【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)の学生が21日、同大附属図書館1階に図書館カフェ「おいしいミュージアム」をオープンした。県産の焼き芋、イチゴ、レンコンなどの食材を使ったスイーツと、コーヒー、ワインなどの飲み物を、地元笠間焼の器で提供する。

塚原正彦教授の起業入門講座「人が集まる”おいしいプロジェクト”をデザインしよう!」で学んだ2、3年生17人が、県の地方創生推進交付金を活用して「みんなのミュージアムカンパニー」を起業し、運営する。学生らは昨年11月から、食に関わる新しいビジネスを展開する地元起業家を授業に招き、計15回にわたって起業の志や仕事への思い、商品の提供の仕方や見せ方などを学んできた。

同大では今年4月から、地域資源を地域活性化に役立てる文科省の職業実践力育成プログラム「地域デザイン学芸員」の育成に取り組むことから、新しい学芸員に向けた訓練でもあるという。

図書館に設けられたカフェは、中央に大きなテーブルが配置され、学生たちが選んだ食や旅などの本が並べられている。ヨーロッパでカフェが生まれた17、18世紀は、カフェの中央に大きなテーブルがあり、文化や思想について議論が交わされ、情報交換の場となったことから配置したという。

スイーツのメニュー作りや、食材を紹介する絵本作りを担当した情報経営学部ビジネスデザインコース3年の村木奈緒子さん(21)は「県内の食材や器を通して、茨城の大地の力を知ってもらい、食べて楽しんで、本を読んで知識を付けてくれれば」と話している。

スイーツ食材の焼き芋を提供した「ポテトかいつか」(かすみがうら市)の貝塚みゆき社長は「地域の多様な企業とコラボして地域の食を発信しており、大変おもしろい試み」と感想を話し、指導した塚原教授は「ここにしかないワクワクする空間のミュージアムができたのではないか」と語っていた。

◆図書館カフェは3月10日までの2週間のみ開店する。開店時間は午前11時30分~午後4時。日曜休館。メニューは▽天使の魔法(焼き芋「紅天使」とコーヒー)500円▽ムセイオンの夢(イチゴ、サツマイモ、レンコンを組み合わせたスイーツ)880円▽大地のチカラ(専門家が選んだイタリア産ワイン)1杯500円など。

「おいしいミュージアム」に変身した附属図書館