水曜日, 5月 18, 2022
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「3密族」のシンボル利用 《映画探偵団》50

【コラム・冠木新市】つくばセンタービルができる3年前、日露戦争を描いた3時間の大作、東映『二百三高地』(1980)が公開された。当時は戦争を美化する作品との批判もあったが、今では反戦映画の名作との評価が定まっている。 『二百三高地』の丹波哲郎 幾つもの名場面がある作品だが、料亭の一室で伊藤博文(森繁久彌)と児玉源太郎(丹波哲郎)が、勝ち目のないロシアとの開戦を決めるシーンが印象深い。というのも、私はこの場面の撮影を間近で見ていたからだ。撮影終了後、緊張感から解放された丹波さんが、「飯だ、飯だ」とセットから勢いよく出て行った姿を記憶している。つくばセンタービル改造問題に関わって1年半。なぜか、時折このシーンを思い出す。 現在「つくばセンタービル謎解きツアー」を開催中だ。参加者は、11月3日10人、同13日8人、同23日23人、12月4日5人―だった。12日は8人の予約がある。子どもも何人か参加し、どこが面白いのか、また来たいと言っている。建築専門家でない私は、いろいろな資料を再確認しながら、ツアーの準備をしている。 センタービル関係の資料は少ない。主なものは、「建築のパフォーマンス」(1985)、「磯崎新のディテール」(1986)、「現代思想 磯崎新」(2020)などだ。目を通した中では、「磯崎新の『都庁』」(2008)がとても参考になった。 センタービル完成後の1985年、都庁コンペの過程を記録したもので、建築界の大御所・丹下健三に、弱小組織・磯崎新チームが挑戦する話だ。当時の磯崎とスタッフの様子が手に取るように分かる。磯崎はアイデアをスタッフに投げ、その理由を説明せず、読み解かせる。謎解きを要求するわけだ。センタービルのことも想像でき、面白かった。

センタービルと『大菩薩峠』《映画探偵団》49

【コラム・冠木新市】11月3日(文化の日)、第1回 「つくばセンタービル謎解きツアー」を開催した。参加者は20~80代の10名。案内役は私が務め、ノバホール入口から2階センターの周囲をめぐって1階に降り、「中心」「異界」「水の精」「反転」「廃墟」「にわ」「鋸(のこぎり)状の柱」「モンロー」をキーワードに8つの光景を語り歩いた。 野外劇場の「廃墟」では、30年間、TVのSFヒーローが戦ってきたことを説明。すると、そばで戦隊ヒーロー物の撮影が行われていて、こちらが用意したゲストのようだった。8地点の「不連続の連続」ともいえる光景を語るうちに、ああこれは『大菩薩峠』の世界に似ているなと思った。 片岡千恵蔵主演『大菩薩峠』 小学1年の時、東映の片岡千恵蔵主演『大菩薩峠』(1957)を見て、主人公たちの善悪を超えた妖しい雰囲気が記憶に残った。中学1年の時、国語の女性教師が「私は中里介山著の『大菩薩峠』だけは最後まで読み切れなかったのよね」と言った。 その日、早速古本屋に行き、角川文庫版の原作を買い読み始めた。全巻読破と意気込んだが、11巻で挫折した。大学のころ、春陽堂文庫版が出た時も挑戦してみたが、駄目だった。代わりに解説評論本を何冊も読み、話の展開はあらかた予想がついた。映画で描かれていたのは前半部分のみである。 物語は、机竜之助が大菩薩峠で老巡礼を切り捨てる理由なき殺人から始まる。そして御岳神社の奉納試合で相手を打ち殺し、その妻お浜を連れ江戸へ出奔する。試合相手の弟は兄の仇の竜之助を追う。つまり、最初は仇討ち物語なのだが、徐々に竜之助の場面は減少し、脇役と思われた登場人物たちが活躍する群像劇になってくる。

