《留学生エッセー》8 にぎやかなべトナムのお正月が恋しい

アルバイトをした魚店でマグロの解体を手伝ったテさん

経営情報学部経営情報学科3年生 ルン テ ティン

私はベトナムの首都ハノイの北西部フート省から来たルン テ ティンです。小さい頃から日本の漫画、アニメなどが好きで良く見ていたので、日本の文化に興味を持ちました。日本は世界の経済大国ですが、ベトナムの経済はまだまだです。私は経済をもっと勉強したいと思い日本に留学しました。

2013年に来日し、両親が銀行から借りてくれた留学費用を返すため、勉強しながらアルバイトにも励みました。今、大学の授業料や生活費は全部アルバイトで出しています。勉強とアルバイトで大変ですが、5年間で両親にお金を完済できてうれしかったです。

■家族総出で祝う

ところで私は来日してからお正月に帰ったのは1回だけです。毎回帰りたいのですが、費用がかかるので我慢しています。ベトナムのお正月はテットといって、日本のお正月とは違います。今回は、テットについて紹介します。

日本と異なりベトナムは旧暦でお正月を祝います。旧暦の12月22日から3週間近く会社、学校、商店が休みになり、街も人も新年を迎える準備で忙しいです。年末は市場も正月用品を売るのでにぎわっています。

各家庭では、家族全員で大掃除をしたり、買い物をしたり、正月料理を作ったりします。飼っている牛や豚を解体したり、正月用に育てた野菜を使ったりして料理をつくります。

仏壇には、祖先へのお供え物のマムグークア(5種類以上の果物)を準備します。北部では桃の花(ホアダオ)とバインチュン、南部は黄色い梅の花(ホアマイ)とバインテットが必ずあり、他には果物のムットがあります。バインチュン、バインテットは、どちらも豚肉の塊(かたまり)、米、多量のグリーンピースをつぶしたものをバナナの葉に似た葉で包み大鍋で12時間ゆでる正月料理です。ゆでている間、家族が鍋を囲んでお酒を飲んだり、おしゃべりをしたりするのがベトナムのテットの光景です。

ベトナムのお正月料理。中央右の四角い料理がバインチュン

またテットでは兄弟、いとこ、孫など家族みんなが集まって、親戚の家にもお祝いに行きます。子どもには健康や早く成長することを、お年寄りには健康、長命などを、大人には健康、冨、幸運などをそれぞれ祝います。ベトナムにもお年玉があり、赤や金色の専用の袋にお金を入れ、子どもだけではなくお年寄りにも渡します。

ベトナムのテットと比べると、日本のお正月は静かで、私には寂しく感じます。お店も通常通りに開いているので、お正月らしい雰囲気がありません。家族みんなでにぎやかに新年を祝うベトナムのテットが恋しいです。

■料理で日越のかけ橋に

テットでベトナムの正月料理についても紹介しましたが、実は私は料理を作ることも食べることも大好きです。今は居酒屋のキッチンで料理を作るアルバイトをしています。

大学卒業後は日本の飲食関係の会社に就職して会社経営を学びたいです。その後、ベトナムに戻り、飲食店を開いて、日本料理をベトナムに広めるのが私の夢です。