経営情報学部経営情報学科4年 ダカル オム プラカス

ネパール出身のダカル オム プラカスです。2000年に高校を卒業後、働きながら留学費用を貯めて13年に来日しました。高校の教科書で「日本は技術力が高い。日本人はまじめで一生懸命働く」と学び、ぜひ日本で勉強したいと思ったからです。来日後、2年間日本語学校で勉強しましたが、当時はほとんど日本語が出来ず、病気になった時など大変でした。でも今は日本の生活を楽しんでいます。

ネパールは北海道の1.8倍しかない小さな国ですが、文化、言語、祭りがたくさんあります。人口の約80%を占めるヒンズー教徒には現在も身分制度(カースト制度)があり、その違いにより文化や風習も大きく異なります。私が育った文化を基に、ネパールを紹介したいと思います。

■生まれた時間が名前に

日本人は結婚する時に相手の名字を気にしません。でもネパールでは同じ名字の男女は結婚できないので、知り合った時から名字を気にします。

ネパールの一般的なあいさつは、目上の人には両手を合わせて「ナマステ」「ナマスカル」と言います。友達とは右手で握手します。両親や祖父母に対して、男性は自分の頭を相手の足の上にのせてあいさつします。女性はこの様なあいさつを自分の夫にだけしかしません。

日本人は病院で赤ちゃんが生まれた時、両親が自分で名前を考えて付けます。ネパールでは赤ちゃんが生まれて11日目に名前を決めます。パンチャンカレンダーというカレンダーを見て、生まれた時間の文字を選んで名前にします。離乳食も生後6カ月目からと決まっています。

ネパールの葬儀は日本と大きく違います。死んだ人の体を川の近くに持って行って燃やし、爪など体の小さい部分(アッツ)だけ残し、それ以外の灰は川に流します。アッツは川の上流の霊的な場所に持って行き、そこから流します。葬儀の時、日本では黒服を着ますが、ネパールは決まっていません。両親が死んだ場合は、子供はその日から13日間、白い服を着ます。そして亡くなった人の子供たちが父親の写真が飾ってある部屋で寝起きし、ほかの家族と別に暮らします。毎日、川に行って体を清め、食事を全て自分で作って食べます。魚、肉、卵、などは食べるのを禁止されています。塩も11日まで食べられません。

日本語学校でスピーチコンテストに参加したプラカスさん

■私立小学校は英語で勉強

ネパールの学校は午前10時から午後4時までで、休みは金曜日半日と土曜日です。銀行、官公庁なども同じです。

小学校から私立と国立があります。私立はネパール語の授業以外は全科目英語で勉強し、学校の中では英語しか話せません。例外としてネパール語の先生とはネパール語で話すことができます。私立の生徒の中には、役場に出すネパール語の書類を提出できない人もいます。一方、国立の学校では英語の授業以外は全部ネパール語で勉強します。

ネパールの食事はカレー(炒めた野菜など)、ダール(豆のスープ)とライスを一緒に手で混ぜて食べるのが一般的です。最近はスプーンを使う人が増えていて、私もスプーンで食べます。

冷たい飲み物を好む日本人と違い、ネパールの人は夏でも暖かいものを飲みます。お茶のほかに水牛ミルクがよく飲まれています。

■祖国に貢献したい

日本に住んで「日本は技術力が高く、日本人は一生懸命に働く」ことを実感しました。まずは日本で就職したいと思っています。ネパールに帰っても、日本で勉強した技術を生かす仕事が今のネパールにはないからです。でも将来は、日本で勉強したことをもっと深く身につけてネパールに戻り、ネパールの発展に貢献したいと思っています。