「怪人二十面相」と2・26の時代 《映画探偵団》48

【コラム・冠木新市】昭和7(1932)年から昭和11年にかけ農村の貧困と陸軍の内部闘争を描いた高倉健主演の『動乱』(1980)、陸軍若手将校の4日間のクーデターを追った三浦友和出演の『226』(1989)、海軍と陸軍の攻防と昭和天皇の動きに迫ったNHK『全貌 二・二六事件 完全版』(2020)―これらを見直した。 江戸川乱歩の『少年探偵』シリーズ第1作『怪人二十面相』は、昭和11年(1936)、『少年倶楽部』1月号から連載が始まり人気を呼んだ。だが、2月には2・26事件が起き、東京に戒厳令が出された。当時の少年たちはどのような思いで読んでいたのだろうか。その気分を感じるため、2・26関係の作品を見てみたのだ。 乱歩との出会いは東映『少年探偵団/首なし男』(1958)である。シルクハットをかぶり、二十面相にふんした伊藤雄之助は、大人の演技を見せ真実味を感じさせた。その後、小学校の図書館で光文社版『少年探偵』を次々と読み、独特な世界に魅了されていく。私は長い間、このシリーズは戦後の作品だと信じて疑わなかった。 しかし、『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』『大金塊』の4作は「大東亜戦争亅へ突き進む戦前に執筆されたものだった。多分、戦前の少年たちにとって、『怪人二十面相』は強烈なリアリティを感じたように思える。 明智小五郎は第1作後半に、黒の背広、黒の外套、黒のソフ ト帽という、全身黒のいでたちでオシャレに登場する。満洲国(戦後版は某国)の依頼で新京に行き、重大な事件を解決し帰国したとの設定である。満洲国の背後には関東軍がいたのだから、明智は関東軍とつながりがあったと見るのが自然である。一体何を解決したのだろうか。

窓の内側から見たセンター広場 《映画探偵団》47

【コラム・冠木新市】昔見た映画を今見ると印象が変わる場合がある。アルフレッド・ヒッチコック監督の『裏窓』(1954)がそれだった。 J・スチュアート主演の『裏窓』 報道カメラマンの主人公ジェフ(ジェームズ・スチュアート)がケガをし、ギプスで身動きが取れずにいて、窓から正面アパートの住人たちの暮らしを観察する。そのうちジェフは、セールスマンが寝たきりがちな口うるさい妻を殺害したことに気付く。 眼下の小さな庭を囲むビル。アパートには「独身で売れない作曲家」「肌の露出を気にしない若いダンサー」「子犬を子どものように熱愛する中年夫婦」「夫も恋人もなく寂しさを感じている上品な婦人」「現代アート風な彫刻を作る老婦人」ら、窓の内側で暮らす人たちの人間模様がそれぞれ1本の映画のように描かれている。 今見ると、セールスマンの殺人よりもこちらの方にインパクトがあった。新型コロナ感染拡大の状況下で、巣ごもりを強いられた現代と似た景色に見えたからだ。さらに、建物に囲まれた庭がどことなくセンター広場と重なったからかもしれない。

