土浦生まれ土浦育ちの女子大生が、卒業制作で中城通り(土浦市中央)のリーフレットを作成した。A4判、両面カラーを3つ折りにして、コンパクトに持ち歩けるようにしている。制作したのは今月12日、筑波学院大学を卒業した秋間綾乃さん(22)だ。

リーフレットを制作した秋間綾乃さん=筑波学院大学(つくば市吾妻)

同市小岩田で生まれ育ち、2019年12月家族とともに土浦駅近くに転居した。新型コロナ感染拡大の影響で緊急事態宣言が出た2020春、中城通りを初めて歩き、江戸情緒あふれる街並みや雰囲気に強く惹かれたという。そのとき「卒業制作は中城通りの魅力を伝えるリーフレットを作りたいと思った」と話す。

掲載したスポットは「まちかど蔵大徳」「まちかど蔵野村」「沼尻墨僊(ぼくせん)寺子屋跡地」「矢口家住宅」「喫茶 蔵」「吾妻屋総本店」の6カ所。中城通りは、旧水戸街道の宿場町、土浦の商業の中心として栄えた。現在は、土浦の歴史散策の観光拠点となっている。

写真もすべて自分で撮影、案内文は同市図書館で関連図書を借りて調べ、作成したという。ピクトグラム(絵文字)やマップ、文字装飾などすべて秋間さんによるデザインだ。

7月からデザイン系ソフト、イラストレーターを使って制作にとりかかった。毎週オンラインゼミで担当教授から指導を受けながら何度も微調整を行い、12月下旬にようやく完成した。

日本語版タイトル

英語版も作成、市役所で配布中

外国人にも手に取ってもらおうと英語版も作成した。案内文は自分で英訳したものを大学の英語担当教授にアドバイスしてもらい、よりネイティブな表現に修正した。

「せっかくいいものができたのだから、土浦市役所に置いてもらえるか聞いてみたら」という担当教授のアドバイスを受けて、市に問い合わせたところ快諾されたという。100部印刷し、すべて秋間さん自身の手で三つ折りにして市役所に届けた。

同市役所商工観光課の職員は「なかなか思いつかない色使い。きれいなリーフレットを作ってもらえてよかった。今後も何らかの形で応用させてもらえたら」という。秋間さんは「歴史の長い中城通りの魅力が、少ない情報量でもしっかり伝わるように作った。地元の方や初めて訪れる方も手に取って楽しんでもらえたら」と語る。

英語版タイトル

リーフレットは無料。英語版は同市役所2階市民活動コーナー、日本語版・英語版ともに3階商工観光課前のラックに置いてある。(伊藤悦子)