情報デザイン学科2年 オウライ(王雷)

皆さん、こんにちは。王雷(オウライ)と申します。筑波学院大学2 年生です。2014年7月に中国の山東省から参りました。どうぞよろしくお願いします。故郷は春秋時代の中国の思想家、孔子と同じ、山東省の曲阜(きょくふ)です。街はユネスコの世界遺産にも登録されています。

中国では高校を卒業後、専門学校に入り、ホームページの制作などをするIT企業で4年間働きました。小さい頃、日本の漫画やアニメをよく見ていて日本にすごく興味があり、日本を選びました。姉も水戸市に住んでいます。きょうだい2 人とも日本に行ってしまい両親が寂しがっているのが気がかりです。

来日後は、東京の日本語学校で1年間学んだ後、筑波学院大学に入り、現在、情報システムコースで勉強しています。中国では主にプログラミングやシステム開発の仕事をしていたのですが、大学ではデザインも勉強しています。プログラミングは得意なのですがデザインはちょっと苦手意識があります。

学費と生活費を稼ぐため週5日、ファミリーレストランとコンビニでアルバイトをしています。疲れもあって休日は家で1人で過ごすことが多いです。勉強とアルバイトの両方を頑張らなくてはならないという、留学生のつらさも時折感じます。

もっと勉強して、卒業後はしばらく日本で働き、将来は中国と日本の二つの国を行き来するITの会社をつくりたいと思っています。

土浦キララまつりで筑波学院大の友達と出店した際の1枚(右端がオウライさん)=2017年8月7日

■日本文化のシャワー浴びたい

日本の歴史や文化にとても興味があります。日本語学校のとき、侍の歴史を紹介した都内の観光施設に行きました。よろいかぶとを着たり、居合いの体験ができとても面白かったです。日本の大河ドラマにも興味があり、京都や奈良にも行きたいですし、これから日本文化のシャワーを浴びたいです。

中国には「一衣帯水(いちいたいすい)」という言葉があります。両者は、一筋の細く長い流れで隔たっているだけで、とても関係が深いという意味です。中国と日本は一衣帯水の隣国ですので、昔からいろいろな交流がありました。両国の生活習慣と文化も深く結びついています。地理的な距離に加え、同じ漢字を使う国として、私は中国と日本をとても近くに感じます。

■人との縁大切に前に進みたい

私の一番好きな日本の言葉は一期一会です。日本語学校で初めて教わり、日本語の中で一番よい言葉だと思いました。一期一会は、茶道に由来する日本のことわざです。あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡ってこないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切にしましょうという意味です。

中国語には「十年修得同船渡」という言葉があります。本来は「十年修得同船渡、百年修得同枕眠」という中国のことわざです。その人と同じ船に乗るに至るまで前世に百年の試練があった、人と人の出会いは一生に一度しかないご縁なのだから誠意を尽くせと言う意味です。

日本に来て3年以上経ちました。中国を離れるとき親しい友達と別れ、知らない生活環境に変わりました。時間が経ち、日本の生活にだんだん慣れ、そして、日本、ベトナム、イラクなど様々な国の人と日本で友達になりました。周りの人に挨拶したり、バイト先の同僚たちと毎日元気に仕事をする日常の中で、日本社会の優しさを感じ、多様な文化に触れ、気が置けない友達を作ることもできました。

私たち人間は、一人で生きていくことは出来ません。人と出会うこと、それは縁です。今住んでいる地球には70億人いますけど、今、私たちがここで出会って、話をしていること自体、すごく珍しいことなのです。自分の無限の可能性を信じ、「一期一会」により、人との縁を大切に、前に進んでいきたいと思います。