【橋立多美】筑波学院大学(つくば市吾妻、大島愼子学長)と、県立筑波高校(同市北条、國府田稔校長)が29日、地域に根差した教育の発展を目指し連携協定を締結した。同大で調印式が催され、大島学長と國府田校長が協定書に調印した。

同大は社会力豊かな人材育成を目的に、2005年度から「つくば市をキャンパスに」を掲げた「OCP」(オフ・キャンパス・プログラム)プログラムを開始。地域の約100団体と協働で活動を続けている。

一方、同高校は地域を知り社会性を身に付けた高校生の育成を目標に、16年度から2、3年生が教室を出て、周辺の公共施設や民間事業所など18施設で体験実習する独自授業「つくばね学」を実践している。

地域社会に貢献する人材育成に尽力する両校の連携により、同高の「つくばね学」の講座の一つとして同大で1年間、同大教員が教える講座を受講できるようになる。これまで、大学教員が高校に出向いて単発的に講義を行うことはあったが、継続的な受講は県内初の画期的な取り組みという。

大島学長は「この取り組みで大学は高校生が何に興味があり、何が課題なのかを知ることができる」とした上で、「生徒は大学での学びを体験することで、進学したら広い視野に立って学べることを知り、将来への気づきにつながる」とした。國府田校長は「筑波学院大との連携により、筑波山麓の地域社会だけでなく市中心部とのつながりを深め、多様な教育の場を広げて学校を発展させていきたい」と話した。

同高の生徒が同大学で講義を受ける取り組みは20年度の入学生からで、大型バスで送迎される。同大は、実施に向けて高校生向けにアレンジしたカリキュラムを編成するそうだ。