「たたり」と「科学都市」 《映画探偵団》46

【コラム・冠木新市】桜川流域にある「つくばセンタービル」は、研究学園都市のシンボルとして1983年「桜村」に誕生した。「桜村」は、昭和30年(1955)に栄村と九重村と栗原村が合併してできた村だ。この栗原には「天狗党殉国烈士之墓」と刻まれた石碑、天狗塚が残されていて19人の若者が眠っている。ほかにも天狗塚はあるようなのだが、詳しいことは分からず、つくばではこの話はタブーみたいである。 ある農家の人が「あの土地は売れてないんだ。天狗党を処刑した場所だから」と、草原を指し教えてくれた。またある人は「あそこは天狗党処刑地近くなので、交通事故が多発する」と語っていた。 『八つ墓村』の探偵役・渥美清 私は天狗党の話を耳にすると、松竹『八つ墓村』(1977)を思い出す。横溝正史原作、橋本忍脚本、野村芳太郎監督、芥川也寸志音楽。主人公の寺田辰弥をショーケンこと萩原健一、探偵の金田一耕助役は渥美清が扮し、空前の大ヒットを記録した。 寺田辰弥は毒殺事件に巻き込まれ、亡き母の故郷八つ墓村にやって来る。村は、400年前に毛利との戦に敗けた尼子一族の落武者8人が流れ着いた場所だった。毛利方の褒賞に目がくらんだ村人たちは、祭りの晩に酒に毒を盛り落武者を酔わせ、竹やりで次々と突き殺してしまう。時は流れて昭和24年(1949)、落武者殺しを指揮した村総代の子孫が急に狂い出し、村人32名を惨殺する。 物語は「現代(1977)」「昭和24年」「400年前」の3つの時代が交錯して描かれる。回想シーンに回想シーンが挿入され、込み入った手法がさえわたっていた。

つくばセンタービルで「ダイ・ハード」 《映画探偵団》45

【コラム・冠木新市】ジョン・マクティアナン監督の「ダイ・ハード」(1988)が無性に見たくなった。ニューヨーク市警のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)は、クリスマスにロサンゼルスの超高層ビルで働く妻のもとにやって来る。そこで左翼テロリストを装う強盗チームと遭遇し、妻と人質を助けるため、ビル内を這いずり回り、時々ぼやきながらも敵を1人ずつ倒していく。犯人の銃弾で粉々になった窓ガラスを裸足で踏み血だらけになったり、白のランニングシャツが黒くなるまでしぶとく戦う。 そして私は「ダイ・ハード」を見ると、なぜかジョン・フランケンハイマー監督の「大列車作戦」(1964)を思い出してしまう。 パリを占領していたナチスドイツが本国に撤退するにあたり、美術愛好家の将校が、美術館にあるルノワール、ゴーギヤン、ゴッホ、マネ、ピカソなどの名画を列車に積み持ち帰ろうとする。それをフランスの鉄道員ラビッシュ(バート・ランカスター)らは、「たかが絵を守るために」と一度は疑問に思うが、結局は「フランスの誇りのために」と命を賭け、取り戻す行動を開始する。仲間は倒されていくが、ラビッシュは油と汗まみれになりながらも最後まで戦い、絵を取り戻す。 「ダイ・ハード」と「大列車作戦」の主人公はよく似ている。 センター広場にエスカレーターは必要か 6月12日。つくばセンター研究会は講演&シンポジウムを27日に開催することを決めた。テーマは「緊急討論 つくばセンター広場にエスカレーターは必要か」。開催まで2週間しかない。翌日からゲストの交渉とチラシ制作(デザイン・三浦一憲、写真・斎藤さだむ)が始まる。

つくばセンターでシン旧住民のレジスタンス 《映画探偵団》44

【コラム・冠木新市】6月1日。つくば市役所で「つくばセンタービルのエスカレーター設置計画等の見直しを求める要望書」を小久保市議会議長に手渡した(6月1日付)。そのあと懇談し、「センタービルは、つくばが未来に引き継ぐ日本と世界の文化遺産なので、ぜひ守ってほしい亅とお願いした。飯野副市長とも面談、リニューアル計画の進め方や市民広報のあり方など、いくつか提案させてもらった。 6月2日。センタービルを歩いていて、ふと「ソトカフェ」の黒テーブルとイスのそばにある鉄製プレートに目がとまった。よく見ると、「桜村」の文字が刻まれている。これまで気付かなかったとは不覚だった。その文字を眺めながら、当時の人はどういう気持ちでこの文字を刻んだのだろうかと想像した。 側溝のふた(グレーチング)に刻まれた「桜村」の文字 6月3日。NEWSつくばの「市議会・中心市街地まちづくり調査委員会」の記事(6月3日付)を見て驚いた。ホテル側の北エスカレーター1基設置が無くなると出ていたからだ。これまで2基設置を主張していた市議が、1基ヘと意見を変えたからである。あとで某市議に聞いたら、我々の要望書は委員会当日に市議に配布されたが、その前から2基を1基にすると決まっていたようだ。 本欄でセンタービル問題を書いてきたが、最近議会では、エスカレーターは不要だ、見直すべきだ―との声が大きくなっている。市民の声が届いたというより、いったん沈静化を図ろうとしていると考えるのが自然だろう。意見を変えた市議たちは、センタービルは老朽化した建築物だから、どうしようと自由だと考えていたのだ。 6月5日。つくばセンター研究会。私は、この問題は要望書提出で一区切りと思っていた。しかし、総合運動公園建設反対を推進した方から「30年前から住んでいるが、センタービルが文化財であることに初めて気がついた。市民にどんどん語っていかなくてはいけない」と、逆にハッパを掛けられてしまった。

