国際別科※ アグン アリフ ウィボウォ

インドネシア中部ジャワ州出身の アグン アリフ ウィボウォです。インドネシア芸術大学美術学部在籍中に日本人留学生と知り合い、卒業後の2013年に来日し、結婚しました。現在、36歳です。当時は、「はい」と「ありがとうございます」しか話せませんでしたが、少しずつ日本の生活にも慣れて、日本語も話せるようになりました。現在、龍ケ崎市に住んでいます。

インドネシアは、小さいものも含めると1万以上の島々から成る島国です。多民族国家なので、国民は宗教の自由が保障され、地域ごとにそれぞれの文化や言語を持っています。公用語として使われるインドネシア語のほか、地域の言語は500以上もあると言われています。そして、美しい自然や豊富な資源にも恵まれています。

■地域活動通して日本を知る

日本では地域活動に積極的に参加することを心がけています。7月に3日間かけて行われる地元の八坂神社祇園祭には2014年から毎年参加しています。大学で芸術を学んだので日本の文化にとても興味があります。祭りでは地域の人と同じ法被(はっぴ)や褌(ふんどし)をつけます。褌を最初に見た時には驚きましたが、みんなと一緒だと抵抗なくつけられました。日本のお祭りはみんなが集まって、ワイワイとやるのが面白いし楽しいです。

地域の消防団にも入団しています。特に心に残っているのは、消防の技術を競う大会に出場したことです。きびしい訓練もありましたが、仲間達との絆も深まりました。日ごろから防災意識を持って準備をすることは、とても大切なことだと学びました。

地域活動に参加することは、私自身の日本語の勉強にとても役立ちました。日本の文化や歴史を知ることも出来ました。日本に限らずどこにいても、地域の住民が協力し合うことや伝統を受け継ぐことは素晴らしいと思います。

昨年の八坂神社祇園祭で法被を着たアグンさん

■日本の木工技術に驚く

インドネシアの大学ではホテルや家に飾るレリーフなどの木彫刻を制作していたので、木に関する仕事に興味を持っていました。日本に来て驚いたことは、木造建築の高度な技術です。美しさだけではなく、地震の多い国の建築物として、細部まで良く考えて作られていることも知りました。高度な技術を支えるための、優れた大工道具もたくさんあります。どの道具をどこに、どうやって使っているのでしょうか。知れば知るほど新しい疑問が出てきて、もっと深く学びたくなりました。

■大工道具に興味わく

私は妻の実家が経営する木工・電動工具のお店を手伝っています。店には大工のお客さんが多く訪れるので、私も友達になりました。今、大工さん達から大工道具の使い方などを習い始めています。大工さん特有の言葉が難しくて苦労していますが、とても興味ある分野なので面白いです。

私も作品を作りながら、地域に根差した店作りをして店を大きくしたいです。日本の大工道具は品質が良いし、長持ちするため海外で人気が高いです。将来はインターネット販売をやって、日本の技術の高い大工道具を海外にも広げていきたいと思っています。

 

※国際別科:外国人が中級から上級の日本語を集中的に学ぶための筑波学院大学の特別な1年間のプログラム