《学生インタビュー》1 本気で考え抜いた経験を将来へ

インタビューを受ける津田朱音さん

筑波学院大学は開学した2005年度から社会力豊かな人材の育成を目的に、つくば市をキャンパスにした社会参加型の教育プログラムОCP(オフ・キャンパス・プログラム)を実践している。

ОCPは必修授業で、学生全員が地元企業や自治体、NPО法人、報道機関などの人々と協働する。活動は社会教育、国際、文化、環境、まちづくりなど多岐にわたり、開学時から13年度までにОCPを支援し、学生を受け入れた地域の団体は169団体に上る。

社会に直結したОCP活動で何を知り、社会に羽ばたく道しるべになったのか、ОCPを経験した学生に話を聞いた。

経営情報学部ビジネスデザイン学科3年
津田 朱音さん
県立笠間高校出身

ーー2年生の夏、DAS(ダンス・アソシエーション・シーズ)で活動した理由は何ですか?

習ったことはありませんが子どもの頃からダンスが好きで、ここで出来たらいいなと。「幅広い年代の人たちとコミュニケーションをとる」「積極的に行動する」を目標に、キッズサマースクールのまつりつくばに向けたレッスンと合宿、本番のステージ発表のサポートをしました。活動時間は合計72時間でした。

ーー印象深かったのは?

小学1~4年の児童約30人でしたが、レッスン中に指導の先生から「休憩」の指示があっても、子どもはパワフルで休まない。その上言う事を聞かない、座らない、集まらないの無い無い尽くし。「誰が1番に座るか」と遊びを取り入れるなど工夫しました。熱中症や嘔吐する子もいて、子育て中のお母さんや大人数の児童を預かる先生の大変さが理解できるようになり、視野が広がりました。

まつりつくばの野外ステージ脇で出番を待つ子どもたちと

ー発見はありましたか?

「コミュニケーションとは会話すること」と思っていましたが、そうではありませんでした。子どもたちに学校で流行っている手遊びを教えてもらって、一緒に遊ぶことで打ち解けることができ、体を使うこともコミュニケーションの一つだと学びました。

合宿は筑波山中腹のつくば松実高校の体育館で行われ、山頂に近いロッジで宿泊しました。寝静まった10時、1人の児童がいないことが判明しました。山中で周りは真っ暗。オロオロしながらロッジの職員に自分の言葉で状況を説明して協力を求める場面がありました。人に伝えることの難しさが分かり、とても勉強になりました。児童は眠れずに外で風に当たっていたそうです。

それから責任感への考えが変わりました。活動前まで「自分には責任感はあるほうだ」と思い込んでいましたが、体験を通じて「責任は重い」を実感。それまでの責任感は責任ではなかったかも知れないと思います。

ーー学生生活にどんな影響が?

大学生のうちにできることは前向きに取り組もうと、ОCP活動後に学内で開催された「難民映画祭」に参画しました。難民キャンプの子どもたちが描いたイラストを使った映像と、ダンスを融合した学生主体のプロジェクトで、私は難民キャンプの廃棄テントを手に入れて衣装を制作。衣装を着てダンスパフォーマンスを披露しました。テントの生地は分厚くて縫うのに苦労しましたが達成感がありました。

また、元気にダンスを楽しんでいた子どもたちに刺激を受け、ダンスサークル「STEP」を立ち上げて代表になりました。大学体育館のトレーニングルームで週3回練習しています。ОCP活動で知り合ったDASの先生の協力を仰げるのも幸いしています。

ーー卒業後、自分のやりたいことは見つかりましたか?

まだ絞り込めていません。ただ、活動を通じて心底子どもが好きなことが分かったので、福利厚生の整った環境で子どもを産み育てたい。将来を考えると不安も付いてくる。でも、やれば吸収できるものがあるし、やらないのはもったいないと思ってます。

(インタビュアー:橋立 多美)