえ開催の可否を判断していく」とした。開催に関する情報は、「筑波山梅まつり」のオフィシャルサイト、市のホームページ、プレスリリースなどで発表する。
3日現在の開花状況は、早咲きの紅梅が5分咲き、白梅はまだつぼみだ。両方が咲きそろう見頃は、2月下旬から3月初旬にかけてと見込まれているが、見頃までに開幕できるか否かは現時点で未定だ。
ただし園内を散策することはできる。筑波山梅林一帯を含む林道沼田新田酒寄線(梅まつり会場~酒寄丁字路)は、梅まつり予定期間である12日-3月13日の間、午前9時から午後4時まで車を通行止めとし、歩行者専用にする。同実行委員会は、梅を鑑賞する際にはマスクなど感染対策をした上で、「密」を避けるよう呼び掛けている。
つくば市臼井の会社員・鮏川拡さん(41)は「難しい状況ですよね。この時期は毎年地域がにぎわっていたので、中止になるとしたら残念です」と地元住民としての複雑な思いを話した。
政府によるまん延防止等重点措置は、1月27日から2月20日まで県全域に適用されている。
筑波山梅林は標高約250メートル付近に位置し、広さは約4.5ヘクタール。約30種約1000本の白梅、紅梅が植えられ、紅梅が2割、白梅が8割を占める。園内の最上部にある「展望あずまや」からは眼下に梅林や山麓の田園風景、好天日は遠く首都圏のビル群や富士山を望むことができる。園内には筑波石と呼ばれる斑れい岩の巨石があちこちにあり、筑波山地域ジオパークのジオサイトの一つになっている。(柴田大輔)
【3月8日追加】筑波山梅まつり実行委員会市は8日、茨城県のまん延防止等重点措置が21日まで再延長されたことに伴い、開幕を延期していた今年の第49回筑波山梅まつりを中止すると発表した。梅林内は散策できる。