「つくばセンター」に見る満映の影 《映画探偵団》43

【コラム・冠木新市】「広々とした大野原の中に、魔術の如(ごと)く聳(そび)え立つ、豪華な建築—寛城子(かんじょうし)を見た直後なので、狐(きつね)につままれたやうだ。宮殿の如く、銀行の如し」(徳川夢声)。 岩下志麻主演『極道の妻たち』 つくばセンターを象徴する映画は『仮面ライダー』シリーズだとずっと思い込んできた。しかし最近では、同じ東映の『極道の妻たち』シリーズではないかと揺れ動いている。この映画はセンタービル誕生3年後の1986年に公開され大ヒット 。ビデオも売れ、テレビ放映の視聴率も高く、関係者を仰天させた。 日下部五朗プロデューサー、高田宏治脚本、五社英雄監督―このトリオと、題名から受ける印象で誰もがヤクザ映画と信じていた。ところが、任侠・実録ヤクザ映画ブームはすでに終わっている。 岩下志麻主演でその後10年以上続くこのシリーズは、対立組織との抗争で性根の定まらない男性を支える、女性を描いた作品との理解が深まる。つまり純粋な女性映画だったのである。 東映映画史を振り返ってみよう。

シン・住民がやって来る 《映画探偵団》42

【コラム・冠木新市】1993年、「今度つくばに引っ越して来た新住民です」と地元の方に挨拶したら、「新住民は私で、あなたは新新住民ですよ」と訂正された。つくばの歴史を実感させられた瞬間である。だからか、2005年につくばエクスプレスが開通し、移住してきた人を見たとき、「あ、新新新住民だな」と思った。2021年の現在、中心市街地はマンションと住宅の建設ラッシュだ。私は次に来る人たちは、シン・住民なのだと考えている。 シン・住民は、AI中心のスマートシティやスーパーシティを期待する人か、自然中心の自給自足リサイクル社会を志向する人か、気になるところではある。だがそれよりも、シン・住民にとって、センタービルは老朽化した建物に映るか、歴史的文化財アートに映るか、どのように見えるのだろうか。 1983年、世界的注目を集めたつくばセンタービルの住所は、新治郡桜村大字花室字千上前1364番地で、村の中に建っていた。40年ほど前の村人はセンタービルをどう眺めたのだろうか。村の誇りと感じたのか、それとも無関心だったのか。このあたりが調査不足で盲点だった。 三船敏郞主演『七人の侍』 急に『七人の侍』(黒澤明監督)を見る気になったのは、それがきっかけだった。村人の思いを知りたかったからだ。少し見るつもりで見始めたのだが、結局3時間27分全編を一気に見てしまい、改めて世界映画史上の名作だと思った。 『七人の侍』は、戦国の世に百姓たちが侍を雇い、村を襲う野武士の群れと戦う話だ。侍のリーダーは負け戦さ続きの不運な初老の男・勘兵衛(志村喬)。他の6人もしがない浪人暮らしである。この侍たちが金にも名誉にもならない命懸けのボランティア仕事を引き受ける。表向きは侍が主人公だが、物語上は百姓が主人公といえる。侍は戦いのアドバイザーであり、戦いの主体は百姓たち。百姓たちの描写がリアルなため、侍たちの魅力が一層引き立つ仕掛けである。

