国際別科※ アイムベゴヴ ニヤズ

ニヤズと申します。名前がちょっと難しいから、他の人たちから「二さん」と呼ばれています。35歳です。半年前、妻が筑波大学に入学したので、家族とカザフスタンから来日して、つくば市で暮らしています。以前、会計会社で10年間、ITサービスデスク長の仕事をしていました。その前、カザフスタンの日本センターで働いていた時、日本に興味があったので、日本語を2年間勉強しました。10年後の今、それがすごく役に立ったと思います。

でも、日本に来て、文化と日本語をもっと学ぶと、日本語能力がまだ低いことを実感します。日本に来たばかりのときに経験した言葉や文化の問題について紹介します。

■「園長」?「延長」?

私は娘を保育園に預けています。あるとき、ディレクター(責任者)さんに相談したいと思いました。職員の人からディレクターは日本語で「えんちょう」と聞きました。そのすぐ後、つくば市立中央図書館に行って本を返そうとしたら、そこの職員から「えんちょうしますか?」と聞かれました。

「どうしてまたディレクターさんの話が出るのだろう?」と不思議に思い、「いいえ、えんちょうさんはいりません。本だけ返します」と答えました。その後、バス乗り場でスマホの辞書を調べて初めて、保育園の「園長」と本の貸出の「延長」の違いがわかりました。

つくば市の赤塚公園の稲荷神社に家族と遊びに行き、子どもを撮影する妻を撮影。

■「見送りの文化」にびっくり

ほかには文化の話もあります。ある日、家族と「キュート」の店に行き、サプリメントを買ってお金を払いました。店員さんが商品を袋に入れたので、袋をもらおうと妻が手を出しました。すると、袋を差し出しそうとした店員さんは急に気が変わったように、私達の袋を手に出口の方に走り出したのです!それを見た妻と私は呆然。「やばい!店員さんが私たちのサプリを持って逃げている!」という思いが一瞬頭をかすめました。

しかし店員さんは出口の前で私達を待ち、袋を渡してくれたのです。妻と私は安心しました。これも、店員が買ったものを出口まで運んで、見送ってくれる日本の文化と知りました。

■技術だけでなく態度も大切

現在、私は日本の運転免許をもらうために、自動車教習所に通っています。はじめは1カ月で免許が取れると思いましたが、3カ月かかってしまっています。理由は、日本の運転免許をとるための試験は大変難しいからです。

教習所の先生が教えるのは、運転技術だけではなく、試験を受けるときの態度もです。例えば、試験を受ける前と後には挨拶をしなければなりません。私はおそらくそれが分かっていなかったので、仮免許をとるのに4回もかかってしまいました。

日本で楽しく住むためには、日本語で話す能力だけでは足りません。読み書きができることに加えて、文化のニュアンスを理解しようとする姿勢を持つことが大事です。

 

※国際別科:外国人が中級から上級の日本語を集中的に学ぶための筑波学院大学の特別な1年間のプログラム。