筑波学院大学(つくば市吾妻)に今年度、英語力を高度な水準に高めるILA(国際教養)コースが開設されたのを記念した特別講演が24日、同大学で催された。筑波大出身でNHKラジオ英会話講師として知られる大西泰斗東洋学園大教授が「話せる英語をどう学ぶのか」と題して記念講演し熱弁を振るった。

今年4月、同大に新設された21世紀型教育研究所(所長・望月義人学長)が主催した。県内外の高校生や大学生、英語教育関係者など計約300人が対面とオンラインで聴講した。

大西教授は「中学、高校の英語教育は英語を読むためのもの。読む教育に慣れてしまって、話すためのベーシックを学習してない」と現在の英語教育を批判し、「英語が話せないのは私たちのせいではない。学習したらしゃべれるようになる」と強調した。

さらに、前置詞や完了形、語順などを例に、英語の体系やルールを理論的に解説し、「日本語と英語で決定的に違うのは語順。語順の違いを乗り越えなくてはいけない」などと語った。

話せる英語を学ぶ方法として、英文を何度も何度も口に出して読み、頭の中に入れることの重要性を強調し、「気楽な聞き流しでは頭の中に残らない。しっかり何度も何度も意識して暗唱する、苦手な英文にターゲットを絞って頭の中にたたき込むことが必要」などと話した。

参加した高校の英語教員からは「生徒から『将来、英語は使わないのになぜ勉強するのか』と聞かれる。それにどう答えたらいいのか」などの質問が出て、大西教授は「英語は自分の世界に壁をつくらないために勉強する。心の中に(英語がしゃべれないという)傷を持ち続ける必要はない。半年ぐらいの努力があれば何とか話せるようになる」と述べた。

筑波学院大に今春開設されたILAコースは、1年次に週10コマ以上の集中プラグラムで英語のシャワーを浴びる。2年次には米国の名門大、カリフォルニア大学デービス校に留学するなど、英語でディスカッションやプレゼンテーションができる、世界で活躍する人材を育成する。

21世紀型教育研究所は、英語力、思考力、コミュニケーション力、ICTリテラシーの四つの力を磨く教育を実践し、高校生や一般向けセミナーを開いたり、研究成果を発表したり、学内教員の研修を実施する研究所として今春、同大に設置された。