火曜日, 4月 23, 2024
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土浦駅ビル -検索結果

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18日からライド&トリップ プレイアトレ土浦 県の推進事業に認定

【山崎実】コロナ禍で打撃を受けている県内観光地の活力を取り戻し、地域経済の活性化を図る県の「いばらき観光誘客推進事業」の対象に、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」(運営・アトレ)が実施する大型イベント「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~(ウエルカム・ツチウラ・プロジェクト~ライド&トリップ)」など2事業が認定された。2事業には県が各1億円の補助を行う。 プレイアトレ土浦は、9月18日から11月末まで、筑波山と霞ケ浦を結ぶ全長180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」周辺で、県内の観光資源や自然を生かしたサイクリング、キャンプ、アウトドアイベントなどを実施する。さらに周辺市町と連携し、バーチャルとリアルを融合させた、withコロナ期の新たな形のイベントを提案していると評価された。 認定事業のもう一つは、茨城放送が実施する「偕楽園チームラボデジタルアート&周辺イベント」。来年2月中旬から3月中旬に、日本三名園の一つ、偕楽園(水戸市)で、梅まつり時期の夜間に、県内初の大規模なチームラボによるデジタルアートを実施する。また偕楽園周辺でのキャンプイベントや朝マルシェ、弘道館、大手門ライトアップなど市内各地で関連イベントを行う。来年度以降の開催も期待できると評価された。 同事業の対象は、県内の観光資源を生かした新たな集客コンテンツとなる大型誘客イベントで、8月末までの応募期間で38件の申請があった。今回、そのうち2件が第1次認定として採択され、あと2件程度ある残り枠(2億円)についても、今月中の第2次認定が予定されている。 バーチャルサイクリングや合宿ライド プレイアトレ土浦が実施する「WELCOME TSUCHIURA PROJECT~Ride&Trip~」の主なイベントは以下の通り。 ▽バーチャルサイクリング チャレンジ=9月19日~11月30日、プレイアトレ土浦2階特設ブースで、世界中の人とりんりんロードを一緒に走るバーチャルライドをオンライン上で体験できるほか、自宅に居ながら茨城の魅力あるサイクリングコースをオンライン上で体験できる。 ▽オリンピアンと走る!上級者向けライドツアー=アテネ五輪出場の元プロロードレーサー田代恭崇さんを招き、3コースを走る。①10月10~11日・スキルアップ合宿ライド(星野リゾートBEB5土浦宿泊)②10月18日・筑波山ヒルクライムライド③10月25日・歴史探訪ライド ▽茨城の名所を巡る!ビギナー向けライドツアー=秋の紅葉シーズンに茨城ならではの酒蔵やグルメを楽しむ。3コースある。①11月6~7日・BEB5土浦に泊まる!宿泊ライド②11月8日・稲葉酒造酒造見学ライド③11月15日・秋のグルメライド ▽BIKE&CAMP FES(バイク&キャンプ・フェス)2020=10月31日と11月1日、つくば市のつくばワイナリーで開催する。自転車・アウトドアメーカーなどが多数出展し、アウトドアの新たな扉を開きたいキャンパーや自転車初心者も楽しめる。旅に特化した自転車本体、パーツ類、パニアバッグなどを展示・販売するほか、自転車への荷物の積み方、輪行の仕方、ギアの選び方、ワインセミナー、たき火のおこし方などのワークショップやトークショー、グルメブースなど盛りだくさん。キャンプサイトでの宿泊もできる。 ▽第2回つくば霞ケ浦りんりんサイクリング=初心者が週末に気軽に参加できるファンライドで、全長180キロのうちの一部約50キロをコースとして走る。初心者が不安に感じるサイクリングのハウツーをサポートするコンテンツを多数用意し、自転車イベントデビューを応援する。エイドステーションでは、地域ならではの味覚をご用意、秋の風景を感じながら、程よい運動とグルメを堪能できる。

サイクリストにやさしい宿を認定 県

【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県は、夏から秋へと今後多くのサイクリストが「つくば霞ケ浦りんりんロード」を訪れることが見込まれる中、サイクリストにやさしい沿線市町村の宿を募集している。 サイクリストに「また来たい」と思ってもらえる宿の認定制度を新たに設け、先行する土浦駅ビル「星野リゾートBEB5土浦」のように、全国に情報発信するのが狙い。 認定条件は▽安全な自転車の保管場所がある▽チェックイン前後のフロントなどで手荷物の預かりができる▽洗濯ができる(近隣のコインランドリー案内でも可)▽自転車宅配の受け取り・配送ができる(配送業者の案内でも可)▽スポーツバイク対応の空気入れ・工具の貸し出しができるーなど。 募集宿の対象地域と施設は、同りんりんロード沿線市町村(土浦、石岡、つくば、鹿嶋、潮来、稲敷、かすみがうら、桜川、神栖、行方、鉾田、小美玉の各市と、阿見町、美浦村の14市町村)内のホテル、旅館、民宿などの宿泊施設。 県は今後、全県的なサイクルツーリズムの展開に合わせ、対象地域を拡大していく考え。 今回のサイクリストにやさしい宿の第1次募集締め切りは7月31日。問い合わせは県スポーツ推進課(電話029-301-2735)。

19年度のサイクリスト9万3000人に つくば霞ケ浦りんりんロード 

【山崎実】県スポーツ推進課がまとめた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2019年度利用者は9万3000人で、前年度比約1.15倍の増加をみせた。18年度実績は8万1000人。 全長約180キロに及ぶりんりんロードが昨年「ナショナルサイクルルート」に指定され、土浦駅に「星野リゾートBEB5土浦」がオープン、同駅ビルが日本最大級のサイクリングリゾートに生まれ変わったことも加わり、茨城のサイクルツーリズム人口は確実に増加傾向にある。 県と沿線9市町村で構成するつくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会(会長・大井川和彦知事)が運営する広域レンタサイクルも、昨年度の利用台数が3115台と、18年度実績の2594台から約1.2倍増加した。 特に沿線11カ所の施設からどこでも自転車の貸出・返却が可能な広域レンタサイクルは、ナショナルサイクルルート指定後の昨年11月から今年3月までの利用台数が1134台と、前年同月の679台から約1.7倍に急増した。 県はさらにサイクルツーリズムを推進するため、傷んだ路面のリニューアルや、休憩所の改修、岩瀬駅と水郷潮来バス ターミナルに、りんりんロードの起点・終点を示す看板を設置するなどの取り組みを進めている。 また今後についても沿線のビュースポットの整備や周辺観光施設、観光地への案内板の設置を予定するなど、官民連携による地域活性化を目指していく。 一方、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、土浦駅ビル1階のサイクリング拠点「りんりんスクエア」が4月14日から5月17日まで休館、広域レンタサイクルも4月11日から5月17日まで休業し、いずれも5月18日に再開したばかり。首都圏との不要不急の移動は6月18日まで自粛が要請されており、厳しいスタートとなっている。

