経営情報学部経営情報学科3年生
グェン グック ナム

ベトナムから来たナムと申します。故郷はフンイェン省というところです。2013年4月に来日し、現在、筑波学院大学の3年生です。

初めて日本に来た時は、日本語はもちろん、日本の生活についても分からないことが多くて困りました。日本とベトナムは、同じアジアの国ですが、生活習慣や文化についてはたくさんの違いがあります。

日本の生活は、便利で、親切な人が多く、おいしい料理がたくさんあります。その一方で、物価が高く、生活費がかかります。今回は、私が気がついた日本とベトナムの違いを紹介します。

■ベトナムはコーヒー50円

日本では牛丼屋や回転寿司店で食べると1人500円ぐらいかかりますが、ベトナムではカジュアルな店では150円から食事ができます。またベトナムには喫茶店が多くあり50円ぐらいでコーヒーが飲めますが、日本の喫茶店ではそんなに安い値段で飲むことはできません。日本は喫茶店の代わりに自動販売機がたくさんあり、多くの人が利用しています。

■日本の大学生はよくバイトをする

ベトナムの大学生はあまりアルバイトをしません。する場合も家庭教師などに限られます。一方、日本の大学生はよくバイトをします。また業種も家庭教師だけでなく飲食店などでも働いています。私も日本では生活費をまかなうために週4回、回転寿司店でバイトをしています。バイトのメリットは社会経験をつめることです。私もバイトを通じて成長しました。一方、デメリットは勉強時間が少なくなってしまうことです。試験のときはとくに大変なのが悩みです。

■自転車は右?左?

日本の交通は左側通行ですが、ベトナムでは右側通行です、最初に日本で自転車に乗った時は、どちら側へ行くか迷いました。日本では電車を使っている人が多く、さらに日本の電車の時間はいつも正確です。一方、ベトナムでは電車がないので、ほとんどの人が移動には車やバイクを使っています。しかし大きい車とバイクが一緒に走るので、バイクが巻き込まれるといった交通事故もよく起きています。

ベトナムは日本と違って右側通行。道路には大きい車とバイクが混在するので交通事故も多い(イメージ写真)

■入学式は9月

日本の教育制度は小学校6年、中学校3年、高等学校3年、大学4年ですが、ベトナムでは小学校5年、中学校4年、高等学校3年、大学4年と少し違います。また日本の入学式は4月、卒業式は3月ですが、ベトナムでは9月に入学式(建国の父・ホーチミンが独立宣言をした9月2日の直後)、6月に卒業式を行います。

■日本の家族関係は冷たい?

ベトナム人は家族の絆が強いです。日本人からは強すぎるようにみえるかもしれません。20歳になったら親元を離れますが、休日のたびに実家に帰ります。結婚したら親と一緒に住むか、近くに住んでしょっちゅう様子を見に行きます。年をとった親も孫の世話をするので、寂しくありません。

それに比べると、日本人の家族の関係は冷たいように見えます。アルバイト先で一緒だったあるおばあさんは一人暮らしでしたが、子どもや孫はあまり来ないと話していました。私はかわいそうに思いました。ベトナムは老人ホームも高いので、家族で助け合い、親の面倒をみるという考えが一般的です。

国によって文化や人の考え方は違います。私は大学の研究テーマで、最近ベトナム人留学生の犯罪が増えているという問題を取り上げています。せっかく勉強しに日本に来たのに、社会になじめず、バイトばかりで勉強にもついていけなくなり、大学を中退して犯罪に走ってしまうのです。

私は将来日本でベトナム人留学生や実習生をサポートする仕事につきたいです。彼らに日本とベトナムの生活習慣や文化の違いを教え、悩みの相談にのることで、日本で勉強や仕事がスムーズにできるように支えたいです。