コロナ禍でアルバイトが減り生活に困っている学生を支援しようと、筑波学院大学(つくば市吾妻)で16、17日の2日間、学生に食品や日用品を無料で配布する「フードパントリー」が開かれている。

つくば青年会議所OB有志(小椋直樹代表)と、食を通じた子供たちの支援に取り組む市民団体「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の協力を受けて開設した。両団体は、学生が地域に出て社会活動を実践する同大の教育プログラムの学生受け入れ団体として、長年、同大と関わってきた。

今年1月、同青年会議所の関係者から、教育プログラムを担当する同大教員に「筑波大生を対象とした食料支援はやられているが、学院大生は大丈夫でしょうか」などの問い合わせがあったのがきっかけ。

教員らは、ひとり親家庭などに食料支援を実施している「竹園土曜ひろば」に支援方法のノウハウなどを尋ね、同大地域連携センター(高嶋啓センター長)が取り組むことになった。

無料配布する食品や日用品は、飲料水、野菜、コメ、レトルト食品、カップ麺、トイレットペーパー、生理用品など約100品目。事前に申し込みを受け付けた30人分を含め計50人分を、2団体が準備し、提供した。イスラム教徒の留学生もいることから、豚肉などを使用していない加工食品なども特別に用意した。

16日、同大の学内食堂に食品や日用品がずらりと並べられ、訪れた学生は必要な食品や日用品をそれぞれ持ち帰った。

市内に住む同大4年の女子学生は「バイトしようと、去年、飲食店の面接を3~4社受けたが、1社しか受からなかった。今年1月、面接に受かったお店で仕事を始めた途端、県の緊急事態宣言が出て、『お客さんの予約がある日だけ来て』といわれた。アルバイトが減って大変」だと語った。

市内の4年男子学生は「4月から都内で一人暮らしをする。引っ越し費用がかさむので、生活必需品がもらえて、ありがたい」などと話していた。

食品や日用品の無料配布は同大生を対象に17日も実施される。(鈴木宏子)