「天狼院秘本」でちょっと変わった読書を プレイアトレ土浦店の幸田稔史店長

https://www.youtube.com/watch?v=KDldaboTwgE 【伊藤 悦子】 土浦のインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」で22日放映された第97回NEWSつくばチャンネルは、土浦駅ビルの天狼院書店プレイアトレ土浦店(土浦市有明町)店長、幸田稔史さんをゲストに招き、天狼院書店が薦める本などを聞いた。 店長のお薦めは「天狼院秘本」。購入時はどんな本かタイトルや内容を確認することはできない。また、読み始めても内容を他の人に教えない、返品は不可というルールがある。しかし「天狼院書店が自信をもって選んだ本なので、満足してもらえると思う」とし「自分では選ばない本に出合う楽しみもあるのでは」と語った。 家にいる時間が多い時期だからこそ「長編を読んでほしい」と、中国戦国時代を描いた長編コミック「キングダム」、プレイアトレ土浦店で複製原画展を行っている自転車コミック「弱虫ペダル」の紹介もあった。 レンコンの産地である茨城の人に薦めたいのが、かすみがうら市在住の野口憲一さん著「1本5000円のレンコンがバカ売れする理由」。茨城県産レンコンのことや、レンコン農家としての生き様などを知るきっかけとして読んでみてはと話があった。 またこれから、プレイアトレ土浦店で「崖落ち」というシステムが導入されるという。毎週開催される読書会で、参加者から紹介があった本を専用の棚に並べる。他のお客さんが購入すれば、その本はずっと棚に残るが、誰にも買われないと棚からはずされてしまう。これを天狼院書店では「崖落ち」と呼んでいる。自分が推薦した本が人気になって、店頭にずっと並ぶとこともありうるという。他店で並んだ期間のは最高記録2年で、有川浩著の「シアター」だったと話す。 欲しい本がお店にない場合は、店内各所に設置したリクエストノートに書くと、準備可能な本は導入し、レジ横のリクエストボックスに準備してくれる。また「本の知恵袋」というコーナーでは、「泣ける本ありますか?」など質問を書くと、スタッフだけでなく他の客からのアドバイスが貰えるというシステムもある。幸田さんは「ぜひお店に足を運んで、本を手に取って欲しい」と語った。 ◆天狼院書店「プレイアトレ土浦店」の問い合わせは電話029-897-3325。「弱虫ペダル」複製原画展は同2階イベントスペースで6月30日まで開催中。入場無料。

筑波山ジオパークとりんりんロード 魅力向上へコラボ始まる

【山崎実】筑波山地域ジオパークは認定から4年目の今年、再認定審査時期を迎える(3月17日付)が、ナショナルサイクルルートとして指定を受けた「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)との政策コラボによる魅力向上策が始まっている。 同ジオパークは、2012年、つくば市、土浦市など6市で構成する推進協議会が構想を練り上げ、16年9月、日本ジオパークとして認定された。 これまで推進協を中心に、ジオツアーやジオパーク内の食材を使用した料理、食品などの認定商品を各種イベントで提供するなど情報発信してきた。しかし一方で認定機関の日本ジオパーク委員会から課題を指摘されている。具体的には、推進協議会の事務局体制の強化、県及び各市との連携強化などだ。 今月19日、同りんりんロードの起点である土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」に、駅直結のサイクリングホテル「星野リゾートBEB5(ベブファイブ)土浦」がオープンした。双方の政策コラボによる地域活性化に期待が高まる。 県によると推進協は現在、土浦駅を起点に、ハス田が広がる田村・沖宿ジオサイト(土浦市)、崖にカキの化石の密集層がある崎浜・川尻ジオサイト(かすみがうら市)、約12万年前の地層を見ることができる歩崎ジオサイト(同)など、りんりんロード周辺のジオサイトをレンタサイクルで巡るコースをモデルコースの一つとして紹介している。 さらに土浦市など推進協の各市は、歴史や地形などを説明するジオガイドと一緒に、街なかを自転車で周遊するジオツアーなどに取り組み、県はこれらの活動を支援している。 県自然博物館職員によるジオガイドの育成、ジオサイト案内板設置手続きの調整などのほか、推進協事務局と県の関係部署による庁内連絡会議を毎年開催し、意見交換や情報交換を行っている。 差し迫った筑波山地域ジオパークの再認定には県も積極的で、今後はりんりんロード周辺だけでなく、広域エリアのジオサイトを自転車で巡るサイクリングルートの設計を関係市町村に働き掛けていく考えだ。「推進協議会との連携を強化し、再認定を受けられるよう一体となって取り組みを進めていく」(県政策企画部)としている。 ➡筑波山地域ジオパークの過去記事はこちら ➡つくば霞ケ浦りんりんロードの過去記事はこちら

【アングル土浦市長選】6 サイクリスト1.5倍に 駅ビルが起爆剤

【鈴木宏子】霞ケ浦や筑波山をめぐる全長約180キロの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の2018年度の利用者数が8万1000人と前年度の1.5倍に急増した。20年に10万人という目標を今年度中に上回りそうな勢いだ。 昨年、1.5倍に急増した理由について県地域振興課は、自転車道の整備などハード面の環境整備と、サイクリスト向けサービスの充実や情報発信などソフト面の取り組みのほかに、土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」がサイクリング拠点として開業したことが非常に大きいと分析する。 「土浦駅ビルは世界レベルのサイクリング拠点」だという評価も専門家から出ているという。駅直結の拠点施設で、シャワーやロッカーも整っていること、さらに駅ビル内にあるレストラン、物販店、コンビニまでもがすべて、自転車で利用できる「自転車ファースト」が貫かれていること、来年3月にはサイクリングを楽しむためのホテルが完成し、自転車の拠点施設としてのスケールの大きさが世界に例を見ないという評価だ。 選定されれば「次は世界」 つくば霞ケ浦りんりんロードは、日本を代表し、世界に誇る、国のナショナルサイクルルートの第1次指定候補にも選ばれた。瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県約70キロ)、琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)と並ぶ候補だ。 正式に選ばれれば、次は「世界に打って出る」と県担当者。英語や中国語などの看板表記を増やすなど環境を整え、さらにこれまでは台湾など自転車が盛んなアジアを中心にモニターツアーなどを開催してきたが、今後は個人旅行が主の欧米などからの旅行客にもPRしたいとする。 結節点から玄関口に 駅ビル「プレイアトレ土浦」のオープンは土浦市の位置づけを、サイクリングコースの結節点から、玄関口へと変えた。 こうした中、市は今年3月、霞ケ浦を臨む土浦港周辺の旧京成ホテル跡地にサイクリング施設「りんりんポート土浦」を整備した。今年度は次の段階として、マリーナを含む南側3.9ヘクタールに民間事業者の創意工夫を生かした集客・誘客施設の整備を促せないかと、民間事業者のヒヤリングなどを実施している。気運を捉えて、官民連携による観光拠点を整備し、にぎわいを創出したい考えだ。 =終わり ➡【アングル土浦市長選】の既報はこちら

