《留学生エッセー》7 日本で暮らした5年間 一生変えるほどの経験

県国際交流協会の親善大使のツアーでひたち海浜公園を訪れたコウさん

経営情報学部経営情報学科3年生
コウ レツジュン(向 列順)

私は中国・湖南省出身のコウ・レツジュン(向列順)です。日本に来て5年目になります。この5年間で、来日するまでは想像もできなかった、自分の一生を変えるほどの楽しいことや苦しいことを経験しました。

■辛さで来日を実感

来日した最初の日のことを今でも鮮明に覚えています。友達と5人で来日しました。山のような荷物と、不安はあるけれどもワクワクした気持ちで、空港に迎えに来てくれる水戸の日本語学校の先生を探していました。水戸に行く車の中で先生は一生懸命話しかけてくれましたが、私達は日本語が話せず黙ったままでした。

アパートに着いて荷物を整理しました。体は日本にあるのに心はまだ飛行機に乗っているようで、どうやって落ち着かせて良いか分かりませんでした。

その後、先生と食事に行きました。私たちは注文することが出来ないので先生と同じ物を選びました。量は多いし、サラダなど生ものは食べ慣れていません。日本ではご飯を残してはいけないと聞いていたので、我慢して食べたのですが本当に辛い経験でした。でもこの辛さこそ日本に来たことだと実感しました。

■アニメで日本語勉強

5年間で一番感謝したいのは、一緒に日本に来た友達です。留学生は言葉が通じず食べ物も合わないなど、日本の生活習慣に慣れなくて心の病気になりやすいと聞きます。でも私は友達と一緒だったのであまりつらくはありませんでした。

共に来日した仲間と遊びに行った大洗海岸。仲間と一緒だったので留学生活もあまり辛くなかった

けれど何事も一利一害です。私は日本語学校での2年間、ずっと友達と中国語で話していました。そのため日本語の文章は読めるけれど全然話せるようになりませんでした。

言葉に自信を持てるようになったのは日本語学校から筑波学院大学に入学した1年生の夏休みです。アニメを見て日本語を勉強する方法が良いと聞いていたので、私も試してみました。最初は字幕を見てしまっていましたが、そのアニメの160話くらいから字幕がなくなり、字幕なしで見るしかなくなっていました。それで日本語を聞く力が格段に良くなったと思います。

それ以来私は簡単なアニメを探し、1度目は中国語字幕を見る、2度目は日本語字幕で見て分からない単語は辞書で調べる、3度目以降は字幕なしで見て聞く力を鍛えました。日本語能力はだいぶ上達したと思います。

留学生にとって言葉は一番基礎的なものです。3年生の後期にたくさんの授業の単位を落とした私は深くそう思います。2年生で専攻したメディアデザインコースは課題が多く難しいため、留学生は私一人でした。メディアデザインは様々なソフトウェアを使います。それらのソフトは辞書に載ってないカタカナ用語が多く意味が分かりませんでした。さらにソフトをうまく扱うには美術のセンスや創造力も必要となるため、授業についていけませんでした。今は中国のネット授業を見て勉強しているので、卒業までには追いつけると思います。

■日本はチャンスが多い

苦しいことはありましたが、留学を後悔していません。学院大の4年間、県国際交流協会の親善大使として自衛隊員と一緒に防災訓練をしたり、中学生に中国文化を紹介したり、バスツアーで寺院や水族館を観光しました。つくばマラソンでボランティアをしたり、知的障がい児の世話を体験しました。筑波学院大学などが主催した国際的なプログラミング対抗コンテストで学生スタッフとして活動しました。

私は日本の暮らしやすい環境、特に田舎が好きです。春にはどこでも桜が咲き、夏はヤマモモが赤くなり、秋は栗の実がなり、冬には梅の花がほころびます。中国の田舎に比べると空気も良いし、交通も買い物もとても便利です。

卒業後も日本で就職したいと思っています。日本はチャンスが多いと思うからです。中国は近年著しく成長しています。日本にいる中国人留学生として、有意義なことをして、有意義な人間になりたいと思います。