《映画探偵団》41 いま、つくばは「西部劇」の舞台

【コラム・冠木新市】記念すべき第1回アカデミー賞授賞式は1929年5月16日、米国ロサンゼルスのルーズベルト・ホテルで開催され、玄関には彫刻家コディ・ヒューストン作のブロンズ像が飾られた。この像は西部劇の撮影を表現したもので、ジョン・フォード監督や14人のカウボーイスターの雄姿が彫られてある。長い間、多くのファンに愛された彫刻物だが、いまは米国には残っていない。どこに消えたのか。 実はつくば中心市街地の市民ギャラリー休憩所に無造作に置いてある。説明プレートの右上は欠け落ち、全体を白いテープで止めてある。私が『つくつくつくばの七不思議 サイコドン』(ACCS)でロケしたときには、ゴキブリの死骸を片付けて撮影した。米国から寄贈されたアート作品をこのままにしておいてよいのだろうか。 つくば市民ギャラリーに置いてある西部劇の撮影を表現したブロンズ像 C・イーストウッド監督・主演『許されざる者』 第1回アカデミー賞の翌年1930年の5月31日、後の大スターで名監督クリント・イーストウッドが生まれた。現在90歳になるが、監督・主演の新作に取り組んでいて生きる映画史ともいえる。イーストウッドは日本、欧州で映画作家として認められ、米国では遅れて評価された。最後の西部劇と言われた『許されざる者』(1992)で第65回アカデミーの作品賞と監督賞を授賞した。この作品は正義とは何かをめぐって一筋縄ではいかない内容となっている。

《映画探偵団》40 つくばセンタービルを展望する

【コラム・冠木新市】「今日、真に躍動している中心的存在は科学と政治である。アートと建築は端の方に追いやられ、あたかも余分なもののように感じられる」(世界的建築家・アレッサンドロ・メンディーニ) 世界的な建築写真家・二川幸夫が「つくばセンタービル」にほれ込み、完成から10年後に全40ページの写真集『GA69』(1993年刊)を出版した。18~19ページに見開きで、ノバホール側から見たセンター広場とホテルの全貌が写しだされている。そして、ページ真ん中の奥の方にポツンと小さな「展望塔」が見える。 中心市街地の松見公園に立つ高さ44.4メートルの展望塔は、菊竹清訓の設計で1976年6月1日に開設された。外観から地元では「栓抜き」と呼ばれていたが、展望塔という素っ気ない名称になり、40数年前のつくばの雰囲気をよく伝えている。 この塔に登ると、筑波山とつくばセンター地区が一望できる。不思議なのは、センター地区のセンタービルに視線が向いてしまうことだ。展望塔が出来てから7年後、1983年6月10日に完成した高さ44.85メートルのセンタービル。この2つは一直線でつながっている。同じ時期の6月に完成、ほぼ同じ高さ、素っ気ない名称から、設計者・磯崎新は展望塔をリスペクトして、センタービルを構成したことが理解できる。 『GA69』には、メンディーニが文を寄せている。「何世紀もの歴史が凝縮した未來主義的エジプトスタイルが、たった一つの広場の回りに集められて、建築史の百科事典的シンボルになっている。それは俯瞰(ふかん)的な広い視野の中で作り上げた『信念』のユートピアと言うべきもので、そのユートピアは、現代の不安定さと混沌から類型的、様式的、制度的に保証する限りなく権威ある流れに反するものである」。 市川崑監督『おはん』の2人で1人

《映画探偵団》39 中心市街地はAIそれともaI?