3氏が考えを表明 土浦市長選公開討論会

【鈴木宏子】任期満了に伴う土浦市長選(11月3日告示、10日投開票)を前に、土浦青年会議所主催による立候補予定者の公開討論会が29日夜、同市中央、亀城プラザで開かれた。現職の中川清氏(74)、新人で県議の安藤真理子氏(58)、新人で水墨画家の相澤保男氏(81)の3氏が出席し、市の活性化、少子化や高齢化対策、安全・安心に暮らせる政策、霞ケ浦などの観光政策についてそれぞれの考えを表明した。 市の活性化について中川氏は「中心市街地は往来が増えた」と実績を強調し、立地適正化計画に基づき、めりはりのあるまちづくりをして、周辺地区に波及させたいなどと話した。安藤氏は「神立、おおつ野、新治、荒川沖とそれぞれ街ができているが、バスがとても少ない。点と点を公共交通機関で結んで回遊性があるまちにしたい」と語った。相澤氏は「モール505の空き店舗を全部、市で借り切って高校生などに無料で貸してあげたらいい。何かが生まれる」と話した。 少子化と高齢化対策について中川氏は、新婚世帯の引っ越し費用助成や産婦健診費用助成など数々の実績を挙げて「切れ目のない継続的な子育て支援を行っている」と述べた。高齢化対策については、中学校区ごとに専門スタッフを配置して支援の輪を広げる『ふれあいネットワーク』を土浦が日本で一番先につくったと強調した。安藤氏は、市立幼稚園の廃止と市立保育所の民営化について触れ「民でできることは民でやることが大切だが、市立の幼稚園と保育所を残すことも大切」と話し、高齢化対策については「元気な高齢者が街に出て、病院に行くだけでなく、遊びや趣味も楽しめるよう、公共交通網を整備する必要がある」と述べた。相澤氏は「高齢化は避けては通れないが少子化はどうにかできる」とし「1人目が生まれたら100万円、2人目200万円、3人目300万円の一時金をあげたらどうか」などと話した。 安全安心について中川氏は、自主防犯組織やLED防犯灯設置などの実績を挙げ「刑法犯認知件数が10年で半減した」と強調。防災や医療面でも実績を強調した。安藤氏は台風19号で避難勧告が出されたことを振り返り「旧市内の避難所は満杯状態だった。避難場所の見直しの必要性を強く感じた」などと話した。相澤氏は「花火大会でも事故があった。100%安全安心はない」とした。 霞ケ浦などの観光について中川氏は「来年(土浦駅ビルに)星野リゾートのホテルがオープンすればサイクリストを街なかに引き込める。つくば霞ケ浦りんりんロードがナショナルサイクルルートに選ばれたという機を逃さず首都圏のゲートウエイとして交流人口の拡大に努めたい」と話した。安藤氏は「霞ケ浦は土浦の宝。もっと多くの人が集まっていい素材」だと述べ、沿岸の市町村と連携して魅力を発信していくことが大事。SNSで情報を発信したり、足で出向いてPRしたり、国や県と連携して霞ケ浦の魅力をアップさせたい」と述べた。相澤氏は「霞ケ浦のまわりの市町村全部を合併させて人口44万人の政令市をつくり、霞ケ浦を船で行ったり来たりできる地域をつくりたい」などと語った。

《吾妻カガミ》66 自転車のまち土浦 星野リゾートの次は?

【コラム・坂本栄】「自転車のまち土浦」の追い風になるニュースが飛び込んで来ました。ひとつは「ナショナルサイクルルートに選定 つくば霞ケ浦りんりんロード」(本サイト9月18日掲載)、もうひとつは「土浦駅ビルに星野リゾート 来年3月、ホテル開業」(同9月30日掲載)です。詳細はクリックしていただくとして、この2つは土浦をブレークさせる強力なテコになるでしょう。 ナショナルサイクルルートというのは国指定のサイクリング路のことですが、琵琶湖ルート(全長190キロ)、しまなみ海道ルート(同70キロ)と並んで、つくば霞ケ浦ルート(同180キロ)も国交省のお墨付きをもらいました。旧筑波鉄道跡と湖一周路は東日本唯一の指定ルートでもあり、愛好者の人気コースになると思います。 駅ビルにホテルが入るという話は聞いていました。ビジネスの類だろうと思っていたのですが、星野リゾートが運営する、若手サイクリストを意識したカジュアルホテルと聞き、驚きました。星野ブランドを考えると、予約に苦労する宿になるのではないでしょうか。 駅ビルには、サイクリング関係の店舗・施設、開放的なレストラン・カフェ、ユニークな書店などがすでに入っており、駅から徒歩10分の湖畔にはサイクリスト用の市営駐車施設も設けられています。これらにサイクリングルート国指定と著名ホテル進出がプラスされ、「自転車のまち土浦」が全国に発信される仕掛けが整いました。 民による霞ケ浦湖畔リゾート開発 土浦の魅力発信がこれで終わりかというと、そうではありません。湖畔の市有地に、市がリゾート施設を誘致しようとしているからです。ここにはかってホテルが建っていました。ところが経営不振で廃業。跡地にマンションを建設する計画もありましたが、リーマンショックで中止。仕方なく市が取得したものの、有効利用されていない区画(一部は先のサイクリスト駐車場に)です。 市はここにリゾート施設を呼び込もうとしています。今は市の関連会社が運営しているヨット・ボート係留施設と観光船運行事業を、進出する企業に任せるのも面白いと思います。民間の知恵(ビジネスセンス)による水上(ヨット+ボート)と湖畔(サイクリング+リゾート施設)をセットにしたリゾート開発です。 湖の魅力度アップに必要な湖水の浄化は国県市の仕事です。私はその策として霞ケ浦を汽水湖(きすいこ)に戻したらと提案したことがあります。「霞ケ浦を一大リゾート地域に」という見出しのコラム(2017年12月19日掲載)です。これまでの産業政策よりも自然環境を重視する霞ケ浦浄化構想ですが、水質改善の根治(こんじ)策になると思っています。(経済ジャーナリスト) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

「本屋」がつなぐ可能性探る 土浦・図書館フェスでトークショー

【鈴木宏子】土浦駅前に移転・開館し、来月27日に2周年を迎える同市立図書館で5日、「図書館フェス」が始まった。初日の5日は、駅前に集積して立地する図書館、古書店、新刊書店3施設の代表者によるトークショーが催され、活字離れや出版不況がいわれる中、3施設による連携の可能性を探った。 トークショーは、土浦駅前に立地する県内一の市立図書館の入沢弘子館長、関東一の古書店「つちうら古書倶楽部」の佐々木嘉弘代表と、天狼院書店の三浦崇典店主が「本のはなし 本屋×古本屋×図書館」をテーマに語り合った。7月にNEWSつくばが実施した「土浦駅前『本屋』座談会」の続編でもある。トークショーの司会はNEWSつくば理事長の坂本栄が務めた。 土浦に編集部やこたつ劇 天狼院書店は5月に土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」に初出店した。三浦店主は、同店が都内の店舗などで開催している小説家養成ゼミの合宿を土浦で開催する場合を例に、3施設連携のアイデアを紹介した。 同社は10月末にも旅行業の資格を得ることを明らかにした上で、「来年3月に土浦駅ビルにオープンする星野リゾートのホテルで小説家養成ゼミの2泊3日の合宿ができる」ようになるという。参加者には「『佐々木さんの古書店にある本で小説を書く』というテーマを出して小説を書いてもらう。部屋にこもって書いていては体に悪いのでたまに自転車に乗って体を動かしてもらう。最終的に本が出来上がったら図書館に置いてもらう」など、連携のアイデアを話した。 さらに次世代の書店の姿については、写楽の浮世絵を出版した江戸時代の版元、蔦屋重三郎を例にとった。「蔦屋重三郎は自分で作って自分で売っていた。写楽は重三郎のところでしか買えなかった」と紹介し、「大量生産の時代ではない。作って、売ることを総合的にやっていきたい」との考えを披露した。来年4月、湘南に出版社をオープンさせるとも話し、「出版機能の9割はいま東京に一極集中しているが、分散していろんなところに編集部をもっていきたい。土浦にも編集部をつくろうと思っている」などと述べた。 ほかに、池袋が演劇の街になりつつあることに触れ、「やりやすいサイズの演劇『こたつ劇』を土浦でもやりたい。『こたつ劇』を広めて、土浦にシアターカフェ天狼院をオープンさせたい」などアイデアを次々に披露した。 高校生や団塊世代をつなぐ 三浦店主が、高校が10校あり9000人が通ってきている土浦について「土浦の高校生を活字中毒にしたい」と発言していることを受けて、図書館の入沢館長は「小学生のころから本に親しむと、本から離れる時期があっても本に戻ってくるといわれる。10年後の活字中毒者をつくるために、読み聞かせなどをもっと意識してやっていきたい」などと話した。 古書店の佐々木代表は、団塊世代が身辺を整理する「断捨離」や遺品整理などで毎月、同店に2トンほどの古本が持ち込まれていることから「東京・神田の古本市は古本や新刊、児童書などがいっぱい出て異常なくらいにぎわい、わくわくする。神田の古本市のような催しを土浦駅前でできたら」と提案した。 ◆図書館フェスは6日までの2日間。6日はイラストレーター、コンノユキさんによるハロウィンの不思議なカードを作るワークショップ、映画会、それぞれ大人と小学生を対象にしたおはなし会などが催される。問い合わせ:土浦市立図書館(電話029-823-4646)

《光の図書館だより》23 本の新たな魅力を発見しませんか?

【コラム・入沢弘子】ひと雨ごとに秋の深まりを感じる季節になりました。静かな夜、本をお供に過ごすのは至福の時間です。来館者の皆さんも館内に滞在して読書される方が増えてきました。 当館は来月27日で駅前に移転して2年。本日3日までに107万人の方をお迎えしました。平均すると市民の方が7回は来館されたことになると思っていたところ、先日「えっ、図書館って駅前に移ったの?」「駅前にはあまり行かないけど、移転したのは市役所だけじゃないの?」という方々にお会いしました。周知活動と図書館に足を運ぶ動機づけになるものが不足していたのだと痛感。 そこで「本」の新たな魅力を発見し、図書館を身近に感じていただくことを目的に、今週末「2019図書館フェス」を開催します。まだ来館されたことのない方にも、よくお越しくださっている方にも、小さなお子さんから年配の方まで楽しんでいただけること間違いなし!の内容です。 「戯曲を読む会」「映画鑑賞会」… 企画は、おなじみの「おはなし会」「リサイクルブックマーケット」から、「劇団主宰や俳優と戯曲を読む会」「ハロウィンのカード作り」「映画鑑賞会」「書店×古書店×図書館トークイベント」のほか、図書館前での「あおぞらマルシェ」「土浦ブランド認定品販売会」まで、数多くの催しを予定しています。 土浦駅ビルは「サイクリングリゾート・プレイアトレ」に変身。駅横には、図書館と市民ギャラリーも入居するアルカス土浦が完成し、高校生や若い家族連れで賑わっています。ぜひ、この機会に土浦駅前にお越しください。(土浦市立図書館長・市民ギャラリー副館長・市広報マネージャー) 「2019図書館フェス」 日時:10月5日(土)、6日(日) 午前10時~午後6時 場所:土浦市立図書館(土浦市大和町1-1 アルカス土浦内) 詳細はこちら ➡入沢弘子さんの過去のコラムはこちら

《吾妻カガミ》60 いま土浦が面白い 「本のまち」が起動

【コラム・坂本栄】前々回コラム(6月17日掲載)で予告した通り、土浦駅前にある図書館・古書店・新刊店のトップとの座談会が7月初めに実現しました。1館・2店の「売り」とコラボの可能性について聴く企画でしたが、実物の本を扱うお三方がネットの本屋(ネットで注文を受けて宅配/電子本を端末に提供するサービス)をどう見ているかも話してもらいました。 【土浦駅前「本屋」座談会】のやり取りは以下をクリックしてご覧ください。「駅ビルと近隣で進む『本のまちづくり』」(7月12日掲載)、「図書館+古本屋+新刊店による『ブック回廊』」(7月13日掲載)、「ネットとリアルの本屋は共存できる」(7月14日掲載)に3分割されています。 この企画、1昨年秋駅前に移った「土浦市立図書館」の入沢弘子館長の提案でした。5月下旬、土浦駅ビル「プレイアトレ」2階に新刊本屋「天狼院書店」がオープン。駅の近くには昔から「つちうら古書倶楽部」もあるので、図書館長と古書・新刊店主が会し、本をテコにしたまちづくりを議論したら面白いのではないか、と。当サイトがこのアイデアに乗り、実現したというのが舞台裏です。 新本宅配+貸本回収+古書発掘 天狼院の三浦崇典店主の話は愉快でした。同書店は、東京池袋、京都祇園、福岡博多に新刊を扱う店などを出していますが、そのモデルはユニークです。ひとつは、並べる本のジャンルを絞り込むセレクトショップ。もうひとつは、論文とか小説の書き方や写真の写し方などを教える講座を設け、本とリンクする体験を売りにしていることです。 三浦さんは、土浦店はオーソドックスな本屋にしたいと言っています。でも、かなり騒々しくなりそうです。というのは、入沢さんから駅を利用する高校生が多いと聞き、学生を活字中毒にしてしまおうと意気込んだかと思うと、本の宅配サービスを立ち上げ、貸出本の回収(図書館の仕事)と旧家に眠る古書類の発掘(古書店の仕事)も請け負う、3者コラボ案もぶち上げたからです。 このアイデアは、古書倶楽部の佐々木嘉弘代表の発言がヒントになりました。佐々木さんは体育館のように広い古書店を経営していますが、今は、古本の販売よりも古書類の買い取りが中心になっているそうです。著名作家の直筆手紙などを仕入れ、全国の好事家にカタログを送って販売する仕事です。 図書館をテコに駅前のにぎわいづくりを進める入沢さん。本をテコに知的ビジネスを構築する三浦さん。古本屋を古書骨董店に進化させる佐々木さん。土浦駅前の「本の回廊」は面白くなりそうです。(NEWSつくば理事長) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