【コラム・冠木新市】10年前に流行していたまちづくりのキーワードは「コンパクトシティ」だった。それが数年前から「スマートシティ」へと変化。さらに昨年からは「スーパーシティ」となった。次は「ムーンショット計画」だそうである。難しいことは分からないが、要はAI(人工知能)を中軸にしたまちづくりらしい。つくば市は、中心市街地をその象徴にしようと考えている様子がうかがえる。だが本当にそれがふさわしいのだろうか。 つくばセンタービルの出入口付近には4つの奇妙な彫刻物が存在する。オレンジ色のaIの文字で、センタービルと広場を象徴する形になっていて、石の堅固な建築に対しポップな彫刻が温かみを感じさせてくれる。 センタービルはL字形(ただし反転文字)だ。広場の楕円形はO。ホテル内の階段は下から見ると平行なのに上から見おろすとVの形。野外ステージ階段を下から見上げるとEの形。つまりセンタービルと広場にはLOVEの文字が隠されているのだ。だからaIは、アイ(愛)であり、遊歩道をアイアイモールとはよく命名したものである。以前、野外ステージで行われていた結婚式を見たことがあるが、神秘的に映りとても感動させられた。 つくばセンター広場ペデストリアンデッキのaI オープンハウスで見たイメージ映像 新型コロナウィルス第3波が襲う年末。つくば駅前のBiVi2階イベントスペースで、中心市街地に関するオープンハウスが2週間にわたって開催された。市民はずいぶんと待たされたわけだが、ほとんど誰もやっていることを知らなかったのではないだろうか。会場にはパネルが飾られ、市民の質問に市担当職員2名が答えるシステムだった。中心市街地とセンタービルに愛着を持つ私は3日も通ってしまった。

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不登校支援のあり方検討スタート つくば市 事業者選定の迷走受け

つくば市が昨年12月に実施した不登校児童生徒の学習支援施設運営事業者の選定をめぐって迷走した問題を受けて、今後の市の不登校支援のあり方について検討する「市不登校に関する児童生徒支援検討会議」の第1回会合が17日、市役所で開かれ、検討がスタートした。 市が、2020年10月から22年3月末までNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)と協働で実施した「むすびつくば」の事業について検証するほか、今後の市の全体的な支援方針を策定する。 検討会議のメンバーは、森田充・市教育長と市教育委員4人の計5人。不登校の保護者など当事者は入っていない。来年1月までに計14回程度の会合を開く。今年9月ごろ、新たな予算を必要とする施策を決め、来年1月ごろまでに全体的な支援方針をまとめる。 むすびつくばの検証については、利用者の小中学生と保護者にアンケートをとったり、運営者のリヴォルヴに自己評価を作成してもらうなどする。リヴォルヴによる運営は、来年3月までの1年間延長されただけであることから、23年度以降どうするかについても検討会議で協議する。 今後の市の支援方針については、先進自治体を調査したり、市内の民間フリースクールの利用状況を調査したり、市内の不登校児童生徒と保護者にアンケート調査などを実施した上で、フリースクールのあり方や支援策などについて検討する。 検討を始めるにあたって、現在の課題については▽専門職であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの人数が十分か注視する必要がある▽発達障害の早期発見や診断が遅れると個人の特性に応じた支援や対応が遅れる▽民間フリースクールは有料であるため公設の支援施設の利用者と負担に差が生じている▽不登校の児童生徒数が増えているのに対して公設支援施設の定員は2割程度しかない▽児童生徒数が増加している市南部に公設支援施設がない▽学校での別室登校による支援は専属の教員がいないーなどを挙げている。