【土浦駅前「本屋」座談会】㊤ 駅ビルと近隣で進む「本のまち」づくり

土浦駅ビル・プレイアトレ土浦に5月末、体験型書店「天狼院書店」が出店し、県内一の規模の市立図書館、関東一の売り場面積がある古書店と、次世代の書店といわれる新刊書店が土浦駅前に集まった。本離れや書店の撤退がいわれる中、過去から未来までを見通せる「3つの知の発信拠点」が駅前に集まったことは注目される。土浦市は、人口減少や少子高齢化問題を抱える地方都市だ。本を扱う3業態が連携して土浦で何ができるかを、市立図書館の入沢弘子館長、つちうら古書倶楽部の佐々木嘉弘代表、天狼院書店の三浦崇典店主が語り合った。司会はNEWSつくば理事長の坂本栄。 図書館はまちづくりにも貢献 ―駅前に図書館と古書店と新刊書店ができました。同じ本を扱っていてもそれぞれ業態が違うので、横のつながりをつくり、(みんながうまくいく)ウィンウィンの関係ができないいかと思い、この座談会を企画しました。まず、お三方に自分のところの売り、これが自慢だということを話していただき、そのあと、3者でどういったコラボが考えられるか、アイデアを出してください。私はアマゾンの電子本と宅配を多用しているので、現物の本を扱う書店や図書館が、ネット書籍や本のネット注文をどう見ているのかにも、関心があります。その辺もうかがいたいと思います。最初に、それぞれの業態の特徴を教えてください。 入沢 土浦市立図書館は県内で3番目に古く、今年で創立95周年になります。延床面積は県立図書館を抜いて茨城県内で一番大きく、5120平方メートル。開館して1年7カ月ですが、これまでに91万人の方にお越しいただきました。この数は図書館業界の中ではかなり早いようで、来館者の多さで評価をいただいています。 全国的に見ても、図書館が古くなり建て替えを検討している自治体が多く、加えて地方都市の駅前が衰退しているという、共通の課題があります。それを解決するために、図書館でまちを活性化できないかと、駅前に図書館を移す自治体が多くなっています。土浦の図書館も、本来の公立図書館としての機能のほか、まちづくりに貢献するという使命が与えられています。私たちはいろいろな取り組みを考えながら、この両輪で図書館を運営しています。 古書倶楽部の購入と販売は10対1 ―続いて、つちうら古書倶楽部の佐々木さん、お店の特徴をお願いします。 佐々木 うちが普通の書店と違うところは、お客さんの蔵書の買い取りが大きい比重を占めていることです。バブル経済期は古本屋があちこちにあり、土浦にも5~6店ありましたが、ほとんどつぶれてしまいました。私のところのお客さんは、茨城県南のほか、東京や神奈川からも来ますが、本を整理したいという方が多いです。つまり、古本の買い取りが中心で、店で買ってくれるお客さんはガタ減りしています。 アマゾンなどの本の通販や、ネットに載らない戦前の本、特に江戸とか明治時代の古い本とかを扱うことで対抗しています。 ―買い取る古本と販売する古本は、どういった比率ですか。 佐々木 圧倒的に仕入れが多いですね。だいたい10対1です。古本屋の組合があって、買い取った本のうち、土浦で不用なものは東京の交換会に出します。茨城の場合は水戸にありますが、各都道府県にも古本市場があり、毎月交換会が開かれます。 うちの場合、34年前に自宅で古書店を始め、それから駅前のイトーヨーカドー土浦店(2013年閉店)の中を借りて5年やりました。ヨーカドーが撤退するとき、本をどこに移そうか悩んでいたら、顔見知りのビルオーナーから「うちに入ってください」と言われ、東京、神奈川、福島の古本屋仲間約20人に声を掛け、今の店を立ち上げました。駅前のここ「パティオビル」に移って7年目になります。 土浦の天狼院はオーソドックスな店 ―続いて、天狼院の三浦さんです。本業界では実物本の販売が落ちているのに、どうして新刊店を出す決断をしたのですか。 三浦 私のところは、池袋で2013年9月にオープンしたのが1店目。その時に掲げたのが「リーディングライフの提供」です。本だけでなく、その先の体験も提供する、次世代型書店をつくろうと立ち上げました。東京、京都、福岡の店はセレクトショップの形をしています。つまり(ジャンルを絞り込んだ)セレクトした本を置く店のことですが、僕はもともとそういう書店はやりたくなかった。時代に逆行していると言われますが、5月末に開いた土浦店のようなオーソドックスな書店をやりたかった。 ―ということは、土浦店は昔風の本屋ということですか。 三浦 オーソドックスです。60坪の店に、売れ筋の新刊、コミック、参考書、雑誌、文芸書、文庫、新書、実用書、児童書の売り場があります。もちろん、体験を提供するのは得意なので、記事の書き方を教える「ライティングゼミ」とか、写真の撮り方を教える「フォト部」などの企画も持ってきてはいますが…。 でも土浦でやりたかったのは、一般の新刊書店です。お金もかかるし、もうかりませんが、やるからには勝算はあります。目指しているのは、寿命100年時代に、そのまちの知を担う書店であること。もうけるのではなく、存続させること。これが土浦店のコンセプトです。 ―参考までに、ほかの天狼院の店の形を具体的に教えてください。 三浦 京都祇園の店は町家を改装した40坪で、坪庭もあります。普段着姿の舞妓さんも来ます。外国人のお客さんも多く、売り上げの半分が外国人客で占めています。併設のカフェも人気です。本はセレクトしており、源氏物語の英訳版などインバウンド向けが売れています。スタッフには本好きを投入していて、京大の文学部出身者や本を書いている人もいます。 福岡の店は自習室カフェ、「いつまでいてもいい書店」です。クリエイターや勉強する人が1日中いて、カレーとか豚汁も売っています。 池袋は4店が散らばっているのですが、(書店ではない)カメラ技術を習得するスタジオや、ビジネス書専門の店もある。池袋は様々な発信基地、放送局みたいなイメージがあります。本店の東京天狼院は、部室のようなたまり場になっています。 ―その地のニーズに応え、その地その地で店の形が違うということですか。 三浦 すべてカスタムメードです。最初に掲げたコンセプトには「リーディングライフの提供」だけでなく、「iPS細胞のように自在に進化する」というのもあります。お客さんの欲望によって形が変わっていくということです。今の時代、どこに行っても同じというのは無理です。土浦は高校生が多いということなので、これに合わせて変化させていきます。現在は第1形態です。ゴジラみたいに第5形態までいきます(笑)。 高校生を活字中毒にしてしまおう 入沢 土浦は高校が多く、特別支援学校を入れると10校あります。昼間、土浦に来ている高校生は9000人ぐらいいる。駅前に図書館が新築移転して大きく変わったのは、高校生の利用カード(登録者)が旧館時代の82倍になったことです。図書館で勉強するだけでなく、移転前に比べると、6倍近く本を借りるようになりました。 三浦 ということは、僕らのミッションとしては、今の段階で「高校生を活字中毒にしてしまえばいい」ということですよね。(笑) ―土浦店は高校生を念頭にカスタマイズした方がよさそうですね。 三浦 そうなると思います。土浦一高をはじめとして勉強熱心な高校生が多いと聞いています。難関大学専門の参考書も入れてほしいとご要望をいただき、なるほどと思いました。土浦店ではここを伸ばせばいい、ここを削ればいいというのが見えてきました。あらゆる方向に伸ばせる可能性がある。今は夢想段階です。 時代逆行と言われるかもしれませんが、土浦では本の配達も始めようかと思っています。今はネットで買うと言われていますが、自分の父親はネットを使わないとか、スマホを使わずガラ携でいいという世代が結構いますから。(つづく) ▶入沢弘子(いりさわ・ひろこ)=土浦市立図書館館長兼土浦市民ギャラリー副館長、土浦市広報マネジャー併任。1962年生まれ。 ▶佐々木嘉弘(ささき・よしひろ)=つちうら古書倶楽部代表。茨城県古書籍商組合組合長。1954年生まれ。 ▶三浦崇典(みうら・たかのり)=天狼院書店店主。ライター、編集者、劇団主宰、映画監督、大学講師。1977年生まれ。

《吾妻カガミ》58 図書館と古書店と新刊店が大集合

【コラム・坂本栄】土浦駅ビルとその周辺が面白いことになっています。霞ケ浦と筑波山を巡るサイクリングロードの拠点となる「自転車のまち」に、図書館、古書店、新刊店が集まる「本のまち」が加わったからです。バイクとブック。なんの関係もありませんが、この動と静に心地よいものを感じます。 駅から歩いて1分の所に、一昨年オープンした土浦市立図書館があります。その先1分の所には、大きな古書店「つちうら古書倶楽部」があります。これだけでも面白いのに、5月末、駅ビル内に新刊書店「天狼院書店」が開店したのです。店主の意気込みについては、本サイトの記事「土浦駅ビル 『モデルつくり全国展開めざす』 体験型書店が意欲」(5月31日掲載)をチェックしてください。 心配性の私は、こんな近くに貸本と古本と新刊の館店が集まって大丈夫かと思ってしまいます。でも図書館長は、お互い連携して駅前を元気にしようと張り切っています。詳しくは館長のコラム「『本』を通じて賑わうまちへ」(6月6日掲載)をご覧ください。 本3兄弟の集合が、本の供給過剰にならないか? 逆に需要喚起につなげられるか? 後日、館長、両店主と議論できればと思います。電器のまち秋葉原、本のまち神保町は後者の好例でしょう。味噌ラーメン、豚骨ラーメン、支那ソバなどの店が隣接していれば、そこにラーメン好きが集まる相乗効果も、後者の例でしょう。 激変した本の流通と読書の形 小中学生のころ、土浦のまちには新刊本屋が何軒もあり、旧水戸街道沿いの白石書店、駅近くの共栄堂にはよく通ったものです。家の本棚には、これらの店で買った本が並んでいました。東京に住んでいたころは(1966~2003年)、神保町の古本屋と大型新刊店をのぞくのが楽しみでした。千代田区立図書館に足を伸ばしたこともあります。 しかし、ネット販売、電子本が普及した現在、本屋に立ち寄ることはまれになりました。今、私の部屋にある新本と古本の9割は「アマゾン」から取り寄せたものですし、ほぼ同じぐらいの数の電子本がクラウド上のライブラリーに収められています。 新聞もそうですが、本もネットの普及によって、流通形態(本屋で買う→宅配で届く)、読書形態(紙の本で読む→タブレットの画面で読む)が大きく変わりました。発注データで私の読書癖を調べ、推奨本(買ってくれそうな本)までメールで送って来る時代です。 本の入手方法や読書スタイルは、まちの本屋時代とは違ったものになりました。しかし、新本や古本を立ち読みし、その場で包んでもらう感触は別ものです。広い空間と機能的な図書館も別ものです。貸本館+古本屋+新刊店が生み出す、非アマゾンの世界、本好きが集まる場所、そして交歓、とても楽しみです。(経済ジャーナリスト) ➡坂本栄の過去のコラムはこちら

《光の図書館だより》19 「本」を通じて賑わうまちへ

【コラム・入沢弘子】5月末、当館お隣の土浦駅ビル「プレイアトレ」に待望の書店が開店。それも注目の「天狼院書店」です。同書店は出版不況の中でも、体験型書店という新しい形態で、続々と店舗をオープンさせている新刊本屋さんです。 大都市圏の展開だけと思っていましたが、土浦出店と聞き驚きました。プレイアトレの「コト発信」と「体験の共有」というコンセプトに合致したのでしょう。 駅から徒歩3分ほどの場所には、昔から親しまれているまちの本屋さん「マスゼン書店」と、関東最大規模の古書店「つちうら古書俱楽部」があります。本の好きな方には堪(たま)らない環境。これをまちの活性化につなげる方法はないでしょうか。 全国に目を移すと、本でまちの賑わいをつくる動きが増えています。2016年に青森県八戸市にオープンした「八戸ブックセンター」は、市が経営する書店として話題になりました。私も何度か私的に訪れましたが、通常の書店と異なる選書や分類方法でユニーク。「本のまち八戸」の中心拠点として、隣接する観光交流施設「はっち」や市民交流施設「マチニワ」とともに中心市街地の活性化に貢献しています。 関西では、17年に兵庫県明石市に誕生した「パピオス明石」が注目されました。JR明石駅前の再開発ビルを「本のまち明石」のシンボル施設とし、市立図書館と大手書店が入居することで駅前の通行量を増加させています。 図書館、新刊店、古書店が連携? そして当館は…というと、開館1年半で87万人をお迎えしました。市役所移転との相乗効果で、周辺の通行量が平日で約8,000人、休日は約12,000人増加しました。 先日、つちうら古書俱楽部の佐々木嘉弘代表と懇談した際、「図書館からウチへ流れてくるお客さんが増えましたよ」とおっしゃっていました。近くの飲食店でも、「図書館帰りにランチにくる人多いよ」と言われました。微力ながらまちの活性化のお役に立っているのかもしれないと、嬉しくなりました。 そして駅ビルに書店が開店。知的好奇心を満たすには、土浦駅周辺は絶好の場所です。公共図書館が書店や古書店と連携し、本を通じてまちに賑わいをもたらすことが今後の目標です。(土浦市立図書館館長兼市民ギャラリー副館長) ➡入沢弘子さんの過去のコラムはこちら