望まれず産まれる猫の命をつなぐ 《晴狗雨dog》5

【コラム・鶴田真子美】子猫の季節がやってきました。動物保護団体には野良猫の産んだ子猫の相談が相次ぎます。先週も田植えをしていた近所の農家さんから、ダンボールに入った子猫があぜ道に捨てられていたと相談がありました。 まだ目も開いておらず、産まれてすぐに捨てられたであろう、幼い兄弟5匹。預かりボランティアさんが手分けして連れ帰り、必死の授乳中です。(その映像は以下に) https://www.youtube.com/watch?v=6rDM115ilJg&authuser=0 離乳前の幼い犬猫を自宅に預かり、ミルクを与えて育てるボランティアさんは「ミルクボランティア」と呼ばれます。この方々の存在なくしては、乳飲み子は救えません。 離乳するのは生後2カ月弱。授乳と授乳の間の時間は、成長するにつれて徐々に延びていきます。4時間から6時間おきに。犬や猫がだんだん体重を増やし、よちよち歩くようになり、兄妹で戯れて遊ぶようになるのを見るのは喜びです。

バス停見落とし、3人乗車できず つくバス

つくば市は16日、市のコミュニティーバス「つくバス」南部シャトル上り41便(茎崎窓口センター発つくばセンター行き)が、同日午後5時28分ごろ、同市高野台の国道408号を走行中、高野台停留所に停車せず通過し、バス停に待っていた乗客3人が乗れなかったと発表した。 つくバスは市が関東鉄道(本社・土浦市)に委託して運行している。市総合交通政策課によると、高野台停留所には同社の路線バスとつくバスの停留所が併設されている。つくバスが高野台停留所に近づいたところ、すでに路線バスが停車していたことから、つくバス運転手は、41便の停留所ではないと思い込み、通過したという。 高野台停留所には、乗客3人がつくバスを待っていた。41便が通過したことから、先に停車していた路線バスの運転手が、関東鉄道の営業所に連絡した。 連絡を受けた関東鉄道は、高野台停留所に送迎車を手配し、待っていた乗客1人を目的地まで送迎した。一方、2人はすでに移動していて送迎車到着時にはバス停にいなかったという。 市は関東鉄道に対し、安全運行の徹底と再発防止を指示したとしている。

廃校の旧筑波小に魔界の商店街出現 28日「魔女のフェスタ」

つくば市国松の旧筑波小学校で28日、「魔女のフェスタ」が開かれる。2018年閉校した学校の3階建て校舎と校庭を会場に、マルシェ形式で飲食や雑貨の店、整体や占星術などを行う100店以上が集結する。昨年の春・秋に続き3回めの開催で、コロナ禍にあって、回を重ねるごとに規模を拡大してきた。 主催はフェスタ実行委員会(いしざき緑子代表)、学校近くの国松地区の古民家に移住して、アロマテラピーの教室「魔女の学校」を開設したいしざきさん(2021年2月17日付)を中心に、同市内外の賛同者が集って、廃校リノベーション企画を進めてきた。 小魔女商店街など100店超 今回は4歳から70代の参加者による100店超の店舗が軒を並べるという。校庭に飲食店のキッチンカーやテントが並び、3階建ての校舎全体にアクセサリーやフラワーアレンジなど手づくり品、占いや癒し療法の店、ワークショップが展開する。3階の旧音楽室では再調律したグランドピアノを中心に据え、14グループによるライブイベントも行われる。 最年少の4歳児は「小魔女商店街」と銘打ったブースに参加する。昨年出店した参加者の子供たちが、見よう見真似で「お店屋さんごっこ」に興じ、「楽しかった」との感想が聞かれたのがきっかけ。実行委員会が「魔女見習い」向けのブースを設け、出店料無料で呼び掛けたところ、高校生以下約20人が集まったという。商店街では魔女と魔法使いの見習いたちの描いた絵や折り紙、自作のゲームなどを1点10円で販売し、フェスタでの買い物に使ってもらおうという趣向だ。 いしざきさんは「出店者は年齢的な広がりばかりか、国籍も違ったりハンディキャップもあったり様ざま。お店の構成も含め、多様性こそが健全な社会のありようだと思っていて、さらに多くの人に機会と場所を設けたい」と開催の意図を語る。