足並みそろえ10連休も連日開館 土浦市立図書館など4文化施設

10連休なんて取れるのはお役所ぐらい、と愚痴ろうとしたら、来月13日までお休みなしという公共施設を見つけた。土浦市立図書館と同市民ギャラリーからなるアルカス土浦(同市大和町)のカレンダーは、23日に始まった開館日程が、ゴールデンウイークをはさんで連続20日間に及ぶ。聞けば、27日以降は、企画展開催中の市立博物館(同市中央)、上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同市上高津)も歩調を合わせ、4つの文化施設が10連休にそろい踏みするという。令和の幕開け、土浦にどんな薫風が吹き込むか――。 プレイアトレのレストラン開設に合わせ 土浦駅前にあるアルカス土浦、隣接の土浦駅ビル(同市有明町)にはプレイアトレ土浦があって「つくば霞ケ浦りんりんロード」の拠点になっている。昨年3月のオープンから1年、同ビルでは26日にレストランゾーン「STATION LOBBY」が開設の運びとなった。飲食店の企画・経営を手がけるバルニバービ(本部・東京)が2・3階フロアを使い、150席のレストラン&カフェ「NANAIRO Eat at Home!」はじめ、カフェや中華バルなどを展開する。 この新たなにぎわいを「文化の町」の香りで迎えようとするのが、4施設合同での連休開館だ。市立博物館では特別展「町の記憶―空都土浦とその時代」を、ふるさと歴史の広場では「土浦の遺跡―古代のむらと中世寺院」を、ともに6日まで開催中。30日にはプレイアトレ土浦出発で上高津貝塚などを自転車でめぐる「平成最後の歴史めぐり散走」も開かれる。 市立図書館の入沢弘子館長は「10連休は、身近な場所や公共の文化施設でゆっくり静かに過ごすのも新鮮な体験。市民ギャラリーで開催中の絵本の展示は入場無料ですし、博物館や考古資料館も入館料以上の収穫があること間違いなし」と話す。 同図書館の開館時間は通常午前10時~午後8時だが、29日から来月6日までは午後6時閉館、同期間中市内の各分館は休館となる。 ちなみにつくば市立中央図書館は4月30日と5月1日が休館となるほかは開館する。 ➡つくば、土浦の10連休対策総ざらいのページはこちら

【土浦市長会見】4月1日 市職員に自転車通勤を推奨 4月から奨励週間導入

https://youtu.be/glqhw6LRYXA 【鈴木宏子】土浦市、中川清市長の定例会見が1日、同市役所で開かれた。同市でサイクリングの機運が盛り上がる中、中川市長は、自転車通勤推奨週間を4月から新たに導入し、市職員に自転車通勤を勧めていく方針を明らかにした。将来は市内の民間企業にも自転車通勤を広げ、市全体で自転車のまちづくりの機運をさらに盛り上げていきたい考えだ。 自転車通勤をしやすい気候の4、5、6月と9、10月の第4週を自転車通勤推奨週間とするという。ただし職員数などの目標は掲げず、やれる範囲で推奨していくという。 同市では3月30日にサイクリング施設「りんりんポート土浦」がオープンした=同30日付。さらに4月26日には「日本最大級のサイクリングリゾート」を掲げる土浦駅ビル、プレイアトレ土浦で第2弾となるステーションロビーがオープンする=3月22日付。こうした動きの中、健康面の施策として取り組むという。 同市では昨年9、10月に市職員を対象にした自転車通勤体験プログラムを実施したという。職員21人が週2日程度、自転車通勤を実施した結果、参加者の体重が減ったり、血中の中性脂肪値が低下したり、通勤後の気分が良くなるなど変化がみられた。自転車通勤が体に良いことが実証されたとして、結果を踏まえ、職員の健康増進と運動不足解消を図るため同週間を導入するという。 街中にこいのぼり1900匹 ほかに、5月5日の子供の日を前に、同市中央、亀城公園のお堀や中心市街地の街中にこいのぼり計約1900匹を飾る「土浦まちなか活き活き鯉のぼり事業」を、3日から5月6日まで開催すると紹介があった。昨年より約400匹増えるという。 街中を散策し回遊してもらおうと2010年から始まった取り組みで、今年は飾る場所をさらに2カ所増やし、土浦駅東口ペデストリアンデッキと亀城モールにも飾る。

【土浦市長会見】12月3日 廃園の市立幼稚園2園売却 12月議会に提案

J:COM茨城提供 土浦市、中川清市長の定例会見が3日、同市役所で行われた。今年3月末で廃園となった市立幼稚園2園の土地・建物を民間に売却する予算案など計28件を、4日開会の市議会12月定例会に提案することを明らかにした。 市立幼稚園の園児数の減少などから、市は今年3月、市立5園のうち土浦第二(同市富士崎、敷地面積3668平方㍍)、大岩田(大岩田東、2649平方㍍、)、都和(板谷、3129平方㍍)の3園を廃園とした。 その後、跡地を購入して利活用する民間事業者を公募した結果、2園についてそれぞれ1事業者から提案があり、土浦第二は、幼稚園などを運営する学校法人常福寺学園(つくば市)が認定こども園として、大岩田は建設会社、日東エンジニアリング(土浦市小松)が日帰りデイサービス・ショートステイ施設として利用したいとの提案があった。審査の結果、9月に2事業者が売却先として選定された。 売却価格は土浦第二が約8700万円(市の希望価格は約7900万円)、大岩田は約3500万円(同約4500万円)。一方、都和幼稚園については購入を希望する事業者がなかった。 12月議会では、市の希望価格を約1000万円下回った大岩田幼稚園跡地の譲渡や、2園の売却価格約1億2200万円を一般会計補正予算に計上する案などについて諮る。 「りんりんポート土浦」来年3月オープン予定 ほかに、現在整備中の土浦港周辺広域交流拠点(同市川口)の名称を「りんりんポート土浦」とし、来年3月にオープン予定であることから、同施設の設置管理条例案を提案する。 同施設は、多目的室やシャワー室がある休憩施設、イベント広場や遊具広場、芝生広場で構成される広場、駐車場(約100台収容)と駐輪場(約40台)などが整備される。今年3月土浦駅ビルにオープンしたサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」と並んで、車で来訪する自転車愛好家の拠点となるほか、市民の憩いの場となる。休憩施設の屋上からは霞ケ浦が一望できるのが特徴だ。広さは約1.2㌶。市が直営で運営し開館時間は午前9時から午後6時、年末年始以外は無休、駐車・駐輪料金は無料になる予定という。 一般会計補正予算ではほかに、大阪北部地震で小学校プールのブロック塀が倒壊し女子児童が死亡した事故を受けて、まだ改修が終わってない学校施設以外のブロック塀の調査や改修工事費、神立駅西口の駐輪場整備に伴う既存駐輪場の解体工事費の増額、障害者(児)への日常生活用具給付費の増額などを提案する。 台風24号被害修繕費6300万円に 9月30日から10月1日にかけて本州を縦断した台風24号によよる市施設などの被害額が計6300万円に及んだことも明らかにした。台風24号では、土浦市大岩田、霞ケ浦総合公園のポプラの大木が根こそぎ倒れるなど大きな被害があった=10月1日付け=。被害修繕費の内訳は、公園や市道の倒木の伐採・撤去費用や学校の窓ガラス、フェンス、屋根などの修理費用など。 中川市長は今年1年間を振り返り「台風や大地震など改めて自然の驚異を感じた年だった」などと語った。

土浦に新イメージ 浮世絵調ポスター好評

【鈴木宏子】相撲と軟式野球の茨城国体リハーサル大会に向け、同国体土浦市実行委員会(事務局・同市教育委員会国体推進課)が制作した浮世絵調のポスターが好評だ。市職員の若田部哲さん(42)がボランティアで描いた。「古い歴史がある土浦は、浮世絵調のイメージがマッチしているのではないか」と若田部さんは新たな土浦のイメージを模索する。 ポスターは、8月19日に国体リハーサル大会として霞ケ浦文化体育会館(同市大岩田)で開催された第57回全国教職員相撲選手権大会と、11月2~6日、J:COMスタジアム土浦(同市川口)など県内6カ所で開催される第26回東日本軟式野球選手権大会=メモ=の2種類ある。 相撲選手権は、霞ケ浦や帆引き船、筑波山を背景に、力強い筋肉が強調された力士が両足を踏ん張って組み合う姿が浮世絵調に描かれている。軟式野球選手権は、青い稲妻と赤い炎を背景に、対戦チームのピッチャーとバッターが互いににらみ合う緊迫した瞬間が描かれている。 相撲選手権のポスターは例年、高校生などからデザインを公募していたが、今回は地域紙にイラストを描くなど実績がある若田部さんに制作を依頼し、ポスターのほかチラシやプログラムにも使用した。市民のほか共催の日本相撲連盟からも「味がある」「躍動感がある」などと好評で「ポスターをもらいたい」などの問い合わせもあったという。 同実行委は、続く11月2日開幕の軟式野球選手権のチラシデザインも若田部さんに依頼。A4判で1500枚を印刷し公民館など市公共施設に置いて大会をPRしている。 若田部さんは土浦駅前、アルカス土浦1階市民ギャラリーに勤務し、土浦の風物や自然をほのぼととしたイラストで描いてきた。浮世絵調はこれまでとはまったく異なる作風だ。今年3月、サイクリング拠点としてリニューアルオープンした土浦駅ビル「プレイ・アトレ土浦」のオープニングイメージポスターが浮世絵調だったことに触発されたのがきっかけという。「隣の新しいイメージのつくば市と比較して、歴史ある土浦市は浮世絵調が合っているのでは」と話す。 メモ 【茨城国体軟式野球競技リハーサル大会兼水戸市長旗第26回東日本軟式野球選手権大会】全国トップレベルの大会の一つで、東日本23都県代表の実業団28チームが出場し11月2~6日までの5日間、土浦、牛久、水戸市など6市で開催される。県内からは県代表の筑波銀行のほか常陽銀行、筑波病院など5チームが出場する。

泳げる霞ケ浦 300人が体感 トライアスロンフェスタ初開催

【池田充雄】霞ケ浦をアピールするスポーツイベント、第1回霞ケ浦トライアスロンフェスタが23日、土浦市川口の土浦新港周辺特設コースで開かれた。全国から約300人が参加し、秋晴れの空の下、スポーツを通じて土浦の街と自然を体感した。 今年3月、土浦駅ビルにサイクリング拠点「りんりんスクエア土浦」がオープンし、10月15日から「第17回世界湖沼会議いばらき霞ケ浦2018」が開幕するのを記念し、県トライアスロン協会と土浦青年会議所(JC)が実行委員会を組織して主催した。大会副会長で土浦JCの2018年度理事長、伊東博幸さんは「水質が安定してきた霞ケ浦をアピールし、さらなる浄化へ弾みを付けると共に、一人でも多くの人に私たちの郷土の魅力に触れていただき、交流人口の拡大と地域振興に貢献したい」と話す。 コース設定はスイムは土浦新港内、バイク(自転車)は手野・田村町のりんりんロードとハス田地帯の農道、ランは川口運動公園の周辺や新川沿いの緑道を走った。特にバイクのコースを「自然豊かで気持ちよかった」と評価する参加者が多かった。 女子レギュラーの部で準優勝した筑波大トライアスロン部の柿野日菜さん(4年)は「走っていてレンコン畑が楽しかった」と話した。ファッションモデルでトライアスリートとしても知られる道端カレンさんも競技の一部に参加し、霞ケ浦の水質に「濁り具合は近くの人もよく見えないほどだったが、思ったより泳ぎやすく、口に入った水も普通で気にならなかった」と感想を述べた。 今後、実行委員会では、この大会を年々盛り上げていき、将来的には霞ケ浦を一周する大規模なものに育てたいと考えているという。

官民一体で誘客へ 協議会発足 つくば霞ケ浦りんりんロード

【鈴木宏子】これまで行政主導で進められていた自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の情報発信や環境整備を、これからは官民一体で進め誘客を図ろうと、6日、「つくば霞ケ浦りんりんロード利活用推進協議会」(会長・大井川和彦知事)が発足した。 県と沿線14市町村のほか、県内の民間企業、大学、商業や観光、農業団体など計111企業・団体などが同日、霞ケ浦湖岸にある土浦市滝田の結婚式場アジュール土浦で設立総会を開いた。副会長には土浦市の中川清市長、常陽銀行の笹島律夫頭取、JR水戸支社の雨宮慎吾支社長、県サイクリング協会の青山俊士専務理事の4人が就いた。 2016年11月、霞ケ浦湖岸を走る「霞ケ浦自転車道」と筑波山西側の旧筑波鉄道跡を走る「つくばりんりんロード」がつながり、全長180㎞の自転車道が全線開通して1年半が経ち、来訪する自転車愛好者が増えていること、今年3月、サイクリングを楽しむ拠点施設「りんりんスクエア土浦」が土浦駅ビルにオープンし、民間の気運が盛り上がってきたことなどから設立に至った。 これまで環境整備を進めてきた「水郷筑波サイクリング環境整備事業推進検討会」(県と沿線14市町村で構成)と、広域レンタサイクル事業に取り組んできた「水郷筑波広域レンタサイクル事業実行委員会」(県と周辺7市で構成)の2団体を統合し、新たに民間企業や民間団体が加わる。 今後は、つくば霞ケ浦りんりんロードを核に、霞ケ浦や筑波山地域のPRや誘客活動、サイクリング環境整備や広域レンタサイクル事業などに取り組む。 具体的には今年度事業として、統一ロゴデザインの制作とのぼり旗の作成、自転車愛好者向け土産品の開発、沿道の花植えなどのほか、コースを走破した人への認定証発行、スタンプラリーや写真コンテストの開催などを実施する。広域レンタサイクルは電動アシスト自転車を4台増やす。 会長の大井川知事はこの日、会場近くの霞ケ浦湖岸を自転車で走って総会に出席し、サイクリング推進への思いの強さをアピールし「官民一体となって取り組みを推進したい」などと強調した。

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